2026年、日本人宇宙飛行士の活動は新たな段階に入っている。JAXA(宇宙航空研究開発機構)は2026年9月25日、諏訪理宇宙飛行士が米国SpaceXのクルードラゴン宇宙船運用14号機(Crew-14)に搭乗することを正式に発表した。打ち上げは2027年3月以降を予定しており、諏訪飛行士にとって初めての宇宙飛行となる。
一方、米田あゆ宇宙飛行士は将来のミッションに向けて訓練を続け、油井亀美也宇宙飛行士は2026年1月に約166日間のISS長期滞在を終えて地球に帰還した。宇宙飛行士は宇宙で実験をするだけの職業ではない。地上での研究開発、国際調整、宇宙船の操作訓練、次世代の有人宇宙探査に向けた技術開発まで、幅広い役割を担っている。
この記事では、JAXAの公式発表やNASA・ESAの訓練情報をもとに、宇宙飛行士の仕事内容、選抜試験と応募条件、英語力や専門知識、基礎訓練と認定制度、日本人宇宙飛行士の歴代一覧を整理する。2026年10月30日時点の最新動向と、2027年以降のISS長期滞在計画も詳しく解説する。
【この記事の重要ポイントまとめ】
- 2026年最新情報: 諏訪理宇宙飛行士のCrew-14搭乗が決定。2027年3月以降の打ち上げを予定している。
- 宇宙飛行士になる条件: JAXAの2021年度募集では3年以上の実務経験や医学的条件が設定され、英語力、専門性、協調性なども評価された。
- 仕事内容と訓練: ISSでの科学実験や設備管理だけでなく、地上での研究・運用支援・国際協力も重要な仕事となっている。
【宇宙飛行士の仕事とは?】宇宙での任務と地上での意外な実態
宇宙飛行士は、宇宙船に乗って宇宙へ行くことだけを仕事にしているわけではない。現在のJAXA宇宙飛行士の中心的な任務は、国際宇宙ステーション(ISS)での長期滞在、科学実験、設備の維持管理、船外活動などだ。
加えて、宇宙へ行っていない期間も、地上で訓練や技術開発、管制業務、国際的な会議などに携わっている。
ISSで担当する主な仕事内容
ISSは地上から約400km上空を周回する有人宇宙施設であり、複数の国や宇宙機関が協力して運用している。
宇宙飛行士は数か月から半年程度滞在し、さまざまなミッションを遂行する。
主な仕事は次のとおりだ。
1. 科学実験・研究
微小重力環境を利用した物理学、材料科学、生物学、医学などの実験を行う。
地上では重力の影響を受けるため難しい実験も、宇宙では異なる条件で検証できる。タンパク質結晶生成や細胞の変化、流体の挙動など、将来の医療・産業につながる研究も実施されている。
2. ISSと「きぼう」の維持管理
日本の実験棟「きぼう」を含め、ISSの各設備が正常に動作するよう点検・修理・保全を行う。
電気系統、通信機器、空調、生命維持装置などの管理も重要だ。
3. ロボットアームの操作
宇宙ステーションのロボットアームを使って、補給船の把持や実験装置の交換などを行う。
油井亀美也宇宙飛行士は、2015年のISS滞在時に日本の宇宙ステーション補給機「こうのとり」5号機のキャプチャを担当した。
4. 船外活動
宇宙服を着用し、ISSの外側で設備の取り付けや修理などを行う。
船外活動には高度な技術と安全管理が求められる。宇宙服の操作、身体の固定、通信、緊急時の対応まで、事前に繰り返し訓練する必要がある。
地上での仕事も宇宙飛行士の重要な任務
宇宙飛行士のキャリアは、宇宙滞在だけで成り立っているわけではない。
JAXAの公式情報では、宇宙飛行士の地上業務として、専門的な研究、システム開発、訓練支援、管制業務、マネジメント、広報活動などが紹介されている。
特に重要なのが、宇宙と地上をつなぐ役割だ。
宇宙飛行士は、地上の管制官や研究者と連携し、実験の進行状況や設備の状態を共有する。国際共同ミッションでは、各国の宇宙飛行士や専門家との意思疎通も欠かせない。
