VNLの成績だけでは見えにくいのが、個々の選手の能力だ。
2026年のカナダ代表には、得点を担うアタッカー、ブロックで試合を支えるミドルブロッカー、チームをまとめる主将など、それぞれ異なる役割を持つ選手がいる。
特に注目したいのは、次の7人だ。
注目選手の関係一覧
| 選手・関係者 | 役割 | 2026年の実績・注目点 |
|---|---|---|
| ダン・ルイス | ヘッドコーチ | 2025年就任。若手と経験者を組み合わせたチームづくりを進める。 |
| エリック・レプキー | 主将・アウトサイドヒッター | NORCECA選手権でベストスパイカーに選出。 |
| ザンダー・ケトルジンスキー | オポジット | VNLでジャクソン・ハウと並ぶチーム最多135得点。 |
| ジャクソン・ハウ | ミドルブロッカー | VNLで135得点、ブロック45本。大会最多ブロックを記録。 |
| スティーブン・マー | アウトサイドヒッター | 五輪予選のキューバ戦で22得点を記録。 |
| シャローン・バーノンエバンス | オポジット | NORCECA選手権のキューバ戦で14得点。 |
| スカイラー・ヴァーガ | アウトサイドヒッター | VNLのアルゼンチン戦で20得点。 |
エリック・レプキー:攻撃の中心でありチームの主将
エリック・レプキー(Eric Loeppky)は、2026年のカナダ代表を象徴する選手の一人だ。
アウトサイドヒッターとして攻撃を担うだけでなく、主将としてチームをまとめる立場にある。
9月のNORCECA選手権ではベストスパイカーに選ばれた。メキシコとの五輪予選準決勝でも17得点を挙げ、攻撃面でチームをけん引している。
VNLでの苦戦後も、地域大会では安定した攻撃力を示したことは評価できる。
ザンダー・ケトルジンスキー:得点力を支えるオポジット
ザンダー・ケトルジンスキーは、相手ブロックとの勝負で得点を狙うオポジットだ。
6月11日のフランス戦ではチーム最多の20得点、アメリカ戦でも21得点を記録した。
加えて、2026年VNL全体ではジャクソン・ハウと並ぶチーム最多の135得点を獲得。カナダの攻撃を支えた選手として、数字でも存在感を示している。
ジャクソン・ハウ:ブロックで存在感を発揮
ジャクソン・ハウはミドルブロッカーとして、ネット際の守備を担う。
2026年VNLでは135得点を挙げただけでなく、ブロック45本を記録。大会全体で最多ブロックを達成した。
この数字は、カナダが攻撃面で苦戦した一方、ネット際では世界の強豪と競える能力を持っていたことを示している。
今後はブロックで生み出したチャンスを、攻撃の得点につなげられるかがポイントになる。
スティーブン・マーとシャローン・バーノンエバンス
スティーブン・マーは、経験豊富なアウトサイドヒッターとして重要な役割を果たす。
9月19日のキューバとの五輪予選決勝では、チーム最多の22得点を挙げた。試合は敗れたものの、最後まで攻撃を支えた。
一方、シャローン・バーノンエバンスはオポジットとして得点源を担う。NORCECA選手権のキューバとの準決勝では14得点を記録し、レプキーとともにチームを決勝へ導いた。
この二人の攻撃力は、2027年の世界大会に向けても注目したいポイントだ。
【NORCECA選手権2026の結果】銀メダル獲得とロサンゼルス五輪への課題
VNLでは降格という厳しい結果に終わったカナダだが、9月のNORCECA男子大陸選手権では明るい材料を残した。
開催地はカナダ・ニューブランズウィック州モンクトン。2026年9月11日から16日にかけて行われた大会には、アメリカ、キューバ、メキシコ、プエルトリコなどが参加した。
グループ戦は3連勝で突破
カナダは開催国としてグループAに入り、次の3試合をすべてストレート勝ちで終えた。
- 9月11日:キュラソーに3-0(25-12、25-20、25-14)
- 9月12日:プエルトリコに3-0(25-19、25-17、25-17)
