2026年10月現在、サンディエゴ・パドレスのダルビッシュ有投手は、2025年10月に受けた右肘手術からのリハビリを続けています。2026年シーズンは全休となりましたが、同年5月にはキャッチボールを再開し、8月には術後2度目となるブルペン投球を実施。投球動作を取り戻す段階まで回復しています。
一方で、2027年のメジャー復帰が確定したわけではありません。現役続行やパドレスとの契約をどうするかについても、本人は最終判断を示していません。MLB.comが10月11日付で更新した負傷者情報でも、2027年の復帰が見込まれる一方、本人が復帰を目指すかどうかは不透明とされています。
【この記事の重要ポイントまとめ】
- 現在の状態:2026年は全休。8月26日には右肘手術後2度目の本格的なブルペン投球を行った。
- 怪我と手術:2025年10月29日に右肘の屈筋腱修復と、内側側副靱帯(UCL)へのインターナルブレース装着手術を受けた。
- 復帰時期:2027年が復帰の目安とされるが、具体的な登板日やメジャー復帰は未定。
- 引退説の真相:2026年1月に本人が引退報道を否定。ただし、契約解除について球団などと協議していることは明らかにしている。
【最新状況】ダルビッシュ有の怪我は現在どうなった?
ダルビッシュ有の右肘は、手術直後の安静・回復段階から、実際にボールを投げる段階へと進んでいます。ただし、ブルペンで投げられることと、メジャーの試合で先発できることは別の話です。
2026年8月に術後2度目のブルペン投球
MLB公式サイトによると、ダルビッシュは2026年8月26日(日本時間27日)、パドレスの本拠地ペトコ・パークで軽めのブルペン投球を行いました。周囲にはチームメートやコーチら約12人が集まり、投球を見守っていたと報じられています。
この投球は、2025年10月の右肘手術後、2度目となる本格的なブルペンセッションでした。本人は投球後、英語で「とても満足しています」と語っています。
同日、ダルビッシュは自身のXでも投球動画を公開し、リハビリを続けてきたことや、チームに帯同していない状況でも支援してくれたパドレスとスタッフへの感謝を伝えました。マウンドから投げられるところまで回復したことは、リハビリの進展を示す具体的な出来事です。
5月のキャッチボール再開から段階的に前進
回復の節目となったのは、2026年5月8日(日本時間9日)です。ダルビッシュは自身のXに動画を投稿し、手術から約6カ月が経過した段階でキャッチボールを再開したと報告しました。
その後、投球練習を段階的に進め、8月にはブルペンのマウンドから投げるところまで到達しました。MLB.comの8月26日付報道では、本人がリハビリの進み具合について、おおむね予定どおりだと説明しています。
ただし、公開された動画やブルペン投球の報道だけでは、球速、投球数、全力投球への移行状況、翌日以降の肘の反応までは判断できません。現在の右肘の状態を評価するうえでは、投げられたという事実に加え、その負荷を継続して受け入れられるかが重要です。
MLB.comの10月11日付情報でも、2026年シーズンを制限リストで過ごし、ブルペン投球まで進んだことが記載されています。一方、2027年に実戦復帰するかどうかは、依然として未確定です。
【怪我の経緯】2025年の右肘痛から手術までを時系列で整理
今回の離脱は、単に一度肘を痛めて短期間休むというものではありません。2025年シーズンに右肘の不調が続き、登板を重ねることが難しくなった末に、靱帯と屈筋腱の両方に処置を施す手術へと至りました。
2025年シーズンのダルビッシュは、右肘の炎症などの影響で初登板が7月までずれ込みました。MLB公式の報道によると、同年は15試合に先発し、5勝5敗、防御率5.38を記録。投球回は72回で、14本塁打を許しています。
登板成績だけで手術の必要性を判断することはできませんが、シーズンを通じて安定して投げ続けることが難しかった点は、復帰を考えるうえで見逃せない背景です。