つまり、宇宙飛行士に必要なのは身体能力だけではない。科学技術を理解し、状況を判断し、仲間と協力しながら任務を遂行する総合的な能力なのである。
【宇宙飛行士になるには?】JAXAの応募条件と選抜試験を解説
日本で宇宙飛行士を目指す代表的な道は、JAXAの宇宙飛行士候補者募集に応募し、選抜試験を通過することだ。
ただし、募集は毎年実施されているわけではない。2021年度の募集は約13年ぶりに行われ、2023年2月に米田あゆ氏と諏訪理氏の2人が候補者として選ばれた。
JAXA宇宙飛行士の応募条件
直近の大規模なJAXA募集である2021年度の募集要項では、主な応募条件として以下が設定されていた。
| 項目 | 2021年度募集の条件 |
|---|---|
| 実務経験 | 2022年3月末時点で3年以上 |
| 修士号 | 1年分の実務経験として換算 |
| 博士号 | 3年分の実務経験として換算 |
| 身長 | 149.5〜190.5cm |
| 視力 | 両眼とも遠距離の矯正視力1.0以上 |
| 色覚 | 正常(石原式) |
| 聴力 | 背後2mからの通常会話が可能 |
| 国籍 | 日本国籍が必要 |
これらは2021年度の募集条件であり、今後の募集で同じ条件が採用されるとは限らない。JAXAも募集条件が変更される可能性を案内している。
注目したいのは、特定の学部や職業だけに応募者が限定されていなかった点だ。
宇宙飛行士には、医学、工学、科学、航空、情報技術など、異なる専門分野を持つ人材が求められる。実際、米田氏は医師としての経験を持ち、諏訪氏は地球科学や国際開発の分野でキャリアを積んできた。
パイロットや宇宙工学の専門家だけが宇宙飛行士になれるという認識は正確ではない。
選抜試験はどのように進むのか
2021年度のJAXA募集では、書類選抜、第0次選抜、第1次選抜、第2次選抜、第3次選抜という段階的な試験が設けられた。
主な内容は次のとおり。
- 書類選抜: 応募資格、健康診断結果、健康状況申告などを審査。
- 第0次選抜: 英語試験、一般教養試験、STEM分野の試験、小論文、適性検査など。
- 第1次選抜: 医学検査、医学的特性検査、プレゼンテーション、資質特性検査、運用技量試験。
- 第2次選抜: 医学検査、英語を含む面接、プレゼンテーション、資質特性の評価。
- 第3次選抜: 医学検査、運用技量試験、総合面接、英語面接など。
試験では知識だけでなく、リーダーシップ、問題解決能力、チームワーク、緊急事態への対応力なども評価された。
2021年度の応募者は過去最多の4,127人
JAXAが2022年4月5日に発表した募集結果によると、応募総数は4,127人だった。
これは前回の2008年度募集の963人と比べて約4.3倍に相当する。
年齢別では30代が1,850人で全体の44.8%を占め、40代も973人、23.6%に達した。
この数字から分かるのは、宇宙飛行士への挑戦が若い理系学生や航空関係者だけのものではないということだ。
社会人として専門性や実務経験を積んだ人にも、応募の機会が開かれていた。
宇宙飛行士に必要な英語力と専門知識
ISSは国際共同事業であり、異なる国籍の宇宙飛行士や管制チームが一緒に活動する。
そのため、英語は非常に重要な能力となる。
英語で求められるのは、日常会話だけではない。
- 実験手順や技術マニュアルの理解
- 管制官との正確な情報交換
- 緊急時の状況説明
- 国際チームでの意思決定
- 専門的な議論や報告
2021年度のJAXA募集では、選抜の初期段階に英語試験が設けられ、訓練内容にも英語とロシア語の習得が含まれていた。
ただし、JAXAの募集要項に記載された試験内容を、現在のすべての宇宙飛行士に共通する固定的な英語スコア基準と混同してはいけない。
