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60代からの生き方を見直す10の習慣|片付け・年金・介護と第二の青春を徹底解説

黒瀬 亮 黒瀬 亮 • 更新: • 公開: • 読了約 20 分
目次

60代は、仕事や子育てに追われた日々から少しずつ距離を置き、自分の時間を取り戻す節目になり得る。一方で、親の介護、年金と生活費の問題、体力の変化、長年続けてきた人間関係など、これまで後回しにしてきた課題が一度に表面化しやすい時期でもある。これからの暮らしを豊かにするには、何かを新しく始めるだけでなく、無理をして続けてきた習慣や負担を見直す視点が欠かせない。

内閣府の「令和8年版高齢社会白書」では、2025年の65〜69歳の就業率は54.5%、70〜74歳では36.2%と報告されている。60代以降も働くことが珍しくない一方、働き方も家族との関わり方も一様ではない。60歳を過ぎたらやめたい習慣、衣類や実家の片付け、年金を受け取りながら働く際の注意点、更年期のような不調への対処法まで、2026年の公表情報を踏まえながら、第二の青春を楽しむための具体策を整理する。

【この記事の重要ポイントまとめ】
  • 60代からの生き方:他人との比較や過剰な我慢を減らし、自分が大切にしたい時間と人間関係を選び直す。
  • 暮らし・仕事・健康:片付けや終活は小さく始め、介護制度や年金の仕組みを確認し、不調は年齢のせいにせず医療機関に相談する。
  • 第二の青春:大きな目標を掲げる必要はない。趣味、学び、交流、日々の小さな挑戦から新しい生活をつくる。

【60代は人生の喪失期か、黄金期か?第二の青春を分ける考え方】

60代

60代を迎えると、定年退職や役職からの離脱、子どもの独立、親しい人との別れなど、生活の前提が変わることがある。長年の仕事が生きがいだった人ほど、肩書や役割を失った後に、何を目標にすればよいのか分からなくなる場合もある。

こうした変化を「人生の喪失期」と捉えるか、「第二の青春」の始まりと捉えるか。この違いを考える材料の一つが、ダイヤモンド・オンラインの「60代を超えて『人生の喪失期』に入る人と『第2の青春期』に入る人の決定的な思考の違い」という記事だ。同記事は、80歳まで生きると仮定すれば、60歳から先にも20年という時間があることを示している。

もちろん、考え方だけですべての問題が解決するわけではない。健康状態や家計、介護の負担、住環境など、本人の努力だけでは変えにくい条件もある。それでも、過去に失ったものばかりを数えるのか、現在できることに目を向けるのかによって、日々の行動は変わってくる。

60代を人生の黄金期に近づけるための第一歩は、若い頃と同じ基準で自分を評価しないことだ。役職や収入、子どもの成績、所有物の多さではなく、体調を整えられたか、気の合う人と話せたか、興味のあることに時間を使えたか。こうした基準に切り替えると、暮らしの満足度を自分で判断しやすくなる。

大切なのは、第二の青春を無理に演出しないことでもある。旅行や起業、資格取得のような大きな挑戦だけが充実した人生ではない。近所を散歩する、料理を工夫する、読みたかった本を開く。小さな選択を自分で決められることも、60代の自由の一つだ。

【検証資料 1】当時のメディア報道・掲載写真(出典:dol.ismcdn.jp)

【60歳を過ぎたらやめること10選】暮らしを軽くする引き算の習慣

60代からの生き方を見直すとき、何かを足す前に、時間やお金、気力を消耗させているものを確認したい。仕事や介護を続けながら生活を整えるには、努力を増やすより、負担を減らすほうが現実的な場合もある。

「60歳からの生き方!人生を豊かにするためにやめたほうがいいこと10選」といったテーマでも語られる、暮らしの引き算。自分に当てはまるものから見直してみよう。

  • 1.他人と自分の生活を比べ続ける:同級生の収入や旅行、子どもの成功と自分の生活を比べても、満足度が高まるとは限らない。
  • 2.頼まれたことをすべて引き受ける:地域活動や親戚づきあい、家族の用事は、体力と時間に合う範囲で引き受ける。
  • 3.世間体のためにお金を使う:見栄のための買い物や、気が進まない交際費は、家計を圧迫していないか確認する。
  • 4.不調を年齢のせいにして我慢する:疲れや痛み、不眠が続く場合は、医療機関に相談する。
  • 5.使わない物を持ち続ける:高価だったことや、いつか使うかもしれないという理由だけで保管しない。
  • 6.無理な人間関係を維持する:会うたびに疲れる関係は、会う頻度や距離を調整する。
  • 7.過去の役職や成功に固執する:退職後も以前の肩書にこだわらず、新しい役割を探す。
  • 8.家族の問題を一人で背負う:親の介護や家事を家族だけで抱え込最初に、行政や専門職の支援を活用する。
  • 9.趣味や休息を後回しにする:時間が余ったら楽しむのではなく、楽しむ時間を先に予定に入れる。
  • 10.年齢だけを理由に挑戦を諦める:体力や費用、安全性を考慮しながら、できる形に調整して始める。

