今永昇太(いまなが・しょうた)は、横浜DeNAベイスターズで通算64勝・1021奪三振を記録し、2023年にはセ・リーグ最多奪三振のタイトルを獲得した左腕投手だ。2023年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では日本代表の優勝に貢献し、翌2024年にはシカゴ・カブスへ移籍。MLBでもデビューイヤーから高い評価を受け、日本を代表する先発投手として存在感を示してきた。
2026年10月現在、今永はMLBで3シーズン目を終え、レギュラーシーズンでは11勝10敗、防御率3.77、174奪三振を記録している。加えて、MLB公式選手ページの取引履歴には2026年10月29日付でフリーエージェント(FA)を選択した記録が掲載された。カブスでの歩みは新たな契約交渉の局面を迎えている。DeNA時代の実績からメジャーでの評価まで、数字とキャリアの転換点を整理する。
【この記事の重要ポイントまとめ】
- DeNA時代:2016~2023年の8年間で64勝50敗、1021奪三振、防御率3.18を記録。
- 日本代表:2019年プレミア12、2023年WBCの優勝に貢献し、国際舞台でも実績を残した。
- MLBでの現在:2026年はカブスで32試合に先発し、174回1/3を投げて174奪三振。10月29日にはFAとなった。
【プロフィール】今永昇太の出身地・学歴・経歴は?北九州からプロ野球の世界へ
今永昇太は1993年9月1日生まれ、福岡県北九州市八幡西区出身。左投左打の投手で、身長178cm、体重86kg。2026年10月30日時点で33歳になる。
出身高校は福岡県の北筑高校。その後、駒澤大学に進学し、東都大学野球で実績を積み重ねた。大学4年時の2015年秋には、東都大学野球リーグ戦で優勝に貢献。最高殊勲賞、最優秀投手賞、ベストナインの個人タイトルも獲得している。
2015年10月22日のプロ野球ドラフト会議では、横浜DeNAベイスターズから1位指名を受けた。駒澤大学の公式発表でも、大学野球での実績とともに指名が報告されている。
プロ入り前から高い評価を受けていた今永だが、単に球速や体格で圧倒するタイプではない。投球の組み立て、ボールの質、打者の反応を見ながら修正する能力に特徴がある。こうした知的な投球スタイルは、後に「投げる哲学者」と呼ばれる個性にもつながっていく。
今永昇太の基本プロフィール
- 名前:今永昇太(いまなが・しょうた)
- 生年月日:1993年9月1日
- 出身地:福岡県北九州市八幡西区
- 身長・体重:178cm・86kg(NPB公表値)
- 投打:左投左打
- 出身高校:北筑高校
- 出身大学:駒澤大学
- ドラフト:2015年横浜DeNAベイスターズ1位指名
- プロ入り:2016年
- MLBデビュー:2024年4月1日
【DeNA時代の実績】通算64勝・1021奪三振と2023年最多奪三振の価値
今永昇太の投手としての評価を考えるうえで、横浜DeNAベイスターズで過ごした2016~2023年の8年間は欠かせない。
日本野球機構(NPB)の個人年度別成績によると、DeNA時代の通算成績は165試合、64勝50敗、1021奪三振、防御率3.18。投球回は1002回2/3に達し、完封勝利は7回を記録した。
特に注目したいのは、1000奪三振を超える数字だ。先発投手として長いイニングを投げながら、打者を三振に仕留める能力を維持していたことが分かる。単に試合を作るだけではなく、自分の投球でアウトを積み重ねられる点が今永の強みだった。
2023年はセ・リーグ最多奪三振を獲得
DeNA時代の最終年となった2023年は、22試合に登板して7勝4敗、防御率2.80、174奪三振を記録した。
NPBの2023年セントラル・リーグ公式記録では、今永が174奪三振で最多奪三振のタイトルを獲得したことが確認できる。これはプロ入り後初の同タイトルだった。
同年は防御率も2点台に収め、奪三振数だけでなく失点を抑える能力も発揮。日本代表での活躍と合わせ、メジャー挑戦に向けた評価を高めたシーズンだった。
DeNA時代の成績を評価する際には、勝利数だけで判断しないことも大切だ。投手の勝敗は打線の援護や救援陣の働きにも左右される。1021奪三振、通算防御率3.18、1002回2/3という数字を合わせて見ることで、今永が長期間にわたり先発ローテーションを支えた実力が浮かび上がる。
【経歴・年表】日本代表からカブス移籍までの主要な転換点