専門知識についても同様だ。特定の学問だけでなく、自分の得意分野を持ちながら、未知の技術や知識を柔軟に吸収できる能力が求められる。
【選抜後の訓練と認定制度】NASA・ESAとJAXAの仕組み
宇宙飛行士候補者に選ばれたからといって、すぐに宇宙へ行けるわけではない。
JAXAでは、候補者として選抜された後、基礎訓練を受け、審査委員会の評価を経て正式な宇宙飛行士に認定される。
加えて、その後も技能を維持・向上させる訓練が続き、具体的な搭乗ミッションが決まれば専用の訓練に移行する。
JAXAの基礎訓練で学ぶ4つの分野
JAXAの公式情報によると、宇宙飛行士候補者の基礎訓練は大きく4つの分野で構成されている。
① 宇宙開発に関する知識
JAXAの業務、宇宙開発の歴史、航空宇宙工学、各国の宇宙開発計画などを学ぶ。
② ISSと「きぼう」のシステム
ISSの構造や運用方法、日本実験棟「きぼう」のシステム、各種設備の操作方法などを習得する。
③ 科学実験に必要な知識
ライフサイエンス、材料科学、流体科学、地球観測、宇宙観測などの基礎を学ぶ。
④ 宇宙飛行士としての基礎能力
健康管理、体力訓練、航空機操縦、語学、サバイバル技術、スキューバダイビングなどを実践する。
座学だけでなく、実技を通じて身体的・精神的な対応力を鍛える点が特徴だ。
宇宙飛行士の認定はいつ行われる?
JAXAの養成プロセスは、次のように整理できる。
1. 宇宙飛行士候補者として選抜される。
2. 基礎訓練を受ける。
3. 訓練内容を修了し、審査委員会の評価を受ける。
4. 正式な宇宙飛行士として認定される。
5. 維持向上訓練や専門訓練を続ける。
6. ミッションに指名された後、搭乗機や任務に合わせた訓練を受ける。
重要なのは、宇宙飛行士としての認定と、実際の宇宙飛行への指名は別の段階ということだ。
認定を受けても、すぐに搭乗できるわけではない。国際的な調整やミッション計画、個人の訓練状況などを踏まえて搭乗員が決まる。
NASAとESAの宇宙飛行士訓練
NASAでは、新たに選抜された宇宙飛行士候補者がジョンソン宇宙センターを拠点に、およそ2年間の基本訓練を受ける。
主な訓練内容は以下のとおり。
- 宇宙遊泳の基本技術
- ISSの運用とシステム操作
- ロボットアーム操作
- T-38ジェット機による飛行訓練
- 緊急時の対応とサバイバル訓練
一方、ESA(欧州宇宙機関)では、基本訓練、応用訓練、ミッション別訓練という段階的な仕組みを採用している。
ESAの公式説明では、基本訓練は最長1年、応用訓練は約1年が目安とされている。
各機関で制度や訓練の進め方は異なるが、共通しているのは、宇宙での安全確保と国際チームでの任務遂行を重視している点だ。
【日本人宇宙飛行士の歴代一覧】初飛行から2026年の現役メンバーまで
日本の有人宇宙活動は1990年の秋山豊寛氏の飛行から始まり、1992年には毛利衛氏がスペースシャトルに搭乗した。
その後、ISS計画の発展とともに日本人宇宙飛行士の選抜・育成が進み、現在は新世代の宇宙飛行士も加わっている。
日本人初の宇宙飛行士は秋山豊寛
1990年12月2日、当時TBS社員だった秋山豊寛氏が旧ソ連のソユーズTM11号に搭乗し、宇宙ステーション「ミール」に向かった。
これが日本人初の宇宙飛行である。
一方、JAXAの前身である宇宙開発事業団(NASDA)から選抜された宇宙飛行士として、最初にスペースシャトルへ搭乗したのは1992年の毛利衛氏だった。
この2つの出来事は混同されやすいが、秋山氏はTBSの宇宙特派員として飛行した人物であり、JAXAの選抜宇宙飛行士とは経歴が異なる。
歴代のJAXA宇宙飛行士と主な実績
2026年10月時点で、JAXAに在籍する現役宇宙飛行士は6名。引退した宇宙飛行士は7名となっている。
