2026年の都道府県別GDPランキングを調べるなら、まず確認したいのが内閣府の「県民経済計算」です。47都道府県を同じ年度・同じ基準で比較できる2022年度(令和4年度)のデータでは、東京都の県内総生産(名目)が約120.22兆円で全国1位。大阪府が約43.12兆円、愛知県が約43.08兆円と続きます。
2026年8月には、内閣府が2023年度の県民経済計算を42都道府県・3政令指定都市分について公表しました。ただし、47都道府県すべてがそろった比較には2022年度のデータが適しています。この記事では、最新の公表状況を踏まえ、都道府県別GDPランキングを47位まで紹介。東京都・大阪府・愛知県・神奈川県の経済規模、名目GDPと実質GDPの違い、1人当たり県民所得との関係、県内総生産の推移まで整理します。
【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:2026年時点で47都道府県を同条件で比較するなら、2022年度の県民経済計算が基準になる。
- 要点2:県内総生産(名目)は東京都が約120.22兆円で1位。大阪府と愛知県は約43兆円で僅差の2位・3位。
- 要点3:GDPは地域の経済規模を示す指標であり、住民の豊かさや平均給与を直接示すものではない。1人当たり県民所得や実質成長率も併せて読む必要がある。
【2026年最新】都道府県別GDPはなぜ2022年度のデータで比較するのか
都道府県別GDPを比較する際の基本資料は、内閣府経済社会総合研究所が公表する「県民経済計算」です。国全体のGDPに相当する地域経済の指標として、各都道府県の県内総生産や県民所得などがまとめられています。
ここで押さえておきたいのが、最新の公表年度と、47都道府県を横並びにできる年度は必ずしも一致しないという点です。内閣府は2026年8月7日に2023年度(令和5年度)の統計表を掲載しましたが、対象は42都道府県と3政令指定都市分です。47都道府県すべての数値がそろっているわけではありません。
そのため、2026年に全国の都道府県を公平に比較する目的では、2022年度(令和4年度)のデータが適しています。対象年度をそろえることで、一部の地域だけ新しい年度の数値を使って順位を比較する不整合を避けられます。
なお、2022年度の統計表については、内閣府が2026年6月10日に佐賀県の数値を修正しています。以下のランキングは、修正後の佐賀県の県内総生産約3.28兆円を反映した数値を基に、名目値を小数第2位まで丸めて整理しています。
【47都道府県を完全比較】GDPランキング2026年版・県内総生産の一覧
以下は、2022年度の県内総生産(名目)を金額の大きい順に並べたランキングです。単位は兆円。県内総生産は、各都道府県の区域内で生み出された付加価値を集計したもので、地域経済の規模を比較する際に使われます。
| 順位 | 都道府県 | 県内総生産(名目) |
|---|---|---|
| 1位 | 東京都 | 120.22兆円 |
| 2位 | 大阪府 | 43.12兆円 |
| 3位 | 愛知県 | 43.08兆円 |
| 4位 | 神奈川県 | 35.16兆円 |
| 5位 | 埼玉県 | 24.67兆円 |
| 6位 | 兵庫県 | 23.46兆円 |
| 7位 | 千葉県 | 21.41兆円 |
| 8位 | 北海道 | 20.89兆円 |
| 9位 | 福岡県 | 20.19兆円 |
| 10位 | 静岡県 | 18.27兆円 |
| 11位 | 茨城県 | 14.59兆円 |
| 12位 | 広島県 | 12.48兆円 |
| 13位 | 京都府 | 11.11兆円 |
| 14位 | 群馬県 | 9.76兆円 |
| 15位 | 宮城県 | 9.61兆円 |
| 16位 | 栃木県 | 9.60兆円 |
| 17位 | 新潟県 | 9.04兆円 |
| 18位 | 長野県 | 8.92兆円 |
| 19位 | 三重県 | 8.49兆円 |
| 20位 | 岐阜県 | 8.23兆円 |
| 21位 | 福島県 | 7.86兆円 |
| 22位 | 岡山県 | 7.34兆円 |
| 23位 | 滋賀県 | 7.01兆円 |
| 24位 | 熊本県 | 6.57兆円 |
| 25位 | 山口県 | 6.31兆円 |
| 26位 | 鹿児島県 | 6.05兆円 |
| 27位 | 愛媛県 | 5.14兆円 |
| 28位 | 富山県 | 4.93兆円 |
