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虎視眈々とは?意味・読み方・『易経』の語源から例文、類語との違いまで徹底解説

小野田 圭 小野田 圭 • 更新: • 公開: • 読了約 17 分
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「虎視眈々とチャンスをうかがう」「競合他社が市場参入を虎視眈々と狙っている」など、ニュース記事やビジネスの場面で見聞きする四字熟語が「虎視眈々」です。読み方は「こしたんたん」。虎が鋭い目つきで獲物を狙う姿にたとえ、好機が訪れるのをじっと待ち構える様子を表します。

ただし、単に目標に向けて努力することと、虎視眈々と機会をうかがうことは同じではありません。相手の隙や状況の変化を見極め、目的を達成できるタイミングを待つという意味合いがあり、使う文脈によっては野心や警戒心、さらには相手を出し抜こうとする印象も生まれます。2026年のビジネス文書やニュース記事でも、こうしたニュアンスを理解しておくことが大切です。

【この記事の重要ポイントまとめ】
  • 意味:虎が獲物を狙うように、好機をじっと見定めて機会をうかがうこと。
  • 読み方・語源:「こしたんたん」と読み、『易経』の「頤卦(いか)」にある「虎視眈眈」という表現に由来する。
  • 正しい表記:「虎視眈々」または「虎視眈眈」。「虎視耽々」は誤表記なので注意する。

【意味と読み方】虎視眈々とは?虎が獲物を狙う姿が表すもの

虎視眈々とは

虎視眈々とは、虎が鋭い目つきで獲物を狙う様子から転じて、目的を達成するために好機をじっと待ち、機会をうかがうことを意味する四字熟語です。小学館『デジタル大辞泉』でも、虎が獲物を狙う姿と、そこから転じた「じっと機会をねらっているさま」という意味が示されています。

読み方は「こしたんたん」です。「虎視」と「眈眈」という二つの部分に分けると、言葉のイメージを理解しやすくなります。

  • 虎視(こし):虎が獲物を狙うように、鋭い目で対象を見据えること。


  • 眈眈(たんたん):対象をじっと見つめ、狙いを定めている様子を表す言葉。


この二つが組み合わさることで、ただ相手を見るのではなく、目的を持って状況を観察し、適切なタイミングを待っている姿が表現されます。

たとえば、競合企業が新しい市場への参入を虎視眈々と狙っている場合、その企業は単に市場を眺めているわけではありません。市場の成長性や競合の動き、参入に適したタイミングなどを見極め、機会が訪れたときに動こうとしているという意味になります。

ここで押さえたいのは、虎視眈々には「狙いを定める」「機会を待つ」「好機を逃さない」という要素が含まれる点です。一方、必ずしも本人が何もせず待っているとは限りません。準備を進めながら機会をうかがう場合にも使えます。

【検証資料 1】当時のメディア報道・掲載写真(出典:wikia.nocookie.net)

【語源・由来】虎視眈々は『易経』の「頤卦」から生まれた

虎視眈々の語源をたどると、中国の古典『易経(えききょう)』に行き着きます。日本易学振興協会の「易経が語源となった言葉」の解説でも、出典は『易経』の「山雷頤(さんらいい)」、すなわち頤卦の四爻にあると紹介されています。

原文として知られるのは、次の一節です。

「虎視眈眈、其の欲逐逐たれば咎なし」

原文の表記には「其欲逐逐、无咎」などの異同があります。これは『易経』の頤卦にある六四の爻辞で、「虎視眈眈」という表現が登場する箇所です。

頤卦は、養うことや養生、口から食べ物を取り入れることなどをめぐる考え方を示す卦です。その中の六四では、虎のように威厳を持って対象を見据える姿が描かれています。原典の文脈には、単純に他人の隙を突いて利益を奪うという意味だけでは捉えきれない側面があります。

その後、言葉が広く使われるようになるにつれて、虎が獲物を狙うイメージが強調され、現代日本語では「好機をじっと狙う」「隙があれば目的を達成しようとうかがう」という意味で定着しました。

この経緯を理解するうえで重要なのは、古典における表現の背景と、現代日本語での一般的な使われ方を区別することです。現在の会話やニュース記事では、競争相手が機会を狙っている場面や、野心を持って次の展開を待つ場面などで使われます。

また、「虎視」は虎のように見据えること、「眈々」は鋭い視線で狙う様子という組み合わせです。単語の成り立ちを知っておけば、意味を丸暗記しなくても、言葉の持つ緊張感や戦略的なニュアンスをつかめます。

【使い方・例文】虎視眈々はビジネスや日常会話でどう使う?

