ロックバンド「忘れらんねえよ」のボーカル・ギターとして活動する柴田隆浩。2008年の結成から、アニメ『逆境無頼カイジ 破戒録篇』のエンディングテーマ「CからはじまるABC」によるメジャーデビュー、メンバー脱退を経たソロ体制への移行まで、その歩みは決して平坦ではなかった。
2026年は、古巣VAPへの復帰と新曲「たりないか、」のリリースに加え、テレビアニメ『ヤニねこ』のオープニングテーマ「なんもねえ」、そして2028年の日本武道館ワンマン開催に向けた全国ツアーなど、新たな動きが相次いでいる。柴田のプロフィールや学歴、楽曲提供、喉のポリープ手術からの復帰まで、これまでの経歴と現在の活動を整理する。
【この記事の重要ポイントまとめ】
- プロフィール:柴田隆浩は1981年生まれ、熊本県出身のミュージシャン。「忘れらんねえよ」のボーカル・ギターを務める。
- 2026年の最新活動:3月25日に「たりないか、」をリリースし、7月2日にはアニメ『ヤニねこ』の主題歌「なんもねえ」を配信。10月21日には「THE FIRST TAKE」で同曲を披露した。
- 今後の目標:2028年の日本武道館ワンマン開催を掲げ、2026年秋から2027年1月にかけて全国ツアーを展開している。
【柴田隆浩のプロフィール】出身・学歴・ボーカルとしての原点
柴田隆浩(しばた・たかひろ)は、ロックバンド「忘れらんねえよ」のボーカル・ギターであり、楽曲の作詞・作曲を中心的に担ってきたミュージシャンだ。1981年7月26日生まれ、熊本県熊本市出身と紹介されている。2026年10月時点で45歳になる。
学歴については、プロフィール情報で熊本県立熊本高校、早稲田大学の卒業が紹介されている。本人の過去のインタビューでは、大学時代に「女殺団」というバンドで活動していたことも明かされている。ただし、当時はサイドギターを担当し、自分で曲を作ったり、歌ったりする立場ではなかったという。
大学卒業後は就職し、営業職として約6年間働いた時期がある。音楽活動から距離を置いていた柴田が再びバンドを始める大きなきっかけになったのは、チャットモンチーのライブ映像との出会いだった。
柴田は過去のインタビューで、演奏する姿に強く心を動かされ、音楽を諦めかけていた自分の生き方を見つめ直した経緯を語っている。2008年、こうした経験を経て「忘れらんねえよ」を結成した。
柴田の歌詞には、格好の悪さ、嫉妬、劣等感、報われない思いといった感情が頻繁に登場する。整った言葉で自分を大きく見せるよりも、うまくいかない人間の本音をそのまま歌にする。この表現が、バンドの音楽を特徴づける要素になっている。
【経歴・年表】「CからはじまるABC」から現在までの転換点
柴田隆浩のキャリアを理解するには、代表曲だけでなく、バンドの編成と活動方針が変わった時期を追う必要がある。メジャーデビュー、ドラマーの脱退、ベーシストの脱退、レーベルへの復帰という節目が、現在の活動につながっている。
| 時期 | 主な出来事 | 活動上の意味 |
|---|---|---|
| 2008年 | 「忘れらんねえよ」結成 | 柴田を中心にバンド活動を開始 |
| 2011年 | 「CからはじまるABC」でメジャーデビュー | アニメ『逆境無頼カイジ 破戒録篇』のエンディングテーマに起用 |
| 2015年 | ドラマーの酒田耕慈が脱退 | メンバーそれぞれの音楽活動を見直す転機に |
| 2017年 | 日比谷野外音楽堂でのワンマンライブがソールドアウト | ライブ活動の広がりを示す実績 |
| 2018年 | ベーシストの梅津拓也が脱退 | 正式メンバーが柴田のみの体制へ移行 |
| 2019年 | のんの「わたしは部屋充」を楽曲提供・プロデュース | バンド外での作家・プロデューサーとしての活動も展開 |
| 2025年12月 | VAPへの復帰と2028年の武道館開催を目指す方針を発表 | 新たな活動計画を公表 |