| 人物 | 主な活動・実績 | 2026年時点の位置づけ |
|---|---|---|
| 秋山豊寛 | 1990年、ソユーズで日本人初の宇宙飛行 | JAXA選抜とは別の経歴 |
| 毛利衛 | 1992年・2000年に宇宙飛行 | 引退 |
| 向井千秋 | 日本人女性初の宇宙飛行。1994年・1998年に搭乗 | 引退 |
| 土井隆雄 | 日本人初の船外活動を実施 | 引退 |
| 若田光一 | ISS長期滞在、ISS船長などを経験 | 引退 |
| 野口聡一 | スペースシャトル、ソユーズ、クルードラゴンに搭乗 | 引退 |
| 古川聡 | ISS長期滞在、科学実験を担当 | 引退 |
| 星出彰彦 | ISS長期滞在、ISS船長を経験 | 現役 |
| 山崎直子 | 2010年にスペースシャトルでISSへ | 引退 |
| 油井亀美也 | 2015年・2025〜2026年のISS長期滞在 | 現役 |
| 大西卓哉 | ISS長期滞在、宇宙実験や運用を担当 | 現役 |
| 金井宣茂 | 2017〜2018年にISS長期滞在 | 現役 |
| 諏訪理 | 2027年以降のCrew-14搭乗が決定 | 現役 |
| 米田あゆ | 医師としての経験を持ち、宇宙飛行士訓練を継続 | 現役 |
この一覧から見えてくるのは、日本の宇宙飛行士の役割が時代とともに変化してきたことだ。
初期はスペースシャトルによる科学実験への参加が中心だった。その後、ISSの建設・運用、長期滞在、国際宇宙船の運用へと活動範囲が広がった。
現在は、月周回有人拠点ゲートウェイや将来の月面探査も視野に入っている。
【2026年最新】諏訪理のCrew-14搭乗と米田あゆ・油井亀美也の現在
2026年の日本人宇宙飛行士をめぐる最大のニュースは、諏訪理宇宙飛行士のCrew-14搭乗決定だ。
2026年1月にはISS長期滞在搭乗員に指名され、9月には搭乗する宇宙船まで正式に決定した。
諏訪理宇宙飛行士:2027年3月以降にCrew-14で宇宙へ
諏訪理氏は1977年生まれ。プリンストン大学大学院で地球科学の博士号を取得し、青年海外協力隊としてルワンダに派遣された後、国連の世界気象機関(WMO)、世界銀行で勤務した経歴を持つ。
2023年2月、JAXAの宇宙飛行士候補者に選抜され、同年7月から基礎訓練を開始。2024年10月21日付で正式に宇宙飛行士として認定された。
その後、NASAを拠点とする訓練に加え、ESAのCAVES訓練にも参加。洞窟という閉鎖的な環境でチームワークや判断力を鍛えてきた。
2026年1月にはISS長期滞在搭乗員に指名され、同年9月25日、JAXAがクルードラゴン宇宙船運用14号機への搭乗を発表した。
Crew-14はNASAの宇宙飛行士Kayla Barron氏とChris Birch氏、JAXAの諏訪氏、ロスコスモスのArutyun Kiviryan氏による4人の搭乗員で構成される。
NASAの発表によると、打ち上げは2027年春以降の予定で、ISS到着後は第75次・第76次長期滞在ミッションに加わる。
諏訪氏にとっては初めての宇宙飛行だ。ISSの維持・保全、科学実験、運用支援などを担当する予定となっている。
なお、2026年10月30日時点で打ち上げの具体的な日付は確定していない。
米田あゆ宇宙飛行士:医師としての経験を宇宙へ
米田あゆ氏は1995年生まれ。東京大学医学部医学科を卒業後、東京大学医学部附属病院、日本赤十字社医療センター、虎の門病院などで医療経験を積んだ。
2023年4月にJAXAへ入構し、宇宙飛行士候補者として基礎訓練を開始。2024年10月21日に正式な宇宙飛行士として認定された。
医学の専門知識は、宇宙医学や長期滞在時の健康管理、生命科学研究などに生かされる可能性がある。
