コムサデモードの歴史を理解するには、運営会社であるファイブフォックスの創業と、1980年代の日本のファッション市場の変化を押さえる必要があります。
1976年、ファイブフォックスとともに始まったブランド
ファイブフォックスは、1976年12月に設立された日本のアパレル企業です。創業者は上田稔夫氏。創業当初は卸売りからスタートし、1978年には札幌に直営店1号店を出店しました。
コムサデモードが打ち出したのは、日本の美意識と西洋のファッションを融合させたスタイルです。
特に特徴的だったのが、次のようなデザイン思想でした。
- 黒や白を中心にしたモノトーンの配色
- 無駄な装飾を抑えたシンプルなシルエット
- 日本的な様式美と西洋のモード感の融合
- 仕立てや素材感を重視した服づくり
- 流行に左右されすぎないベーシックなデザイン
ファッション専門メディアのWWDJAPANによる創業者の追悼記事では、コムサデモードの世界観について、日本の美意識や陰影礼賛を意識したモノトーンの表現だったと紹介されています。
ブランド名のCOMME CA DU MODEについても、「こんな様式はいかが」という意味合いが紹介されています。単なる洋風ファッションではなく、日本人の感性に合うモードスタイルを目指した点が特徴です。
DCブランドブームの中で存在感を高めた理由
1980年代の日本では、DCブランドブームがファッション市場を盛り上げました。
DCとは、デザイナーズ・アンド・キャラクターズの略称です。デザイナーの個性やブランド独自の世界観を前面に押し出したファッションが支持されました。
当時の代表的なブランドとしては、次の名前が挙げられます。
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- コムサデモード
コムサデモードは、これらのブランドと同じ時代のファッション文化の中で、日本独自の美意識を表現するブランドとして発展しました。
ただし、各ブランドのデザイン思想は異なります。コムサデモードは、奇抜な造形や強烈なデザイナー性だけで勝負するのではなく、日常に取り入れやすい洗練された服づくりを重視していた点に特色があります。
1990年代にはファミリー層にも市場を拡大
ファイブフォックスは、コムサデモードだけに依存するのではなく、時代や顧客層に合わせてブランドを増やしていきました。
1993年には、後に大きく成長するコムサイズムがスタート。1994年にはSPA(製造小売業)への転換を打ち出しました。
これは商品の企画・製造・販売を一貫して手掛ける事業モデルです。
百貨店向けのブランドだけでなく、ファミリー層やショッピングセンターを利用する人たちにも商品を届ける戦略が、ファイブフォックスの事業拡大につながりました。
【なくなった理由を検証】コムサデモードのブランド名変更と歴史年表
「昔は百貨店でコムサデモードを見かけたのに、最近は見つからない」という疑問には、ブランドの名称変更と店舗展開の再編が関係しています。
コムサデモードは廃業・倒産したのか?
最初に、最も重要な点を整理します。
コムサデモードという旧名称は現在のブランド展開では使われなくなっていますが、コムサの事業そのものが消滅したわけではありません。
現在の中心的なブランド表記は「COMME CA(コムサ)」です。
WWDJAPANの2024年の記事でも、旧コムサデモードは現在のコムサ、コムサデモードメンは現在のコムサメンとして紹介されています。
つまり、旧ブランド名を探しても見つからないことと、ブランドの事業が終了したことは別問題です。
ブランド名変更の経緯を時系列で整理
コムサデモードを中心としたファイブフォックスの歩みを
出典:ファイブフォックス採用情報、マイナビ掲載の会社沿革、WWDJAPANの企業取材記事。
なぜコムサデモードという名前を使わなくなったのか
背景として考えられるのは、ブランド体系の整理と販売戦略の変化です。
ファイブフォックスは、1980年代から1990年代にかけて、メンズ、キッズ、ファミリー、生活雑貨などへ事業領域を広げていきました。
その過程で、ブランド名もそれぞれの顧客層や商品構成に合わせて整理されています。
特に2007年には、コムサデモード・メンがコムサメンに変更されました。
一方、レディースのコムサデモードから現在のCOMME CAへの移行については、メンズと同じ2007年に一斉変更されたと断定できる資料はありません。名称の整理は段階的に進んだと理解するのが適切です。
もう一つ見逃せないのが、アパレル市場の変化です。
ファストファッションやオンライン販売の普及によって、従来の百貨店中心の販売モデルは転換を迫られました。
WWDJAPANは、ファイブフォックスが長年、店舗を重視してきた一方で、ECへの参入が遅れたことや、その後の業績面での苦戦も報じています。
同記事によると、東京商工リサーチ調べのファイブフォックスの売上高は、2019年8月期の450億円から2023年8月期には215億円となっています。
ただし、この業績変化がコムサデモードの名称変更を直接引き起こしたという公式説明はありません。ブランド名の変更と企業全体の経営環境は、分けて考える必要があります。
【混同しやすいブランドを比較】コムサ・コムサメン・コムサイズムの違い
コムサデモードを調べている人が混乱しやすいのが、現在も展開されている関連ブランドとの違いです。
同じファイブフォックスが運営しているため、デザインに共通する部分はありますが、価格帯や顧客層、販売場所には違いがあります。
コムサとコムサイズムは何が違う?
