漫画『脳外科医 竹田くん』のモデルとされる医師は、元赤穂市民病院の脳神経外科医・松井宏樹氏です。兵庫県赤穂市民病院で2020年1月22日に発生した腰椎手術中の医療事故をめぐり、松井氏は2026年3月12日、業務上過失傷害罪で禁錮1年、執行猶予3年の有罪判決を受けました。加えて、3月27日には控訴がなかったことによる判決確定が報じられています。
一方、漫画作者が被害患者の親族であることの公表、約8900万円の損害賠償判決、作者らに対する刑事告訴と不起訴、大阪地裁での債務不存在確認訴訟など、問題は複数の法的争点に広がっています。2026年7月には被害者家族側が新たな損害賠償請求訴訟についても公表しました。ここでは、報道・病院の公式発表・裁判の経過を時系列で整理します。
【この記事の重要ポイントまとめ】
- モデル医師:漫画の主人公・竹田くんのモデルと報道されているのは、元赤穂市民病院の松井宏樹氏。
- 有罪判決:2026年3月12日に禁錮1年、執行猶予3年。3月27日に判決確定が報じられた。
- 民事判決:2025年5月、松井氏と赤穂市に約8888万円の損害賠償が命じられ、同年6月に確定。
- 漫画作者の刑事告訴:2026年2月20日付で不起訴。刑事事件の不起訴と民事訴訟の結論は別問題。
- 2026年最新動向:医師の勤務先からの退職、医師免許の行政処分問題、漫画をめぐる民事訴訟などが引き続き焦点となっている。
【結論】脳外科医竹田くんのモデルは松井宏樹医師?実話との関係

『脳外科医 竹田くん』の主人公のモデルとして報道されている人物は、松井宏樹氏です。
2026年3月12日、テレビ朝日や赤穂民報などは、赤穂市民病院の医療事故をめぐる刑事裁判で有罪判決が言い渡されたことを報じました。テレビ朝日の報道でも、松井氏が漫画のモデルとなった医師であると紹介されています。
ただし、漫画の登場人物と実在の医師を完全に同一視することはできません。作品は実際の医療事故や病院内の問題を題材にしたフィクションであり、舞台となる病院名も実在の赤穂市民病院ではなく「赤池市民病院」と設定されています。
漫画『脳外科医 竹田くん』とはどんな作品?
『脳外科医 竹田くん』は、2023年1月から7月にかけてインターネット上で公開されたウェブ漫画です。約140話を超えるエピソードで構成され、地方の市民病院を舞台に、医療事故や病院組織の対応、医療安全管理の問題を描いています。
主人公の竹田は、手術の技量や判断力に問題を抱えながら医療現場で働く脳外科医として描かれています。また、上級医による監督、医療安全部門の機能、病院幹部の対応なども物語の重要なテーマです。
この作品の特徴は、単に一人の医師の失敗を描くだけではなく、重大な医療事故が起きた後に病院組織がどのように対応するのかという問題まで取り上げている点です。
漫画作者は2025年2月に被害患者の親族と公表
作者は連載当初、実名や被害者との関係を明らかにしていませんでした。しかし、2025年2月5日に公開した声明文で、自身が赤穂市民病院で2020年1月22日に発生した医療過誤の被害女性の親族であることを公表しました。
声明では、病院関係者や医療従事者から得た情報、報道資料、裁判資料、公的資料などを参考に作品を制作したと説明しています。
作者が問題提起の対象としたのは、手術そのものだけではありません。なぜ事故が繰り返されたのか、なぜ病院内で適切な検証が行われなかったのかという組織的な問題も含まれています。
作者自身が実際の被害者の親族であると明かしたことにより、作品は単なる医療漫画ではなく、現実の医療事故を社会に伝えるための告発的な作品としても受け止められるようになりました。
【医療事故の真相】2020年1月22日、赤穂市民病院で何が起きたのか
一連の問題の出発点は、2020年1月22日に兵庫県の赤穂市民病院で行われた腰椎の手術です。
当時74歳だった女性患者は、脊柱管狭窄症と診断され、腰椎の一部を切除する手術を受けました。執刀したのは、当時同病院の脳神経外科に勤務していた松井宏樹医師です。
ドリルによる神経損傷と重い後遺障害
裁判で認定された事故の経緯は、次のようなものです。
- 腰椎の一部を切除する手術が行われた。
- 手術中に出血があり、切削する場所を目視することが困難になった。
