今回の撤去は、単なる新台入替ではない。2018年に改正された遊技機規則に適合しない旧規則機を、定められた経過措置期間内に営業用のホールから撤去する制度上の移行だった。
旧規則機とは、2018年2月1日の規則改正以前の基準で検定・認定を受けた遊技機を指す。パチンコでは主にCR機、パチスロでは5号機などが該当する。一方、改正後の基準に適合したパチンコ機はP機、パチスロ機は6号機として普及していった。
2018年の遊技機規則改正で何が変わったのか
2017年9月4日に公布された国家公安委員会規則第9号は、2018年2月1日に施行された。改正の背景には、ギャンブル等依存症対策の強化や、遊技機の出玉性能を見直す目的があった。
パチンコでは、短時間・長時間の出玉率に関する試験基準が変更されたほか、大当たり1回当たりの最大出玉基準は従来の2,400個から1,500個へ、最大ラウンド数は16ラウンドから10ラウンドへと見直された。パチンコ機への設定機能も新たな規格として導入された。
ただし、改正された2018年2月1日に、全国のホールから旧規則機が一斉になくなったわけではない。すでに営業所に設置されている遊技機には経過措置が設けられ、一定期間は従来の基準による営業が認められていた。
なぜ2022年まで撤去が延びたのか
当初の経過措置期間は3年間で、旧規則機の移行期限は原則として2021年1月31日だった。
しかし、2020年に新型コロナウイルスの感染が拡大。ホールの営業環境が悪化しただけでなく、新規則機への入替作業や遊技機の運搬、設置作業にも影響が出た。
そこで国家公安委員会は2020年5月20日、規則の経過措置を改正。対象となる旧規則機について、経過措置期間を3年間から4年間に延長した。これによって、対象機種の設置可能期間は最長で2022年1月末まで延びた。
ただし、すべての旧規則機が一律に1年間延長されたわけではない。2017年5月21日以降に検定・認定を受けた機種が主な延長対象であり、それ以前に取得した機種には別の扱いが適用された。
【2】旧規則機撤去スケジュール・経緯を時系列で整理
撤去計画を理解するうえで重要なのが、国による経過措置の改正と、パチンコ・パチスロ産業21世紀会による自主的な撤去計画を区別することだ。
国が設置に関する制度上の経過措置を変更した一方、業界団体はホールが計画的に旧規則機を減らすための目標を定めた。この2つが組み合わさって、2022年1月末の完全移行につながった。
旧規則機撤去の重要な出来事
出典:国家公安委員会の規則改正資料、パチンコ・パチスロ産業21世紀会の決議、業界専門メディアの公表資料を基に整理。
21世紀会決議で新規則機の設置比率100%を目指した
2021年5月7日、業界13団体で構成されるパチンコ・パチスロ産業21世紀会は、2020年5月に決議した旧規則機の取扱いについて一部改定を決定した。
特に大きかったのが、新規則機の設置比率に関する目標の変更だ。パチンコとパチスロを合算した設置比率を段階的に引き上げ、2022年1月末に100%とする計画が示された。
改定後の目標は次のとおりだった。
- 2021年5月末:65%
- 2021年6月末:70%
- 2021年7月末:75%
- 2021年8月:目標設定なし
- 2021年9月末:80%
- 2021年10月末:85%
- 2021年11月末:90%
- 2021年12月末:95%
- 2022年1月末:100%
この数字はパチンコ単独の設置比率ではない。パチンコ・パチスロを合わせた新規則機の設置比率である点に注意したい。
また、21世紀会決議は業界団体による自主的な撤去計画であり、国家公安委員会の規則改正そのものとは異なる。ホール側には計画に沿った入替と、所轄警察署への新旧遊技機設置比率明細書の提出などが求められた。
なぜ再延長が必要だったのか
2021年4月末時点では、全国のホールに残る旧規則機が約151.5万台、新規則機の設置比率は61.6%だったと業界報道で伝えられている。
つまり、2022年1月末までに移行を完了させるには、相当数の旧規則機を短期間で入れ替える必要があった。
ホールには新台購入費用が発生し、メーカーや販売会社には製造・納品・設置作業が集中する。加えて、コロナ禍による営業環境の悪化も重なった。2021年5月の改定は、こうした業界全体の負担を考慮しながら、撤去を先延ばしにするだけではなく、月ごとの設置比率目標によって移行を管理する仕組みだった。
【3】パチンコ旧規則機の撤去対象機種一覧!エヴァ・クィーン・海物語はいつまで打てた?
