2026年10月現在、国民栄誉賞の受賞実績は計29件です。内訳は個人28人、団体1団体。1977年の創設から約49年間にわたり、野球、相撲、レスリング、フィギュアスケート、音楽、映画、漫画など、幅広い分野の功績が表彰されてきました。
最新の受賞者は、スピードスケートの髙木美帆さんです。2026年7月28日に政府が授与を決定し、8月4日に高市早苗首相から表彰状と盾を受け取りました。2023年の国枝慎吾さん以来、3年ぶりの受賞となります。
歴代受賞者29件の一覧表
以下は、内閣府が2026年8月に更新した公式受賞者一覧を基準に、表彰年月日と主な功績をまとめたものです。
| No. | 受賞者・団体 | 表彰年月日 | 主な受賞理由・功績 |
|---|---|---|---|
| 1 | 王貞治 | 1977年9月5日 | プロ野球でホームラン756本の世界新記録を達成 |
| 2 | 古賀政男 | 1978年8月4日 | 「古賀メロディー」の作曲による音楽界への貢献 |
| 3 | 長谷川一夫 | 1984年4月19日 | 卓越した演技と映画・演劇界への貢献 |
| 4 | 植村直己 | 1984年4月19日 | 世界五大陸の最高峰登頂など、冒険家としての偉業 |
| 5 | 山下泰裕 | 1984年10月9日 | 柔道における前人未到の記録達成 |
| 6 | 衣笠祥雄 | 1987年6月22日 | プロ野球の連続試合出場で世界新記録を達成 |
| 7 | 美空ひばり | 1989年7月6日 | 歌謡曲を通じて国民に夢と希望を与えた |
| 8 | 千代の富士貢 | 1989年9月29日 | 相撲界への著しい貢献と記録更新 |
| 9 | 藤山一郎 | 1992年5月28日 | 歌謡曲を通じた励ましと美しい日本語の普及 |
| 10 | 長谷川町子 | 1992年7月28日 | 「サザエさん」などの家庭漫画で戦後社会に潤いと安らぎを与えた |
| 11 | 服部良一 | 1993年2月26日 | 数多くの歌謡曲を作曲し国民に希望と潤いを与えた |
| 12 | 渥美清 | 1996年9月3日 | 映画「男はつらいよ」シリーズで人情味豊かな演技を披露 |
| 13 | 吉田正 | 1998年7月7日 | 「吉田メロディー」の作曲による功績 |
| 14 | 黒澤明 | 1998年10月1日 | 映画の名作を通じて世界の映画史に足跡を残した |
| 15 | 高橋尚子 | 2000年10月30日 | シドニー五輪女子マラソン優勝、日本女子陸上初の五輪金メダル |
| 16 | 遠藤実 | 2009年1月23日 | 世代を超えて愛唱される数多くの名曲を作曲 |
| 17 | 森光子 | 2009年7月1日 | 舞台「放浪記」で2000回を超える主演を務めた |
| 18 | 森繁久彌 | 2009年12月22日 | 映画・演劇・放送で長年活躍し、演技と歌唱で貢献 |
| 19 | なでしこジャパン | 2011年8月18日 | FIFA女子ワールドカップ2011優勝。東日本大震災後の国民に勇気と感動を与えた |
| 20 | 吉田沙保里 | 2012年11月7日 | レスリングで世界選手権・五輪を通じて13大会連続世界一 |
| 21 | 大鵬幸喜 | 2013年2月25日 | 大相撲史上最多となる幕内優勝32回 |
| 22 | 長嶋茂雄 | 2013年5月5日 | 日本野球史に残る功績と国民的スターとしての貢献 |
| 23 | 松井秀喜 | 2013年5月5日 | 野球界に世界的な功績と新たな足跡を残した |
| 24 | 伊調馨 | 2016年10月20日 | 五輪女子個人種目で史上初の4連覇 |
| 25 | 羽生善治 | 2018年2月13日 | 将棋界初の永世七冠を達成 |
| 26 | 井山裕太 | 2018年2月13日 | 囲碁界初の2度の七冠同時制覇 |
| 27 | 羽生結弦 | 2018年7月2日 | フィギュアスケート男子シングルで66年ぶりの五輪連覇 |
| 28 | 国枝慎吾 | 2023年3月17日 | 車いすテニスの四大大会通算50勝、生涯ゴールデンスラムなど |
| 29 | 髙木美帆 | 2026年8月4日 | 五輪通算10個のメダル、日本女子最多記録とW杯通算38勝 |
出典:内閣府「国民栄誉賞受賞一覧」(2026年8月更新)。没後受賞者については、実際の表彰時期と死亡日が異なる場合があります。
受賞者を年代別に見ると何がわかる?