| 29位 | 大分県 | 4.90兆円 |
| 30位 | 岩手県 | 4.80兆円 |
| 31位 | 石川県 | 4.72兆円 |
| 32位 | 長崎県 | 4.65兆円 |
| 33位 | 沖縄県 | 4.46兆円 |
| 34位 | 青森県 | 4.44兆円 |
| 35位 | 山形県 | 4.34兆円 |
| 36位 | 和歌山県 | 4.00兆円 |
| 37位 | 香川県 | 3.97兆円 |
| 38位 | 奈良県 | 3.92兆円 |
| 39位 | 宮崎県 | 3.77兆円 |
| 40位 | 山梨県 | 3.72兆円 |
| 41位 | 秋田県 | 3.63兆円 |
| 42位 | 福井県 | 3.49兆円 |
| 43位 | 佐賀県 | 3.28兆円 |
| 44位 | 徳島県 | 3.27兆円 |
| 45位 | 島根県 | 2.75兆円 |
| 46位 | 高知県 | 2.41兆円 |
| 47位 | 鳥取県 | 1.91兆円 |
出典:内閣府経済社会総合研究所「県民経済計算」2022年度値。2026年6月10日付の佐賀県分の修正を反映。金額は兆円単位に換算し、小数第2位まで表示しています。丸め処理のため、表示額同士の差は厳密な差額と一致しない場合があります。
ランキングを見ると、上位10都道府県のうち、首都圏やその周辺の県が複数を占めています。一方、北海道や福岡県のように、広域の経済活動を支える地域も上位に入っています。
反対に、下位の県であっても、産業の競争力や生活の質まで低いとは限りません。人口規模、産業構成、企業の立地、地域内で生み出される付加価値の大きさなどが総額に影響するため、順位はあくまで経済規模を表すものとして読む必要があります。
【東京・大阪・愛知・神奈川】GDP上位4都府県の規模と特徴
都道府県別GDPで特に注目されるのが、東京都、大阪府、愛知県、神奈川県です。いずれも大規模な経済活動が集まっていますが、上位に位置する背景には、それぞれ異なる産業構造や都市機能があります。
東京都のGDP:約120.22兆円
東京都は全国1位で、2位の大阪府の約2.8倍に相当します。企業の本社機能、金融、情報通信、専門サービス、商業など、多様な経済活動が集中していることが大きな特徴です。都内で働く人々が生み出す付加価値は、都内に住む人だけでなく、周辺県から通勤する人々の活動とも結び付いています。
ただし、東京都のGDPが突出しているからといって、都民全員の所得が全国平均より高いという意味ではありません。県内総生産は生産活動の場所を基準に集計するため、居住者に帰属する所得とは区別して考える必要があります。
大阪府のGDP:約43.12兆円
大阪府は全国2位です。大都市圏の商業・サービス業に加え、製造業や卸売・小売業など幅広い産業が経済を支えています。西日本の商業・業務の中心として、周辺地域との取引や人の移動も経済活動に影響します。
愛知県のGDP:約43.08兆円
愛知県は全国3位で、大阪府との差は約411億円にとどまります。両府県の経済規模はほぼ同水準です。愛知県を含む中部地域では製造業、とりわけ輸送用機械の存在感が大きく、内閣府の2022年度分析でも、中部地域の製造業に占める輸送用機械の構成比は34.9%となっています。
このような産業集積は、関連企業や部品メーカー、物流、技術サービスなどの活動を通じて地域経済を支えます。ただし、この34.9%は中部地域全体の製造業に関する数字であり、愛知県単独の構成比ではありません。
神奈川県のGDP:約35.16兆円
神奈川県は全国4位です。首都圏の大規模な人口・消費市場に加え、製造業や研究開発、物流、サービス業などの経済活動が集まっています。東京都と隣接していることもあり、県境を越えた通勤や企業活動が地域経済の実態を理解するうえで重要です。
上位4都府県を合計すると、県内総生産は約241.6兆円に達し、47都道府県の合計に対して約4割を占めます。日本の地域経済は、人口や企業が集まる大都市圏と、特定の産業に強みを持つ地域が相互に支え合う構造になっています。
【名目GDPと実質GDPの違い】2022年度の都道府県別経済成長率
GDPランキングを読むときは、名目と実質を混同しないことが大切です。同じ県内総生産でも、名目値と実質値では表している内容が異なります。
名目GDPは、その年度に実際に取引された価格を基に集計した金額です。生産量だけでなく、物価や販売価格の変動も反映されます。経済規模を金額で比較したい場合に適しています。