- 9月13日:メキシコに3-0(25-15、25-18、25-20)
プエルトリコ戦では、途中出場したフィン・マッカーシーが3連続サービスエースを記録。レプキーのブロックで試合を締めくくった。
メキシコ戦も3-0で制し、グループAを3勝0敗で首位通過。準決勝へ直接進んだ。
キューバに勝利して2027年ワールドカップ出場権を獲得
9月15日の準決勝では、強豪キューバを3-0(26-24、25-22、25-17)で撃破した。
この勝利により、カナダは2027年にポーランドで開催されるFIVB男子ワールドカップの出場権を獲得した。
この試合では、バーノンエバンスとレプキーがそれぞれ14得点、マーが13得点を記録。マッカーシーも10得点を挙げ、サービスエース6本で貢献した。
VNLで勝ち切れなかったチームが、地域大会では強豪キューバをストレートで破った。この結果は、カナダに一定の修正力とポテンシャルが残っていることを示している。
アメリカとの決勝はフルセットの末に敗戦
9月16日の決勝ではアメリカと対戦した。
カナダは第1、第2セットを失った後、第3セットを27-25、第4セットを25-17で奪取。勝負を最終第5セットまで持ち込んだ。
しかし、最後は15-13でアメリカが勝利。カナダは準優勝・銀メダルとなった。
最終スコアは次の通り。
- 第1セット:19-25
- 第2セット:24-26
- 第3セット:27-25
- 第4セット:25-17
- 第5セット:13-15
アメリカに敗れたとはいえ、カナダはホームの観客の前で最後まで優勝を争った。VNLの結果と比べても、チームの立て直しを感じさせる内容だった。
五輪予選はキューバに敗れ、LA28の直接出場権を逃す
ここで混同しやすいのが、NORCECA選手権とNORCECA五輪予選は別の大会だという点だ。
9月15日の準決勝勝利で獲得したのは、2027年男子ワールドカップへの出場権。ロサンゼルス五輪の出場権ではない。
五輪出場を懸けた別のNORCECA予選は、9月18日と19日に実施された。
9月18日、カナダはメキシコに3-0(25-21、25-18、25-13)で勝利。決勝に進み、五輪出場まであと1勝に迫った。
しかし、翌19日のキューバ戦では1-3(21-25、23-25、25-23、22-25)で敗れた。
マーが22得点、レプキーが14得点を挙げたものの、キューバの攻撃力とサーブに押し切られた。これにより、NORCECAの直接出場枠はキューバが獲得。カナダのLA28出場は持ち越しとなった。
カナダ男子バレーの世界ランキングは何位?
2026年10月30日参照時点
FIVB男子世界ランキング
ランキングポイント
ポイント
10月30日付のFIVBランキング掲載データでは、カナダは世界16位。北中米カリブ海地域(NORCECA)では、アメリカ、キューバに続く位置にいる。
世界ランキングは試合結果や対戦相手の強さなどを反映するポイント制で、VNLの順位とは別の指標だ。したがって、VNLで降格したからといって世界ランキングでも同じ順位になるわけではない。
2027年以降の大会日程と五輪出場への道
2026年10月30日時点で、2026年の主要なシニア男子代表大会は終了している。
今後の重要な大会は次の通りだ。
- 2027年:ポーランド開催のFIVB男子ワールドカップ
- 2028年:ロサンゼルス五輪
2027年の男子ワールドカップでは、まだ五輪出場権を獲得していないチームのうち、上位3チームにLA28への出場枠が与えられる。
また、2028年VNL予選ラウンド終了時点のFIVB世界ランキングを通じた出場権獲得ルートもある。
2027年VNLへの出場権を失ったことは大きな痛手だが、カナダの五輪出場の可能性そのものが消えたわけではない。
【プロの結論】カナダ男子バレーは再建期から再浮上できるのか
2026年のカナダ男子代表は、結果だけを見ると厳しいシーズンだった。
VNLでは1勝11敗で降格。一方、NORCECA選手権では準優勝し、2027年男子ワールドカップの出場権を獲得した。加えて、世界ランキングでは16位を維持している。