| 時期 | 出来事 | 意味・現在への影響 |
|---|---|---|
| 2025年シーズン | 右肘の不調で初登板が7月にずれ込む。15試合で5勝5敗、防御率5.38。 | 肘の問題を抱えながら登板したシーズンとなった。 |
| 2025年10月29日 | 右肘の屈筋腱修復と、内側側副靱帯へのインターナルブレース装着手術を受ける。 | 長期リハビリが必要となり、2026年の全休が決まる。 |
| 2025年11月4日(現地時間) | パドレスが手術について公表。復帰まで12〜15カ月を要する見通しが報じられる。 | 2027年復帰が現実的な目安となる。 |
| 2026年1月 | 引退報道に対し、本人が「引退はまだ決めていません」と説明。 | 現役続行の可能性は残るが、契約問題は協議中。 |
| 2026年3月25日 | パドレスがダルビッシュを制限リストに登録。 | チーム本隊とは別にリハビリを進める形となる。 |
| 2026年5月8日(現地時間) | 術後初のキャッチボールを再開。 | 投球動作の再開に向けた段階へ進む。 |
| 2026年8月26日(現地時間) | 術後2度目の本格的なブルペン投球を実施。 | マウンドから投げられる段階まで回復。ただし実戦復帰は未定。 |
| 2026年10月 | 2026年シーズンを全休。MLB.comは2027年の復帰を目安として掲載。 | 現役続行と復帰時期の最終判断が焦点となる。 |
この経緯から分かるのは、ダルビッシュの復帰問題には、身体の回復だけでなく、本人が再び競技生活を続けたいと判断するかという別の課題もあることです。
2025年の手術は10月29日に行われ、パドレスは11月4日(現地時間)に手術について発表しました。球団発表を伝えた米メディアは、復帰まで12〜15カ月を要する見通しを報じています。この期間を単純に当てはめると2026年秋から2027年初めごろが視野に入りますが、これは復帰日を確約するものではありません。
【手術の中身】インターナルブレースと屈筋腱修復とは?
今回の右肘手術を理解するうえで重要なのが、「内側側副靱帯(UCL)」「インターナルブレース」「屈筋腱」という3つの言葉です。いずれも肘の安定性や投球動作に関係しますが、それぞれ役割が異なります。
内側側副靱帯(UCL)は投手の肘を支える重要な組織
内側側副靱帯は、肘の内側に位置し、投球時に肘へ加わる負荷に抵抗して関節の安定性を支える靱帯です。投手はボールを投げる際、肘に大きな力がかかるため、この靱帯に問題が生じると投球能力に深刻な影響が及ぶ可能性があります。
ダルビッシュは2015年にも右肘のトミー・ジョン手術を受けています。2025年の手術は、UCLにインターナルブレースを装着する修復術と屈筋腱の修復を組み合わせたものでした。右肘に関する大きな手術は、2015年以来の節目となります。
インターナルブレースは靱帯修復を補助する仕組み
インターナルブレースは、修復した靱帯を補強するために用いられる人工素材の支持構造です。靱帯の修復を支えることを目的とし、一般的な靱帯再建術とは手術の方法が異なります。
ただし、インターナルブレースを使用すれば短期間で元どおりに投げられる、という意味ではありません。術後は組織の回復を待ち、可動域や筋力、投球への耐性を段階的に確認する必要があります。投手の復帰には、肘の状態だけでなく、全身のコンディションや実戦で必要な投球強度も関係します。
なお、報道の一部では今回の手術を「トミー・ジョン手術」と表現していますが、MLB公式の発表では、内側側副靱帯へのインターナルブレース装着と屈筋腱修復が説明されています。手術の詳細を理解する際は、一般的な呼称だけでなく、実際に行われた処置を区別することが大切です。
屈筋腱の修復も必要だった理由
屈筋腱は、手首や指を曲げる動作に関わる筋肉と腱の組織です。肘の内側にある屈筋群は、投球時の肘を支える働きにも関係します。