| 2026年3月25日 | 「たりないか、」配信リリース | VAP復帰後の新作として再出発 |
| 2026年7月2日 | 「なんもねえ」配信リリース | アニメ『ヤニねこ』のオープニングテーマに起用 |
| 2026年10月 | 「THE FIRST TAKE」出演、全国ツアー開始 | 武道館開催に向けたライブ活動を継続 |
初期の代表曲「CからはじまるABC」は、2011年8月24日にシングルとして発売された。日本テレビ系アニメ『逆境無頼カイジ 破戒録篇』のエンディングテーマに起用され、バンドがメジャーシーンへ進む足がかりとなった。
2017年には日比谷野外音楽堂でのワンマンライブをソールドアウトさせるなど、ライブバンドとしての実績も積み重ねている。一方で、2015年の酒田耕慈、2018年の梅津拓也の脱退を経て、活動の形は大きく変わった。
2025年12月24日には、2028年の日本武道館公演を目指すことと、VAPから新曲をリリースすることを発表。2026年は、この目標を具体的な作品やライブ活動へとつなげる一年になっている。
【忘れらんねえよの音楽性】「CからはじまるABC」と楽曲提供に見る柴田の作家性
柴田隆浩の音楽を語るうえで欠かせないのが、個人的な感情をロックサウンドに乗せる作風だ。忘れらんねえよの楽曲では、恋愛の失敗や嫉妬、自分への苛立ちなど、日常のなかで人に見せにくい感情が、勢いのある演奏とともに表現されている。
「CからはじまるABC」は、その特徴を早い段階で示した作品だ。タイトルの印象だけではなく、歌詞には音楽への憧れや、うまくいかない自分への感情が織り込まれている。柴田がギターを手にして歌うスタイルと、飾らない言葉の組み合わせは、その後のバンドの方向性にもつながった。
ギターを始めたきっかけについて、柴田は音楽メディア「plug+」のインタビューで、中学生の頃に友人が弾き語りで歌った藤井フミヤの「TRUE LOVE」を聴き、自分もギターを弾いてみたいと思ったと振り返っている。カート・コバーンや浅井健一といったギター・ボーカルの存在にも影響を受けたという。
柴田の活動は、自身のバンドにとどまらない。菅田将暉には「ピンクのアフロにカザールかけて」や「7.1oz」などの楽曲を提供し、後者では菅田との共作詞も行っている。のんには、2019年に配信された「わたしは部屋充」の作詞・作曲・プロデュースを担当した。
他のアーティストへの楽曲提供では、自身が歌う場合とは異なり、歌い手の声や表現力、作品の世界観を踏まえて曲を作る必要がある。柴田がバンドの作詞・作曲を担うだけでなく、他者の表現を支える立場でも活動している点は、作家としての幅を知る手がかりになる。
つまり、柴田の音楽性は、単に勢いのあるロックを鳴らすことだけにあるのではない。自分の内面を言葉にする力と、別の歌い手の魅力を作品へ落とし込む力。その両面が、長期にわたる活動を支えている。
【メンバー脱退の経緯】梅津拓也・酒田耕慈の脱退とソロ体制への変化
「忘れらんねえよ」は2008年の結成当初、柴田隆浩、ベースの梅津拓也、ドラムの酒田耕慈を中心とする3人組だった。その後、メンバーの脱退を経て、2018年5月から正式メンバーは柴田のみとなった。現在はサポートミュージシャンを迎えながらライブやレコーディングを行っている。
最初の大きな転機は2015年の酒田の脱退だ。オリコンニュースの報道によると、酒田は家庭の事情をきっかけにライブ活動を休止し、その期間に自身の今後や音楽との向き合い方を考えたうえで脱退を決めた。柴田も、目指す音楽の違いなどを踏まえ、メンバーとスタッフで話し合った結果だと説明していた。
続いて2018年2月、ベースの梅津拓也が脱退を発表した。梅津は同年5月1日のZepp Tokyoでのワンマンライブ「サンキュー梅ックス」をもってバンドでの活動を終了。脱退理由について、自分がこのバンドでできることはやりきったと感じたことや、これからは自分自身の意思で音楽を続けたいという思いを挙げていた。