今永のキャリアは、DeNAでの成長、日本代表での国際大会、MLBへの挑戦という3つの段階に整理できる。それぞれの経験が、現在の投手としての評価につながっている。
| 時期 | 所属・関係先 | 主な出来事・実績 |
|---|---|---|
| 1993年 | 福岡県北九州市 | 9月1日生まれ。八幡西区出身。 |
| 2015年 | 駒澤大学・DeNA | ドラフト1位で横浜DeNAから指名。 |
| 2016年 | 横浜DeNA | プロ1年目。8勝9敗、防御率2.93。 |
| 2017年 | 侍ジャパン | アジアプロ野球チャンピオンシップ優勝に貢献。 |
| 2018年 | 北九州市 | 北九州市スポーツ大使に委嘱される。 |
| 2019年 | 侍ジャパン | 第2回プレミア12の優勝メンバー。 |
| 2022年 | 横浜DeNA | 北海道日本ハム戦でノーヒットノーランを達成。 |
| 2023年 | 横浜DeNA・侍ジャパン | 174奪三振でセ・リーグ最多奪三振。WBC優勝にも貢献。 |
| 2024年 | シカゴ・カブス | MLBデビュー。15勝3敗、防御率2.91。オールスター選出。 |
| 2025年 | シカゴ・カブス | 9勝8敗、防御率3.73。左太ももの故障による離脱を経験。 |
| 2026年 | シカゴ・カブス | 11勝10敗、防御率3.77、174奪三振。シーズン終了後にFA。 |
この年表から分かるのは、今永が日本国内で実績を積み上げた後、国際大会を通じて評価を広げ、30歳でMLBに挑戦したという流れだ。
特に2022年のノーヒットノーラン、2023年の最多奪三振、WBCでの好投は、メジャー球団が獲得を検討する際にも注目された実績である。
【侍ジャパン】2019年プレミア12と2023年WBC優勝への貢献
今永昇太のキャリアを語るうえで、日本代表としての経験も重要だ。所属球団での成績だけでなく、短期決戦で結果を残してきた点は、投手としての評価を高める要素になっている。
2017年アジアプロ野球チャンピオンシップ
今永は2017年のアジアプロ野球チャンピオンシップに出場し、日本代表の優勝に貢献した。若手中心の国際大会で代表経験を積んだことは、その後のトップチームでの活動にもつながった。
2019年プレミア12で世界一を経験
2019年の第2回WBSCプレミア12では、侍ジャパンの投手陣の一員として選出された。大会は日本が優勝し、今永も国際舞台での経験を重ねた。
侍ジャパン公式の出場選手一覧にも、背番号21の投手として今永の名前が掲載されている。国内リーグで培った投球を海外の強打者に対して発揮する機会となった。
2023年WBC決勝でアメリカ代表を相手に先発
今永の国際大会での代表的な登板として挙げられるのが、2023年WBC決勝のアメリカ戦だ。
今永は決勝で先発し、2回を投げて1失点。日本代表はその後の継投でアメリカ打線を抑え、世界一に輝いた。今永はこの試合の勝利投手となっている。
日刊スポーツが紹介したMLB公式サイトの評価でも、決勝での登板は今永のメジャー適性を示す材料として取り上げられた。韓国戦では3回3奪三振、イタリア戦では1回2奪三振無失点と、WBCでは複数の相手に対して好投している。
WBCでの経験が重要だったのは、対戦相手のレベルだけではない。短期決戦では、一度の失投が試合の流れを大きく変える。そこで自分の球を投げ切る能力や、強打者に対して臆せず攻める姿勢を示したことは、メジャー挑戦を考えるうえで大きな意味を持っていた。
【MLB挑戦】2024年から2026年までのカブスでの成績と現在のFA状況
今永は2024年1月、シカゴ・カブスへの入団が決定した。MLB公式情報によると、契約は4年契約として発表され、同年4月1日のコロラド・ロッキーズ戦でメジャーデビューを果たした。
デビュー戦では6回を投げて無失点、9奪三振。初登板からメジャーの打者を圧倒し、移籍直後から期待を集めた。
2024年は15勝、防御率2.91でオールスター選出
メジャー1年目の2024年は、29試合に先発して15勝3敗、防御率2.91、174奪三振、173回1/3を記録した。
ナ・リーグのオールスターに選出され、4月にはナ・リーグのルーキー・オブ・ザ・マンスにも選ばれた。加えて、シーズン終了後にはオールMLBセカンドチームにも選出。新人としては非常に評価の高いシーズンとなった。
9月4日のピッツバーグ・パイレーツ戦では7回まで無安打投球を披露し、チームの継投によるノーヒットノーランにも貢献した。MLB公式は、このデビューシーズンをカブスにとって印象的な活躍として紹介している。