この三つの結果を並べると、チームの現在地はより明確になる。
再浮上に必要な3つの条件
1. 5セット目を勝ち切る力
VNLで7試合ものフルセット敗戦を経験したことは、最も大きな課題だ。
技術的な能力だけでなく、終盤の攻撃選択、サーブの精度、相手のブロックへの対応など、細部の改善が求められる。
2. 主力と若手の連係を安定させること
レプキー、マー、ケトルジンスキー、バーノンエバンスらの攻撃力は、カナダの強みだ。
一方で、2026年は大会ごとにメンバーが変わり、選手同士の連係を構築する難しさも見えた。
主力の経験を生かしながら、若手が国際舞台で役割を果たせるチームづくりが必要になる。
3. 2027年男子ワールドカップを五輪への足掛かりにすること
2027年VNLに参加できないことは、強豪国と対戦する機会やランキングポイントを積み重ねる機会が減ることを意味する。
その分、男子ワールドカップの重要性は高まる。カナダは2027年大会への出場権を獲得しているため、ここで上位3チームに入れば、LA28への道を切り開ける。
2026年の成績を評価するときの判断基準
カナダ代表を追いかける読者は、次の違いを押さえておきたい。
- VNLの順位:年間の世界トップレベルのリーグ戦における成績
- NORCECA選手権:北中米カリブ海地域での実力を示す成績
- 男子ワールドカップ:世界大会での成績と五輪出場権獲得の機会
- FIVB世界ランキング:国際大会の結果を反映したポイント制の評価
特に、NORCECA選手権の銀メダルをLA28出場権の獲得と同じ意味に捉えないことが大切だ。
カナダは2026年に地域大会で復調の兆しを見せたが、五輪出場を決めたわけではない。
2027年の男子ワールドカップでどこまで結果を残せるかが、ルイス監督体制の評価を左右する大きなポイントになる。
【男子バレー・カナダ代表2026】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:カナダ男子バレー代表はVNL 2026で何位でしたか?
A1:予選ラウンドは17位で、成績は1勝11敗でした。7試合でフルセットに持ち込みながら敗れ、2027年VNLへの出場権を失いました。
Q2:2026年のカナダ男子代表監督は誰ですか?
A2:ダン・ルイス監督です。2025年1月に就任し、2026年のVNLとNORCECA選手権でチームを指揮しました。
Q3:カナダ男子代表の注目選手は誰ですか?
A3:エリック・レプキー、スティーブン・マー、ザンダー・ケトルジンスキー、シャローン・バーノンエバンス、ジャクソン・ハウなどです。特にハウは2026年VNLでブロック45本を記録しました。
Q4:カナダは2026年のNORCECA選手権で優勝しましたか?
A4:準優勝です。決勝でアメリカに2-3で敗れました。一方、準決勝でキューバを破り、2027年男子ワールドカップの出場権を獲得しています。
Q5:カナダはロサンゼルス五輪2028に出場できますか?
A5:2026年10月30日時点では出場権を獲得していません。NORCECAの直接予選ではキューバに敗れましたが、2027年男子ワールドカップや2028年の世界ランキングを通じた出場ルートが残っています。
まとめ:カナダ男子バレー代表の次の勝負は2027年
2026年のカナダ男子バレー代表は、VNLで1勝11敗という厳しい結果を残し、2027年大会への出場権を失った。
しかし、NORCECA選手権では銀メダルを獲得。キューバを破って2027年男子ワールドカップへの切符も手にした。
レプキー、マー、ケトルジンスキー、バーノンエバンスら攻撃陣に加え、ブロックで実績を残したハウの存在も大きい。
今後の焦点は、ルイス監督が選手層を生かしながら、接戦を勝ち切れるチームをつくれるかどうかだ。
VNL降格からの再建、2027年男子ワールドカップ、そしてLA28への挑戦。カナダ男子代表にとって、2027年は再浮上を懸けた重要なシーズンとなる。