60代は、定年退職や再雇用、年金の受給開始、親の介護、自身の健康管理など、暮らしの前提が大きく変わりやすい年代です。仕事を続けるか、貯蓄をどのように取り崩すか、老後資金はいくら必要か。考えるべきことは多いものの、60代前半と後半では収入や働き方、生活設計の条件も異なります。
2026年の最新公的資料を見ると、65~69歳の就業率は54.5%に達する一方、年金だけでは毎月の生活費を賄えない無職世帯もあります。内閣府の「令和8年版高齢社会白書」、総務省の「労働力調査」、厚生労働省の年金・健康関連資料などを基に、60代の仕事、お金、健康、一人暮らしの実態を整理し、これからの生活設計に役立つ判断基準を解説します。
【この記事の重要ポイントまとめ】
- 仕事:2025年の就業率は60~64歳で74.9%、65~69歳で54.5%。60代後半も働く人は少なくありません。
- お金:2026年度の老齢基礎年金の満額は原則月額7万608円。実際の受給額は加入歴や収入によって変わります。
- 健康:健康寿命の最新公表値は2022年の男性72.57歳、女性75.45歳。60代からの健康管理が将来の生活の質を左右します。
【2026年最新】60代の暮らしは仕事・お金・健康の備えでどう変わる?

2026年の60代を考えるうえで押さえておきたいのは、60代を一括りにできないという点です。60~64歳では現役時代の雇用を引き継ぐ人が多い一方、65歳を境に年金の受給や退職後の生活を本格的に考える人が増えます。ただし、65歳で全員が退職するわけでも、同じ額の年金を受け取るわけでもありません。
内閣府が公表した「令和8年版高齢社会白書」によると、2025年10月1日時点の日本の総人口は1億2,322万人で、65歳以上の人口は3,622万人でした。高齢化率は29.4%です。働く高齢者が増え、長く暮らすことを前提にした家計管理や健康維持の必要性が高まっています。
一方、60代の暮らしを決めるのは年齢だけではありません。持ち家か賃貸か、住宅ローンが残っているか、配偶者と暮らしているか、一人暮らしか、就労収入があるかによって、必要な老後資金は大きく変わります。
例えば、同じ月20万円の生活費でも、年金や給与などで毎月18万円を確保できる人と、毎月12万円しか確保できない人では、貯蓄の取り崩し方が異なります。老後資金を考える際は、世間の平均額をそのまま目標にするのではなく、自分の毎月の収入と支出の差額を把握することが出発点です。
2026年の公的資料を読む際にも、統計の対象年に注意が必要です。2026年に発表された白書や統計であっても、基礎となるデータが2025年平均や2024年の調査結果である場合があります。以下では、各数値の対象年と対象世帯を区別しながら、60代の実情を見ていきます。
【仕事・就業率】60代前半と後半の違いは?再雇用・転職の現実
60代の働き方を示す重要な指標が、総務省統計局の「労働力調査」です。2025年平均の就業率は、60~64歳で74.9%、65~69歳で54.5%でした。60代後半でも、同年代のおよそ2人に1人が働いている計算になります。
内閣府の「令和8年版高齢社会白書」では、男女別の就業状況も示されています。男性の就業者の割合は60~64歳で84.1%、65~69歳で63.4%。女性はそれぞれ65.8%、46.1%です。男女ともに年齢が上がるにつれて就業者の割合が低下する一方、65歳以降も働く人が一定数いることが分かります。
60代前半と後半の違いが表れやすいのは、就業率だけではありません。雇用形態にも変化があります。内閣府の白書によると、役員を除く雇用者に占める非正規雇用の割合は、男性で55~59歳の10.5%から、60~64歳では39.8%、65~69歳では64.9%へ上昇しています。女性では60~64歳が71.7%、65~69歳が83.7%です。
これらの数値は、60歳以降に働く人が減るだけでなく、雇用条件そのものも変わりやすいことを示しています。定年前と同じ会社に残っても、賃金、勤務時間、役職、責任の範囲が変わるケースがあります。再雇用を選ぶ場合は、給与額だけでなく、勤務日数や仕事内容、社会保険の適用、契約更新の条件も確認しておきたいところです。
