アーバンテラス茶屋町は、大阪市北区茶屋町にある商業施設です。一般的なショッピングモールのように大きな建物へ店舗を集約するのではなく、複数の低層建築を組み合わせ、建物の間に路地を設けた構成が大きな特徴です。
設計を担当したK計画事務所のプロジェクト紹介によると、計画の背景には、茶屋町に残る古い住宅や店舗、細い路地がつくり出す独特の街並みがありました。大規模で均質な建物を建てるのではなく、周辺のスケールに合わせながら、質の高い店舗空間を実現することが目指されています。
施設は2006年3月に竣工。同月31日にグランドオープンしました。開業当時はファッション、生活雑貨、美容、飲食など11店舗が入居し、関西初出店のショップも含まれていました。
現在はJMFビル梅田01という名称でも管理されており、施設の歴史を理解するには、開業当時と現在の両方の情報を押さえる必要があります。
施設の基本プロフィール
基本情報一覧
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 施設名称 | アーバンテラス茶屋町 |
| 現在の物件名称 | JMFビル梅田01 |
| 所在地 | 大阪府大阪市北区茶屋町15-22 |
| 開業 | 2006年3月31日 |
| 建築時期 | 2006年3月 |
| 用途 | 商業施設・店舗 |
| 建築構成 | A棟・B棟・C棟 |
| 構造 | 鉄筋コンクリート造 |
| 設計 | 北山孝二郎+K計画事務所 |
| 総合プロデュース | 北山創造研究所 |
| 施工 | 竹中工務店・錢高組 |
| 受賞 | 第27回大阪都市景観建築賞 大阪市長賞 |
出典:K計画事務所、日本都市ファンド投資法人、週刊不動産経営の公開資料を基に整理。
【運営会社・設計者・施工会社】アーバンコーポレイションとの関係を整理

アーバンテラス茶屋町を理解するうえで、開発した会社、建築設計を担当した事務所、実際に施工した会社、現在の物件管理に関わる主体を区別が必要です。
インターネット上では、アーバンコーポレイションが運営会社として紹介されることがあります。これは開業当時の開発主体を理解するうえでは重要な情報ですが、2026年現在の資産保有・管理体制と同じ意味ではありません。
開発を手掛けたアーバンコーポレイション
開業当時の不動産専門紙「週刊ビル経営」の2006年4月3日付記事では、アーバンコーポレイション(広島市中区)が同施設の開発を進め、3月31日にグランドオープンしたと報じられています。
同社は茶屋町の街並みを生かした商業開発を企画し、個性的な店舗を誘致しました。単に商業床を確保するだけではなく、地域の回遊性や景観を意識した開発だったことが、当時の記事から読み取れます。
設計者は北山孝二郎+K計画事務所
建築設計を担当したのは、北山孝二郎+K計画事務所です。
K計画事務所の公式プロジェクト紹介では、担当者として北山孝二郎氏と岡田洋一郎氏が記載されています。また、基本設計、実施設計、工事監理を業務範囲として挙げています。
総合プロデュースを担当したのは北山創造研究所です。設計事務所と総合プロデュースを担当する組織は、それぞれ異なる役割を担っています。
施工会社は竹中工務店と錢高組
施工については、竹中工務店だけでなく、錢高組も担当したことが当時の不動産専門紙に記録されています。
したがって、施工会社を竹中工務店のみと紹介するよりも、両社の名前を挙げる方が開業時の記録に沿った説明になります。
開発・設計・管理に関わる主体の関係表
| 関係者・組織 | 担当・役割 | 確認できる内容 |
|---|---|---|
| アーバンコーポレイション | 開発主体 | 2006年の開業時に開発を推進 |
| 北山孝二郎 | 建築設計 | K計画事務所の担当者 |
| K計画事務所 | 建築設計・工事監理 | 基本設計・実施設計・工事監理 |
| 北山創造研究所 | 総合プロデュース | 開業時のプロジェクト全体を企画 |
| 竹中工務店 | 施工 | 錢高組とともに施工を担当 |
| 錢高組 | 施工 | 竹中工務店とともに施工を担当 |
| 日本都市ファンド投資法人 | 資産保有・運用 | JMFビル梅田01として物件を掲載 |
| 阪急阪神ビルマネジメント | 運営・管理 | 2023年のテナント誘致発表資料に記載 |