- 十分な止血措置が行われないまま、医療用ドリルによる切削が続けられた。
- ドリルが硬膜を損傷し、神経を巻き込んで切断した。
- 患者には両下肢のまひや膀胱直腸障害などの重い後遺障害が残った。
2026年3月12日の刑事判決では、止血が不十分で術野に血液などがたまり、どの部分を切削しているのか理解しにくい状況でドリルによる切削を続けたことが事故の原因と認定されました。
裁判所は、視野が確保できないのであれば切削を中断し、止血措置を待つべきだったと判断しています。
医療事故8件の報道と、11件という数字の違い
松井氏が赤穂市民病院に勤務していた時期には、複数の医療事故が発生していたことも明らかになっています。
2019年7月に着任した松井氏について、2021年12月の神戸新聞報道では、着任後に関わった手術で8件の医療事故が発生したと伝えられました。
重要なのは、8件すべてが医療過誤と認定されたわけではないことです。病院は外部有識者による検証を踏まえ、神経を切断した女性の事例1件について医療過誤を認め、ほかの7件については過失による医療過誤ではないとの判断を示しました。
さらに2022年3月には、赤穂市民病院が新たに3件の医療事故を明らかにし、合計11件となりました。ただし、この新たな3件についても病院は医療過誤ではないと判断しています。
したがって、ネット上で見かける「8件」と「11件」という数字は、報告された時期や調査の範囲が異なることによるものです。事故件数と過失が認定された件数を混同しないことが重要です。
【時系列一覧】赤穂市民病院の医療事故から2026年の判決確定まで
この問題は、2020年の手術事故から、病院の内部調査、民事裁判、刑事裁判、漫画をめぐる法的紛争へと発展しました。
主な出来事を年代順に整理すると、次のとおりです。
| 年月日・時期 | 出来事 | 確認できる内容・結果 |
|---|---|---|
| 2019年7月 | 松井氏が赤穂市民病院に着任 | 脳神経外科に勤務 |
| 2020年1月22日 | 腰椎手術で医療事故 | ドリルによる神経損傷。患者に重い後遺障害 |
| 2020年3月 | 手術の執刀などを禁止 | 病院による措置が報道される |
| 2021年8月 | 民事訴訟を提起 | 患者と家族が松井氏と赤穂市を提訴 |
| 2021年8月末 | 松井氏が赤穂市民病院を退職 | 依願退職 |
| 2021年12月 | 医療事故8件が報道される | 病院は8件中1件を医療過誤と判断 |
| 2022年3月 | 追加の3件が判明 | 報告された事故は計11件に |
| 2023年1~7月 | 漫画を公開 | 『脳外科医 竹田くん』を連載 |
| 2023年10月 | 発信者情報開示請求 | モデルを名乗る医師側が手続き |
| 2024年6~7月 | 作者の情報が開示 | 東京地裁の開示命令を経て情報が提供されたと作者側が説明 |
| 2024年12月27日 | 松井氏を在宅起訴 | 業務上過失傷害罪 |
| 2025年2月5日 | 作者が声明を公表 | 被害女性の親族であることを明らかにする |
| 2025年3月5日 | 大阪地裁に提訴 | 漫画に関する債務不存在確認訴訟 |
| 2025年5月14日 | 民事判決 | 松井氏と赤穂市に約8888万円の賠償命令 |
| 2025年6月 | 民事判決確定 | 原告・被告双方が控訴せず |
| 2025年10月31日 | 吹田徳洲会病院を退職 | 同年1月から診療業務を完全に離れていた |
| 2026年2月20日 | 漫画作者らが不起訴 | 名誉毀損・信用毀損などの刑事告訴 |
| 2026年3月12日 | 刑事裁判で有罪判決 | 禁錮1年、執行猶予3年 |
| 2026年3月27日 | 刑事判決が確定 | 松井氏と検察側の双方が控訴せず |
| 2026年7月 | 新たな民事訴訟が公表される | 被害者家族側が医師から損害賠償請求訴訟を起こされたと公表 |
この年表から分かるのは、2025年の民事判決と2026年の刑事判決が、それぞれ独立した裁判であることです。民事では損害賠償責任が、刑事では業務上の注意義務違反による傷害の刑事責任が問われました。
【2025年の民事裁判】約8900万円の損害賠償判決は何を認めた?