虎視眈々は、目的を達成する機会をじっとうかがう場面で使います。文章では「虎視眈々と狙う」「虎視眈々と機会をうかがう」「虎視眈々と待ち構える」といった形が自然です。

一方で、単に努力していることや、将来の目標に向けて勉強していることを表す場合には、必ずしも適切ではありません。虎視眈々には、狙いを定めて好機を待つという意味があるためです。

日常生活での例文

  • 彼は次の大会で優勝する機会を虎視眈々とうかがっている。


  • ライバルチームは、相手のミスを虎視眈々と狙っていた。


  • 彼女は希望するポジションに就く機会を虎視眈々と待っている。


  • 猫が、棚の上のおもちゃを虎視眈々と狙っている。


日常会話では、競争や勝負、目標の達成に関わる状況で使うと意味が伝わりやすくなります。猫などが獲物や物を狙う様子に使えば、比喩として少しユーモラスな印象を与えることもあります。

ビジネスでの使い方と例文

ビジネスでは、競合他社の戦略、市場参入、昇進や重要なポジションをめぐる競争などを説明する際に使われます。ただし、相手の隙を狙うような印象を伴うため、使う対象と場面を選ぶ必要があります。

  • 市場競争:競合他社は、新規市場への参入機会を虎視眈々とうかがっている。


  • 経営戦略:同社は業界再編の動きを注視し、買収の好機を虎視眈々と狙っている。


  • 社内競争:彼は次期プロジェクトの責任者になる機会を虎視眈々とうかがっていた。


  • 交渉:相手企業は交渉の主導権を握る機会を虎視眈々と待っていた。


これらの例文では、いずれも目的があり、その実現に適したタイミングを待っていることが共通しています。

注意したいのは、自分の意欲を前向きに伝えたいときの使い方です。「昇進の機会を虎視眈々と狙っています」と自己紹介すると、向上心を示せる一方で、周囲を出し抜くことばかり考えているような印象を与える可能性があります。

そのため、面接や社内プレゼンテーションなどでは、「好機を見極めている」「必要な準備を重ねている」「適切なタイミングで挑戦したい」といった表現のほうが、意図を誤解されにくい場合があります。

文章で使うときのポイント

虎視眈々を文章に入れるときは、何を狙っているのか、どのような機会を待っているのかを明確にすると、意味が伝わりやすくなります。

たとえば「彼は虎視眈々としている」だけでは、何を狙っているのかが分かりません。「彼は次期社長の座を虎視眈々とうかがっている」とすれば、目的と状況が具体的になります。

また、「虎視眈々と努力する」という表現は文脈によって意味が伝わるものの、努力そのものよりも機会を狙うニュアンスが前面に出ます。「目標達成に向けて努力を重ね、好機を虎視眈々とうかがう」とすれば、努力と機会を待つ姿勢の両方を明確に表現できます。

【検証資料 2】活動歴および当時の関連ビジュアル記録(出典:job.migi-nanameue.co.jp)

【類語・対義語】虎視眈々との違いが一目で分かる比較表

虎視眈々の類語には「機会をうかがう」「隙を狙う」「満を持す」などがあります。ただし、それぞれが示す心理や行動は異なります。似た表現を使い分けるには、目的を狙っているのか、準備を整えているのか、それとも相手の弱点を探しているのかを考えるとよいでしょう。