歴代29件を時代ごとに整理すると、国民栄誉賞が評価してきた功績の変化が見えてきます。
- 1970~1980年代: 王貞治さん、古賀政男さん、長谷川一夫さんら、記録的な実績や文化・芸能界への長年の貢献が中心。
- 1990年代: 美空ひばりさん、長谷川町子さん、黒澤明さんら、国民文化に深く根付いた作品や表現活動が評価された時代。
- 2000年代: 高橋尚子さんをはじめ、スポーツの世界的な成果と、芸能・音楽分野の長期的な功績が並ぶ。
- 2010年代: なでしこジャパン、吉田沙保里さん、伊調馨さん、羽生結弦さんら、国際大会での歴史的快挙が目立つ。
- 2020年代: 国枝慎吾さん、髙木美帆さんと、パラスポーツや冬季競技の第一人者にも対象が広がっている。
特に注目したいのは、単に競技で優勝したことだけでなく、長期間にわたる活躍や、その競技自体の社会的認知を高めた功績も評価されている点です。
【受賞理由を徹底比較】王貞治・羽生結弦・国枝慎吾・髙木美帆の共通点
国民栄誉賞の受賞理由には、分野ごとに異なる特徴があります。
王貞治は記録、文化人は社会への影響が評価された
1977年の第1号受賞者となった王貞治さんは、プロ野球で通算756本塁打の世界新記録を達成したことが評価されました。
この受賞は、国民栄誉賞が創設されるきっかけにもなった出来事です。スポーツ選手の記録的な成果を、国民的な栄誉としてたたえる制度の出発点でした。
一方、古賀政男さんや美空ひばりさん、長谷川町子さんなどは、作品を通じて多くの人々に親しまれ、社会に潤いや希望をもたらしたことが評価されています。
文化・芸能分野では、競技記録のような単一の数値では測れない、長期的な社会的影響が重視されていることが特徴です。
羽生結弦・国枝慎吾・髙木美帆は何が評価された?
近年のスポーツ分野では、歴史的な記録に加え、競技の発展や社会への波及効果が受賞理由に含まれています。
| 受賞者 | 主な記録 | 評価のポイント |
|---|---|---|
| 羽生結弦 | 男子フィギュアで五輪2連覇 | 66年ぶりの歴史的快挙 |
| 国枝慎吾 | 車いすテニス四大大会通算50勝 | パラスポーツの認知度向上と競技発展 |
| 髙木美帆 | 五輪通算10個のメダル | 日本女子最多の五輪メダルとW杯38勝 |
| 吉田沙保里 | 世界大会13大会連続優勝 | レスリング競技史上の前人未到の記録 |
| 伊調馨 | 五輪女子個人4連覇 | 五輪史上初の偉業 |
羽生結弦さんの場合、男子シングルで66年ぶりとなる五輪連覇が大きな評価対象となりました。
国枝慎吾さんは、車いすテニスの競技者として世界的な実績を残しただけでなく、パラスポーツの認知度向上にも貢献しています。パラスポーツ選手への国民栄誉賞授与は、国枝さんが初めてでした。
髙木美帆さんは、五輪4大会に出場し、金メダル2個を含む通算10個のメダルを獲得。さらにスピードスケート・ワールドカップ通算38勝という日本最多の記録も評価されました。
この3人を比較すると、国民栄誉賞は競技の種類や障害の有無によって一律に判断するものではなく、それぞれの競技における歴史的な成果と社会的な影響を評価していることがわかります。
髙木美帆の受賞までの経緯
2026年の最新事例は、国民栄誉賞の決定過程を理解するうえでも重要です。
- 2026年2月: ミラノ・コルティナ冬季五輪で銅メダル3個を獲得。
- 2026年5月22日: 政府が髙木さんへの授与を検討する方針を発表。スポーツ庁の協力や関係者の意見聴取を進めることになった。
- 2026年7月28日: 高市内閣が正式に授与を決定。
- 2026年8月4日: 首相官邸で表彰式を実施。
政府の説明では、五輪通算10個のメダルとワールドカップ通算38勝に加え、長期間にわたって世界の第一線で活躍したことが評価されました。
【選考基準と授与条件】国民栄誉賞は誰がどのように決める?