2025年5月14日、神戸地裁姫路支部は、患者女性と家族が松井氏および赤穂市に求めていた損害賠償請求について、被告側に合計約8888万円の支払いを命じました。
原告側が求めていた金額は約1億4180万円です。判決では、手術中の執刀医の注意義務違反と、病院側の事故後の説明対応などが問題として取り上げられました。
裁判所が指摘した執刀医の注意義務違反
神戸地裁姫路支部の池上尚子裁判長は、出血によって視認性が十分に確保できていないにもかかわらず、骨の切除を進めた点を厳しく指摘しました。
「注意義務違反の程度は著しい」
また、病院側についても、事故後に迅速かつ十分な説明を尽くしたとは評価できないとの判断が示されました。
一方で、裁判所は病院の監督や安全管理について、手術をさせるべきではなかったとまで断定できるとは判断していません。この点は、個人の手術中の過失と病院組織の管理責任を分けて理解するうえで重要です。
約8900万円の判決は確定している
判決後、赤穂市は5月20日に控訴しない方針を表明しました。松井氏も代理人を通じて控訴しない意向を示し、原告側も控訴しませんでした。
2025年6月2日までに、原告・被告双方が控訴しなかったことによって約8888万円の賠償判決が確定したと、医療専門ニュースのm3.comが報じています。
この民事判決は、2026年3月の刑事判決とは別に確定したものです。つまり、患者側の損害賠償をめぐる裁判は、刑事裁判の結論を待たずに一つの節目を迎えていました。
【2026年3月】松井宏樹医師に禁錮1年・執行猶予3年の有罪判決
2024年12月27日、神戸地検姫路支部は松井氏を業務上過失傷害罪で在宅起訴しました。
そして2026年2月9日、神戸地裁姫路支部で初公判が開かれ、松井被告は起訴内容をおおむね認めました。
初公判で起訴内容を認める
検察側は、十分な止血をしないままドリルを操作したことや、目視による判断が困難な状況で切削を続けたことを問題として指摘しました。
一方、弁護側は、手術に立ち会った上級医にも責任があると主張しました。手術チームの支援体制や、当時の勤務環境についても議論されました。
3月12日の判決と裁判所の判断
2026年3月12日、神戸地裁姫路支部は松井被告に対し、禁錮1年、執行猶予3年の有罪判決を言い渡しました。検察側の求刑は禁錮1年6か月でした。
赤穂民報によると、佐藤洋幸裁判長は、十分な止血が行われず、切削箇所を理解することが困難な状態でドリルによる切削を続けたことを事故の原因と認定しました。
また、仮に助手の作業が不十分で止血ができなかったのであれば、ドリルによる切削を中断して作業の進捗を待つべきだったと判断しています。
被告側の主張をそのまま受け入れず、執刀医自身が手術を中断する判断をすべきだったという点を重視した判決です。
なぜ執行猶予が付いたのか
判決では、被告が医師として就労することが事実上難しい状況にあること、民事判決に基づく賠償に応じていること、法廷で過失を認めて謝罪したことなどが考慮されました。
加えて、経験の乏しい医師を支援するチームが十分に機能していなかった面についても言及されています。
これは、執刀医の刑事責任を認めながら、病院の組織的な医療安全体制にも問題があったことを示す重要な判断です。
2026年3月27日に有罪判決が確定
3月12日の判決に対し、松井被告と検察側の双方が控訴しませんでした。控訴期限は3月26日で、翌27日、赤穂民報が判決確定を報じています。
したがって、2026年10月30日現在、業務上過失傷害事件については、禁錮1年、執行猶予3年の有罪判決が確定しています。
【漫画作者への刑事告訴】名誉毀損事件が不起訴になった理由と大阪地裁の訴訟