2026年には米国ペンサコーラでの水上サバイバル訓練にも参加している。
現在は具体的な搭乗ミッションへの指名に向けて訓練を続けている段階だ。
油井亀美也宇宙飛行士:Crew-11から帰還した経験豊富な飛行士
油井亀美也氏は1970年長野県生まれ。防衛大学校を卒業後、航空自衛隊で勤務し、2009年にJAXAの宇宙飛行士候補者に選抜された。
2015年に初めてISSに長期滞在し、約142日間の宇宙滞在を経験した。
2回目の飛行では、2025年8月から2026年1月までCrew-11の一員としてISSに約166日間滞在した。
今回のミッションでは、「きぼう」での実験や技術実証に加え、新型宇宙ステーション補給機HTV-X1号機のキャプチャにも成功。二酸化炭素除去システムの実証なども担当した。
2026年1月15日、日本時間17時41分にクルードラゴン宇宙船がカリフォルニア州沖に着水し、油井氏らクルーは無事に帰還した。
帰還後は身体機能の回復に向けたリハビリを行い、2月には記者会見で約166日間のミッションを振り返っている。
この3人の活動を見ると、2026年の日本の有人宇宙活動が、宇宙飛行の実績を積む段階から、次世代の探査を見据えた人材育成と技術継承の段階へ進んでいることが分かる。
【ISSと「きぼう」日本実験棟】科学実験と2027年以降の宇宙開発
日本人宇宙飛行士の活動を理解するうえで欠かせないのが、ISSに設置されている「きぼう」日本実験棟だ。
「きぼう」は日本初の有人宇宙施設であり、宇宙環境を利用した科学実験や技術実証を行うための設備を備えている。
「きぼう」では何を研究している?
「きぼう」の船内実験室では、地上とは異なる微小重力環境を利用した実験が行われている。
研究分野は幅広く、主に次のようなものがある。
- 材料科学:重力の影響が異なる環境での材料の形成や性質の研究
- ライフサイエンス:細胞や生物の変化を調べる研究
- 医学研究:宇宙環境が人体に及ぼす影響の検証
- タンパク質結晶生成:医療や創薬につながる基礎研究
- 地球・宇宙観測:地球環境や宇宙空間の観測
また、船外実験プラットフォームでは、宇宙空間に直接さらされた環境を利用する実験も可能だ。
日本人宇宙飛行士がいなくても「きぼう」は動いている
意外と知られていないのが、「きぼう」は日本人宇宙飛行士がISSに滞在していない期間も運用されているという事実だ。
JAXAによると、筑波宇宙センターの地上運用管制チームが3交代の24時間体制で管理している。
実験やメンテナンスの多くは地上からの遠隔操作で進められる。宇宙飛行士による作業が必要な場合は、米国やロシアなどの国際パートナーの飛行士が担当することもある。
これは、宇宙飛行士個人の活動と、地上の管制・研究チームの連携が一体となって初めて宇宙開発が成り立つことを示している。
クルードラゴンとISS長期滞在の今後
日本のISS長期滞在は、従来のソユーズ宇宙船に加え、米国の民間宇宙船クルードラゴンを利用する時代に入っている。
野口聡一氏が2020年に日本人として初めてクルードラゴンに搭乗したことをはじめ、日本人宇宙飛行士の輸送手段も多様化してきた。
2026年の油井氏のCrew-11、そして2027年以降の諏訪氏のCrew-14は、その流れを象徴するミッションだ。
今後のISS活動では、科学実験だけでなく、月や火星への有人探査を見据えた生命維持技術、通信、ロボット操作、長期滞在時の健康管理なども重要なテーマになる。
ISSで蓄積された経験は、将来の月面活動や国際宇宙探査に引き継がれていく。
【宇宙飛行士に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:宇宙飛行士になるには、どの大学や学部に進学すればよいですか?