言葉 意味・ニュアンス 虎視眈々との違い・使いどころ
機会をうかがう 適切なタイミングを探す 最も中立的。相手を出し抜く印象を避けたい場合に向く。
隙を狙う 相手の油断や弱点につけ込む 相手の弱点を利用する意味が強く、虎視眈々よりも対象が限定されやすい。
満を持す 十分に準備を整え、機会を待つ 準備の完成度や自信を強調する。必ずしも相手を狙う意味はない。
雌伏(しふく) 力を蓄えながら、活躍できる時を待つ 表立った活動を控えて力を蓄える意味合いが強い。
鵜の目鷹の目(うのめたかのめ) 熱心に目を光らせて探す 物事を鋭く探し求める様子が中心で、好機を待つ意味とは異なる。
手ぐすねを引く 準備を整えて相手を待ち構える すぐに行動できる態勢を整えていることを強調する。
油断する 注意を怠り、気を緩める 虎視眈々の直接的な対義語ではないが、好機を狙って警戒する姿勢とは対照的。

虎視眈々の言い換えは目的に合わせて選ぶ

虎視眈々を別の言葉に置き換えるなら、文章の目的に合わせて表現を選ぶことが大切です。

  • 中立的に表現する:「好機をうかがう」「タイミングを見極める」「機会を待つ」


  • 競争や駆け引きを強調する:「隙を狙う」「機会を狙う」「主導権を握る機会を待つ」


  • 準備や実力を強調する:「満を持す」「力を蓄える」「機が熟すのを待つ」


  • 観察力を強調する:「目を光らせる」「注意深く見守る」「動向を注視する」


たとえば、企業の経営戦略を説明する記事で「同社は虎視眈々と市場参入を狙う」と書けば、強い意欲や競争心が伝わります。一方、「同社は市場参入の好機を慎重に見極めている」と書けば、冷静な分析や戦略性を強調できます。

虎視眈々に明確な対義語はある?

虎視眈々には、どの文脈でもそのまま置き換えられる、明確に定着した単一の対義語があるわけではありません。何と対比したいかによって、反対側の表現が変わります。

好機を狙う姿勢との対比なら「油断する」「無警戒でいる」、タイミングを見極める行動との対比なら「機会を逃す」「好機を見過ごす」などが考えられます。

ただし、「油断する」は注意を怠る状態、「機会を逃す」は結果を表す言葉であり、虎視眈々と意味が正反対になるとは限りません。文章では、何を対比させたいのかを明確にしてから表現を選びましょう。

【誤用・表記ミス】「虎視耽々」は間違い?正しい漢字を解説

虎視眈々を使う際に間違えやすいのが、「眈」と「耽」の混同です。「虎視耽々」と書かれることがありますが、一般的な四字熟語としての正しい表記は「虎視眈々」または「虎視眈眈」です。

「眈」は、じっと見つめる、鋭い目つきで狙うといった意味合いを持つ漢字です。一方、「耽」は「耽る(ふける)」と書くように、何かに夢中になることを表します。読み方が似ていても、意味は異なります。

語源由来辞典でも、「眈」と「耽」を取り違えた表記への注意が示されています。正しい漢字を覚えるには、「虎のように鋭い目で狙う」という言葉の成り立ちと結びつけるのが効果的です。

間違えやすい表記と正しい表記

  • 正しい:虎視眈々、虎視眈眈


  • 誤表記:虎視耽々、虎視耽耽


「眈々」と「眈眈」は、どちらも同じ語を表します。「々」は直前の漢字を繰り返すことを示す記号なので、「眈々」は「眈眈」と同じです。

意味を取り違えやすい誤用にも注意

もう一つ気をつけたいのが、虎視眈々を「一生懸命に努力する」「目標に向かって頑張る」という意味だけで使ってしまうことです。

たとえば、「資格取得に向けて虎視眈々と勉強している」という文では、機会を狙うという本来の意味が十分に伝わりません。この場合は「資格取得に向けて着実に勉強している」のほうが自然です。

一方、「資格を生かして希望するポストに就く機会を虎視眈々とうかがっている」なら、目的と機会を待つ姿勢が明確になり、意味に合った使い方になります。

また、虎視眈々は必ずしも悪意を持っていることを意味しません。競争相手の隙を狙うような否定的な文脈でよく使われますが、チャンスを待つという中立的な意味でも用いられます。言葉自体を一律に悪い意味と決めつけず、前後の文章から判断することが大切です。

【検証資料 3】公の場での発言・インタビュー報道記録(出典:m.media-amazon.com)

【英語表現】虎視眈々を英語で伝えるなら?

