ニコラモデルの歴史を象徴する4人が、新垣結衣、川口春奈、池田エライザ、南沙良だ。それぞれ活動した年代も、その後に選んだ進路も異なる。4人の経歴を追うと、ニコラがモデル活動だけでなく、芸能界で活躍するための経験を積む場にもなっていることが分かる。
1.新垣結衣:姉の勧めから始まったニコラモデル時代
新垣結衣は2001年の第4回ニコラモデルオーディションでグランプリを受賞した人物だ。沖縄県出身で、中学1年生のときにニコラモデルとして活動を始めた。
2005年のタレントデータバンクのインタビューでは、応募のきっかけについて本人が詳しく語っている。ニコラを読んでいた姉から応募を勧められたことが始まりだったという。
当初は写真を撮られることに苦手意識があったものの、書類審査、面接、最終審査を通過する過程でモデルの仕事に対する興味が強くなった。最終オーディションでプロのメイクやスタイリングを経験し、撮影の楽しさを知ったことも印象的なエピソードだ。
ニコラでは約3年半にわたって専属モデルを務め、その後は女優として本格的に活動。ドラマ『ドラゴン桜』『マイボス マイヒーロー』などで注目され、映画『恋空』やドラマ『コード・ブルー』『逃げるは恥だが役に立つ』など、幅広い作品で知られる存在となった。
新垣の経歴で注目すべきなのは、最初から完成された芸能人だったわけではない点だ。本人が当時のインタビューで語ったように、オーディションの経験そのものが、表現することへの意識を変えるきっかけになっていた。
2.川口春奈:2007年のグランプリから人気俳優へ
川口春奈は2007年度の第11回ニコラモデルオーディションでグランプリを獲得した。2007年10月から2011年3月まで、新潮社のファッション誌『ニコラ』で専属モデルを務めたことが所属事務所の活動歴に記載されている。
モデル活動と並行して女優としても経験を重ね、2009年にはドラマ『東京DOGS』に出演。2011年にはドラマ『桜蘭高校ホスト部』で連続ドラマ初主演を務めた。
2011年8月18日には、都内でニコラ専属モデルの卒業式が開催された。オリコンの報道によると、約1,000人の読者が川口の卒業を見送り、本人は今後、女優として頑張りたいという決意を語っていた。
その後はドラマ『silent』『着飾る恋には理由があって』、NHK連続テレビ小説『ちむどんどん』などに出演。モデルとしての知名度を足掛かりに、映像作品で実績を積み重ねた代表的なケースだ。
3.池田エライザ:ニコラからCanCam、さらに映画監督へ
池田エライザは2009年の第13回ニコラモデルオーディションでグランプリを受賞した。2009年9月から2013年3月までニコラの専属モデルとして活動している。
ニコラ卒業後の2013年4月からは、女性ファッション誌『CanCam』の専属モデルに就任。ティーン誌から20代女性向けファッション誌へと活動の場を移した。
その後は映画『みんな!エスパーだよ!』『SUNNY 強い気持ち・強い愛』『貞子』などに出演し、俳優として存在感を高めた。さらに映画『夏、至るころ』では監督を務め、表現者として活動領域を広げている。
池田の経歴は、ニコラモデルの卒業後に別のファッション誌へ進む道だけでなく、俳優やクリエイターへとキャリアを発展させる可能性も示している。
4.南沙良:第18回グランプリから映画・ドラマの主演へ
南沙良は2014年の第18回ニコラモデルオーディションでグランプリを受賞した。神奈川県出身で、同年から専属モデルとして活動を開始。2019年3月にニコラを卒業している。
モデル活動中の2017年には映画『幼な子われらに生まれ』で女優デビュー。2018年公開の『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』では映画初主演を務めた。同作での演技は映画賞でも評価され、新人俳優として注目を集めた。
その後も『ドラゴン桜』第2シリーズ、『鎌倉殿の13人』『光る君へ』などに出演。映画とテレビドラマの双方でキャリアを積んでいる。
