「平たい顔族」とは、漫画『テルマエ・ロマエ』に登場する、現代日本人を指した作中独自の呼び名です。古代ローマの浴場設計技師ルシウス・モデストゥスが、タイムスリップした先の日本で出会った人々を、彫りの深いローマ人とは対照的な顔立ちから「平たい顔族」と呼んだことに由来します。
この言葉は漫画や映画の人気とともに広まり、現在では日本人の顔立ちをユーモラスに表現する際にも使われています。ただし、実在する民族の名称や学術的な人類分類ではありません。2026年には続編『続テルマエ・ロマエ』も展開されており、改めて作品とともに言葉への関心が高まっています。
この記事では、平たい顔族の意味や語源、元ネタ、ヤマザキマリが描いた背景、古代ローマ人との顔立ちの違い、映画での表現、実際の民族分類との関係まで詳しく解説します。
【この記事の重要ポイントまとめ】
- 意味: 『テルマエ・ロマエ』でルシウスが現代日本人を呼んだ作中の名称。
- 由来: 古代ローマ人の彫りの深い顔立ちと、日本人の比較的穏やかな顔立ちを対比したユーモア表現。
- 元ネタ: ヤマザキマリによる漫画『テルマエ・ロマエ』。実在する民族名や古代ローマの歴史用語ではない。
- 映画: 阿部寛主演の実写映画でも、ローマ人と日本人の外見の対比が作品の笑いを生み出した。
- 2026年の動向: 続編『続テルマエ・ロマエ』が少年ジャンプ+で連載されている。
【意味を解説】平たい顔族とは何者?『テルマエ・ロマエ』が元ネタ

平たい顔族とは、漫画家ヤマザキマリの作品『テルマエ・ロマエ』に登場する架空の呼称です。
作中では、古代ローマから現代日本へタイムスリップした主人公ルシウスが、日本人の顔立ちを見て驚き、彼らを平たい顔族と認識します。
平たい顔族の意味は現代日本人のこと
作品における平たい顔族は、基本的に現代日本人を指しています。
ルシウスの目には、日本人の顔は古代ローマ人と比べて立体感が控えめに映ります。特に、鼻筋や眉骨、目元などの印象が異なるため、彼は彼らを自分たちとは違う人々として捉えるのです。
この設定の面白さは、単に顔の特徴を笑いにしているだけではありません。
ルシウスは、現代日本の銭湯や温泉、トイレ、生活用品などを目にするたびに、その技術や快適さに驚きます。自分たちより文明が進んでいると感じる場面も少なくありません。
つまり、外見では自分たちと異なる人々として見ていた日本人から、実際には多くのことを学んでいくという逆転構造が作品の魅力です。
平たい顔族という言葉の構成
言葉の構造は比較的シンプルです。
- 平たい顔:顔の凹凸や立体感が控えめに見えることを表現。
- 族:同じ特徴を持つ人々をひとまとめにする呼び方。
この2つを組み合わせた、作品内のユーモラスな集団名称です。
ここで注意したいのは、「平たい顔族」という言葉が古代ローマ時代に実際に使われていたわけではないことです。
あくまで現代の漫画作品における創作表現であり、ラテン語の民族名をそのまま翻訳したものでもありません。
平たい顔族の元ネタはどこにある?
元ネタは、ヤマザキマリが描いた漫画『テルマエ・ロマエ』です。
物語の舞台は、皇帝ハドリアヌスが統治していた西暦130年頃の古代ローマ。浴場設計技師ルシウスが、ひょんなことから現代日本の銭湯へ移動するという設定です。
映画『テルマエ・ロマエ』の公式ストーリーでも、ルシウスが現代日本に移動し、そこで出会った人々を平たい顔族として認識することが紹介されています。
この呼称は、作品の中心的なギャグである「古代ローマ人から見た日本人」という視点を象徴するものです。
【由来と誕生背景】ヤマザキマリはなぜ古代ローマ人と日本人を対比したのか
『テルマエ・ロマエ』の面白さを理解するには、作者ヤマザキマリの生活経験と、古代ローマの浴場文化への関心を知る必要があります。
ヤマザキマリの海外生活と日本のお風呂への憧れ
ヤマザキマリは1967年東京都生まれの漫画家・文筆家・画家です。
17歳でイタリアに渡り、フィレンツェで美術を学んだ後、海外での生活経験を重ねてきました。
『テルマエ・ロマエ』が生まれた背景には、海外生活の中で日本式のお風呂に入りたいという思いがありました。