重要なのは、いずれの脱退も、本人たちが語った理由を離れて単純な不仲説に結びつけるべきではないという点だ。公開されたコメントでは、音楽活動に対する考え方や、それぞれの今後を踏まえた決断として説明されている。
こうして柴田が唯一の正式メンバーとなったことで、「忘れらんねえよ」は実質的に柴田を中心とするソロプロジェクトに近い体制へ変わった。ただし、名称は引き続き「忘れらんねえよ」であり、ライブではサポートミュージシャンを迎えたバンド編成も採用している。
ここで区別したいのは、正式メンバーが一人であることと、音楽制作やライブをすべて一人で完結させていることは同じではないという点だ。柴田が創作の中心を担いつつ、必要に応じて演奏者と協働する形が、現在の活動を理解するうえでの基本となる。
【2026年最新】VAP復帰と「たりないか、」、喉のポリープ手術からの再出発
2026年の柴田隆浩を語るうえで大きな節目となるのが、古巣VAPへの復帰だ。忘れらんねえよは2011年に「CからはじまるABC」でメジャーデビューした際、VAPから作品をリリースしていた。2025年12月24日、渋谷CLUB QUATTROでのワンマンライブを機に、2026年3月25日に新曲「たりないか、」をVAPから配信することを発表した。
「たりないか、」は、2028年の日本武道館ワンマン開催を目指す活動計画の第一弾として位置づけられた作品だ。過去のデビュー時代と同じレーベルに戻ることは、単なる契約先の変更にとどまらず、バンドの出発点と現在を結び直す動きでもある。
2026年4月に公開された音楽メディア「StoryWriter」のインタビューでは、柴田が喉のポリープ手術後の状態について説明している。本人によると、日常会話は問題なくできる段階まで回復していた一方、歌唱については高音域の響きを取り戻すためのリハビリが続いていたという。
柴田は同インタビューで、ポリープを切除したことで、以前の声の出し方をそのまま使うのではなく、声帯の状態に合わせて発声を調整する必要が生じたと語っている。歌唱の回復には、声帯そのものの治癒だけでなく、発声の感覚を取り戻す過程も関係していた。
また、本人は新曲の高いキーを練習していたことがポリープにつながったと説明している。「たりないか、」についても、手術を経た自分にとって、応援してくれるファンに届ける復帰曲になってほしいという思いを明かした。
このインタビューで重要なのは、手術を経たから活動を終えるのではなく、声の状態と向き合いながら新作を発表し、ライブ活動を続けていることだ。喉の状態について、2026年4月時点では歌唱リハビリの途上にあったことが本人の発言から分かる。以降の具体的な回復状況については、別途公表された情報と区別して捉える必要がある。
【現在の活動と2028年武道館構想】「なんもねえ」から全国ツアーへ
2026年の活動は「たりないか、」だけではない。7月2日には新曲「なんもねえ」をデジタルリリース。テレビアニメ『ヤニねこ』のオープニングテーマに起用され、柴田が原作ファンであることを背景に書き下ろされた楽曲として発表された。
VAPの発表では、「なんもねえ」のミュージックビデオは公開から2か月を待たずにYouTubeで1,000万回再生を突破。オリコンやビルボードなどのランキングチャートでも1位を獲得したとされている。作品を通じて、既存のファンだけでなく、アニメをきっかけにバンドを知る人にも楽曲が届いた。
加えて、2026年10月21日にはYouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」に再登場し、「なんもねえ」をサポートミュージシャンを迎えたバンド編成で披露した。2026年の活動を振り返ると、配信シングル、アニメタイアップ、ミュージックビデオ、パフォーマンス映像と、複数の接点を通じて楽曲を届ける動きが続いている。