一方、転職を考える人にとっては、これまでの経験を別の職場で生かす方法もあります。専門資格や管理経験を生かす仕事に加え、販売、事務、施設管理、介護関連、地域の短時間勤務など、希望する働き方によって選択肢は変わります。年齢だけで可能性を判断せず、勤務条件と自分の経験が合うかを見極めることが大切です。
60代前半・後半の主な違い
| 比較項目 | 60~64歳 | 65~69歳 | 生活設計で見るポイント |
|---|---|---|---|
| 就業率(2025年平均) | 74.9% | 54.5% | 給与収入が続くかどうかで家計が変わる |
| 男性の就業者割合 | 84.1% | 63.4% | 定年後の雇用条件を確認する |
| 女性の就業者割合 | 65.8% | 46.1% | 就労収入と年金、家事・介護の負担を整理する |
| 男性の非正規雇用割合 | 39.8% | 64.9% | 給与水準や勤務時間の変化を想定する |
| 女性の非正規雇用割合 | 71.7% | 83.7% | 手取り収入と社会保険の条件を確認する |
出典:総務省統計局「労働力調査」2025年平均結果、内閣府「令和8年版高齢社会白書」。非正規雇用割合は役員を除く雇用者が対象。就業率と男女別の就業者割合は、資料における集計区分を区別して参照。
では、60代で働き続ける理由は何でしょうか。内閣府の「令和6年度 高齢者の経済生活に関する調査」では、収入を伴う仕事をしている人が挙げた主な理由は、「収入のため」が55.1%で最も高く、「働くのは体によいから、老化を防ぐから」が20.1%、「自分の知識・能力を生かせるから」が12.4%でした。
仕事は生活費を補う手段であると同時に、生活リズムや人とのつながりを保つ機会にもなります。ただし、働き続けること自体を目標にする必要はありません。収入を優先するのか、自由時間を増やすのか、健康を保ちながら短時間だけ働くのか。自分に合う選択を考えることが、60代の仕事選びの基本です。
【貯蓄・年金】60代の平均貯蓄額と老後資金はいくら必要?
60代のお金を考えるとき、まず区別したいのが「貯蓄額」「金融資産」「年金額」です。貯蓄額は統計によって対象が異なり、預貯金だけを指す場合もあれば、株式、投資信託、保険などを含む金融資産を指す場合もあります。また、住宅などの不動産を含む総資産とは別の数字です。
金融経済教育推進機構(J-FLEC)の「家計の金融行動に関する世論調査」2025年調査を基にした年代別集計では、60代の金融資産保有額は、平均値が約3,087万円、中央値が約1,775万円とされています。平均値は一部の高額保有世帯に引き上げられるため、中央値と大きな差が生じます。
この金額を見て、同じ額を貯めなければならないと考える必要はありません。調査の世帯区分や金融資産の定義によって数値は変わり、個人の貯蓄額を直接示すものでもありません。持ち家の有無、住宅ローン、家族構成、年金収入、退職金などを合わせて考える必要があります。
老後資金の見通しを立てるうえで、2026年度の公的年金額も確認しておきましょう。厚生労働省が2026年1月に公表した年金額改定では、老齢基礎年金の満額は、1956年4月2日以降に生まれた人で月額7万608円です。1956年4月1日以前に生まれた人は月額7万408円となっています。
厚生年金を含む標準的な年金額は、2026年度で夫婦2人分の老齢基礎年金と、平均的な収入で40年間就業した夫の老齢厚生年金を合わせて月額23万7,279円です。ただし、これは特定の条件に基づくモデル額であり、すべての夫婦が受け取る金額ではありません。実際の年金額は加入期間、現役時代の収入、保険料の納付状況などによって異なります。
また、60代の全員がすでに年金を受給しているわけではありません。原則として老齢年金の受給開始年齢は65歳ですが、加入歴や生年月日によっては経過措置による受給対象となる場合があります。60歳からの繰上げ受給や、受給開始を遅らせる繰下げ受給を選ぶこともできますが、受給開始時期によって年金額が変わるため、長期的な家計への影響を確認しておく必要があります。