2025年は故障離脱を経験しながら9勝
2年目の2025年は、25試合に先発して9勝8敗、防御率3.73、117奪三振、144回2/3という成績だった。
シーズン中には左太もものハムストリングの故障で負傷者リスト入りし、5月5日から6月26日まで戦列を離れた。復帰後は先発ローテーションに戻ったものの、前年の15勝、防御率2点台という成績からは数字を落とした。
ポストシーズンでは自身初のプレーオフ登板を経験。2試合に先発して0勝1敗、防御率8.10という結果だった。短期決戦での課題も残ったが、負傷を抱えたシーズンを通じてメジャーの先発投手として経験を重ねた。
2026年は174奪三振、174回1/3を記録
2026年は32試合すべてに先発し、11勝10敗、防御率3.77、174奪三振、174回1/3を記録した。MLB公式のシーズン成績では、WHIPは1.10、与四球は37。前年の117奪三振から大きく数字を伸ばし、奪三振能力を取り戻した。
特に注目したいのは、投球回数が174回を超えた点だ。先発投手としてシーズンを通じてローテーションを支え、故障による長期離脱を経験した2025年から持ち直したことが分かる。
一方、被本塁打は35本に達した。奪三振を取れる能力を維持する一方、長打によって失点するリスクも抱えている。防御率3.77という数字には、2026年の今永の強みと課題の両方が表れている。
2026年10月30日現在はFA市場へ
2026年10月29日、MLB選手会はシーズン終了に伴ってFAとなった選手のリストを公表した。今永もその144人の中に含まれている。翌30日の日刊スポーツも、日本人選手では鈴木誠也、菅野智之とともに今永がFAとなったことを報じた。
ここで押さえておきたいのは、今回のFAが契約期間の終了に伴うものであるという点だ。2025年11月、カブスは今永の3年総額5775万ドルの球団オプションを行使せず、今永は2026年の1年2202万5000ドルのクオリファイング・オファーを受諾していた。
その1年契約を終えたため、2026年シーズン終了後にFA市場へ移った。これはカブスからの戦力外や、メジャーでの評価が失われたことを意味するものではない。
今後の注目点は、カブスとの再契約が成立するのか、それとも別球団が獲得に動くのかという点だ。2026年は174回1/3を投げて174奪三振を記録しており、先発ローテーションを任せられる左腕として評価する材料は十分にある。
【投げる哲学者の正体】今永昇太の投球スタイルとメジャーでの評価
今永昇太の愛称として知られるのが「投げる哲学者」だ。カブス入団時には、編成本部長のジェド・ホイヤーがこのニックネームを紹介したことでも話題になった。
日刊スポーツの取材記事では、今永自身が自分の武器をまだ完成していないものと捉え、野球だけでなく米国での生活も含めて学び続ける姿勢を示していたと紹介されている。
この呼び名は、単に難しい言葉を使う選手という意味ではない。自分の投球を分析し、課題を見つけ、次の登板へ修正を重ねる姿勢が背景にある。
今永の強みは奪三振能力と制球力の両立
今永の投球を評価する際、まず注目したいのがストレートとスプリットを中心とした投球の組み立てだ。打者のタイミングを外し、空振りや見逃しを引き出すことができる。
2024年のMLBでは、与四球28に対して174奪三振を記録した。三振と四球の比率は約6.2対1で、制球力の高さが際立っていた。MLB公式の紹介でも、与四球率の低さや三振・四球比率が高く評価されている。
2026年も174奪三振、37与四球という数字を残した。1試合当たりの奪三振能力を示すK/9は約8.98であり、打者を打ち取るだけでなく、三振でアウトを取れる投手であることが分かる。
課題は被本塁打と長打への対応
一方で、MLBで安定した成績を残し続けるためには、被本塁打を抑えることが課題となる。
2026年は35本の本塁打を許した。2025年も31本を記録しており、長打を浴びるリスクは継続している。奪三振能力が高くても、甘く入った球をメジャーの強打者に捉えられれば、一度の失投が失点に直結する。
今永を評価するなら、奪三振数だけでなく、被本塁打、与四球、WHIP、投球回、防御率を合わせて確認する必要がある。2026年は投球回と奪三振がともに増えた一方、防御率は3.77。先発投手としての耐久性と、長打を防ぐ能力の両方が今後の評価を左右する。
メジャーで通用した理由は環境への適応力