検索需要が特に高いのが、実際にどの機種が撤去対象となり、いつまでホールに設置できたのかという点だ。
2022年1月の撤去対象には、CRヱヴァンゲリヲン2018年モデル GOLD Impact Y、CRフィーバークィーン2018 ZEROシリーズ、CR大海物語BLACK YMAなどが含まれていた。
ただし、同じシリーズでも型式名の末尾が違えば、別の遊技機として扱われる。撤去日を調べる場合は、シリーズ名だけでなく、型式名まで確認する必要がある。
2022年1月に撤去期限を迎えた代表的なCR機
以下は業界専門メディアが掲載した設置期限一覧に基づく代表例。東京都の検定公示日などを基準とした日付であり、全国一律の実際の最終営業日を示すものではない。
CRヱヴァンゲリヲン2018年モデル GOLD Impact Y
メーカーはビスティ。2018年モデルという名称を持つが、2018年2月1日の新規則施行前に検定公示された旧規則機だった。
機種名に2018年と入っていても、新規則機とは限らないことを示す代表例だ。
CRフィーバークィーン2018 ZEROシリーズ
ジェイビーから登場したシリーズで、次の3型式が同じ撤去期限として掲載されている。
- CRフィーバークィーン2018 ZERO JP
- CRフィーバークィーン2018 ZERO RX
- CRフィーバークィーン2018 ZERO D2
型式ごとの違いを無視して、シリーズ全体を一つの期限で検索すると誤認につながる。
CR大海物語BLACK YMA
三洋物産の海物語シリーズに属する旧規則機。掲載された設置期限は2022年1月31日だった。
同じ海物語BLACKの名称を持つ別型式と混同しないことが大切だ。
CRドラム海物語BLACK SBC
サンスリーのドラムタイプ。CR大海物語BLACK YMAとは異なる型式で、掲載された撤去期限も3日早い2022年1月28日だった。
2022年1月の撤去は一日で終わったわけではない
当時の撤去日一覧を見ると、1月14日、18日、21日、25日、28日、31日など、機種によって複数の日付が設定されていた。
例えば、CRヱヴァンゲリヲン2018年モデル GOLD Impact YとCRフィーバークィーン2018 ZEROシリーズは1月14日、CRドラム海物語BLACK SBCは1月28日、CR大海物語BLACK YMAは1月31日という違いがある。
こうした日付は、検定・認定の有効期限や経過措置、機種の型式によって決まる。ホールが自主的に早めの入替を行う場合もあるため、掲載された期限まで必ず設置されていたという意味ではない。
撤去対象機種を調べるときの注意点
旧規則機の一覧を確認する場合は、次の3点が重要になる。
- 型式名の末尾まで確認する: GOLD Impact Y、ZERO JP、ZERO RXなど、似た名称でも別型式である。
- 都道府県の違いを考慮する: 検定公示日や検定通知書に基づく期限は、地域によって異なる場合がある。
- 撤去期限と実際の撤去日を区別する: 業界が定めた最終期限より前にホールが入替を実施することもある。
特にPiDEA Xが2021年5月に掲載したCR機の設置期限一覧は、東京都公安委員会による検定公示日を基準に整理した資料だ。各都道府県で同一の日付になるとは限らないため、過去の撤去日を厳密に調べる場合は地域と型式をセットで確認する必要がある。
【4】検定切れ・認定切れで撤去が必要になる理由!甘デジ・羽根モノも対象だった?
旧規則機の撤去を理解するうえで欠かせないのが、「検定切れ」と「認定切れ」の違いだ。
検定切れとは?
検定とは、遊技機の型式が技術上の規格に適合しているかを確認する制度だ。検定の有効期間は、検定公示日から3年間と定められている。
検定の有効期間が満了すると、その型式について通常の検定に基づく設置の根拠を維持できなくなる。ホールが継続して設置するには、認定などの制度上の手続きが関係する。
認定切れとは?