年金だけで生活できる?家計調査から見る現実
総務省統計局の「家計調査」2025年平均結果では、65歳以上の無職世帯について、実際の収入と支出の差が示されています。夫婦のみの無職世帯では、実収入が月25万4,395円、可処分所得が22万1,544円、消費支出が26万3,979円でした。税金や社会保険料などを差し引いた可処分所得と消費支出を比べると、月約4万2,400円の不足となります。
65歳以上の単身無職世帯では、実収入が月13万1,456円、可処分所得が11万8,465円、消費支出が14万8,445円でした。可処分所得に対して消費支出が月約3万円上回っています。
これらは65歳以上の無職世帯の平均であり、60代のすべての世帯に当てはまるわけではありません。就労収入がある世帯、住宅ローンが残る世帯、賃貸住宅で暮らす世帯では状況が変わります。それでも、年金収入だけで毎月の生活費を賄えない可能性があることは、生活設計の前提にしておきたい点です。
老後資金の必要額は、単純な「2,000万円」などの一律の数字では決まりません。毎月の不足額が3万円なら年間36万円、20年間で720万円です。月5万円の不足なら年間60万円、20年間で1,200万円になります。これに医療・介護費、住宅修繕、車の買い替えなどの臨時支出を加え、退職金や金融資産でどこまで補えるかを計算します。
資産形成では、預貯金だけでなく、必要な時期に使える現金を確保しつつ、資産全体の値動きや流動性にも目を向けることが大切です。老後の生活費に充てる資金まで価格変動の大きい商品に集中させると、相場が下がった時期に売却を迫られるおそれがあります。運用する資金と、数年以内に使う予定の資金を分けて管理しましょう。
【健康寿命】60代から始めたい健康管理と生活習慣
60代の生活設計では、収入や貯蓄と同じくらい健康も大切です。厚生労働省が公表している健康寿命の最新値は2022年のもので、男性が72.57歳、女性が75.45歳でした。健康寿命とは、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間を指します。
同年の平均寿命は男性81.05歳、女性87.09歳です。平均寿命と健康寿命には、男性で約8.5年、女性で約11.6年の差があります。これは個人が必ずその期間だけ支援を必要とするという意味ではありませんが、長く生きることと、自立して生活できる期間を延ばすことは別の課題であると分かります。
健康寿命の数値は、60歳から何年間健康でいられるかを直接予測したものではありません。あくまで国全体の指標ですが、60代から生活習慣を見直す意義を考える材料になります。
60代から意識したい健康管理のポイント
- 運動習慣:体力や持病に応じて歩行などの有酸素運動を取り入れ、筋力やバランス能力も維持する。
- 食生活:極端な食事制限を避け、たんぱく質を含む食品や野菜などを取り入れ、必要な栄養を確保する。
- 定期的な受診:健康診断やがん検診を適切に利用し、血圧や血糖値などの変化を把握する。
- 歯と口の健康:歯科検診や口腔ケアを続け、食べる機能を保つ。
- 睡眠と休養:生活リズムを整え、疲労や気分の変化が続くときは医療機関などに相談する。
重要なのは、年齢だけを理由に活動量を減らしすぎないことです。仕事を辞めた後に外出の機会が減ったり、趣味や人との交流がなくなったりすると、身体を動かす機会も減りやすくなります。散歩、地域活動、習い事など、日常の中に自然に身体を動かす機会を作ることが役立ちます。
ただし、健康状態には個人差があります。持病がある人や、運動によって症状が悪化するおそれがある人は、主治医などに相談し、自分に合った方法を選びましょう。健康への支出を単なる費用と考えるのではなく、将来の自立した生活を支える備えとして捉える視点も必要です。
【一人暮らし・生きがい】60代の生活で見落としやすい課題
60代の暮らしは、世帯構成によっても変わります。配偶者と暮らす人、子どもと同居する人、一人暮らしの人では、毎月の支出だけでなく、病気や災害が起きたときに頼れる相手や日常的な支援の得やすさも異なります。