実質GDPは、物価変動の影響を調整して、生産活動の変化を把握しやすくした指標です。前年より金額が増えたときに、それが価格上昇によるものなのか、実際の生産量やサービス提供の増加を伴うのかを考える際に役立ちます。
内閣府経済社会総合研究所が2026年1月に公表した2022年度の分析によると、県内総生産の前年度比は、47都道府県の合計で名目・実質ともに2.9%増でした。ただし、増加した都道府県の数は同じではありません。
- 名目:39都道府県で前年度比プラス、8県でマイナス。
- 実質:41都道府県で前年度比プラス、6県でマイナス。
この結果は、地域経済が回復する過程で、価格の変動と実際の経済活動の変化を分けて見る必要があることを示しています。名目成長率が高い県を、そのまま生産量の伸びが最も大きかった県と判断することはできません。
また、47都道府県を順位付けする「県内総生産ランキング」と、前年度からの伸び率を比較する「都道府県別経済成長率ランキング」は別のものです。経済規模が大きい県でも成長率が低いことはあり、規模が小さい県でも特定産業の回復によって高い成長率を記録することがあります。
【1人当たり県民所得】GDPランキングが高い県ほど豊かなのか
県内総生産が大きい県ほど、住民の暮らしも豊かなのでしょうか。ここで重要になるのが、県民所得とGDPの違いです。
県内総生産は、県内で行われた経済活動によって生み出された付加価値を示します。一方、県民所得は、賃金や企業所得など、地域の住民や企業に帰属する所得を捉える指標です。生産活動が行われた場所と、所得を受け取る主体は必ずしも一致しません。
加えて、1人当たり県民所得は、県民所得を人口で割った指標です。給与所得だけでなく企業所得なども含まれるため、個人の平均年収や手取り額と同じものではありません。
2022年度の1人当たり県民所得を見ると、東京都は約603.7万円、愛知県は約381.9万円、大阪府は約325.7万円です。県内総生産では大阪府が愛知県をわずかに上回っていますが、1人当たり県民所得では愛知県が大阪府を上回ります。
この違いは、経済規模のランキングと、人口で割った所得指標のランキングが同じ順序になるとは限らないことを示しています。人口が多い県は、1人当たりの指標が突出していなくても、総額では大きな経済規模になります。
また、通勤による地域間の所得の流れや、企業の本社が置かれる場所、産業構造の違いも、県内総生産と県民所得の関係に影響します。住民の暮らし向きを判断するなら、GDPだけではなく、1人当たり県民所得、雇用者報酬、物価、住宅費などを組み合わせて見ることが欠かせません。
【県内総生産の推移】2020年度の落ち込みから2022年度までの回復
都道府県別GDPを一時点のランキングだけで見ると、経済の変化を見落とすことがあります。全県計の県内総生産(名目)の推移をたどると、2010年代から2022年度までの動きには、拡大、落ち込み、回復という流れが見られます。
内閣府の県民経済計算に基づく各年度の全県計では、名目県内総生産は2011年度の約524.1兆円から2018年度には約585.1兆円へ増加しました。その後、2019年度は約579.2兆円、2020年度は約559.6兆円に減少し、2021年度は約579.1兆円、2022年度には約595.9兆円まで回復しています。
2020年度の落ち込みには、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う経済活動の停滞が影響しました。2022年度については、内閣府の分析で、感染症対策の段階的な緩和に伴う経済社会活動の正常化や、旅行・外食などのサービス需要の回復が指摘されています。
一方、ロシアによるウクライナ侵攻や円安を背景とした原材料・燃料価格の上昇も、企業や家計の活動に影響しました。地域ブロック別の分析では、卸売・小売業、運輸・郵便業、宿泊・飲食サービス業などが全体的にプラスに寄与した一方、電気・ガス・水道・廃棄物処理業は全地域ブロックでマイナスとなっています。
このように、県内総生産の推移は、人口や企業数だけで決まるわけではありません。地域に集積した産業、国内外の需要、エネルギー価格、観光や消費の動向などが重なって変化します。
なお、名目値の推移には価格変動も含まれます。2020年度から2022年度にかけて金額が増加したことを、そのまま同じ割合で実質的な生産量が増えたという意味に捉えないよう注意が必要です。
【プロの結論】GDPランキングを仕事・投資・地域選びに生かす判断基準
