豊昇龍の2026年の休場は、単純に一度のけがが長引いただけではありません。春場所後半から右脚に問題を抱え、夏場所、名古屋場所と負傷が続いたことが、秋場所までの長期離脱につながりました。
5月の夏場所で右太もも裏を負傷
最初の大きな異変は2026年5月の夏場所でした。
初日の高安戦で上手投げを受けた際に右太もも裏を負傷。取組後には右脚を引きずる様子が見られ、翌2日目から休場しました。
この場所の成績は0勝2敗13休。師匠の立浪親方は肉離れの可能性に言及し、精密検査を受ける方針を説明しています。
7月の名古屋場所で右膝の状態が悪化
7月の名古屋場所には復帰しましたが、右膝の状態が悪化します。
豊昇龍は13日目まで7勝7敗。14日目から休場し、最終的な成績は7勝7敗1休となりました。
診断されたのは、右膝内側側副靱帯損傷です。
8月19日の定期健康診断では、7月29日に靱帯を修復する手術を受けていたことを本人が明かしました。以前から痛めていた箇所だったものの、想定以上に状態が悪かったと説明しています。
9月の秋場所は初日から全休
秋場所は9月13日に初日を迎えましたが、豊昇龍は出場できませんでした。
日本相撲協会が公表した診断書には、右膝内側側副靱帯損傷と、今後約3週間のリハビリテーション加療を要する見込みが記載されていました。
この休場によって、2026年は夏場所、名古屋場所、秋場所と3場所連続で本場所を十分に戦えない状況になりました。
日刊スポーツの報道によると、初日から全休するのは2018年初場所の初土俵以来初めてのことでした。
【2026年最新の回復状況】秋巡業復帰から九州場所への調整まで
10月に入ってから、豊昇龍の回復状況には前向きな変化が見られました。
ただし、土俵入りができることと、本場所で横綱として15日間を戦えることは別問題です。
10月5日、約3カ月ぶりに横綱土俵入り
10月5日、豊昇龍は明治神宮と両国国技館で横綱土俵入りを披露しました。
名古屋場所以来、約3カ月ぶりの公の土俵入りです。
この日は全日本力士選士権大会の取組には参加せず、土俵入りのみを行いました。
本人は久しぶりに観客の前に姿を見せられたことについて、体の面でほっとしたという趣旨の感想を述べています。
一方、日本相撲協会は右膝内側側副靱帯損傷を理由に秋巡業の休場を発表していました。10月8日の病院での検査結果を踏まえ、途中参加を検討する段階だったのです。
10月10日、長野県松本市の秋巡業に合流
検査後の10月10日、豊昇龍は長野県松本市で行われた秋巡業に合流しました。
ここで注目されたのが、横綱・大の里とのぶつかり稽古です。
豊昇龍は四股やすり足などの基礎運動を行い、大の里に胸を出すなどして体を動かしました。
この段階では通常の本場所と同じ負荷で相撲を取る状態ではありませんでしたが、巡業の土俵に戻ったこと自体は復帰に向けた一歩です。
スポニチアネックスによると、豊昇龍は観客の声援を受け、久しぶりの巡業への参加を振り返っていました。
10月25日、秋巡業の全日程を終了
秋巡業は10月25日に山口県宇部市で全日程を終えました。
豊昇龍は10日から途中参加し、最終日まで調整を継続。
スポーツ報知の報道では、体の仕上がりについて前向きな感触を示し、九州場所については次のように話しています。
「ギリギリまで分からないけれど出るつもりやっていく」
ここで重要なのは、出場意欲を示した一方で、出場を確約していない点です。
最終的には師匠の立浪親方と相談して判断する考えを明らかにしています。
10月27日、15番の稽古で13勝2敗
さらに具体的な回復材料となったのが、10月27日の稽古です。
福岡県糸島市の立浪部屋宿舎で、豊昇龍は幕下の大花竜、三段目の木竜皇、春雷と合計15番を取りました。
稽古の取組数
実戦形式の稽古
稽古の勝敗
勝率約86.7%
右膝にはサポーターを着用していました。
本人は膝の状態について、次のように説明しています。
「日に日に良くなっている」
ただし、共同通信の報道では、鋭い立ち合いから左上手を取る場面がある一方、低い体勢で攻め込まれて土俵を割る場面もあったとされています。
つまり、勝敗だけを見れば好材料ですが、攻められた際の踏ん張りや体勢の維持など、横綱として必要な動きには引き続き確認すべき点があります。
2026年10月31日時点の評価は、基礎運動から実戦形式の稽古まで段階的に進んだものの、15日間の本場所を戦える状態かどうかは最終確認が必要、という段階です。
【プロフィール・経歴・星取表】豊昇龍の横綱昇進から2026年までの歩み
ほうしょうりゅう ともかつ
- 生年月日:1999年5月22日
- 出身地:モンゴル・ウランバートル