虎視眈々には、どの場面でも完全に一致する英単語が一つあるわけではありません。英語では、何を狙っているのか、どのような態度で機会を待っているのかに応じて表現を使い分けます。

  • watch eagerly for a chance:好機を熱心にうかがう。攻撃や行動のタイミングを狙う文脈で使える。


  • keep a keen eye on:対象を注意深く見守る。相手や状況の動向を注視することを強調する。


  • wait for the right moment:適切なタイミングを待つ。比較的中立的で、ビジネスの場面でも使いやすい。


  • lie in wait for:相手が現れる、あるいは行動する機会を待ち構える。文脈によっては不穏な印象が強くなる。


  • eye an opportunity:機会を狙う。目標や利益を得るチャンスに目を向けていることを表す。


小学館『プログレッシブ和英中辞典』では、「虎視眈々と」を表す英語として「with a vigilant eye」や「vigilantly」が挙げられ、攻撃の機会を狙う文脈では「He watched eagerly for a chance to attack.」という例が示されています。

ただし、英語の「vigilantly」は主に警戒を怠らず注意深く行動することを表すため、虎視眈々の「好機を狙う」という意味を常に含むわけではありません。英訳するときは、単語だけを置き換えるのではなく、文全体で意図を伝えることが重要です。

たとえば「競合他社は市場参入の機会を虎視眈々とうかがっている」は、「Competitors are eagerly watching for an opportunity to enter the market.」のように表現できます。機会を待つ姿勢を中心にすることで、日本語のニュアンスを自然に伝えられます。

【虎視眈々とは】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:虎視眈々とは、簡単にいうとどんな意味ですか?
A1:何かを成し遂げるために、好機が訪れるのをじっと狙って待つことです。虎が獲物を鋭い目で狙う姿にたとえた表現で、競争相手の隙や市場の変化をうかがう場面などで使われます。

Q2:虎視眈々と虎視耽々は、どちらが正しい表記ですか?
A2:「虎視眈々」または「虎視眈眈」が正しい表記です。「耽」は「耽る(ふける)」という意味の漢字で、虎が獲物を狙う様子を表す「眈」とは異なります。

Q3:虎視眈々は褒め言葉として使えますか?
A3:文脈によっては使えますが、注意が必要です。好機を逃さず戦略的に行動する姿勢を評価する意味にもなりますが、相手の隙を狙って利益を得ようとするような印象もあります。前向きな意欲を伝えたい場合は「好機を見極める」「準備を重ねて機会を待つ」などの表現も適しています。

まとめ:虎視眈々は「狙い」と「好機を待つ姿勢」を伝える言葉

虎視眈々とは、虎が鋭い目つきで獲物を狙う姿になぞらえ、目的を達成するために好機をじっと待つことを意味する四字熟語です。読み方は「こしたんたん」で、『易経』の頤卦にある表現が語源とされています。

正しい使い方を身につけるには、単に努力している状態と、好機を狙ってタイミングをうかがう状態を区別が必要です。また、表記は「虎視眈々」または「虎視眈眈」であり、「虎視耽々」は誤りです。

類語の「満を持す」は準備が整っていること、「雌伏」は力を蓄えながら時を待つこと、「機会をうかがう」はタイミングを探ることに重点があります。虎視眈々は、こうした表現よりも、狙いを定めて好機を逃すまいとする姿勢を強く印象づけます。

ビジネス文書やニュース記事で使うときは、戦略性や競争心を強調したいのか、それとも冷静な判断や準備を伝えたいのかを基準に表現を選びましょう。言葉の由来とニュアンスを理解しておけば、虎視眈々をより正確かつ自然に使いこなせます。

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コンテンツディレクター 小野田 圭
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スポーツとアニメの話題を担当。リーグ公式の記録、球団発表、制作委員会の公式告知を確認したうえで、数値と日程を本文に反映します。

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