敢闘賞は、大相撲だけに存在する賞ではありません。スポーツ大会や競技イベントなど、幅広い場面で採用されています。
ただし、すべての競技に共通する公式の敢闘賞制度があるわけではありません。大会の主催者が独自に設ける表彰も多く、同じ名称でも評価の重点は変わります。
敢闘賞が設けられる主な競技
| 競技・大会 | 評価されやすい活躍 |
|---|---|
| 野球 | 最後まで粘り強くプレーする姿勢、チームへの貢献 |
| サッカー | 試合終了まで走り続ける運動量、積極的なプレー |
| バスケットボール | 劣勢からの巻き返し、攻守両面での奮闘 |
| 陸上競技 | 最後まで走り抜く姿勢、自己記録への挑戦 |
| 柔道・剣道 | 強豪選手への挑戦、最後まで諦めない試合運び |
| バレーボール | 劣勢での粘り強い守備、チームを支えるプレー |
| 学生スポーツ | 技術だけでなく、競技への取り組みや健闘 |
ここで注意したいのは、これらが各競技に共通する正式な選考基準ではないことです。実際に敢闘賞が設けられているか、どのような選手が受賞できるかは大会ごとに確認する必要があります。
個人競技と団体競技では評価のポイントが違う
個人競技では、選手本人の競技内容や精神力が評価の中心になります。
例えば、マラソンで優勝には届かなかったものの、最後までペースを維持して走り切った選手や、柔道で格上の相手に果敢に挑戦した選手などが考えられます。
一方、団体競技では個人の成績だけでなく、チームへの貢献も重要です。
サッカーなら守備で味方を支えた選手、バスケットボールなら得点以外の部分でチームを助けた選手など、目立つ数字には表れない働きが評価される可能性があります。
つまり、敢闘賞は競技の特性に応じて、選手の健闘を多角的に評価できる表彰なのです。
敢闘賞は負けた選手に贈られる賞なのか?
これはよくある誤解です。
敢闘賞は、必ずしも敗者に贈られる賞ではありません。優勝者や上位入賞者が受賞する場合もあります。
大相撲では、勝ち越した力士が対象となるため、勝利数を積み重ねた力士が敢闘賞を受賞します。
一方、一般の大会では、準優勝者や予選敗退者が受賞することもあり得ます。
大切なのは、優勝したかどうかだけではなく、その大会でどのような活躍を見せたかという点です。
【歴代受賞者と2026年最新情報】大相撲の敢闘賞から見る評価の実態
敢闘賞の歴代受賞者を調べる際に、特に参考になるのが大相撲の三賞です。
長い歴史を持つ制度であり、受賞者の記録から、どのような力士が健闘を評価されてきたのかが見えてきます。
大相撲の歴代敢闘賞受賞者と記録
2026年9月場所終了時点の公開記録集計では、敢闘賞の受賞回数上位には次の力士が並んでいます。
- 貴闘力:10回
- 安芸乃島:8回
- 高安:7回
- 魁傑:7回
- 旭天鵬:7回
敢闘賞の受賞回数では貴闘力が最多で、安芸乃島が続きます。
なお、三賞全体の通算受賞回数では安芸乃島が19回で最多記録を持っています。敢闘賞だけの記録と、殊勲賞・技能賞を含む三賞全体の記録は区別する必要があります。
2026年9月場所の敢闘賞受賞者
2026年の最新事例として注目されるのが、大相撲秋場所です。
9月27日の千秋楽に三賞選考委員会が開かれ、次の2人が敢闘賞を受賞しました。
藤ノ川(関脇)
敢闘賞2回目
新関脇として3大関全員に勝利。終盤まで優勝争いに加わる活躍が評価されました。
美ノ海(前頭3枚目)
敢闘賞2回目
2大関を破って2桁勝利を挙げ、上位力士との対戦でも存在感を示しました。
この場所では殊勲賞と技能賞は該当者なしでした。横綱・大の里が12勝3敗で優勝しています。
この結果からも、敢闘賞は単純に優勝争いの順位だけで決まるものではないとわかります。
藤ノ川は3大関を破りながら11勝を挙げ、美ノ海も上位陣を相手に10勝を記録しました。対戦相手の格、場所全体での活躍、勝ち星などが評価を考えるうえでの重要な材料になっています。
なぜ敢闘賞の受賞者がいないこともあるのか
敢闘賞は、毎回必ず誰かが受賞する賞ではありません。
2018年9月23日の大相撲秋場所では、三賞制度が始まって以来初めて、殊勲賞・敢闘賞・技能賞のすべてが該当者なしとなりました。
この場所では横綱・大関陣が安定した成績を残し、候補者も選考委員の過半数の票を得られませんでした。
この事例は、敢闘賞が単なる参加賞や努力賞ではないことを示しています。
どれほど頑張った選手であっても、大会が定める評価水準に達していなければ受賞しない場合があります。反対に、優勝者以外にも特筆すべき活躍をした選手がいれば、複数人が同じ賞を受けることもあります。
