坂本選手のフリープログラムは、単独の「愛の讃歌」だけを流す構成ではありません。フランスのシャンソンを代表する3曲を組み合わせたプログラムです。
ISU(国際スケート連盟)の公式選手プロフィールには、次の順番で登録されています。
1.
日本語タイトル:バラ色の人生
恋をしたことで世界が美しく、バラ色に見えるという愛の喜びを描いた名曲。プログラムの幕開けを飾る楽曲です。
2.
日本語タイトル:愛の讃歌
愛する人への深い思いを歌った作品。今回のフリープログラムを象徴する中心的な楽曲です。
3.
日本語タイトル:水に流して
「何も後悔していない」という力強いメッセージを持つ楽曲。プログラムの最後を締めくくります。
ISU公式プロフィールでは、3曲すべてにパトリシア・カースとエディット・ピアフの名前が記載されています。
歌唱アーティストはパトリシア・カースとエディット・ピアフ
ここで押さえておきたいのが、2人の歌手の関係です。
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実際に、パトリシア・カースの同アルバムには「Hymne à l'amour」「La vie en rose」「Non, je ne regrette rien」の3曲が収録されています。
つまり、ピアフが歌い継いできた名曲を、カースが現代的な表現で再解釈した音楽世界が、このプログラムを理解する重要な手掛かりになります。
ISUの登録は両者を併記していますが、2人が一緒に歌うデュエットという意味ではありません。
【曲名の意味を解説】3曲が描く愛と人生の物語
このフリーの魅力は、単に有名なシャンソンを3曲並べたことではありません。
それぞれの曲が持つ感情の違いに注目すると、坂本選手の演技をより深く味わえます。
1曲目「バラ色の人生」から始まる幸福感
「La vie en rose」は、恋愛によって日常の景色まで輝いて見えるようになる心情を歌った作品です。
フランス語の「La vie en rose」は、直訳すると「バラ色の人生」。
愛する人の存在が人生の見え方を変えるという、明るく幸福感のあるテーマを持っています。
坂本選手の持ち味である大きな滑りや伸びやかな動きと、この楽曲の華やかさは、鑑賞するうえで注目したい組み合わせです。
2曲目「愛の讃歌」がプログラムの核になる
「Hymne à l'amour」は、エディット・ピアフを代表する名曲の一つです。
タイトルの「Hymne」は賛歌、「amour」は愛を意味します。
単なる恋愛の喜びではなく、愛する人への揺るぎない思いを表現する楽曲です。
フランス語の歌詞が持つ情感と、オーケストラを含む音楽の広がりが、フィギュアスケートの演技にドラマ性を与えます。
3曲目「水に流して」で示される人生への肯定
最後の「Non, je ne regrette rien」は、坂本選手の引退シーズンという背景を考えると、特に印象深い選曲です。
タイトルの意味は「いいえ、私は何も後悔していない」。
過去を振り返りながらも、自分の人生を肯定して前に進むという力強さを感じさせます。
3曲の順番から受け取れる物語は、次のように整理できます。
バラ色の人生
愛に出会う喜び、人生の輝き
愛の讃歌
愛することの深さ、揺るぎない思い
水に流して
過去を受け入れ、後悔なく前へ進む決意
これは楽曲のタイトルと内容から読み取れる一つの鑑賞上の解釈です。振付師が公式に説明したストーリー設定そのものではありません。
【振付師は誰?】マリー=フランス・デュブレイユが担当
カナダを拠点に活動するフィギュアスケートの振付師・指導者。坂本選手の過去のフリープログラムも担当してきた人物です。
2025-26シーズンのフリーを担当したのは、マリー=フランス・デュブレイユです。
フジテレビのフィギュアスケート公式選手紹介でも、坂本選手の2025-26シーズンのフリー曲は「愛の讃歌」、振付師はデュブレイユと紹介されています。
ショートプログラムとの違いは?