A1:特定の大学や学部だけが宇宙飛行士への条件になっているわけではない。医学、理工学、自然科学、航空、情報技術などの専門性に加え、実務経験、英語力、協調性などが重要になる。直近のJAXA募集では、専門分野の多様性も重視されていた。
Q2:宇宙飛行士になるためにパイロット資格は必要ですか?
A2:パイロット資格が一律に必須というわけではない。2021年度のJAXA募集でも、応募資格として航空機の操縦士資格は指定されていなかった。ただし、候補者選抜後の訓練では航空機操縦などを学ぶ場合がある。
Q3:宇宙飛行士は何か月くらい宇宙に滞在しますか?
A3:ISSの長期滞在ミッションでは、一般的に数か月から半年程度が中心となる。油井亀美也氏は2025年8月から2026年1月まで約166日間滞在した。具体的な期間はミッションや運用計画によって異なる。
Q4:宇宙飛行士に選ばれたら必ず宇宙へ行けますか?
A4:必ずしもそうではない。宇宙飛行士として認定されることと、特定の宇宙飛行ミッションに指名されることは別の段階だ。訓練結果、健康状態、国際的な搭乗員調整、ミッション計画などによって搭乗機会が決まる。
Q5:2026年現在、日本人で次に宇宙へ行く予定の宇宙飛行士は誰ですか?
A5:JAXAが2026年9月25日に発表した情報では、諏訪理宇宙飛行士がCrew-14に搭乗する予定だ。打ち上げは2027年3月以降とされているが、具体的な日付はまだ確定していない。
Q6:米田あゆ宇宙飛行士はいつ宇宙へ行きますか?
A6:2026年10月30日時点では、米田氏の具体的な搭乗ミッションは発表されていない。現在は将来のミッションへのアサインメントに向けて訓練を続けている。
まとめ:宇宙飛行士を目指すなら専門性とチームで働く力が鍵
宇宙飛行士は、宇宙へ行く夢を実現するだけの職業ではない。科学技術、医学、航空、国際協力など、幅広い知識と経験を結集し、人類の宇宙活動を支える専門職である。
JAXAの選抜では、実務経験や医学的条件だけでなく、英語力、専門性、問題解決能力、リーダーシップ、チームワークなどが評価されてきた。
目指す人にとって重要なのは、宇宙飛行士という肩書だけを目標にするのではなく、自分の専門分野を磨き、国際的な環境で他者と協力できる力を育てることだ。
2026年には油井亀美也氏がISS長期滞在を終え、諏訪理氏のCrew-14搭乗も正式決定した。米田あゆ氏も次のミッションに向けた訓練を続けている。
2027年以降のISS長期滞在、そして月面探査を見据えた有人宇宙活動において、日本人宇宙飛行士が果たす役割はさらに広がっていく。
宇宙飛行士の仕事を知ることは、宇宙開発の未来だけでなく、科学、医療、国際協力がどのように社会を変えていくのかを知ることにもつながる。
主な公式資料・事実確認: JAXAの宇宙飛行士募集要項・選抜資料 、JAXAの仕事内容・基礎訓練・認定制度 、歴代宇宙飛行士・現役プロフィール 、諏訪理氏の搭乗決定とNASAのCrew-14発表 、米田あゆ氏・油井亀美也氏の活動記録 、ISS・「きぼう」の運用とNASA・ESAの訓練制度