認定は、営業所に設置されている遊技機について、所定の基準に適合することを確認する制度だ。認定の有効期間も、認定を受けた日から3年間である。
つまり、検定と認定は対象や手続きが異なるものの、どちらも有効期限が存在する。期限を過ぎた旧規則機が、無条件に営業用として使い続けられるわけではない。
この仕組みがあるため、旧規則機の撤去は単なる人気機種の入替ではなく、法令上の経過措置が終了することに伴う必要な対応だった。
甘デジ・羽根モノ・ちょいパチは特別な撤去スケジュールだった
旧規則機の撤去では、すべての機種が同じスケジュールで扱われたわけではない。
2020年5月の21世紀会決議では、当初2020年12月31日までに検定・認定切れとなる予定だった機種のうち、パチンコの羽根モノ、ちょいパチ、甘デジ(TS100未満)などについて、当初の期限から210日以内に順次撤去する方針が示されていた。
その後、2021年5月7日の改定で、この期間は当初の期限から1年以内に変更された。対象にはパチスロのノーマルAタイプも含まれていた。
この変更によって、比較的出玉性能を抑えた機種については、ほかの旧規則機とは異なる撤去スケジュールが適用された。
撤去期限の延長は全機種への救済ではなかった
誤解されやすいのが、2020年と2021年の延長によって、すべての旧規則機が2022年1月末まで設置可能になったという認識だ。
実際には、延長前にすでに検定・認定期限を迎えていた機種や、当初から撤去対象として特別な扱いを受けていた機種などは、同じ条件で延長されたわけではない。
また、2021年5月の改定でも、高射幸性パチスロ機については当初の検定・認定切れ日までに撤去するという方針が維持された。
したがって、「旧規則機だから2022年1月31日まで打てた」と一括りにするのは正確ではない。機種ごとの期限を確認することが必要だった。
【5】パチンコ撤去とパチスロ5号機撤去の違いは?共通点と相違点
2022年の旧規則機撤去では、パチンコのCR機だけでなく、パチスロの5号機も大きな対象となった。
両者は2018年の規則改正をきっかけに新規則機への移行を求められた点では共通する。しかし、遊技機の分類や撤去計画には違いがあった。
パチンコCR機とパチスロ5号機の主な違い
パチンコでは、CR機などの旧規則機を対象として、甘デジ・羽根モノ・ちょいパチといった機種区分も撤去計画に組み込まれた。
一方、パチスロでは5号機のうち、高射幸性回胴式遊技機と、それ以外の機種を区別した点が大きな特徴だった。
2021年5月の21世紀会決議改定では、高射幸性パチスロ機は従来の検定・認定切れ日を維持。高射幸性機以外については、当初の期限から1年以内の撤去とする方向に変更された。
2015年2月以降に検定を通過した5号機の一部では、2021年11月30日だった期限が2022年1月31日まで延長された。対象例として、マイジャグラーIII、ハナハナ鳳凰、ハナビ、リノなどが挙げられている。
5号機撤去で注目された人気機種
マイジャグラーIII
パチスロ5号機
旧規則機の撤去期限延長の対象例として挙げられたノーマルタイプの人気機種。
ハナハナ鳳凰
パチスロ5号機
沖スロ系の代表的な機種で、旧規則機からの移行期に撤去対象となった。
ハナビ
パチスロ5号機
5号機の代表的なノーマルタイプ。機種やパネルなどによって期限の確認が必要だった。
両者に共通していたのは新規則機への完全移行
パチンコはP機、パチスロは6号機という新しい区分が普及し、旧規則機の設置比率を段階的に引き下げる方針が採られた。
また、2021年5月の新目標はパチンコとパチスロを合算した設置比率だったため、どちらか一方だけを入れ替えれば達成できるものではなかった。
2022年1月31日という日付は、CR機と5号機の双方に関係する旧規則機移行の最終的な節目だった。ただし、個々の機種の撤去日はそれぞれ異なる。
【6】2026年最新!旧規則機は現在もパチンコ店で打てる?
2026年10月現在、2018年の規則改正に伴う旧規則機の経過措置はすでに終了している。
2022年6月14日に開催された日本遊技関連事業協会の通常総会では、警察庁生活安全局保安課長による行政講話が行われた。その中でも、旧基準機の撤去に関する経過措置期間がすべて満了したことが説明され、業界による計画的な撤去への取り組みが評価されている。
2026年に旧規則機を設置できるのか
当時の旧規則機を、2022年1月31日以前の経過措置に基づいて営業用ホールに設置し続けることはできない。
現在のホールで稼働しているパチンコ機は、現在適用される規則に適合した遊技機であり、旧CR機と同じ制度上の位置付けではない。
一方、過去の人気機種を振り返ることや、実機をコレクションとして所有することは、営業用の設置とは別の話だ。旧規則機の中古実機や展示機が存在することと、営業中のホールで遊技できることは区別しなければならない。
旧規則機の撤去後に変わったパチンコ業界
旧規則機の撤去は、単にCR機がP機に置き換わっただけではない。ホールの新台導入計画、メーカーの開発方針、遊技機のスペック構成にも影響した。