『脳外科医 竹田くん』をめぐるもう一つの大きな争点が、漫画の表現をめぐる名誉毀損問題です。
松井氏側は漫画の作者を特定するために発信者情報開示請求を行い、その後、作者側は大阪地裁に債務不存在確認訴訟を提起しました。
2023年の発信者情報開示請求から2025年の提訴へ
弁護士ドットコムの2025年3月の報道によると、松井氏側は2023年10月に発信者情報開示命令を申し立てました。
東京地裁は2024年6月にプロバイダへの情報開示を命じ、同年7月に作者の氏名や住所などが開示されたとされています。
その後、作者側は2025年3月5日付で大阪地裁に債務不存在確認訴訟を提起しました。
この訴訟は、漫画の表現を理由として名誉毀損による損害賠償義務が存在するかどうかを争うものです。
作者側は、漫画の公益性や真実性などを主張し、法的責任がないことの確認を求めています。
2026年2月20日付で漫画作者らが不起訴
2026年3月2日、赤穂民報は、松井氏が漫画作者、被害患者の長女、赤穂市民病院在籍当時の上司を名誉毀損・信用毀損などの疑いで刑事告訴していたと報じました。
告訴は2025年7月に行われたとされ、神戸地検姫路支部は2026年2月20日付で、告訴対象者をいずれも不起訴としました。
この不起訴処分は、作者側にとって大きな節目です。ただし、不起訴は刑事裁判で無罪判決が出たこととは異なります。また、漫画のすべての表現について民事上の違法性が否定されたという意味でもありません。
弁護士ドットコムの2026年3月4日の報道では、作者側代理人も、刑事事件と民事事件では判断基準が異なるため、不起訴だけで民事訴訟の結論が決まるわけではないとの趣旨を説明しています。
大阪地裁の債務不存在確認訴訟はどうなった?
2026年6月5日付の月刊『政経東北』に掲載されたノンフィクションライター高橋ユキ氏の裁判傍聴記事では、この債務不存在確認訴訟は係属中とされています。
2026年10月30日現在、同訴訟について判決が確定したとする公表情報は確認できません。刑事告訴の不起訴処分と、大阪地裁での民事訴訟は別々に追う必要があります。
【2026年最新】松井宏樹医師の現在の勤務先・医師免許・判決後の動向
検索者が気になるのは、有罪判決が確定した松井氏が現在どこで働いているのか、医師免許はどうなっているのかという点でしょう。
吹田徳洲会病院は2025年10月31日付で退職
吹田徳洲会病院は2025年12月8日、公式サイトで松井宏樹医師の退職を公表しました。
病院の発表によると、松井氏は2025年1月から診療業務を完全に離れ、同年10月31日付で退職しています。
したがって、少なくとも同病院において2025年以降、診療業務を行っていなかったことと、同年10月末に退職したことは公式情報で確認できます。
2026年10月現在、松井氏の新たな勤務先について、信頼できる公式発表や病院の公表資料で確認できる情報は見当たりません。現在も医師として勤務している、あるいは特定の病院に所属していると断定できる状況ではありません。
医師免許は取り消された?医道審議会の行政処分
刑事裁判で有罪判決が確定したからといって、医師免許が自動的に取り消されるわけではありません。
医師法第7条では、医師に対する行政処分として、次の3種類が定められています。
- 戒告
- 3年以内の医業停止
- 医師免許の取消し
これらの処分については、厚生労働大臣が医道審議会の意見を聴いたうえで判断する仕組みになっています。
弁護士ドットコムは2026年3月14日、医療過誤による医師免許取消しは珍しいものの、今回のように刑事有罪判決が確定した事件では行政処分の可能性があると専門家の見解を紹介しました。