国民栄誉賞は、法律で定められた国家勲章とは異なり、内閣総理大臣が授与する表彰制度です。
制度の根拠となるのは、1977年8月30日に決定された「国民栄誉賞表彰規程」です。
国民栄誉賞の目的と基本条件
内閣府が公表する表彰規程では、制度の目的を次のように定めています。
広く国民に敬愛され、社会に明るい希望を与えることに顕著な業績があったものについて、その栄誉を讃えることを目的とする。
この文章から読み取れる評価の柱は、主に次の3点です。
1. 国民から広く敬愛されていること。
2. 社会に明るい希望を与えていること。
3. 顕著な業績を残していること。
ただし、これらは数値化された審査基準ではありません。
例えば、五輪で金メダルを何個獲得すれば自動的に受賞できる、世界記録を更新すれば必ず授与される、といった明確な条件は規程にありません。
また、受賞対象についても、内閣総理大臣が制度の目的に照らして適当と認めるものとされています。個人だけでなく、なでしこジャパンのような団体も対象になります。
したがって、国民栄誉賞の授与は、特定の競技成績だけで決まるランキング形式の制度ではありません。
選考から授与までの流れ
国民栄誉賞の決定権を持つのは内閣総理大臣です。
一方、首相が完全に独断で決める仕組みというわけでもありません。実施要領では、表彰を行おうとする際に、候補者について民間有識者の意見を聞くことが定められています。
一般的な流れは次のとおりです。
1. 顕著な業績を残した人物・団体が候補として検討される。
2. 関係者や民間有識者の意見を聴取する。
3. 内閣総理大臣が表彰の適否を判断する。
4. 政府が授与を正式に決定する。
5. 表彰式で表彰状と盾などを贈呈する。
髙木美帆さんのケースでも、2026年5月の検討開始から7月の正式決定まで約2か月の過程がありました。
ここで押さえておきたいのは、国民栄誉賞には一律の申請制度や自動的な受賞資格が設けられていないことです。候補者本人が申請書を提出して審査を受ける一般的な資格試験とは性質が異なります。
国民栄誉賞と他の表彰制度の違い
国民栄誉賞は、スポーツ選手だけに贈られる賞ではありません。
文化、芸能、音楽、漫画、冒険など、社会に広く影響を与えたさまざまな功績が対象となっています。
また、内閣総理大臣表彰の一つであることから、文化勲章や紫綬褒章などの制度とも区別する必要があります。
文化勲章は文化の発達に関する功績を対象とし、紫綬褒章は学術、芸術、スポーツなどの分野で優れた業績を挙げた人を対象とします。
国民栄誉賞は、これらとは異なり、国民的な敬愛や社会への希望という観点を制度目的に明記している点が特徴です。
【辞退者と辞退理由】福本豊・イチロー・大谷翔平はなぜ断った?