2024年に公開された婦人公論.jpの本人によるエッセーでは、長い海外生活で日本式入浴への渇望があったことや、古代ローマの遺跡で浴場跡を目にした経験が、作品の着想につながったと説明されています。
また、2019年の本人のエッセーでも、ポルトガルで暮らしていた時期に日本の銭湯を懐かしく感じていたことが語られています。
この経験が、古代ローマ人と現代日本人をお風呂という共通テーマで結びつける発想につながりました。
なぜ古代ローマと日本のお風呂なのか
古代ローマには、テルマエと呼ばれる公衆浴場がありました。
テルマエは単純に体を洗う場所ではありません。人々が集まり、入浴し、交流し、時間を過ごす生活文化の中心でもありました。
一方、日本にも銭湯や温泉という独自の入浴文化があります。
両者には、湯に浸かることを単なる衛生行為にとどめず、心身を整える習慣として大切にしてきた共通点があります。
ヤマザキマリは、こうした文化的な共通性に着目しました。
その結果、古代ローマの浴場設計技師が現代日本の銭湯でアイデアを得て、それを古代ローマへ持ち帰るという、独創的なストーリーが誕生したのです。
2012年の週刊アスキーによる作者インタビューでも、古代ローマへの関心、海外生活、公衆浴場への興味、日本のお風呂への憧れが作品の成立に関係していたことが紹介されています。
平たい顔族は作品の世界観を成立させる重要な仕掛け
平たい顔族という呼び名には、単なる外見の比較以上の意味があります。
ルシウスは、現代日本人を自分とは異なる文化を持つ人々として観察します。
しかし、彼らの暮らしから学ぶことで、自分の仕事に新しい発想を取り入れていきます。
この構図は、異文化に出会った人間が最初は違いに驚き、やがて共通点を見つけていく過程そのものです。
平たい顔族という言葉は、その異文化交流をユーモラスに表現するための象徴的な設定なのです。
【人物・作品相関表】ルシウスと平たい顔族を取り巻く関係性
平たい顔族を正確に理解するため、作品に登場する人物や関連する作品を整理します。
| エンティティ | 作品との関係 | 役割・特徴 |
|---|---|---|
| ヤマザキマリ | 原作者 | 『テルマエ・ロマエ』を生み出した漫画家 |
| ルシウス・モデストゥス | 主人公 | 古代ローマの浴場設計技師 |
| 平たい顔族 | 作中の呼称 | ルシウスが現代日本人を指して使う名称 |
| 山越真実 | 映画のヒロイン | 上戸彩が演じる漫画家志望の女性 |
| マルクス | ルシウスの友人 | 物語の序盤でルシウスを公衆浴場へ誘う |
| ハドリアヌス | ローマ皇帝 | ルシウスの才能を評価する人物 |
| 『テルマエ・ロマエ』 | 原作漫画 | 2008年に連載開始、2013年に完結 |
| 『テルマエ・ロマエ』映画 | 実写作品 | 2012年公開、阿部寛主演 |
| 『続テルマエ・ロマエ』 | 漫画の続編 | 2024年に少年ジャンプ+で連載開始 |
この相関関係で特に重要なのが、ルシウスと平たい顔族の関係です。
ルシウスは日本人の顔立ちに驚く一方で、日本の入浴文化には強い敬意を抱くようになります。
外見上の違いと文化的な共通性を同時に描くことで、作品独自のユーモアが生まれています。
なお、映画版では原作の設定を基礎にしながら、山越真実というヒロインを物語の中心に加えています。原作漫画と実写映画では、登場人物や物語の展開に違いがある点も押さえておきたいところです。
【顔立ちを比較】平たい顔族と濃い顔族は何が違う?
平たい顔族を理解するうえで、よく話題になるのが古代ローマ人との顔立ちの違いです。
作品では、現代日本人を平たい顔族、古代ローマ人を彫りの深い顔立ちの人々として対照的に描いています。
平たい顔族の顔立ちの特徴
一般的に平たい顔という表現は、顔の立体感が比較的控えめに見える状態を指します。
具体的には、次のような特徴がイメージされています。
- 眉骨の突出が比較的目立たない。
- 鼻筋の高さや立体感が控えめに見える。
- 目元の陰影が穏やかに見える。
- 顔全体の凹凸が少なく感じられる。
ただし、これらは作品の表現を理解するための一般的なイメージです。
日本人全員がこうした特徴を持っているわけではありません。鼻の高さ、目の形、頬骨、輪郭などには個人差があります。
古代ローマ人の顔立ちはなぜ濃く描かれる?