内閣府の「令和8年版高齢社会白書」によると、65歳以上の一人暮らしの割合は長期的に増加しています。2020年時点では、65歳以上の男性人口に占める一人暮らしの割合は15.0%、女性では22.1%でした。2050年には男性26.1%、女性29.3%になると見込まれています。将来推計は実績値ではありませんが、単身で老後を迎える人が増える方向を示しています。
一人暮らしでは、家賃や光熱費などを一人で負担するため、二人以上の世帯と比べて一人当たりの生活費が高くなりやすい面があります。反対に、食事や外出の頻度を自分の都合に合わせやすいなど、暮らし方の自由度もあります。必要なのは、一人暮らしを一律に不利と捉えることではなく、支出と支援体制の両方を整えることです。
具体的には、緊急時の連絡先を整理する、かかりつけ医を持つ、自治体の相談窓口や地域の見守りサービスを把握する、定期的に連絡を取り合える人を確保するといった準備が考えられます。住み慣れた家で暮らし続けたい場合は、階段や浴室などの安全性、買い物や通院のしやすさも早めに点検しておくと安心です。
仕事以外の生きがいを持つ意味
定年退職後に感じやすい変化の一つが、職場での役割や人間関係がなくなることです。長年仕事を中心に生活してきた人ほど、自由時間が増えた直後に、何をして過ごすか迷う場合があります。
生きがいは、特別な趣味や大きな目標である必要はありません。散歩、園芸、料理、読書、旅行、スポーツ、地域のボランティア、学び直しなど、自分が楽しめて無理なく続けられる活動が候補になります。仕事を続ける場合も、働く時間を少し減らし、趣味や家族との時間を確保する方法があります。
大切なのは、仕事だけに人との接点を依存しないことです。地域の活動や趣味の集まりなど、職場以外にも交流の場があると、退職や転職によって生活環境が変わったときにも、新たなつながりを持ちやすくなります。
また、60代は家族の介護や自身の通院など、予定外の負担が増える可能性もある年代です。趣味に多額のお金をかけることより、費用を抑えて続けられる活動や、体調に合わせて参加できる活動をいくつか持っておくほうが、長期的には生活に組み込みやすいでしょう。
【生活設計】60代から老後資金の不安を減らす具体的な方法
60代の生活設計では、収入を増やすことだけに注目するのではなく、支出を整理し、資金が必要になる時期を把握が必要です。退職前後は収入の変化が大きく、住宅の修繕、親の介護、自分の医療費など、複数の支出が重なる可能性があります。
1. 毎月の家計を把握する
最初に、年金、給与、事業収入などの手取り収入と、食費、住居費、光熱費、保険料、交通費、医療費などの支出を整理します。年払いの保険料や税金、住宅修繕など、毎月の家計簿に表れにくい支出も年間額に換算しておきましょう。
家計の不足額が分かれば、必要な老後資金を具体的に見積もれます。月々の不足額に12を掛け、想定する期間を掛ける方法は、将来の資金需要を把握する出発点になります。ただし、物価上昇や医療・介護費などの変化も考慮し、余裕を持った計画を立てることが大切です。
2. 年金の見込額を確認する
年金額は、一般的なモデル額ではなく、自分自身の加入記録と受給見込額を基に考えます。公的年金の加入状況や見込額を確認し、配偶者がいる場合は世帯全体の受給額も整理しましょう。受給開始時期を変更する場合は、増減額だけでなく、受給開始までの生活費をどう確保するかも検討する必要があります。
3. 働き方と退職時期を見直す
再雇用、転職、短時間勤務、自営業など、選択肢ごとに収入と負担を比較します。給与が下がっても勤務時間が短くなれば、健康や趣味との両立がしやすくなる場合があります。反対に、家計の不足が大きい場合は、一定期間働き続けることで貯蓄の取り崩しを抑えられる可能性があります。
仕事を選ぶときは、額面の給与だけで判断しないことも重要です。税金や社会保険料を差し引いた手取り額、通勤費、勤務時間、体力的な負担、契約更新の見通しなどを合わせて比較しましょう。
4. 資産を使う順番とリスクを整理する
生活費としてすぐに必要な資金と、当面使う予定のない資金を分けて管理します。金融商品を保有している場合は、値動きの大きさ、換金のしやすさ、手数料などを確認し、必要な生活費を相場の変動に左右されにくい形で確保しておくことが基本です。