このように、アーバンテラス茶屋町は一社だけで完成・運営されてきた施設ではありません。開発、設計、施工、資産運用、建物管理という異なる役割が関係しています。
特に現在の管理体制については、日本都市ファンド投資法人の物件情報と、2023年のTAMASHII SPOT OSAKA誘致に関する発表資料を照らし合わせると、開発当時との違いが理解できます。
【建築デザインの特徴】第27回大阪都市景観建築賞・市長賞を受賞した理由
アーバンテラス茶屋町の建築的な価値は、見た目の斬新さだけではありません。周辺の街並みを読み取り、商業施設としての機能と都市景観を両立させた点にあります。
1. 大型商業施設ではなく3棟の建物で構成
施設はA棟・B棟・C棟の3棟で構成されています。それぞれの建物を独立した店舗群のように見せ、建物の間には歩行者が通れる路地空間を設けています。
この設計によって、施設全体が一つの巨大な箱に見えることを避けています。訪問者は建物の外周だけを歩くのではなく、路地を通りながら各店舗へアクセスできます。
茶屋町には、昔ながらの住宅や小規模店舗が残っていました。設計者は、その街並みを一律に更新するのではなく、既存の街の雰囲気を受け継ぐ建築を目指したのです。
2. 路地と店舗を一体化した空間構成
注目したいのは、建物の間に設けられたコリドールです。
一般的な商業施設では、店舗を館内通路に沿って配置し、来館者を建物の内部に誘導します。一方、アーバンテラス茶屋町では、街路に近い感覚で店舗を巡れるように構成されています。
建築を単独の商業施設として完結させず、茶屋町の街並みの延長として位置付けている点が特徴です。
3. テナントの自由度を考慮した構造
構造面でも、商業施設ならではの工夫が見られます。
金箱構造設計事務所の公開実績によると、外周には鉄筋コンクリート造の強固な構造を配置し、内部はフラットスラブの床を鋼管柱で支える構成です。
外周部の柱には扁平な斜め柱を採用し、強度の高いラーメン構造を形成しています。
こうした構成には、テナントが入居する際の設備配置や天井設計に柔軟性を持たせる狙いがあります。店舗の業態や内装が変わる商業施設では、建築当初から将来的な使い方を想定しておくことが重要です。
4. 第27回大阪都市景観建築賞の大阪市長賞
アーバンテラス茶屋町は、第27回大阪都市景観建築賞(大阪まちなみ賞)の大阪市長賞を受賞しています。
大阪市の都市環境関連資料では、平成19年度の表彰作品として同施設が掲載されています。つまり、2007年度に行われた第27回の受賞実績です。
大阪都市景観建築賞は、周辺環境の向上に貢献し、景観上優れた建築物や街並みを評価する制度です。大阪府や大阪市、建築関係団体などが関わり、1981年から実施されています。
この受賞は、建物単体のデザインだけでなく、周辺環境との関係を含めて評価された点に意味があります。
アーバンテラス茶屋町の場合、低層の建物構成、路地空間、店舗の独立性、茶屋町の既存景観との調和が、施設の特徴を理解するうえで重要な要素です。
【店舗・テナント一覧】2026年に利用できる主なショップと営業時間
アーバンテラス茶屋町は、開業当時から店舗の入れ替わりを経て現在に至っています。
2006年の開業時には11店舗が入居していました。一方、日本都市ファンド投資法人の物件情報では、JMFビル梅田01のテナント数は12、稼働率は100%と掲載されています。
現在の店舗を調べる際には、各テナントの公式店舗情報を確認するのが確実です。
主な入居店舗
ブルーボトルコーヒー 梅田茶屋町カフェ
A棟
コーヒーを中心としたカフェ。公式店舗情報では49席を備え、Wi-Fiにも対応しています。
営業時間:8:00~21:00
公式店舗情報・2026年確認
LOFTMANCOOP UMEDA
B-1・C-2
国内外のファッションブランドを取り扱うセレクトショップ。1階と2階で異なる商品構成を展開しています。
営業時間:
- 平日 12:00~20:00
- 土日祝 11:00~20:00
公式店舗情報・2026年確認
TAMASHII SPOT OSAKA
C棟1階
BANDAI SPIRITSの「TAMASHII NATIONS」公式ショップ。フィギュアやロボット関連商品、店舗限定商品などを扱います。
営業時間:10:00~20:00
公式店舗情報・2026年確認
営業時間は施設全体で統一されている?