- 所属:立浪部屋
- 身長:188cm
- 体重:148kg(協会プロフィール掲載値)
- 最高位:横綱
日本相撲協会の公式プロフィールによると、豊昇龍は2018年1月場所で初土俵を踏み、2023年9月場所に大関へ昇進しました。
そして2025年1月場所で12勝3敗の成績を残して幕内優勝。1月29日に日本相撲協会が横綱昇進を決定し、第74代横綱となりました。横綱在位は2025年3月からです。
豊昇龍の主な経歴と2026年の休場記録
| 時期 | 関係者・出来事 | 内容 |
|---|---|---|
| 2018年1月 | 立浪部屋 | 初土俵 |
| 2020年9月 | 幕内昇進 | 新入幕 |
| 2023年9月 | 大関昇進 | 新大関 |
| 2025年1月 | 横綱昇進への転機 | 12勝3敗で幕内優勝 |
| 2025年3月 | 第74代横綱 | 横綱在位開始 |
| 2026年1月 | 初場所 | 10勝5敗 |
| 2026年3月 | 春場所 | 11勝4敗 |
| 2026年5月 | 夏場所 | 右太もも裏の負傷で0勝2敗13休 |
| 2026年7月 | 名古屋場所 | 右膝悪化で7勝7敗1休 |
| 2026年7月29日 | 右膝手術 | 内側側副靱帯の修復手術 |
| 2026年9月 | 秋場所 | 全休 |
| 2026年10月 | 秋巡業 | 10日から途中合流、25日まで参加 |
| 2026年11月 | 九州場所 | 11月8日初日、出場可否は最終判断待ち |
豊昇龍の幕内優勝回数は何回?
2026年10月31日時点で、豊昇龍の幕内優勝回数は2回です。
- 2023年7月場所:関脇として12勝3敗で初優勝
- 2025年1月場所:大関として12勝3敗で2度目の優勝
2025年の初場所優勝は横綱昇進を決定づけた大きな実績でした。
日本相撲協会の公式プロフィールでは、令和8年11月場所時点の表示として、生涯戦歴401勝235敗49休、幕内戦歴319勝187敗49休が掲載されています。九州場所の取組結果が加わる前の戦歴として確認できます。
2026年の星取表から分かる成績の変化
2026年の成績を並べると、3月までは横綱として勝ち越しを続けていたことが分かります。
- 1月場所:10勝5敗
- 3月場所:11勝4敗
- 5月場所:0勝2敗13休
- 7月場所:7勝7敗1休
- 9月場所:0勝0敗15休
特に注目したいのは、5月場所と7月場所の違いです。
5月は右太もも裏の負傷、7月は右膝の靱帯損傷と、負傷箇所や休場に至った経緯が異なります。すべてを右膝の手術だけで説明することはできません。
横綱としての安定した成績を取り戻すためには、けがの回復だけでなく、継続的に15日間を戦えるコンディションの確保が課題になります。
【得意技と大の里との関係】豊昇龍の相撲は何が強いのか?
豊昇龍の相撲を理解するうえで欠かせないのが、得意技と横綱・大の里との関係です。
得意技は右四つ・寄り・投げ
日本相撲協会の公式プロフィールに掲載されている得意技は、次の3つです。
- 右四つ:右を差して相手との組み手をつくる。
- 寄り:まわしを取るなどして相手を土俵外へ押し出す。
- 投げ:相手の重心や動きを利用して土俵に倒す。
協会が公表する過去6場所の決まり手の傾向では、寄り切り21%、押し出し13%、掬い投げ9%となっています。
この数字は過去6場所の取組結果に基づくもので、通算すべての取組の割合ではありません。
豊昇龍の持ち味は、単純な力比べだけではなく、相手の動きに合わせた投げや体勢の変化にもあります。右膝の状態が相撲に影響するかを考える場合、立ち合いだけでなく、組んだ後の踏ん張りや体の切り返しにも注目したいところです。
大の里との対戦成績は?
豊昇龍
立浪部屋・第74代横綱
右四つ・寄り・投げを得意とする。
二所ノ関部屋・横綱
豊昇龍と優勝争いや横綱同士の取組で対戦するライバル。
大の里との直接対決は、勝敗の数え方に注意が必要です。
2026年9月場所終了時点の本割の集計では、大の里側から見て2勝9敗。うち不戦勝と不戦敗を除いて実際に相撲を取った9番では、大の里の1勝8敗です。
一方、2025年9月場所の優勝決定戦では大の里が寄り倒しで豊昇龍を破っています。優勝決定戦は本割の星取表とは別に数える必要があります。
また、2026年10月10日の秋巡業では、豊昇龍が大の里に胸を出してぶつかり稽古を行いました。
本場所での対戦成績だけでなく、こうした巡業での稽古も両横綱の関係を知る材料です。
豊昇龍が万全の状態で戻れば、再び大の里との横綱対決が注目されることになります。
【九州場所2026の出場可能性】復帰は11月8日に間に合うのか?