10項目すべてを一度に変える必要はない。まずは一つ、例えば「今月は買い物をする前に持ち物を確認する」「週に一度は予定を入れない日をつくる」といった行動に落とし込む。続けられる仕組みをつくることが、習慣を見直す近道になる。

ただし、働き続けることや家族を支えること自体を、やめるべき習慣と決めつける必要もない。仕事が生きがいの人もいれば、家族との時間に大きな喜びを感じる人もいる。見直したいのは活動そのものではなく、自分の健康や生活を犠牲にしてまで続けていないか、という点だ。

【60代の暮らしの見直し】片付け・衣類整理・終活は小さく進める

60代の片付けは、部屋をきれいに見せるためだけの作業ではない。物の量を減らすことで掃除や管理の手間を抑え、転倒につながる障害物を減らし、今後の引っ越しや介護、住み替えに備える意味もある。

特に取り組みやすいのが、衣類の整理だ。季節の変わり目にクローゼットを見直し、実際に着た服、着心地がよい服、手入れが難しい服を確認する。サイズが合わない服や、長年着ていない服を手放すかどうかは、現在の生活に必要かという基準で考えると判断しやすい。

60歳代の人気ブログランキングやシニア日記のブログ検索で扱われる話題にも、家ご飯、50代・60代からの片付け、季節ごとの衣類の棚卸し、実家の片付けなどが見られる。こうしたテーマは、日々の家事や持ち物の整理が、同世代の暮らしにとって身近な関心事であることをうかがわせる。ただし、ブログのランキングや投稿内容は利用者の関心を知る手がかりであり、60代全体の意識を代表する統計ではない。

片付けは、次の順番で進めると負担を抑えやすい。

  • 衣類:今季着た服から確認し、残す服を選ぶ。
  • 書類:保険、年金、医療、住宅、契約に関する重要書類を整理する。
  • 台所・日用品:重複している道具や期限切れの食品を見直す。
  • 写真・思い出の品:一度に処分せず、残したい物を選んで保管方法を整える。
  • 大きな家具:動線を確保し、転倒やつまずきの危険を減らす。

終活も、物を捨てる作業だけではない。医療や介護についての希望、緊急連絡先、重要書類の保管場所、財産や契約の情報などを整理しておけば、自分が判断しにくくなったときに家族が困る可能性を減らせる。必要に応じて、遺言や相続について専門家に相談する方法もある。

親の家を整理する「実家の片付け」は、自宅の片付けより難しくなることがある。本人にとっては思い出のある品でも、子どもには価値が分からない場合があるからだ。親が存命であれば、本人の意思を尊重し、処分の判断を急がせないことが基本となる。

また、実家の売却や解体、相続手続きなどが関わる場合、物を処分する前に権利関係や必要書類を確認したい。家族間で意見が分かれる場合は、自治体の相談窓口や司法書士、弁護士などの専門家を頼る選択肢もある。終活は、家族の負担を一方的に減らすためではなく、本人の希望を共有するための準備でもある。

【検証資料 2】活動歴および当時の関連ビジュアル記録(出典:hoyu.co.jp)

【60代の仕事・年金・親の介護】2026年の制度と両立の考え方

60代の生活設計で大きな課題となるのが、仕事と親の介護の両立だ。退職して介護に専念すれば時間は確保できるように見えるが、収入が減るだけでなく、将来の生活設計にも影響する可能性がある。介護が必要になったからといって、すぐに退職を決めるのではなく、利用できる制度と支援体制を先に確認したい。

厚生労働省は、介護休業制度や介護休暇、職場での両立支援策を案内している。介護休業は、対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限として分割取得できる制度だ。長期間の介護をすべて本人が担うための休業というより、介護サービスの手配や家族間の調整など、体制を整えるために活用することも考えられる。

年金をもらいながら働く場合は、収入と年金の関係も押さえておきたい。日本年金機構によると、2026年度の在職老齢年金では、老齢厚生年金の基本月額と総報酬月額相当額の合計が月65万円以下なら、在職老齢年金制度による支給停止はない。合計が65万円を超える場合は、原則として超過分の2分の1相当が老齢厚生年金から支給停止となる仕組みだ。