ここは間違えやすいポイントです。
アーバンテラス茶屋町には、施設全体で一律に適用される営業時間があるというより、各テナントがそれぞれ営業時間を設定しています。
例えば、ブルーボトルコーヒーは朝8時から営業していますが、LOFTMANCOOP UMEDAは平日12時からです。TAMASHII SPOT OSAKAは10時から営業しています。
したがって、朝のカフェ利用、昼間の買い物、フィギュア関連商品の購入など、目的に合わせて訪問時間を決めるのがおすすめです。臨時休業や営業時間の変更については、各店舗の公式告知を確認してください。
なお、ここに掲載したのは確認できた主な店舗であり、全12テナントの完全な店舗一覧を意味するものではありません。
【アクセス・所在地】大阪梅田駅から徒歩3分の好立地
アーバンテラス茶屋町の所在地は、大阪府大阪市北区茶屋町15-22です。
阪急大阪梅田駅やJR大阪駅から徒歩でアクセスできるため、梅田周辺での買い物や食事と組み合わせて訪問しやすい立地にあります。
最寄り駅からのアクセス
| 交通機関 | 所要時間の目安 |
|---|---|
| 阪急 大阪梅田駅 | 徒歩約3分 |
| JR 大阪駅 | 徒歩約8分 |
上記はTAMASHII SPOT OSAKAの公式アクセス情報に掲載されている所要時間です。施設内の店舗を訪れる場合も、目安として利用できます。
訪問時に知っておきたいポイント
阪急大阪梅田駅から向かう場合は、茶屋町方面へ進むとアクセスしやすくなります。
また、施設は3棟に分かれているため、目当ての店舗がA棟・B棟・C棟のどこに入っているかを事前に確認しておくと、現地で迷いにくくなります。
ブルーボトルコーヒーはA棟、LOFTMANCOOP UMEDAはB棟・C棟、TAMASHII SPOT OSAKAはC棟1階です。
大規模モールのように一つの入口から館内へ入る形式ではないため、店舗の位置を把握してから訪れると効率的です。
【2026年の施設の現状】旧名称と現在の物件名称はどう違う?
アーバンテラス茶屋町を検索すると、「JMFビル梅田01」という別の名称が見つかることがあります。
これは別の場所にある建物ではありません。日本都市ファンド投資法人が運用する物件として、名称が変更されたものです。
日本都市ファンド投資法人の2022年10月19日付発表によると、旧名称「Gビル梅田01」から「JMFビル梅田01」へ名称が変更されました。
そのため、現在の不動産情報や資産運用関連資料ではJMFビル梅田01という名称が使われています。一方、建築作品としての紹介や店舗の所在地では、アーバンテラス茶屋町という名称も引き続き使われています。
施設の主な歩み
2006年3月
建築竣工。3棟からなる商業施設として整備される。
2006年3月31日
アーバンテラス茶屋町がグランドオープン。当初は11店舗が入居。
2007年度
第27回大阪都市景観建築賞の大阪市長賞を受賞。
2015年10月8日
日本都市ファンド投資法人が旧Gビル梅田01の取得を完了。
2022年10月19日
物件名称をJMFビル梅田01に変更。
2023年9月28日
TAMASHII SPOT OSAKAがC棟1階にオープン。
2026年
ブルーボトルコーヒー、LOFTMANCOOP UMEDA、TAMASHII SPOT OSAKAなどの店舗情報が公式サイトで確認できる。
この変遷を見ると、施設は開業時の商業開発という位置付けから、現在は複数のテナントが入居する不動産運用物件としての側面も強くなっていることが分かります。
【プロの結論】アーバンテラス茶屋町が建築として評価される本当の理由
アーバンテラス茶屋町の価値を考えるとき、単純に店舗数や商業規模だけで評価するのは適切ではありません。
この施設の特徴は、商業施設を街の中にどのように配置するかという都市設計上の課題に、一つの回答を示したことです。
一般的な大型商業施設は、限られた土地に多くの店舗を集約し、効率的な動線をつくることを重視します。一方、アーバンテラス茶屋町は、3棟に分けることで建物の圧迫感を抑え、路地を通じて街との接点を確保しました。
この発想は、茶屋町というエリアの個性とも結び付いています。歴史ある住宅や小規模店舗が残る街に、巨大な商業施設をそのまま持ち込むのではなく、建物の大きさや店舗の見え方を調整することで、地域の景観との調和を図っています。