南の場合、ニコラ在籍中から女優としての活動を始め、卒業後も映像作品を中心にキャリアを築いていった点が特徴的だ。
4人の経歴・関係性を一覧で比較
4人に共通するのは、ニコラでの活動が芸能活動の出発点になったことだ。一方で、その後のキャリアは一様ではない。女優としての活動に集中する人もいれば、ファッション、音楽、映画制作へと領域を広げる人もいる。
ニコラモデルの価値は、卒業後に全員が同じ職業に就くことではなく、若い時期に自分の適性や表現方法を知る機会を得られることにもある。
【新潮社のニコラモデルオーディション】応募資格・審査方法・合格までの流れ
ニコラモデルオーディションは、出版社の新潮社が発行するファッション誌『ニコラ』の専属モデルを選ぶための選考制度だ。創刊以来、原則として毎年開催されており、2026年には記念すべき第30回を迎えた。
2026年の公式募集要項では、応募対象や審査の手順が具体的に公開されていた。過去のOGのように、芸能活動の経験がない状態から応募することも可能だ。
2026年の応募資格
2026年の第30回オーディションで示された主な応募条件は次のとおり。
- 対象年齢:10歳(小学5年生)~15歳(中学3年生)の女子
- 身長:制限なし
- 居住地:全国どこからでも応募可能
- 芸能事務所:所属していても応募可能
- 応募:本人からの応募
- 保護者の承諾:必須
- 審査費用:無料
- 交通費・宿泊費:応募者側の自己負担
特に注目したいのは、身長制限が設けられていないことと、地方在住者も応募できることだ。全国の小中学生に門戸を開いた選考になっている。
オーディションの審査はどう進む?
保護者への相談・応募
保護者の許可を得て、インターネットまたは郵送で応募する。2026年は5月1日から6月30日まで受け付けていた。
書類審査
応募情報と写真などをもとに選考。通過者には保護者のメールアドレス宛てに連絡が届く。
二次審査
東京の会場でグループ面接とプロカメラマンによる撮影テストを実施する。
最終審査
プロのヘアメイク、スタイリスト、カメラマンによる撮影を行い、衣装を着用した際の表現力やカメラ写りなどを確認する。
ファイナリスト発表・読者投票
最終審査に進んだ候補者が誌面や公式サイト、SNSなどに登場し、読者投票が実施される。
グランプリ決定・誌面デビュー
グランプリ受賞者はニコラ専属モデルとして活動を開始する。
このように、書類だけで決まるのではなく、面接、撮影、最終選考、読者投票と複数の段階を経て選出される。2026年は応募者4,728名に対してファイナリストが14名、グランプリが3名だった。単純に応募者数と受賞者数を比較すると、受賞者は約0.063%に相当する。
ただし、この数字は応募総数に対するグランプリ受賞者の割合であり、各審査段階の通過率とは異なる。実際の選考は複数の評価を組み合わせて行われる。
応募写真で意識したいポイント
2026年の公式募集要項では、顔の正面写真と全身写真の提出が求められていた。写真は3か月以内に撮影したものを使用し、加工やフィルターを避けること、メイクやカラーコンタクトを使用しないことなどが指定されている。
また、全身写真はつま先まで写るように撮影し、体のシルエットが分かる服装を選ぶよう案内されていた。高価な衣装や特別な撮影設備を用意することよりも、本人の自然な表情や雰囲気が伝わる写真を準備することが基本になる。
2026年の募集は6月30日に終了しており、第30回の結果も10月30日に発表済みだ。次回の応募時期や条件は、今後の新潮社・ニコラ公式発表を確認したい。
【ニコラモデルと読者モデルの違い】旧名称から変わった制度の実態
ニコラモデルを調べると、しばしば混乱するのが「読者モデル」という言葉だ。実際、過去にはニコラモデルオーディションが「ニコラ読者モデルオーディション」と呼ばれていた時期がある。
しかし、一般的な読者モデルと現在のニコラ専属モデルは、役割や活動の位置付けが異なる。
一般的な読者モデルとは?