国民栄誉賞は非常に名誉ある表彰ですが、すべての候補者が受け取るわけではありません。
過去には、授与の打診を辞退した人物もいます。代表的なのは、福本豊さん、古関裕而さん、イチローさん、大谷翔平さんです。
国民栄誉賞を辞退した主な人物
| 人物 | 打診された年 | 辞退の理由 |
|---|---|---|
| 福本豊 | 1983年 | 国民の模範として扱われることへの抵抗感 |
| 古関裕而 | 1989年 | 没後の授与に遺族が辞退の意向を示した |
| イチロー | 2001年 | 現役で発展途上であるとの考え |
| イチロー | 2004年 | 現役中は受け取らないという意向 |
| イチロー | 2019年 | 引退後も人生の最後に受け取りたいとの考え |
| 大谷翔平 | 2021年 | さらなる成長を優先するため |
福本豊は「国民の手本」になることに抵抗
元プロ野球選手の福本豊さんは、1983年に通算939盗塁という世界記録を達成したことで、国民栄誉賞の授与を打診されました。
しかし、福本さんは辞退しています。
報道では、国民の模範として見られることへの抵抗感を示した発言が伝えられています。
このケースは、どれほど優れた競技成績を残していても、本人が賞の持つ社会的な位置付けを望まなければ受賞に至らないことを示しています。
イチローは3度の打診をすべて辞退
辞退者の中でも特に知られているのがイチローさんです。
- 2001年:メジャーリーグ1年目の活躍を受けて打診されたが、まだ発展途上であるとして辞退。
- 2004年:シーズン262安打の新記録を受けて再度打診されたが、現役中は受け取らない意向を示した。
- 2019年:現役引退後に3度目の打診を受けたが、再び辞退した。
イチローさんの姿勢で注目されるのは、記録達成時だけでなく、引退後も受賞を望まなかったことです。
本人は、人生の最後に受け取れるよう励みたいという趣旨の考えを代理人を通じて伝えています。
大谷翔平は2021年に「まだ早い」と辞退
2021年11月、米大リーグでア・リーグMVPに選出された大谷翔平選手にも、国民栄誉賞の授与が打診されました。
しかし、大谷選手側は「まだ早いので今回は辞退させていただきたい」との意向を伝えています。
当時の松野博一官房長官は、さらなる高みを目指して競技に集中したいという気持ちの表れと受け止めていました。
ここで重要なのは、辞退が必ずしも賞への否定を意味しないことです。競技人生の途中であることや、本人の価値観、受賞のタイミングなど、理由はそれぞれ異なります。
羽生結弦は賞そのものではなく記念品を辞退
もう一つ、混同されやすい事例があります。
羽生結弦さんは2018年に国民栄誉賞を受賞しましたが、記念品については辞退しました。
本人は、賞を自分一人のものではなく、応援してくれた人々とともに得たものと考え、個人として記念品を受け取ることを控えた趣旨を説明しています。
つまり、羽生さんは国民栄誉賞そのものを辞退したのではありません。
受賞を受け入れたうえで、記念品だけを辞退したという違いがあります。
なお、古関裕而さんと古賀政男さんも混同されやすい人物です。国民栄誉賞を受賞した作曲家は古賀政男さんで、古関裕而さんは1989年に没後授与を打診され、遺族が辞退した人物です。
【賞金・記念品の実態】国民栄誉賞はいくらもらえる?
国民栄誉賞についてよく検索されるのが、賞金や記念品の金額です。
結論からいうと、国民栄誉賞には一律に定められた賞金や年金の支給制度はありません。
賞金や年金は支給される?
内閣府の表彰規程では、国民栄誉賞の授与方法について次のように定めています。
- 表彰状を授与する。
- 盾を授与する。
- 表彰に当たって記念品または金一封を添えることができる。
つまり、現金の授与は規程上の選択肢ですが、必ず一定額の賞金が支給される仕組みではありません。
また、国民栄誉賞を受賞したことによって毎年年金が支給される制度も、表彰規程にはありません。
「賞金が必ず100万円」「受賞者には年金が出る」といった説明は、制度上の確定事項として扱うべきではありません。
歴代受賞者に贈られた記念品
記念品は、受賞者の希望や功績、個性に合わせて選ばれることがあります。
代表的な事例を紹介します。
髙木美帆さん:包丁10本セット
2026年8月4日の表彰式で贈呈。競技引退後、家族と一緒に料理をする時間を作りたいという希望から選ばれました。
吉田沙保里さん:ゴールデンパールのペンダント
2012年の受賞時に贈呈。13大会連続世界一という実績にちなみ、13ミリの金色の真珠を使用した特別なペンダントです。
伊調馨さん:西陣織の帯
2016年の受賞時に贈呈。京都の伝統的な織物である西陣織の本袋帯が選ばれました。