【敢闘賞の意味と実態】受賞する価値と知っておきたい誤解
敢闘賞には、競技の結果だけでは評価しきれない選手の努力や貢献を認める役割があります。
特に、優勝者や得点王だけが注目されやすいスポーツでは、別の角度から選手の価値を評価する機会になります。
敢闘賞を受賞するメリット
敢闘賞の受賞は、選手にとって単なる記念品以上の意味を持ちます。
主なメリットは次のとおりです。
1. 競技者としての評価が高まる
試合の結果だけでなく、競技への姿勢や活躍が認められた証しになります。特に学生や若手選手にとっては、今後の競技活動につながる実績になる場合があります。
2. 自信やモチベーションにつながる
優勝できなかったとしても、努力や健闘が評価された経験は、次の大会への意欲を高めるきっかけになります。
3. チームや周囲からの信頼につながる
個人成績だけでは見えない献身的なプレーが認められることで、チーム内での役割や貢献が再評価される可能性があります。
4. 競技人生の実績として残る
公式大会の表彰であれば、受賞歴として記録されます。競技団体や大会によっては、選手紹介や表彰記録などに掲載されることもあります。
敢闘賞は努力賞や参加賞とは違う
敢闘賞について、特に間違えやすいのが努力賞との違いです。
努力賞は、努力の過程や継続的な取り組みを評価する意味合いが強い表彰です。
一方、敢闘賞は競技の場面で実際に示した闘志や健闘、活躍を評価するものです。
参加賞とも異なり、単に大会に参加しただけでは受賞できません。
| 表彰の種類 | 主に評価するもの |
|---|---|
| 敢闘賞 | 競技中の闘志・健闘・活躍 |
| 努力賞 | 努力の過程・継続的な取り組み |
| 参加賞 | 大会やイベントへの参加 |
| 優秀賞 | 優れた成果や成績 |
| 最優秀賞 | 対象の中で最も優れた成果 |
敢闘賞の評価を見極める3つのポイント
大会で敢闘賞が設けられている場合、受賞の意味を正しく理解するには次の3点を確認するとよいでしょう。
- 大会要項: 敢闘賞がどのような目的で設けられているか。
- 選考基準: 成績、技術、闘志、チーム貢献のどれを重視するか。
- 選考方法: 審査委員会による投票なのか、競技団体の推薦なのか、主催者の判断なのか。
この3点を確認すれば、同じ敢闘賞でも大会によって評価の意味が異なる理由が理解できます。
【敢闘賞とは】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:敢闘賞は優勝しなくても受賞できますか?
A1:はい。敢闘賞は優勝者以外にも贈られる賞です。最後まで諦めずに戦った姿勢や、競技全体を通じた健闘が評価されれば、準優勝者や優勝争いに届かなかった選手が受賞する場合もあります。ただし、大相撲では勝ち越しなどの条件があります。
Q2:敢闘賞と殊勲賞ではどちらが上ですか?
A2:一般的に、どちらかが一律に上という関係ではありません。評価する目的が異なるためです。敢闘賞は闘志や健闘、殊勲賞は特筆すべき勝利や功績を評価します。大相撲の三賞でも、それぞれ独立した賞として扱われています。
Q3:敢闘賞には賞金が出ますか?
A3:大会によって異なります。賞金が用意される大会もあれば、賞状やトロフィー、記念品のみの大会もあります。大相撲の三賞についても、賞金額や制度の変更を含め、受賞する場所の公式発表を確認する必要があります。
まとめ:敢闘賞は結果だけでは測れない健闘を評価する賞
敢闘賞とは、スポーツや競技大会で最後まで力を尽くし、粘り強く戦った選手やチームをたたえる表彰です。優勝や順位だけでは見えない闘志、積極性、競技への貢献などを評価する点に大きな特徴があります。
大相撲では1947年秋場所に三賞制度の一つとして始まり、殊勲賞・技能賞とともに、本場所を盛り上げた力士を評価してきました。2026年9月場所でも藤ノ川と美ノ海が受賞し、上位力士への勝利や2桁勝利など、具体的な活躍が評価されています。
殊勲賞は特筆すべき実績、技能賞は技術、MVPは総合的な価値を重視するのに対し、敢闘賞は最後まで戦い抜く姿勢や健闘に重点を置きます。ただし、競技や大会によって選考基準は異なります。
敢闘賞を理解するうえで大切なのは、単に「頑張った人に贈られる賞」と捉えないことです。どのような競技内容が評価され、どのような基準で受賞者が決まったのか。その背景まで知ることで、スポーツの勝敗だけでは見えてこない選手の価値や魅力を、より深く理解できます。