被害患者の家族も、医道審議会に対して厳しい行政処分を求める意向を示しています。
ただし、2026年10月30日現在、松井氏について医師免許取消しや医業停止などの具体的な行政処分が決定したと確認できる公表情報は見当たりません。
有罪判決の確定と医師免許の行政処分は別の手続きです。今後の焦点は、厚生労働省や医道審議会から具体的な判断が公表されるかどうかにあります。
2026年7月には被害者家族への新たな損害賠償請求も公表
2026年7月23日、被害患者の家族が運営するブログ「市民病院医療過誤記録」は、松井氏から新たな損害賠償請求訴訟を起こされたと公表しました。
家族側の説明によると、2026年5月末に訴状が届き、今回の医師側は本人訴訟、つまり弁護士を代理人としない形で手続きを進めているとのことです。
これは2025年に作者が大阪地裁に起こした漫画をめぐる債務不存在確認訴訟とは別の民事事件です。
また、被害者家族側のブログによる報告であり、請求の具体的な内容や金額、裁判所の判断などについては、今後の公表や報道を待つ必要があります。
2026年は、有罪判決とその確定だけで問題が終わったわけではなく、医師と漫画作者、被害者家族をめぐる民事上の争いが続いていることも注目点です。
【プロの結論】脳外科医竹田くんの実話から考える医療安全と情報の見極め方
『脳外科医 竹田くん』をめぐる一連の出来事から読み取れるのは、医療事故を個人の技術不足だけで説明することの限界です。
今回の刑事判決では、執刀医が十分な視野を確保できない状態で手術を続けたことについて刑事責任が認定されました。一方で、判決は経験の乏しい医師を支えるチームが十分に機能していなかったことにも言及しています。
医療事故の再発防止には組織的な安全管理が欠かせない
医療現場では、手術を担当する医師個人の技量だけでなく、執刀を許可する判断、上級医の指導、緊急時の中断判断、術後の説明、事故発生後の検証など、複数の仕組みが連動しています。
今回の事件で重要なのは、手術中に視認性が確保できない状況が生じた際、執刀を中断するという基本的な安全判断が問われたことです。
また、病院側が事故を把握した後、適切な検証や説明をどのように行うかも、患者と医療機関の信頼関係に直結します。
医療安全を考える際には、個人への責任追及と組織全体の再発防止策を両立させる必要があります。
ネット上の情報で混同しやすい5つのポイント
- 「医療事故8件はすべて医療過誤」:病院が公表した当初の8件については、医療過誤と判断されたのは1件で、残り7件は過失によるものではないと判断されています。
- 「約8900万円の賠償判決と刑事判決は同じ裁判」:前者は民事訴訟、後者は業務上過失傷害罪をめぐる刑事裁判です。
- 「漫画作者が不起訴になったので漫画の合法性が確定した」:不起訴処分は民事訴訟における名誉毀損の判断とは異なります。
- 「有罪判決が出たので医師免許も取り消された」:免許取消しには医道審議会などを通じた行政手続きが必要です。
- 「漫画の全エピソードが裁判で事実認定された」:刑事裁判で有罪が確定したのは、2020年1月22日の特定の手術に関する業務上過失傷害事件です。
情報を見極める際は、病院の公式発表、裁判の判決内容、報道機関の記事、当事者のブログやSNSを区別することが大切です。特に、当事者の主張と裁判所が認定した事実は同じではありません。
この事件は、医療事故の被害者救済だけでなく、病院組織の安全管理、医師の行政処分、公益性のある告発表現と名誉権の関係など、複数の社会的課題を浮き彫りにしています。
脳外科医竹田くんのモデルに関するよくある質問(FAQ)
Q1:脳外科医竹田くんのモデルは誰ですか?