同じ2025-26シーズンでも、ショートとフリーでは音楽も振付師も異なります。
ショートプログラム(SP)
歌唱:サラ・ブライトマン、アンドレア・ボチェッリ
振付:ブノワ・リショー
フリースケーティング(FS)
3曲構成:パトリシア・カース、エディット・ピアフ
振付:マリー=フランス・デュブレイユ
SPの「Time To Say Goodbye」は、別れや旅立ちを連想させる壮大な楽曲です。一方、FSはフランスのシャンソンを通して愛と人生を表現します。
両者を比較すると、ショートでは音楽のスケール感と演技のメリハリ、フリーでは3曲を通した感情表現に注目できます。
特に、引退を控えたシーズンに「Time To Say Goodbye」と「水に流して」を組み合わせている点は、選曲全体を考えるうえで印象的です。
【歴代フリー曲一覧】坂本花織はどんな音楽で滑ってきた?
坂本選手は、シーズンごとに異なるジャンルの音楽に挑戦してきました。
映画音楽、ポップス、ミュージカル、シャンソンなど、その選曲には幅広さがあります。
フジテレビの公式選手紹介に掲載されているプログラム情報をもとに、2015-16シーズンから2025-26シーズンまでを整理しました。
歴代プログラムから見える3つの特徴
1. 映画音楽を使った表現力
『アメリ』『ピアノ・レッスン』『マトリックス』『グラディエーター』など、映画の世界観を取り込んだプログラムが複数あります。
物語性のある音楽を使い、演技にテーマを持たせる選曲が目立ちます。
2. ポップスや現代的な音楽にも挑戦
2022-23シーズンの「Elastic Heart」はシーアの楽曲です。2023-24シーズンには「Wild is the Wind」と「Feeling Good」を採用しました。
クラシックや映画音楽だけに偏らない選曲も、坂本選手のプログラムの特徴です。
3. デュブレイユとの継続的な関係
2022-23シーズンの「Elastic Heart」、2023-24シーズンの「Wild is the Wind / Feeling Good」、2024-25シーズンの「シカゴ」、そして2025-26シーズンの「愛の讃歌」。
複数シーズンにわたってデュブレイユがフリーの振付を担当しています。
今回のプログラムは、これまで積み重ねてきた両者の創作上の関係を考えるうえでも注目される作品です。
【2026年世界選手権】「愛の讃歌」で迎えた現役最後の演技
坂本選手の2025-26シーズンを語るうえで欠かせないのが、2026年3月にチェコ・プラハで開催された世界選手権です。
ISU公式大会記録によると、女子フリーは2026年3月27日に実施され、坂本選手は158.97点を獲得しました。
これはフリーの自己ベストを更新する得点で、出場選手中1位です。
世界選手権の最終結果
| 項目 | 記録 |
|---|---|
| 開催地 | チェコ・プラハ |
| フリー実施日 | 2026年3月27日 |
| ショートプログラム | 79.31点 |
| フリースケーティング | 158.97点 |
| 総合得点 | 238.28点 |
| SP順位 | 1位 |
| FS順位 | 1位 |
| 最終順位 | 優勝 |
フリーの得点内訳にも注目
158.97点の内訳は、技術点(TES)が80.87点、演技構成点(PCS)が78.10点です。
ジャンプなどの技術面だけでなく、構成や表現、スケーティング技術の評価も高かったことが分かります。
2026年世界選手権・女子フリー
技術点(TES)
演技構成点(PCS)
合計
出典:ISU世界選手権2026公式フリー結果
4度目の世界選手権優勝で競技生活に幕
坂本選手は2022年、2023年、2024年、そして2026年の世界選手権で優勝しています。
今回のプラハ大会は、本人が予定していた2025-26シーズン終了後の競技引退を迎える最後の国際大会となりました。
ISUも2026年3月28日付の記事で、4度目の世界タイトルを獲得した坂本選手の競技生活における有終の美を伝えています。
「水に流して」という楽曲が持つ「後悔しない」という意味は、この結果を知ったうえで聴くと、また違った印象を与えます。
単なる音楽の選択ではなく、長い競技生活の最後を飾るプログラムとして、強い象徴性を持った作品になりました。
【歌詞・音源はどこで確認できる?】検索時の注意点も解説
坂本選手のフリー曲を実際に聴きたい場合は、楽曲の原題を使って検索すると見つけやすくなります。