この施設を評価するための3つの視点
1. 建築と街並みの関係
建物単体の美しさだけではなく、路地や周辺の店舗とどのようにつながっているかを見ることが重要です。大阪市長賞の受賞実績も、この視点から理解できます。
2. 商業施設としての柔軟性
店舗ごとの個性を尊重し、テナントの内装や設備変更にも対応しやすい構造を採用しています。長期的に商業施設として利用するうえで、建築的な合理性があります。
3. 開業時と現在の変化
開業当初のアーバンコーポレイションによる開発と、現在のJMFビル梅田01としての資産運用は、別の時間軸で理解する必要があります。施設の歴史を調べる際には、旧名称と現在の名称、開発主体と管理主体を混同しないことが大切です。
建築に関心がある人、梅田周辺で個性的な商業空間を探している人、都市景観の観点から大阪の街を見てみたい人にとって、アーバンテラス茶屋町は訪れる価値のある施設です。
反対に、大型ショッピングモールのように多数の店舗を一度に比較したい人や、館内で長時間過ごせる総合型施設を探している人には、期待する利用スタイルと異なる可能性があります。
【アーバンテラス茶屋町に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:アーバンテラス茶屋町はどこにありますか?
A1:大阪府大阪市北区茶屋町15-22にあります。阪急大阪梅田駅から徒歩約3分、JR大阪駅から徒歩約8分です。
Q2:アーバンテラス茶屋町の設計者は誰ですか?
A2:北山孝二郎+K計画事務所です。基本設計、実施設計、工事監理を担当し、総合プロデュースは北山創造研究所が手掛けました。
Q3:アーバンテラス茶屋町の施工会社はどこですか?
A3:竹中工務店と錢高組です。2006年の開業時の不動産専門紙に両社の施工担当が記録されています。
Q4:大阪都市景観建築賞では何賞を受賞しましたか?
A4:第27回大阪都市景観建築賞(大阪まちなみ賞)の大阪市長賞です。平成19年度の表彰作品として大阪市の資料にも掲載されています。
Q5:アーバンテラス茶屋町の営業時間は何時から何時までですか?
A5:施設全体で統一された営業時間ではなく、各店舗によって異なります。ブルーボトルコーヒーは8:00~21:00、LOFTMANCOOP UMEDAは平日12:00~20:00・土日祝11:00~20:00、TAMASHII SPOT OSAKAは10:00~20:00です。
Q6:アーバンテラス茶屋町とJMFビル梅田01は同じ建物ですか?
A6:同じ物件です。日本都市ファンド投資法人が2022年10月19日に旧Gビル梅田01からJMFビル梅田01へ名称変更しました。アーバンテラス茶屋町は開業時から使われている名称です。
Q7:現在もアーバンテラス茶屋町には店舗がありますか?
A7:はい。公式店舗情報では、ブルーボトルコーヒー、LOFTMANCOOP UMEDA、TAMASHII SPOT OSAKAなどの店舗が確認できます。各店舗の最新の営業状況は公式告知で確認してください。
まとめ:アーバンテラス茶屋町は大阪・茶屋町の街並みを生かした商業建築
アーバンテラス茶屋町は、大阪市北区茶屋町に2006年に誕生した、3棟構成の個性的な商業施設です。
北山孝二郎+K計画事務所による設計、竹中工務店と錢高組による施工、そして第27回大阪都市景観建築賞の大阪市長賞という実績を持っています。
特に評価したいのは、建物の規模を大きくするのではなく、路地や低層建築を組み合わせることで、周辺の街並みとの調和を実現した点です。
また、アーバンコーポレイションによる開発から、日本都市ファンド投資法人によるJMFビル梅田01としての運用へと、施設を取り巻く環境も変化してきました。現在はコーヒー、ファッション、キャラクター関連商品など、異なるジャンルの店舗が入居しています。
2026年に訪れる場合は、施設の建築的な魅力を楽しむだけでなく、目的の店舗が入る棟と営業時間を事前に確認しておくと便利です。
商業施設としての利便性と、都市景観を考慮した建築デザイン。その両方を備えていることこそ、アーバンテラス茶屋町が長く注目される理由です。