ダルビッシュの場合、靱帯だけでなく屈筋腱の修復も行われました。つまり、復帰に向けては靱帯の状態だけを見ればよいわけではありません。肘周辺の組織全体が投球の負荷に耐えられるかどうかが重要になります。
手術を受けたという事実だけから、将来の投球能力や球速を断定することはできません。今後は投球練習の負荷を増やした際に痛みや炎症が再発しないか、継続して投げられる状態にあるかが注目点となります。
【2027年復帰説】メジャー復帰はいつ?ブルペン投球だけでは判断できない理由
ダルビッシュ有の復帰時期については、2027年がひとつの目安とされています。パドレスの負傷者情報でも復帰見込みは2027年とされていますが、具体的な月日や、復帰後に先発ローテーションへ戻るかどうかは発表されていません。
2025年10月末の手術から2026年8月のブルペン投球まで、回復は段階的に進んできました。もっとも、ブルペン投球の再開は復帰への前進であって、試合出場が可能になったという意味ではありません。
メジャー復帰までに注目したい4つのポイント
今後の動向を見極めるうえでは、次の4点が判断材料になります。
- 投球強度の向上:軽めの投球から、実戦を想定した強度へ段階的に進められるか。
- 投球後の回復:投げた直後だけでなく、翌日以降も痛みや腫れなどの問題が生じないか。
- 継続的な投球:単発のブルペン投球にとどまらず、一定の間隔で投球練習を継続できるか。
- 本人の復帰意思:身体が回復しても、本人が競技生活を再開する意思を固めるか。
これらは復帰可能性を考えるための一般的な判断基準であり、パドレスが公表した正式な復帰条件というわけではありません。現時点では、球速や投球数などの詳細なデータだけで復帰の可否を判定できる状況にはありません。
2027年に戻れる可能性はあるのか
可能性は残されています。MLB.comは2026年8月のブルペン投球を伝えた際、2027年に再びメジャーのマウンドに立つ可能性に言及しました。10月11日付の負傷者情報でも、2027年が復帰の目安とされています。
ただし、ここで区別したいのは「投げられるようになってきたこと」と「プロの試合で投げると決めたこと」です。ダルビッシュは2026年8月の時点でも、現役復帰を断言していませんでした。リハビリの進展が、そのまま現役続行の決定を意味するわけではないのです。
2027年の開幕から登板するのか、シーズン途中の復帰を目指すのか、それとも競技生活に区切りをつけるのか。いずれも現時点で確定していません。復帰時期を判断する際は、予想日程よりも、本人と球団から発表される具体的な進展を重視する必要があります。
【制限リストと引退説】ダルビッシュ有は本当に引退するのか
右肘の怪我と並んで注目されているのが、ダルビッシュの現役続行とパドレスとの契約問題です。2026年3月には制限リストに登録され、チーム本隊とは別にリハビリを進める形になりました。この措置は、引退が決定したことを意味するものではありません。
2026年3月の制限リスト入りとは
パドレスは2026年3月25日、ダルビッシュを制限リストに登録しました。MLB公式サイトによると、本人はチームから離れた環境で自分のペースでリハビリを進め、シーズン後に今後の選択肢を改めて検討する意向でした。
制限リストに登録された選手は、通常の負傷者リストに登録された選手とは扱いが異なります。球団による契約上の保有権は残りますが、制限リストにいる間、球団には選手へ報酬を支払う義務がないとMLBの報道で説明されています。
ダルビッシュの場合、この措置はリハビリを自分のペースで続けることや、家族と過ごす時間を確保することとも関係しています。したがって、制限リスト入りをもって「球団から戦力外になった」「すでに引退した」と判断するのは正確ではありません。
引退報道に対して本人が示した説明
2026年1月には、ダルビッシュが引退の意向を固めたとする報道が出ました。しかし、本人は1月24日(日本時間25日)に自身のXで、引退はまだ決めていないと説明しています。