曲名別の検索キーワード
| 楽曲 | 検索に使える言葉 |
|---|---|
| バラ色の人生 | La vie en rose Patricia Kaas |
| 愛の讃歌 | Hymne à l'amour Patricia Kaas |
| 水に流して | Non je ne regrette rien Patricia Kaas |
音源を探す場合は、Apple MusicやSpotifyなどの音楽配信サービスで、パトリシア・カースの『Kaas chante Piaf』を調べる方法があります。
2012年発売の同アルバムには、今回のフリーで使用される3曲が収録されています。
歌詞の意味を知ってから演技を見ると面白い
3曲の歌詞を理解する際には、次のポイントに注目するとよいでしょう。
- 「La vie en rose」:愛によって世界が輝いて見える幸福感。
- 「Hymne à l'amour」:愛する人への深い献身。
- 「Non, je ne regrette rien」:過去を振り返っても後悔しないという強い意思。
フランス語の歌詞全文をそのまま掲載することはできませんが、日本語訳や楽曲のテーマを確認してから演技を見ると、表情や動作の意味をより想像しやすくなります。
また、動画を探す場合は「坂本花織 2026 世界選手権 フリー」などの大会名を加えると、練習映像や別大会の演技と区別しやすくなります。
【よくある質問】坂本花織のフリー曲に関するFAQ
Q1:坂本花織の2025-26シーズンのフリー曲は何ですか?
A1:フリーのタイトルは「愛の讃歌」です。「ラ・ヴィ・アン・ローズ(バラ色の人生)」「Hymne à l'amour(愛の讃歌)」「Non, je ne regrette rien(水に流して)」の3曲で構成されています。
Q2:坂本花織のフリー曲を歌っているのは誰ですか?
A2:ISU公式プロフィールにはパトリシア・カースとエディット・ピアフの2人が記載されています。カースのアルバム『Kaas chante Piaf』にも3曲が収録されています。
Q3:フリーの振付師は誰ですか?
A3:マリー=フランス・デュブレイユです。ショートプログラムの「Time To Say Goodbye」はブノワ・リショーが担当しています。
Q4:ショートプログラムの使用曲は何ですか?
A4:「Time To Say Goodbye」です。サラ・ブライトマンとアンドレア・ボチェッリが歌う楽曲です。
Q5:2026年世界選手権のフリーで何点を獲得しましたか?
A5:2026年3月27日の女子フリーで158.97点を獲得しました。総合得点は238.28点で、優勝を果たしています。
Q6:坂本花織は2025-26シーズンで引退したのですか?
A6:はい。2026年3月の世界選手権が競技生活最後の国際大会となり、4度目の世界選手権優勝をもって競技生活に幕を下ろしました。
Q7:「水に流して」は「愛の讃歌」と同じ曲ですか?
A7:別の楽曲です。「水に流して」は「Non, je ne regrette rien」、「愛の讃歌」は「Hymne à l'amour」というフランス語の異なる作品です。坂本選手のフリーでは両方が使用されています。
まとめ:坂本花織の「愛の讃歌」は競技人生を彩る特別なプログラム
坂本花織選手の2025-26シーズンのフリーは、「ラ・ヴィ・アン・ローズ」「愛の讃歌」「水に流して」の3曲を組み合わせた、フランスのシャンソンを軸とするプログラムです。
歌唱アーティストとしてISUに記載されているのはパトリシア・カースとエディット・ピアフ。振付師はマリー=フランス・デュブレイユです。ショートプログラムには「Time To Say Goodbye」を採用し、ブノワ・リショーが振付を担当しました。
そして2026年3月27日、プラハの世界選手権でフリー158.97点、総合238.28点を記録。4度目の世界選手権優勝という輝かしい結果で、競技生活最後の国際大会を終えました。
「バラ色の人生」から始まり、「愛の讃歌」を経て「水に流して」で締めくくる音楽の流れ。そこに重なる坂本選手の長年の競技生活と最後の世界選手権の演技は、このプログラムを特別なものにしています。
これから映像を見返す際には、ジャンプやスピンだけでなく、3曲それぞれの意味、音楽の切り替わり、そして最後の「水に流して」に込められたメッセージにも注目してみてください。