『テルマエ・ロマエ』では、ルシウスをはじめとするローマ人が、鼻筋の通った彫りの深い顔立ちで描かれています。
実写映画でも、阿部寛、北村一輝、宍戸開、市村正親など、顔立ちの印象が強い俳優が古代ローマ人を演じています。
このキャスティングによって、日本人役との視覚的な対比が際立ち、作品のコメディー要素が強調されました。
ただし、実際の古代ローマ人が全員同じような顔立ちだったわけではありません。
2019年に科学誌サイエンスで発表された古代ローマ人のゲノム研究では、帝政期のローマに近東やヨーロッパなどから人々が移動していたことが示されています。古代ローマの人口には、地中海世界や北アフリカなどに由来する多様性がありました。
つまり、映画のローマ人の外見は、歴史上の古代ローマ人全体を代表するものではなく、視覚的な演出として理解する必要があります。
平たい顔族と濃い顔族の比較
| 比較項目 | 平たい顔族のイメージ | 濃い顔族のイメージ |
|---|---|---|
| 顔全体 | 凹凸が比較的穏やか | 立体感が強い |
| 鼻筋 | 控えめな印象 | 高く通った印象 |
| 眉骨 | 目立ちにくい印象 | 陰影が強い印象 |
| 目元 | 柔らかな印象 | 彫りが深い印象 |
| 作品内の対象 | 現代日本人 | 古代ローマ人 |
| 表現上の役割 | ルシウスの驚きを生む | 日本人との対比を生む |
ここでいう濃い顔族は、平たい顔族と対比するための便宜的な表現です。
『テルマエ・ロマエ』における正式な民族分類や、歴史上の民族名称ではありません。
また、顔の濃さは美醜や能力を示すものではなく、あくまで外見上の印象を表す言葉です。
【実在するのか検証】平たい顔族は現実の民族?語源と評判の真相
平たい顔族について、よくある疑問が「本当に実在する民族なのか」という点です。
答えは、平たい顔族という名前の民族や人類学上の集団が実在するわけではないということです。
平たい顔族は民族分類ではない
民族という概念は、共通する文化や歴史、言語、社会的なつながりなど、複数の要素から捉えられます。
顔の形だけで民族を決定することはできません。
民族共生象徴空間ウポポイの解説でも、文化人類学・民族学では民族を固定的で均一な集団として扱わず、地域や世代による多様性を含むものとして説明しています。
したがって、平たい顔族という言葉を実際の民族名として使うのは正確ではありません。
日本人の顔立ちにも多様性がある
国立科学博物館の2025年7月の解説では、人間の顔や体の形態的な違いには遺伝的要因だけでなく、環境要因も関係していると説明されています。
また、日本人の顔の形成についても、縄文時代から続く集団と、弥生時代以降に大陸から移動してきた集団との関係など、長い歴史的背景があります。
2025年に医学書院の専門誌で発表された国立科学博物館の研究者による解説でも、日本人の顔の変遷には集団の形成史や生活環境が関係しているとされています。
つまり、日本人の顔立ちを一つの型に当てはめること自体に無理があるのです。
平たい顔族という言葉の評判は?
この言葉が広く知られるようになった背景には、漫画と映画の人気があります。
2010年には『テルマエ・ロマエ』がマンガ大賞と第14回手塚治虫文化賞短編賞を受賞しました。
その後、2012年のテレビアニメ化、同年の実写映画化、2014年の映画続編と、作品の知名度が広がっていきました。
平たい顔族という表現は、こうしたメディア展開を通じて作品を知らない人にも伝わる印象的な言葉になりました。
一方で、実際の会話で使う場合は注意も必要です。
親しい間柄で作品のネタとして使うのであれば、冗談として成立することもあります。しかし、相手の顔を評価したり、外見をからかったりする目的で使えば、失礼に受け取られる可能性があります。
作品の文脈と日常生活の文脈は分けて考えることが大切です。
【使い方と2026年最新情報】映画・続編で広がる平たい顔族の世界
平たい顔族という言葉は、原作漫画だけでなく、映画や続編を通じて長く親しまれています。
2026年10月現在の作品展開も含めて整理します。
実写映画『テルマエ・ロマエ』での表現
2012年4月28日に公開された実写映画『テルマエ・ロマエ』は、阿部寛が主人公ルシウスを演じた作品です。
主な出演者は次のとおりです。
- 阿部寛:ルシウス・モデストゥス
- 上戸彩:山越真実
- 北村一輝:ケイオニウス
- 竹内力:古代ローマ人役
- 宍戸開:古代ローマ人役
- 市村正親:ハドリアヌス帝
映画の特徴は、古代ローマ人役に彫りの深い俳優を起用し、現代日本人との外見上の違いを視覚的に表現したことです。