この基準は2026年4月から適用されている。ここでいう総報酬月額相当額には、標準報酬月額に加え、直近1年間の標準賞与額を12で割った額が含まれる。老齢基礎年金はこの支給停止の対象ではないため、すべての年金が一律に減額されると理解するのは誤りだ。実際の受給額は年金の種類や報酬などによって異なるため、個別に確認する必要がある。

2026年の公的資料から押さえておきたい数字を整理すると、次のようになる。

論点 2026年に確認したい事実 暮らしへの活用方法
65〜69歳の就業率 2025年の実績は54.5%。内閣府「令和8年版高齢社会白書」に掲載。 働き続ける場合は、収入だけでなく体力、勤務時間、社会保険なども含めて働き方を選ぶ。
70〜74歳の就業率 2025年の実績は36.2%。同白書に掲載。 年齢だけで働くことを決めず、健康状態や本人の希望に合わせて検討する。
在職老齢年金の基準額 2026年4月から月65万円。老齢厚生年金の基本月額と総報酬月額相当額の合計で判定。 勤務先の給与や賞与、年金見込額を確認し、働く時間や収入を調整する際の材料にする。
介護休業 対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限に分割取得できる。 介護サービスの調整や家族との役割分担を進め、退職以外の選択肢を検討する。

数字だけで働き方を決めるのではなく、家計全体を見ることも欠かせない。年金の見込額、住居費、医療費、介護費、日常生活費を整理し、どの程度の収入が必要なのかを把握する。そのうえで、働く日数を減らす、短時間勤務に切り替える、経験を生かせる仕事を探すなど、現実的な選択肢を比較したい。

介護については、地域包括支援センターや自治体の相談窓口、ケアマネジャーなどに早めに相談することが有効だ。勤務先の人事・総務担当者に介護休業や介護休暇について確認することもできる。介護の状況は突然変わることがあるため、仕事を辞めるかどうかの二択にせず、外部サービスを組み合わせながら継続できる方法を探したい。

【60歳を過ぎて更年期のような症状が出る理由】長引く不調への対処法

60歳を過ぎてから、ほてり、発汗、動悸、めまい、不眠、気分の落ち込みなどが現れると、「更年期がまだ続いているのだろうか」と考える人もいる。閉経後も更年期に似た不調が続いたり、いったん落ち着いた症状が再び気になったりすることはある。ただし、60代の不調をすべて更年期症状と決めつけることはできない。

「ハルメク美と健康」が2023年12月18日に公開した「60歳を過ぎて更年期のような状態になる原因&対処法」では、閉経後も症状が続く場合や、再び症状が現れる場合を取り上げている。環境の変化やストレス、睡眠不足などが体調に影響する可能性も紹介されている。

一方、日本女性医学学会の解説やホルモン補充療法に関する専門的な資料では、閉経後10年以上が経過してから、ほてりや発汗などの血管運動神経症状が初めて現れるケースは一般的ではなく、ほかの病気も考慮する必要があるとされている。例えば、甲状腺の病気などは更年期に似た症状を起こす場合がある。

つまり、60歳を過ぎて更年期のような症状が出る理由は一つではない。閉経に伴う変化が関係していることもあれば、生活環境やストレス、睡眠の問題、別の疾患が背景にある可能性もある。症状だけで原因を判断することは難しいため、長引く不調や日常生活に支障を来す症状があれば、婦人科やかかりつけ医に相談したい。

受診を考えたい症状の例

  • ほてりや発汗が繰り返し起こり、睡眠や外出に支障が出ている。
  • 動悸、めまい、強い疲労感などが続いている。
  • 不眠や気分の落ち込みが長引き、日常生活がつらくなっている。
  • 閉経後、かなり時間がたってから新たな症状が現れた。

セルフケアとしては、睡眠時間を確保する、食事のバランスを整える、無理のない範囲で歩く、体調と症状が出た時間を記録するといった方法がある。症状の記録は、受診時に原因を検討する手がかりにもなる。

ホルモン補充療法などの治療が適するかどうかは、年齢だけでなく症状、既往歴、治療の利益とリスクなどを踏まえて判断される。自己判断で薬やサプリメントを始めたり、治療を中断したりせず、医師と相談して選択することが大切だ。胸の強い痛み、急な息苦しさ、突然の麻痺などがある場合は、更年期の症状と考えて様子を見ず、緊急の医療対応を求めたい。

【検証資料 3】公の場での発言・インタビュー報道記録(出典:imgbp.hotp.jp)