都道府県別GDPランキングは、地域の経済規模を把握するための出発点です。ただし、ランキングの順位だけで地域の将来性や暮らしやすさを評価するのは適切ではありません。目的に応じて、見るべき指標を使い分けることが大切です。
就職・転職先を選ぶ場合は、県内総生産の総額だけでなく、希望する業界の集積、求人の数、賃金水準、雇用の安定性を確認しましょう。GDP上位県でも、自分の専門分野に関係する企業が少なければ、希望する仕事に就けるとは限りません。
企業の出店・事業展開を検討する場合は、地域の経済規模に加えて、人口、年齢構成、消費需要、競合企業、交通アクセスなどが判断材料になります。県全体のGDPが大きくても、実際の商圏が小さければ事業機会は限定されます。
地域の豊かさや暮らしやすさを比較する場合は、1人当たり県民所得、雇用者報酬、物価、住宅費、医療・教育環境などを併せて確認するのが適切です。経済規模が小さい県でも、生活費や通勤負担などを含めれば、個人にとって魅力的な選択肢になることがあります。
地域経済の成長性を調べる場合は、名目の県内総生産だけでなく、実質経済成長率、産業別の構成、過去数年の推移を比較しましょう。特定の産業に依存する県では、その業界の景気や国際的な需要の変化が地域全体に波及することもあります。
最も重要なのは、ランキングを「地域の優劣」ではなく「経済の規模と構造を理解するための資料」として使うことです。総額、1人当たり、成長率、産業構成という複数の視点を組み合わせることで、数字の背後にある地域経済の特徴が見えてきます。
【都道府県別GDP】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年最新の都道府県別GDPランキングは何年度のデータですか?
A1:47都道府県を同じ年度で比較する場合、2022年度(令和4年度)の県民経済計算が基準になります。内閣府は2026年8月に2023年度の統計表も掲載しましたが、対象は42都道府県と3政令指定都市分で、47都道府県すべてがそろった比較にはなっていません。
Q2:GDPが最も大きい都道府県はどこですか?
A2:2022年度の県内総生産(名目)では東京都が1位で、約120.22兆円です。2位は大阪府の約43.12兆円、3位は愛知県の約43.08兆円、4位は神奈川県の約35.16兆円です。
Q3:名目GDPと実質GDPはどちらを見ればよいですか?
A3:経済規模を金額で比較したい場合は名目値、物価変動の影響を調整して経済活動の伸びを把握したい場合は実質値が適しています。地域経済の実態を詳しく調べるなら、両方の指標を確認するのが基本です。
Q4:GDPが高い都道府県ほど、住民の平均年収も高いのですか?
A4:必ずしもそうではありません。GDPは地域内で生み出された付加価値の総額であり、個人の給与や手取り額を示すものではありません。住民や企業に帰属する所得を調べる場合は県民所得や1人当たり県民所得を確認し、給与水準については雇用者報酬や賃金統計などを併せて見る必要があります。
Q5:都道府県別GDPランキングの最下位はどこですか?
A5:2022年度の県内総生産(名目)では鳥取県が47位で、約1.91兆円です。ただし、順位は地域経済の総額を比較した結果であり、県民の生活水準や地域の魅力を直接評価するものではありません。
まとめ:2026年に都道府県別GDPを正しく読み解くために
2026年時点で47都道府県の経済規模を同じ条件で比較するなら、2022年度の県民経済計算が基準になります。県内総生産(名目)は東京都が約120.22兆円で全国1位、大阪府が約43.12兆円で2位、愛知県が約43.08兆円で3位、神奈川県が約35.16兆円で4位です。
一方、GDPランキングだけでは、物価変動を除いた成長の度合いや、住民に帰属する所得、暮らしやすさまでは判断できません。名目と実質、県内総生産と県民所得、総額と1人当たりの指標を区別することが、地域経済を正しく理解する第一歩です。
今後、2023年度の県民経済計算について公表対象が広がれば、47都道府県を比較できる年度も更新される可能性があります。ランキングを利用する際は、数値そのものだけでなく、対象年度、改定状況、指標の定義を確認が必要です。
地域の経済力を知るには、順位だけを追うのではなく、どの産業が付加価値を生み出し、成長がどのように地域へ波及しているかまで見る必要があります。それが、都道府県別GDPの数字を仕事選びや企業活動、地域の将来を考えるための実用的な情報へと変える視点です。