本人が明らかにしたのは、パドレスとの契約を解除する方向で以前から話し合っている一方、引退そのものは決断していないということです。パドレス、選手会、代理人との協議も、その時点ではまとまっていないと説明しました。
また、本人はリハビリをやり抜き、心身ともに試合で投げられる状態になったと感じられれば、改めて勝負したいという考えを示しました。この発言から読み取れるのは、現役続行を完全に否定しているわけでも、復帰を確約しているわけでもないという状況です。
2028年までの契約と現役続行は別の問題
ダルビッシュは2023年シーズン前にパドレスと6年契約を結び、契約は2028年まで残ると報じられています。一方で、本人は契約解除について協議していることを公表しました。
ここで注意したいのは、契約が残っていることと、実際にメジャーで登板することは別だという点です。契約上の関係が継続していても、本人の健康状態や復帰意思、球団との協議によって今後の進路は変わり得ます。
2026年10月時点で、引退が正式に決まったとは確認されていません。同時に、2027年のメジャー復帰が正式決定したともいえません。現在の状況を端的に表すなら、リハビリは前進しているものの、競技生活の最終判断は保留されている状態です。
【ダルビッシュ怪我】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:ダルビッシュ有の怪我は現在どうなっていますか?
A1:2025年10月29日に受けた右肘手術からのリハビリを続けています。2026年5月にキャッチボールを再開し、8月26日には術後2度目のブルペン投球を行いました。ただし、試合で投げられる段階に到達したかどうかは、まだ明らかになっていません。
Q2:ダルビッシュ有の復帰は2027年で確定していますか?
A2:確定していません。パドレスの負傷者情報では2027年が復帰の目安とされていますが、復帰日や登板時期は未定です。リハビリの進展に加えて、本人が現役続行を決断するかどうかも関係します。
Q3:ダルビッシュ有は引退するのですか?
A3:2026年10月時点で引退は正式決定していません。2026年1月には本人が引退報道を否定し、契約解除について協議していることを説明しました。今後の判断は、右肘の回復状況と本人の意思、球団との協議によって左右されると考えられます。
Q4:インターナルブレース手術とは何ですか?
A4:肘の内側側副靱帯を修復する際、人工素材の支持構造を用いて靱帯を補強する方法です。ダルビッシュはこの処置に加え、屈筋腱の修復手術も受けました。術後は段階的なリハビリが必要で、手術を受けたことや投球を再開したことだけでは、実戦復帰の時期は決まりません。
【プロの結論】ダルビッシュ有の今後を判断するために押さえたいこと
ダルビッシュ有の怪我をめぐる2026年の動きは、長期離脱からの回復と、現役続行の判断という2つの問題に分けて考える必要があります。
身体面では、2025年10月の右肘手術後、2026年5月のキャッチボール再開、8月のブルペン投球へと段階的に進んできました。2026年シーズンは全休となりましたが、マウンドから投げられるまで回復したことは明るい材料です。
一方で、2027年の復帰はあくまで目安です。試合で必要な投球強度を取り戻せるか、肘の状態を維持できるか、本人が再び競技生活に挑む意思を固めるかという課題が残っています。
また、引退報道と契約解除の協議は同じ意味ではありません。本人は引退を決めていないと説明しており、制限リスト入りも引退の確定を意味しません。今後の情報を追う際は、本人の発言、パドレスの公式発表、MLB公式サイトの復帰情報を分けて確認が必要です。
日米通算208勝を記録してきたダルビッシュにとって、次の目標は単にマウンドへ戻ることだけではなく、心身ともに納得できる状態で再び勝負できるかどうかにあります。2027年のメジャー復帰が実現するのか、それとも別の決断に至るのか。現時点では結論を急がず、リハビリの進展と本人の正式な発表を見守る段階です。