【60代の第二の青春を楽しむ方法】趣味・交流・小さな挑戦から始める

60代から新しい楽しみを見つけるために、特別な才能や大きな資金が必要なわけではない。大切なのは、自分の生活に合った活動を選び、続けられる大きさで始めることだ。

例えば、これまで仕事が忙しくてできなかった料理や読書、園芸、写真、楽器、旅行などに取り組む方法がある。地域の講座やサークルに参加すれば、家族や職場とは異なる人間関係を築くきっかけにもなる。体力に不安があれば、遠出より近所の散歩から始めるなど、活動の負荷を調整すればよい。

第二の青春を生活に取り入れるための具体策は、次の5つだ。

  • 週に一度、楽しみを予定に入れる:散歩、映画、料理、友人とのお茶など、費用をかけなくてもよい活動を選ぶ。
  • 新しい学びを一つ始める:語学、パソコン、歴史、地域の文化など、好奇心を持てるテーマを探す。
  • 人間関係を広げすぎない:無理に交友関係を増やすのではなく、安心して話せる人との時間を大切にする。
  • 体力に合わせて外出する:移動時間や休憩場所を考慮し、疲れを翌日に持ち越さない計画を立てる。
  • 小さな目標を記録する:一冊読み終える、料理を一品覚える、近所の公園を歩くなど、達成を実感できる目標を設定する。

また、インターネット上の同世代の発信も、暮らしを見直すヒントになる。60歳代の人気ブログランキングなどで、料理、片付け、趣味、年金生活の工夫を読むと、自分では思いつかなかった方法を知るきっかけになる。ただし、他人の生活をそのまま再現する必要はない。家計や健康状態、家族の事情は人それぞれだからだ。

情報を取り入れる際は、経験談と公的な制度情報を分けて考えたい。ブログは日々の工夫や当事者の考えを知るのに役立つ一方、年金の支給条件や介護制度、病気の診断・治療については、日本年金機構、厚生労働省、医療機関や専門学会の情報を優先する。人気記事であることと、誰にでも当てはまることは同じではない。

60代の暮らしを充実させる方法に、全員共通の正解はない。仕事を続けることが楽しい人もいれば、退職して自分の時間を増やしたい人もいる。家族との交流を大切にする人もいれば、一人で過ごす時間に安らぎを感じる人もいる。自分に合うかどうかを、費用、体力、時間、気持ちの負担という基準で判断することが、無理のない第二の青春につながる。

【60代に関するよくある質問(FAQ)】

Q1:60歳を過ぎたら、最初に何を見直すべきですか?
A1:まずは毎日の時間の使い方、家計、健康状態を確認しましょう。使っていない物の整理や固定費の点検など、負担が小さく効果を感じやすいことから始めるのがおすすめです。介護や持病などの事情がある場合は、それらを優先して計画を立ててください。

Q2:60代で年金をもらいながら働くと、年金は減りますか?
A2:すべての人の年金が減るわけではありません。2026年度の在職老齢年金では、老齢厚生年金の基本月額と総報酬月額相当額の合計が月65万円を超える場合、原則として超過分の2分の1相当が老齢厚生年金から支給停止となります。老齢基礎年金はこの調整の対象外です。自分の年金額と給与を確認して判断しましょう。

Q3:60歳を過ぎて更年期のような症状が出たら、どうすればよいですか?
A3:閉経後も不調が続く場合はありますが、甲状腺の病気など、ほかの原因も考えられます。症状が長引く、強くなる、生活に支障が出る場合は、婦人科やかかりつけ医に相談してください。年齢だけを理由に我慢したり、自己判断で治療を始めたりしないことが大切です。

まとめ:【プロの結論】60代からの生き方は、手放すことと選び直すことから

60代は、人生の終盤に向けてただ備えるだけの時期ではない。これまで積み重ねてきた経験を生かしながら、暮らしの負担を減らし、自分に合った働き方や人間関係、楽しみ方を選び直せる時期でもある。

そのために必要なのは、すべてを一度に変えることではない。使わない衣類を整理する、家計を見直す、介護の相談先を調べる、体調の変化を医師に伝える、週に一度の楽しみを予定に入れる。こうした小さな行動を積み重ねることで、生活の見通しは少しずつ明確になる。

仕事を続けるか、退職するか。物を残すか、手放すか。人付き合いを広げるか、絞るか。判断に迷ったときは、世間の基準や年齢だけで決めず、自分の健康、家計、時間、気持ちにとって無理のない選択かどうかを考えたい。

60代からの生き方を豊かにする鍵は、何でも頑張り続けることではなく、これからの自分に必要なものを選び直すことにある。人生の黄金期は、誰かが用意してくれるものではない。今の自分にできることから始め、自分なりの第二の青春を育てていこう。

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黒瀬 亮
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