日本とアメリカでは、打者のパワーやストライクゾーンへの対応、登板間隔など、投手を取り巻く環境が異なる。日本で優れた成績を残した投手が、必ずしもメジャーで同じ数字を残せるわけではない。
その中で今永は、2024年に15勝を挙げ、オールスター選出とオールMLBセカンドチーム選出を実現した。2025年には故障と成績の変動を経験したが、2026年には174回1/3を投げて再び174奪三振を記録している。
この推移を見ると、今永の評価は単純な成功・失敗では整理できない。メジャーの打者に適応しながら、課題を修正していく能力そのものが強みだ。
【北九州市との関係】スポーツ大使としての地元とのつながり
今永昇太は、出身地の北九州市との関係も深い。2018年には北九州市からスポーツ大使を委嘱された。
北九州市の市政だよりによると、今永は八幡西区出身のプロ野球選手として、同市の魅力を発信する役割を担うスポーツ大使に選ばれた。当時、同市のスポーツ大使としては21人目だった。
委嘱時には、野球で結果を出すことが北九州市の魅力を広く知ってもらうことにつながるという趣旨の意気込みも示している。
なお、検索キーワードでは「北九州市特命大使」と表現されることもあるが、北九州市の公式発表に記載された正式な名称は北九州市スポーツ大使である。両者を混同しないことが大切だ。
2024年1月にカブス入団が決まった際には、北九州市が市役所庁舎に背番号18を表示し、小倉城をカブスカラーでライトアップする祝賀企画を実施した。北九州市初のメジャーリーガー誕生として、地元でも大きな節目になった。
DeNAでの8年間を経て、アメリカで活躍する現在も、今永は北九州出身のアスリートとして地域とのつながりを持ち続けている。
【今永昇太に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:今永昇太は2026年現在、どこの球団に所属していますか?
A1:2026年シーズンはシカゴ・カブスでプレーしました。シーズン終了後の10月29日にFAとなり、10月30日時点では次の契約先は確定していません。
Q2:今永昇太のDeNA時代の通算成績は?
A2:2016~2023年の8年間で165試合に登板し、64勝50敗、1021奪三振、防御率3.18を記録しました。完封勝利は7回です。
Q3:今永昇太は2023年にどのようなタイトルを獲得しましたか?
A3:セ・リーグ最多奪三振のタイトルを獲得しました。2023年は174奪三振、防御率2.80、7勝4敗という成績でした。
Q4:今永昇太が「投げる哲学者」と呼ばれる理由は?
A4:自分の投球を客観的に分析し、常に学び続ける姿勢や、野球に対する独自の考え方が評価された愛称です。カブス入団時にはジェド・ホイヤー編成本部長からも紹介されました。
Q5:今永昇太はWBCで優勝した経験がありますか?
A5:あります。2023年WBCで日本代表の一員として優勝を経験しました。決勝のアメリカ戦では先発して2回1失点、勝利投手となりました。
まとめ:今永昇太の2026年以降はFA市場と次の挑戦に注目
今永昇太は、横浜DeNAベイスターズで通算64勝・1021奪三振、防御率3.18を記録し、2023年にはセ・リーグ最多奪三振を獲得した実力派左腕だ。WBCやプレミア12などの国際大会でも実績を残し、2024年にはシカゴ・カブスでメジャーの舞台に立った。
MLB1年目の2024年には15勝、防御率2.91を記録し、オールスターとオールMLBセカンドチームに選出された。2025年は故障による離脱を経験したものの、2026年には174回1/3、174奪三振という成績を残している。
2026年10月30日現在、今永はFA市場に入っており、次の契約先はまだ決まっていない。今後の動向を見るうえでは、単なる勝敗や防御率だけでなく、先発としての投球回数、奪三振能力、与四球、被本塁打の推移を総合的に確認したい。
【プロの結論】 今永昇太の本当の価値は、DeNA時代の実績だけでも、MLB1年目の華々しい数字だけでも測れない。2025年の故障と成績変動を経験しながら、2026年に再び174奪三振と174回超の投球を実現した適応力こそ、評価すべきポイントだ。
「投げる哲学者」という愛称に象徴される探究心と、実際のマウンドで結果を出す能力。その両方を備えた今永が、次の契約でどの球団を選び、どのような投球を見せるのか。2026年オフのFA市場は、今永昇太のキャリアにとって新たな重要局面となっている。