一般的な読者モデルは、雑誌の読者や一般公募の参加者が、特定の企画や撮影に参加する形式を指す。必ずしも雑誌の専属モデルとして継続的に活動するわけではない。
企画ごとの参加、街頭スナップ、読者投稿、ファッション特集など、関わり方は雑誌によって異なる。
ニコラ専属モデルとは?
一方、ニコラ専属モデル、通称ニコモは、オーディションなどで選ばれ、卒業まで本誌やニコラネットなどで継続的に活動するモデルだ。
2026年の公式制度では、グランプリ受賞者がニコラ専属モデルとして活動することが明記されている。また、芸能事務所に所属していないグランプリ受賞者には、芸能事務所が紹介される仕組みも案内されている。
ニコラガールズは専属モデルと別の立場
加えて、現在のニコラには「ニコラガールズ」という専属読者モデルの制度がある。
2026年の募集では、ファイナリストの中から数名がニコラガールズ賞に選ばれ、専属読者モデルとして1年間、誌面やニコラネットで活動する予定と発表された。専属モデルのグランプリとは別の賞だ。
今回の第30回でグランプリを受賞した上野みくもも、以前はニコラガールズとして活動していた。つまり、読者モデルとして経験を積んだ後に、専属モデルのグランプリを獲得する道も実際に存在する。
この制度の違いを理解しておくと、「ニコラ読者モデルオーディション」という旧名称だけで、現在の選考内容を判断する誤解を避けられる。
【ニコラモデルは芸能界への登竜門?】卒業後の進路と成功する理由
ニコラモデルが芸能界への登竜門と呼ばれる背景には、歴代OGの活躍だけでなく、雑誌の制作環境そのものが関係している。
1.カメラの前で表現する経験が積める
ニコラの撮影では、ファッションやメイク、ヘアスタイルに合わせて表情やポーズを変える必要がある。こうした経験は、広告撮影や映像作品など、別の仕事にも生かせる。
新垣結衣が2005年のインタビューで語ったように、最初は写真を撮られることが苦手でも、撮影を通して楽しさを感じる場合がある。こうした経験は、若いモデルが自分の表現方法を見つける機会にもなる。
2.雑誌以外のメディアに接点がある
2026年のニコラ公式案内では、本誌だけでなく、ニコラネット、公式YouTubeチャンネル「ニコラTV」、TikTokなども活動の場として紹介されている。
現在のモデルは、紙面だけでなく動画やSNSでも読者と接点を持つ。これは、モデルやタレントとして活動するうえで、発信力やコミュニケーション能力を磨く機会になっている。
3.芸能事務所との接点が生まれる
新潮社の2026年募集要項では、芸能事務所に所属していないグランプリ受賞者に事務所を紹介する制度が案内されている。
そのため、芸能活動の経験がない応募者にとっても、専属モデルとして選ばれた後に次の活動へ進む足掛かりが生まれる。
ただし、事務所の紹介は俳優デビューや出演契約を保証するものではない。卒業後にどのような仕事へ進むかは、本人の希望や適性、所属先の方針などによって変わる。
4.卒業後の進路は一つではない
歴代OGの経歴を整理すると、卒業後の進路は大きく次のように分けられる。
- 俳優・女優: 新垣結衣、川口春奈、南沙良、永野芽郁、清原果耶など。
- ファッションモデル: 池田エライザ、飯豊まりえ、久間田琳加など。
- タレント・バラエティ: 藤田ニコルなど。
- 音楽・クリエイティブ: 池田エライザの歌手活動や映画監督としての活動など。
もちろん、一人の人物が複数の分野で活動することもある。こうした進路の多様性こそ、ニコラOGの特徴だ。
5.2002年の第6回オーディションに見る意外な事実
歴代オーディションを振り返ると、興味深いのが2002年夏の第6回だ。この回では我妻三輪子らがグランプリに選ばれた一方、選考途中で誌面に登場したものの、最終的な専属モデルの採用には至らなかった候補者の中から、後に芸能界で活躍する人物も出ている。