A1:元赤穂市民病院の脳神経外科医・松井宏樹氏です。2020年1月22日に発生した医療事故を題材にした作品で、テレビ朝日などの報道でも松井氏がモデルとして紹介されています。
Q2:松井宏樹医師の有罪判決は確定していますか?
A2:はい。2026年3月12日に禁錮1年、執行猶予3年の有罪判決が言い渡され、松井氏と検察側の双方が控訴しなかったため、3月27日に判決確定が報じられました。
Q3:約8900万円の賠償判決は確定していますか?
A3:はい。2025年5月14日に神戸地裁姫路支部が約8888万円の賠償を命じ、原告・被告双方が控訴しなかったため、同年6月に確定しています。
Q4:漫画作者は被害者本人ですか?
A4:作者は被害女性本人ではなく、2025年2月5日の声明で被害女性の親族であると公表しています。
Q5:漫画作者が不起訴になったのはなぜですか?
A5:松井氏側による名誉毀損・信用毀損などの刑事告訴について、神戸地検姫路支部が2026年2月20日付で不起訴としたためです。不起訴の具体的な理由は公表情報からは明らかになっていません。
Q6:松井宏樹医師は現在どこの病院に勤務していますか?
A6:吹田徳洲会病院は2025年10月31日付での退職を公式発表しています。2026年10月現在、新たな勤務先を確認できる信頼性の高い公表情報は見当たりません。
Q7:松井宏樹医師の医師免許は取り消されましたか?
A7:2026年10月30日現在、免許取消しなどの行政処分が決定したと確認できる公表情報はありません。刑事判決の確定とは別に、医道審議会を通じた行政処分の判断が必要です。
まとめ:脳外科医竹田くんのモデルと2026年以降の注目点
『脳外科医 竹田くん』のモデルとされるのは、元赤穂市民病院の松井宏樹氏です。2020年1月22日の腰椎手術で発生した神経損傷事故をめぐり、2025年には約8888万円の損害賠償判決が確定し、2026年3月には業務上過失傷害罪で禁錮1年、執行猶予3年の有罪判決も確定しました。
加えて、漫画作者らに対する刑事告訴は不起訴となりましたが、大阪地裁での債務不存在確認訴訟は別の問題として残っています。2026年7月には被害者家族側から新たな損害賠償請求訴訟についても公表されました。
今後の注目点は、医道審議会による行政処分の有無、漫画をめぐる民事訴訟の行方、そして新たな訴訟の進展です。
この問題が問いかけているのは、一人の医師の刑事責任だけではありません。医療事故を未然に防ぐ組織体制、事故後の説明責任、被害者救済、そして医療現場の問題を社会に伝える表現の自由です。
2026年10月現在、刑事判決は確定しています。しかし、医療安全や被害者救済をめぐる課題がすべて解決したわけではありません。今後も裁判所や厚生労働省の公表、病院の公式発表を通じた動向の確認が必要です。
主な根拠資料・報道
記事の重要な事実関係については、次の資料を参照しています。
- 赤穂民報:2026年3月12日の有罪判決、3月27日の判決確定、2022年の医療事故11件への更新報道。
- 神戸新聞:2021年の医療事故8件と2025年の損害賠償判決。
- 吹田徳洲会病院:2025年12月8日の松井医師退職に関する公式発表。
- 弁護士ドットコム:漫画作者への刑事告訴、大阪地裁の債務不存在確認訴訟、医道審議会に関する法律解説。
- 漫画作者の2025年2月5日付声明と被害者家族側の2026年7月の公表。