こうした展開の先に掲げられているのが、2028年の日本武道館ワンマン開催だ。2028年は忘れらんねえよの結成20周年にあたる。2025年12月の発表以降、武道館に向けた「約束」として、新曲やツアーなどの取り組みが順次発表されてきた。
2026年秋から2027年1月にかけては、全国9カ所を巡るワンマンツアー「俺と武道館へ行かないか」を開催。2026年10月24日の千葉LOOK公演を皮切りに、福岡、札幌、神戸、宇都宮、仙台、高松、広島、熊本を回る予定となっている。また、11月から12月にかけては、東京・大阪・愛知で東名阪ツレ伝「武道館、どうだった?」も開催する。
このツアー計画は、武道館公演の実現に向けて、各地の観客に目標を伝えながらライブ活動を積み重ねるものと捉えられる。武道館公演の具体的な日程やチケット販売などの詳細は、今後の公式発表が待たれる段階だ。
また、武道館という大きな目標だけに注目すると、現在の活動の意味を見落としやすい。柴田は「たりないか、」で再出発し、「なんもねえ」でアニメ作品との接点を広げ、全国ツアーでライブの場を増やしている。作品のリリースとライブ活動を並行して進めることが、2028年に向けた具体的な積み上げになっている。
【柴田隆浩】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:柴田隆浩の学歴は?
A1:公開プロフィールでは、熊本県立熊本高校、早稲田大学の卒業が紹介されている。本人の過去のインタビューでは、大学時代にバンド活動をしていたことも語られている。
Q2:忘れらんねえよは現在、柴田隆浩のソロプロジェクトなの?
A2:2018年5月以降、正式メンバーは柴田隆浩のみとなっている。その意味ではソロ体制に近いが、バンド名は「忘れらんねえよ」のままで、ライブや作品制作ではサポートミュージシャンを迎えて活動している。
Q3:柴田隆浩の2026年の最新曲は?
A3:2026年3月25日に「たりないか、」、7月2日に「なんもねえ」を配信リリースした。後者はテレビアニメ『ヤニねこ』のオープニングテーマで、10月21日には「THE FIRST TAKE」でも披露された。
Q4:忘れらんねえよの日本武道館ライブはいつ開催される?
A4:柴田は2028年の初の日本武道館ワンマン開催を目指すと発表している。2026年秋から2027年1月にかけて全国ツアーを行うなど、実現に向けた活動を進めている。公演の具体的な日程やチケット情報は、今後の公式発表を確認したい。
Q5:柴田隆浩は喉のポリープ手術後、回復した?
A5:2026年4月のインタビューでは、日常会話は問題なくできる状態まで回復していた一方、歌唱は高音域を中心にリハビリ中だと本人が説明している。その後の詳細な回復状況については、最新の本人発信や公式情報を確認する必要がある。
まとめ:柴田隆浩の現在を知る3つの視点
柴田隆浩の経歴を振り返ると、2008年の忘れらんねえよ結成、2011年のメジャーデビュー、メンバー脱退を経たソロ体制への移行、そして2026年のVAP復帰という転換点が見えてくる。
現在の柴田を理解するうえで、押さえておきたい視点は3つある。第一に、柴田はボーカル・ギターとして歌うだけでなく、作詞・作曲を中心に担う創作者でもあること。第二に、正式メンバーが一人になった後も、サポートミュージシャンとの協働によってバンド名義の活動を続けていること。第三に、2026年の新曲やアニメタイアップ、全国ツアーが、2028年の日本武道館公演という目標につながっていることだ。
2026年10月時点では、「なんもねえ」の「THE FIRST TAKE」出演や全国ツアーなど、武道館に向けた動きが具体化している。今後注目したいのは、作品の発表だけでなく、ライブ活動の広がりと、2028年の公演に関する公式発表だ。柴田隆浩の現在は、過去の代表曲を振り返るだけでは捉えきれない、次の節目へ向けた進行形の活動にある。