その名前として知られるのが、女優の平山綾、多部未華子、ファッションモデルの赤谷奈緒子、元グラビアアイドルの上堂薗恭子、入船加澄実だ。
このエピソードが示しているのは、オーディションの合格と芸能界での成功が必ずしも同じものではないということだ。ニコラの選考を通過しなかった人にも、別の機会から芸能活動を始める道があった。
つまり、ニコラモデルオーディションは若い才能が出会う一つの入口であり、芸能界への唯一の道ではない。
【プロの結論】ニコラモデルの価値は卒業後にも残る経験にある
歴代OGの経歴から読み取れるのは、ニコラでの経験が、その後の活動に生かされる可能性があるということだ。
モデルとしての撮影経験、ファッションへの理解、読者とのコミュニケーション、スタッフとの協働。こうした能力は、俳優、タレント、モデルなど、異なる仕事へ進んだ場合にも土台になり得る。
一方で、ニコラに所属すれば誰でも人気女優になれるわけではない。卒業後の進路は個人差が大きく、芸能界で活動を続けるには、本人の努力や適性、周囲のサポートも必要になる。
応募を考えている小中学生にとっては、知名度のあるOGへの憧れだけでなく、撮影や表現活動を楽しめるか、学業と両立できるか、保護者と一緒に活動を支えられるかを考えることが大切だ。
特に、東京での審査に伴う交通費・宿泊費は自己負担となるため、地方在住者は家庭で事前に相談しておきたい。芸能界デビューだけを目的にするより、モデル活動そのものに興味がある人に向いている選考といえる。
【ニコラモデル歴代に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:歴代ニコラモデルで最も有名なのは誰ですか?
A1:知名度の高いOGとして、新垣結衣、川口春奈、池田エライザ、藤田ニコル、永野芽郁、清原果耶などが挙げられる。俳優、モデル、タレントと活躍する分野はさまざまだ。
Q2:新垣結衣はいつニコラモデルになりましたか?
A2:2001年の第4回ニコラモデルオーディションでグランプリを受賞し、中学1年生から活動を始めた。約3年半にわたって専属モデルを務め、その後、女優として活動の幅を広げた。
Q3:2026年のニコラモデルオーディションの合格者は誰ですか?
A3:第30回のグランプリは長沼虹波、上野みくも、篠島彩羽の3名。応募総数4,728名から選ばれ、2026年10月30日発売のニコラ2027年1月号で専属モデルとしてデビューした。
まとめ:歴代ニコモから2027年の新世代へ続くニコラの歴史
ニコラモデルの歴代OGには、新垣結衣、川口春奈、池田エライザ、南沙良をはじめ、俳優やモデル、タレントとして活躍する人物が数多くいる。
彼女たちに共通するのは、若い時期にニコラという媒体で経験を積み、その後、それぞれ異なる分野へ進んでいったことだ。
2026年10月30日に発表された第30回オーディションでは、長沼虹波、上野みくも、篠島彩羽の3名が新たにグランプリを獲得した。応募者4,728名から選ばれた3人は、2027年に向けた新しいニコラの顔となる。
また、ニコラモデルと一般的な読者モデルは同じではなく、現在は専属モデルと専属読者モデルの制度が分かれている。オーディションの仕組みを知ることで、歴代モデルの経歴や卒業後の進路も、より正確に理解できる。
1997年の創刊から続くニコラの歴史は、2027年に30周年という節目を迎える。これまでのOGが築いてきた実績と、新しい世代のモデルたちがどのようなキャリアを切り開いていくのか。今後の活躍にも注目したい。
主な参考資料:新潮社・ニコラ公式オーディション情報、ニコラネット第30回グランプリ発表、研音公式プロフィール、エヴァーグリーン・エンタテイメント公式プロフィール、タレントデータバンク、オリコンニュース。