加えて、イタリアのチネチッタに巨大なオープンセットを建設するなど、古代ローマの世界観を再現する演出も見どころでした。
2014年4月26日には続編『テルマエ・ロマエII』も公開されています。
『続テルマエ・ロマエ』は2024年から新展開
2024年2月6日、ヤマザキマリによる『続テルマエ・ロマエ』の連載が少年ジャンプ+で始まりました。
前作完結時から20年後のルシウスを描いた続編です。
公式作品紹介によると、物語の舞台は西暦158年。ルシウスは還暦を迎え、妻さつきの失踪や息子マリウスとの関係など、新たな問題に向き合います。
前作の魅力だった古代ローマと現代日本の温泉文化の交流も引き継がれています。
2026年10月の最新状況
2026年10月30日時点では、続編の連載が継続しています。
集英社の公式作品サイトによると、2026年10月2日には『続テルマエ・ロマエ』第3巻が発売されました。
加えて、10月6日には少年ジャンプ+で第16話前編の配信が予定され、連載は前編・後編形式で展開されています。
続編では、ルシウスだけでなく息子マリウスにも物語の焦点が広がっており、平たい顔族との関係も含めて、作品世界が新たな段階に進んでいます。
平たい顔族の自然な使い方
日常会話では、次のような使い方が考えられます。
作品について話す場合
「『テルマエ・ロマエ』の平たい顔族という設定が面白い」
映画について話す場合
「ローマ人役と平たい顔族役の顔立ちの対比が印象的だった」
冗談として使う場合
「自分もルシウスから見たら平たい顔族なのかもしれない」
このように、作品の話題や自分自身をユーモラスに表現する場合には自然に使えます。
一方、初対面の人に対して外見を評価する意味で使うのは避けたほうがよいでしょう。
【よくある質問】平たい顔族に関するFAQ
Q1:平たい顔族とは簡単にいうと何ですか?
A1:漫画『テルマエ・ロマエ』で主人公ルシウスが現代日本人を呼んだ架空の名称です。古代ローマ人とは異なる顔立ちに驚いたことから生まれた作品内の表現です。
Q2:平たい顔族の由来は何ですか?
A2:日本人の顔の凹凸が比較的穏やかに見えるというイメージと、古代ローマ人の彫りの深い顔立ちとの対比が由来です。古代ローマ時代の正式な民族名称ではありません。
Q3:平たい顔族は実在する民族ですか?
A3:実在する民族ではありません。『テルマエ・ロマエ』の作中で使われる創作上の呼称です。日本人にも多様な顔立ちがあり、顔の特徴だけで民族を分類することはできません。
Q4:平たい顔族の反対は濃い顔族ですか?
A4:作品の特徴を説明する際には、濃い顔立ちの古代ローマ人と対比されることがあります。ただし、濃い顔族も正式な民族名称ではなく、便宜的な表現です。
Q5:平たい顔族という言葉を最初に使った作品は何ですか?
A5:一般に知られる元ネタは、ヤマザキマリの漫画『テルマエ・ロマエ』です。主人公ルシウスが現代日本人を認識する際の呼称として登場します。
Q6:平たい顔族は映画『テルマエ・ロマエ』にも登場しますか?
A6:登場します。2012年公開の実写映画では、阿部寛演じるルシウスが現代日本の銭湯にタイムスリップし、日本人を平たい顔族として認識します。
Q7:2026年現在も『テルマエ・ロマエ』の続編はありますか?
A7:あります。『続テルマエ・ロマエ』が2024年から少年ジャンプ+で連載されており、2026年10月にはコミックス第3巻も発売されています。
まとめ:平たい顔族の本当の意味と作品が伝える魅力
平たい顔族とは、ヤマザキマリの漫画『テルマエ・ロマエ』で、古代ローマの浴場設計技師ルシウスが現代日本人を指して使った架空の呼称です。
その由来は、古代ローマ人の彫りの深い顔立ちと、日本人の比較的穏やかな顔立ちを対比したユーモアにあります。
ただし、実在する民族や人類学上の分類ではありません。日本人の顔立ちにも個人差や地域差があり、古代ローマの人々も歴史的には多様な背景を持っていました。
この言葉が長く親しまれている理由は、外見の違いを笑いに変えるだけでなく、異なる文化の出会いと相互理解を描いている点にあります。
2026年には『続テルマエ・ロマエ』の連載やコミックス第3巻の発売もあり、ルシウスの物語は今も続いています。
【プロの結論】
平たい顔族という言葉を理解するうえで大切なのは、これを現実の民族分類ではなく、異文化交流を描く漫画の象徴的な表現として捉えることです。
『テルマエ・ロマエ』は、古代ローマ人から見た日本人という逆転した視点を通じて、普段は当たり前だと思っている日本の生活文化の魅力を再発見させてくれます。
顔立ちの違いから始まった物語が、最後には文化の共通点や人間同士の理解へとつながっていく。その構造こそが、平たい顔族という言葉が作品を象徴する存在として定着した理由なのです。