また、住宅ローンが残っている場合は、繰上げ返済に資金を充てることと、手元資金を残すことの両方を比較する必要があります。ローンを減らすことだけを優先し、医療費や生活費に充てる現金が不足すると、かえって家計が不安定になることもあります。
5. 住まいと支援体制を確認する
老後の生活費は、住居費によって大きく変わります。持ち家であっても、修繕費や固定資産税などの支出があります。賃貸住宅では家賃が長期的な負担になるため、将来の収入を踏まえた住居費の見通しが欠かせません。
一人暮らしの人や、家族から離れた地域に住んでいる人は、通院、買い物、緊急時の連絡手段も確認しておきましょう。自治体の高齢者相談窓口や地域包括支援センターなど、生活上の困りごとを相談できる場所を知っておくことも備えの一つです。
【プロの結論】60代の生活設計は「平均」より「自分の不足額」で決める
60代の生活設計で避けたいのは、平均貯蓄額やモデル年金額だけを見て、安心したり不安になったりすることです。平均値が高くても、自分の家計に十分な資金があるとは限りません。反対に、平均より貯蓄が少なくても、住居費が低く、年金収入が安定し、毎月の不足額が小さければ、長期的な生活を組み立てられる場合があります。
判断基準は明確です。毎月いくら不足するのか、何年間その不足が続く可能性があるのか、臨時支出に備える資金があるか、そして健康状態に合わせてどの程度働けるか。この4点を整理すれば、働く期間、支出の見直し、資産の取り崩し方を具体的に考えやすくなります。
60代は、老後の生活がすべて決まってしまう年代ではありません。仕事の続け方を変えたり、住まいや支出を見直したり、新しい趣味や人とのつながりを作ったりする余地があります。現実の収支を把握し、健康と暮らしの両面から無理のない選択を積み重ねることが、将来の安心につながります。
【60代】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:60代の貯蓄額は平均いくらですか?
A1:J-FLECの2025年調査を基にした年代別集計では、60代の金融資産保有額は平均約3,087万円、中央値約1,775万円とされています。ただし、金融資産の定義や世帯区分によって数字は異なります。自分の老後資金を考える際は、平均額よりも年金などの収入と生活費の差額を確認することが大切です。
Q2:60代は何歳まで働く人が多いですか?
A2:2025年平均の就業率は60~64歳で74.9%、65~69歳で54.5%でした。何歳まで働くかは、家計の状況や健康状態、仕事内容、本人の希望によって異なります。定年後も働く場合は、給与や勤務時間、契約更新の条件を確認し、生活とのバランスを考えて選びましょう。
Q3:60代は年金だけで生活できますか?
A3:年金だけで生活できるかどうかは、受給額と住居費、生活費によって異なります。総務省の2025年家計調査では、65歳以上の無職世帯の平均で、夫婦のみの世帯は可処分所得が月約22万2,000円、消費支出が約26万4,000円でした。単身世帯でも支出が可処分所得を上回っています。自分の年金見込額と支出を照らし合わせて判断しましょう。
まとめ:60代の暮らしを安定させるための判断基準
2026年の公的資料から見えてくるのは、60代の暮らし方が多様化していることです。60代前半では働き続ける人が多く、65歳以降も就業する人は少なくありません。一方、年金収入だけでは家計が不足する世帯もあり、貯蓄の額だけでなく、毎月の収支を把握することが欠かせません。
健康寿命の延伸や一人暮らしへの備えも、仕事やお金と切り離せないテーマです。健康状態に合わせて働き方を調整し、無理なく続けられる趣味や交流の場を持つことは、暮らしの満足度を支える要素になります。
まずは、年金の見込額、毎月の生活費、貯蓄と負債、今後の働き方を整理してみてください。そのうえで、住居費や臨時支出、健康管理、地域とのつながりを含めて生活設計を見直すことが大切です。60代からの備えは、老後の不安をただ減らすだけでなく、自分らしい時間をどう過ごすかを考える機会にもなります。