2018年の規則改正によって、出玉性能に関する基準が見直され、新規則機の普及が進んだ。その後も自主規制の見直しや解釈基準の変更などがあり、P機の遊技性は段階的に広がっていった。
2022年の完全移行後には、2022年11月からスマート遊技機の導入も始まり、遊技機の管理方法やホールの設備環境にも新たな変化が生まれた。
【プロの結論】2022年撤去を正しく理解するための3つの判断基準
旧規則機撤去を調べる際、最も大切なのは「撤去期限」という言葉を一つの意味で捉えないことだ。
特に次の3つを区別すると、当時の機種情報や撤去スケジュールを正確に理解できる。
1.法令上の経過措置終了日と業界の撤去目標を区別する
2022年1月31日は旧規則機の移行完了に向けた最終的な節目だった。一方、21世紀会が定めた設置比率100%は、業界全体で計画的な撤去を進めるための目標である。両者は関係しているが、制度上の意味は同じではない。
2.シリーズ名ではなく型式名を確認する
CRフィーバークィーン2018 ZEROのように、同じシリーズ内にJP、RX、D2など複数の型式が存在する場合がある。撤去日を特定するには、機種名の末尾まで調べることが重要だ。
3.撤去日と実際に打てた最終日を混同しない
設置期限が2022年1月31日とされていても、すべてのホールが最終日まで設置していたわけではない。ホールの営業方針や入替計画によって、実際に姿を消した日は異なる。
この3点を押さえることで、古い機種の撤去情報を調べる際に起こりやすい日付の誤認や、同名シリーズの混同を防げる。
【パチンコ撤去2022】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:パチンコの旧規則機は2022年1月31日にすべて撤去されたのですか?
A1:2022年1月31日は経過措置終了と完全移行の最終的な節目です。ただし、機種によって撤去期限は異なり、2022年1月14日や28日など、それ以前に期限を迎えた機種もありました。
Q2:CRヱヴァンゲリヲン2018年モデル GOLD Impact Yの撤去日はいつですか?
A2:業界専門メディアの設置期限一覧では、2022年1月14日とされています。2018年モデルという名称ですが、2018年2月1日の新規則施行前に検定公示された旧規則機です。
Q3:CR大海物語BLACKは2022年1月31日まで設置できたのですか?
A3:型式によって異なります。CR大海物語BLACK YMAは2022年1月31日、CRドラム海物語BLACK SBCは2022年1月28日が掲載された撤去期限です。
Q4:甘デジや羽根モノ、ちょいパチも撤去対象だったのですか?
A4:対象でした。ただし、当初2020年末までに検定・認定切れとなる予定だった対象機種には特別な撤去スケジュールが設けられ、2021年5月の改定で当初の期限から1年以内の撤去へ変更されました。
Q5:パチスロ5号機も2022年1月31日が最終期限だったのですか?
A5:一部の5号機は2022年1月31日まで延長されました。ただし、高射幸性パチスロ機は延長対象外で、当初の検定・認定切れ日までに撤去する方針が維持されました。
Q6:2026年現在、旧規則機をパチンコ店で打つことはできますか?
A6:2018年の規則改正以前の基準による旧規則機を、当時の経過措置に基づいて営業用に設置することはできません。2022年1月末で旧規則機の移行期間は終了しています。
まとめ:パチンコ撤去2022の全貌と2026年に知っておきたいこと
パチンコ撤去2022は、2018年2月1日の遊技機規則改正を出発点とし、新型コロナウイルスの影響による経過措置の延長、パチンコ・パチスロ産業21世紀会の自主的な撤去計画の改定を経て、2022年1月31日に旧規則機から新規則機への移行を完了させた一連の動きだった。
CRヱヴァンゲリヲン2018年モデル GOLD Impact YやCRフィーバークィーン2018 ZERO、CR大海物語BLACK YMAなど、当時の人気機種もそれぞれ異なる期限で撤去対象となった。
また、甘デジ・羽根モノ・ちょいパチには特別な撤去スケジュールが設けられ、パチスロ5号機では高射幸性機とそれ以外の機種で異なる対応が取られた。
2026年現在、旧規則機の経過措置はすでに終了している。2022年の撤去を振り返る際には、単純に「1月31日が全機種の撤去日だった」と理解するのではなく、規則改正、検定・認定期限、21世紀会決議、個別機種の型式という4つの要素を整理することが重要だ。
この撤去は、パチンコ・パチスロ業界にとって大規模な制度移行であり、現在の遊技機市場を理解するうえでも欠かせない転換点となっている。
主な参照資料:警察庁・国家公安委員会の規則改正資料、e-Gov法令検索、日本遊技関連事業協会の2022年行政講話、パチンコ・パチスロ産業21世紀会の決議関連報道、PiDEA Xの設置期限一覧、パチンコ・パチスロ必勝本の撤去日一覧。