2026年の豊昇龍をめぐる最大の関心事は、九州場所への復帰です。
九州場所は11月8日に福岡国際センターで初日を迎え、11月22日まで開催されます。
10月26日には新番付が発表され、豊昇龍は西横綱に据え置かれました。番付上は横綱として九州場所に名を連ねています。
ただし、番付に名前があることと、実際に出場することは同じではありません。
九州場所出場を判断する3つのポイント
1.右膝への負荷に耐えられるか
15番の稽古で13勝2敗という結果は好材料ですが、相手の力士の番付や稽古の負荷は本場所と異なります。
横綱同士の激しい立ち合いや、土俵際での踏ん張りにも対応できるかが焦点です。
2.申し合い稽古を継続できるか
秋巡業で基礎運動から実戦形式の稽古へと進んだことは前進です。
ただし、1日の稽古ができたことだけでなく、連日稽古を続けても膝の状態が悪化しないかが重要です。
3.師匠と本人が出場を決断できるか
豊昇龍は出場する意欲を示していますが、最終判断は師匠の立浪親方との相談を経て行う考えです。
10月27日時点でも、出場可否はぎりぎりまで判断するとの姿勢を示しています。
九州場所で復帰できなかった場合は?
仮に九州場所を休場した場合、復帰時期は2027年1月の初場所が次の大きな目標になる可能性があります。
ただし、これは日程上の候補であって、決定した復帰予定ではありません。
右膝の回復状況によっては、さらに調整期間を必要とすることも考えられます。
横綱という地位にある以上、出場するだけでなく、横綱として相撲を取り切れる状態かどうかが問われます。
【豊昇龍に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:豊昇龍は2026年現在、何歳ですか?
A1:1999年5月22日生まれで、2026年10月31日時点では27歳です。モンゴルのウランバートル出身で、立浪部屋に所属しています。
Q2:豊昇龍の右膝手術はいつですか?
A2:2026年7月29日です。右膝内側側副靱帯の修復手術を受け、約1週間入院したと報じられています。
Q3:豊昇龍が名古屋場所を途中休場した理由は?
A3:右膝内側側副靱帯の損傷です。2026年7月場所は13日目まで7勝7敗で、14日目から休場しました。
Q4:豊昇龍は秋場所に出場しましたか?
A4:いいえ。2026年9月の秋場所は初日から全休しました。右膝の手術後、十分な稽古を再開できていなかったことが背景にあります。
Q5:豊昇龍は九州場所2026に出場しますか?
A5:10月31日時点では未確定です。本人は出場するつもりで調整していますが、最終判断は師匠の立浪親方と相談して決める考えです。
Q6:豊昇龍の幕内優勝回数は何回ですか?
A6:2回です。2023年7月場所と2025年1月場所で優勝しています。
Q7:豊昇龍の得意技は何ですか?
A7:日本相撲協会の公式プロフィールでは、右四つ・寄り・投げが得意技として紹介されています。
まとめ:豊昇龍の復帰は右膝の回復と九州場所の最終判断が鍵
2026年10月31日現在、豊昇龍は右膝の手術から回復し、実戦形式の稽古まで再開しています。10月10日の秋巡業合流、25日の巡業終了、27日の15番13勝2敗という経過を見ると、土俵復帰に向けた準備は着実に進んでいます。
一方、2026年は5月の右太もも裏の負傷、7月の右膝悪化、9月の全休と、故障が続いた年でもあります。秋巡業での調整が順調だったとしても、本場所を15日間戦えるかは別の問題です。
九州場所への出場意欲は明確ですが、出場決定の発表とは区別しなければなりません。今後の注目材料は、場所直前の稽古内容、右膝の状態、立浪親方との協議です。
豊昇龍は2025年に横綱へ昇進し、幕内優勝2回を誇る実力者です。今求められているのは、無理に復帰を急ぐことではなく、横綱として本来の相撲を取り戻すこと。大の里との再戦や、再び優勝争いに加わる姿を見られるか、九州場所直前の判断が大きな節目になります。
主な情報源:日本相撲協会公式プロフィール・星取表・横綱昇進発表、共同通信、日刊スポーツ、スポーツ報知、スポニチアネックス(2026年10月31日時点)。