羽生結弦さん:記念品は辞退
受賞そのものは受け入れましたが、周囲の支えがあってこその受賞という考えから、記念品の受け取りは辞退しました。
髙木さんの包丁セットは、2026年の受賞を象徴するエピソードとしても印象的です。
競技生活を終えた後の暮らしを考え、日常的に使えるものを選んだという点に、記念品が単なる高額な贈答品ではなく、受賞者本人の希望を反映する性格を持つことが表れています。
【プロの結論】国民栄誉賞の本質は記録だけでは測れない社会的功績
歴代29件を比較すると、国民栄誉賞には一つの明確な特徴があります。
それは、記録の大きさだけでなく、その人物や団体が社会に何を残したかを重視していることです。
王貞治さんの756本塁打は、スポーツの歴史を変えた記録でした。一方、長谷川町子さんの「サザエさん」は、漫画を通じて戦後の家庭生活に親しみや安らぎを与えました。
なでしこジャパンは、2011年の女子ワールドカップ優勝によって、日本中に希望を届けました。国枝慎吾さんは車いすテニスの発展に貢献し、髙木美帆さんはスピードスケート界の第一人者として長年にわたり世界で戦い続けました。
こうした功績は、同じ物差しで単純に比較できるものではありません。
国民栄誉賞を理解する際には、次の3点を押さえておくと、ニュースや受賞発表をより正確に読み解けます。
- 記録だけで判断しない: 五輪金メダルや世界記録は重要な実績ですが、それだけで受賞が決まる制度ではありません。
- 本人の受賞意思も尊重する: イチローさんや大谷翔平さんのように、授与を打診されても辞退する選択があります。
- 受賞と副賞を区別する: 羽生結弦さんのように、賞そのものを受け取りながら記念品を辞退することもできます。
国民栄誉賞は、競技成績や作品の人気を単純に順位付けする賞ではなく、長い時間をかけて社会に与えた影響をたたえる表彰制度なのです。
【国民栄誉賞一覧】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年現在、国民栄誉賞の受賞者は何人ですか?
個人28人、団体1団体の計29件です。2026年8月4日に髙木美帆さんが受賞し、29例目となりました。
Q2:国民栄誉賞の最新の受賞者は誰ですか?
2026年10月現在の最新受賞者は、スピードスケートの髙木美帆さんです。五輪通算10個のメダルとワールドカップ通算38勝などの功績が評価されました。
Q3:国民栄誉賞には賞金や年金がありますか?
一律の賞金や年金制度はありません。表彰状と盾が授与され、記念品または金一封を添えることができると規程に定められています。
Q4:国民栄誉賞を辞退した有名人は誰ですか?
代表的な人物は、福本豊さん、古関裕而さん、イチローさん、大谷翔平さんです。特にイチローさんは2001年、2004年、2019年の3度にわたって辞退しています。
Q5:国民栄誉賞を受賞するための明確な条件はありますか?
五輪金メダルの数や世界記録など、統一された数値基準はありません。国民に敬愛され、社会に明るい希望を与える顕著な業績があることを目的とし、内閣総理大臣が民間有識者の意見を聴いたうえで判断します。
Q6:羽生結弦さんは国民栄誉賞を辞退したのですか?
いいえ。羽生結弦さんは2018年に国民栄誉賞を受賞しています。辞退したのは賞そのものではなく、記念品です。
まとめ:国民栄誉賞の歴代受賞者から見える日本の功績
2026年10月現在、国民栄誉賞の受賞実績は個人28人・団体1団体の計29件です。
1977年に王貞治さんから始まった制度は、野球、柔道、相撲、レスリング、フィギュアスケート、車いすテニス、音楽、映画、漫画など、さまざまな分野の功績をたたえてきました。
2026年には髙木美帆さんが29例目の受賞者となり、五輪通算10個のメダルと長年の競技実績が評価されました。
一方、福本豊さん、イチローさん、大谷翔平さんらの辞退事例や、羽生結弦さんの記念品辞退からは、受賞するかどうかも本人の意思が尊重されるべき問題であることがわかります。
国民栄誉賞の価値は、記念品の価格や受賞者の人数だけでは測れません。時代を超えて人々に希望を与え、スポーツや文化の歴史に残る功績をたたえることに、この賞の本質があります。
今後も新たな受賞者が誕生するたびに、その時代の日本社会が何を偉業と認め、どのような人物を国民的な栄誉として評価したのかが問われることになります。
主な参照資料:内閣府「国民栄誉賞表彰規程」「国民栄誉賞受賞一覧」(2026年8月更新)、首相官邸の2026年5月・7月の記者会見資料、文部科学省の髙木美帆氏表彰式資料、日本オリンピック委員会、nippon.com、テレビ朝日、日刊スポーツなど。