一方、
主な違いは以下のとおりです。
COMME CA(コムサ)
レディースを中心に、仕立てや素材感、シンプルで上品なスタイルを重視。百貨店向けのコムサプラチナなどで展開されています。
顧客イメージ:30代以上の女性を中心とした層
COMME CA ISM(コムサイズム)
レディース、メンズ、キッズ、ベビーまで幅広く展開。家族でファッションを楽しめることを重視しています。
顧客イメージ:20~40代を中心としたファミリー層
COMME CA MEN(コムサメン)
メンズの基幹ブランド。スーツやセットアップ、シャツ、ニットなど、ビジネスとカジュアルの両方に対応しています。
顧客イメージ:30代以上の男性を中心とした層
COMME CA FILLE(コムサフィユ)
子ども服のブランド。1983年にコムサデモード・フィユとして始まった系譜を持ちます。
対象:子ども服を探すファミリー層
コムサとコムサデモードは別ブランドなのか
基本的には、別々の会社が運営する無関係なブランドではありません。
旧コムサデモードが現在のコムサへとつながるブランドの系譜を持っています。
そのため、昔のコムサデモードを愛用していた人が、現在のコムサの商品に懐かしさや共通するデザイン思想を感じるのは自然なことです。
ただし、長い年月の中で商品構成やデザイン、販売方法は変化しています。過去の商品と現在の商品がまったく同じという意味ではありません。
【特徴・対象年齢・価格帯】コムサデモードの評判と口コミを検証
コムサデモードが長年支持されてきた理由は、流行を追いかけるだけではない、落ち着いたデザインにあります。
現在のコムサの商品を選ぶ際にも、旧ブランドから続く特徴を知っておくと判断しやすくなります。
ブランドの特徴はシンプルさと仕立ての良さ
コムサのデザインには、次のような特徴があります。
1. モノトーンを中心とした上品なデザイン
黒、白、グレー、ネイビーなど、コーディネートに取り入れやすい色が中心です。
派手なロゴや装飾を前面に出すよりも、シルエットや素材の表情で個性を出すスタイルが特徴です。
2. ビジネスシーンにも使いやすい
ジャケットやパンツのセットアップ、シャツ、ニットなど、通勤や仕事に使いやすいアイテムがそろっています。
3. ベーシックで長く使いやすい
トレンドを取り入れながらも、比較的落ち着いたデザインが多いため、年齢を重ねても着用しやすい服を探している人に適しています。
4. サイズ展開にも配慮
現在のCOMME CAでは、通常サイズのほか、小柄な人向けのS-SIZEや高身長向けのTALLなども展開されています。
対象年齢は何歳?20代でも着られる?
コムサに明確な年齢制限はありません。
ただし、ファイブフォックスの採用情報に掲載されているショップ別の顧客イメージを見ると、コムサを取り扱うコムサプラチナは30代以上の女性、コムサメンは30代以上の男性を中心に想定しています。
コムサイズムは20~40代を中心とするファミリー層が対象です。
年齢別に考えると、次のような選び方ができます。
- 20代: シンプルなジャケットやパンツを使った大人っぽいスタイルに向いている。
- 30代: 通勤服や休日のきれいめコーディネートに取り入れやすい。
- 40代: 上品さと落ち着きを両立した服を探している人に向いている。
- 50代以上: 流行に左右されにくいベーシックな服を選びたい人に適している。
年齢よりも、自分の好みや着用シーンに合うかどうかが重要です。
2026年の価格帯はどのくらい?
2026年10月末に確認できるファイブフォックス公式通販の掲載商品を参考にすると、コムサは日常着からビジネス向けのジャケット、コートまで幅広い価格帯です。
COMME CA レディースの価格例
シャツ・トップス
約8,000~31,000円
ジャケット
約25,000~60,000円
コート・アウター
約37,000~66,000円
COMME CA MEN メンズの価格例
セットアップ用ジャケット
約25,000~77,000円
公式通販の掲載例をもとにした概算。商品・シーズン・セールによって変動します。
コムサイズムと比較すると、コムサは百貨店向けの上品な商品や、素材・仕立てにこだわった商品を選ぶ際の価格水準が高めです。
ただし、すべての商品が高価格というわけではありません。セール商品や定番アイテムを選べば、予算を抑えることもできます。
評判・口コミで注目したいポイント
コムサデモードや現在のコムサを評価するときは、次の観点が参考になります。
評価されやすいポイント
- 落ち着いたデザインで着回しやすい
- 仕事やフォーマルな場面にも合わせやすい
- シンプルながら上品な印象を作りやすい
- 長く使えるベーシックな服を探しやすい
購入前に確認したいポイント
- トレンド感や派手なデザインを求める人には物足りない場合がある
- 商品によっては価格が高く感じられる
- 素材やシルエットによって着心地が異なる
- セール品と通常価格の商品では価格差が大きい
これらはブランドのデザインや商品構成から考えられる評価軸であり、口コミの投稿数や満足度を集計した統計ではありません。
購入時は、商品単位のレビュー、素材表示、サイズ表、実際の試着感を確認することが大切です。
【2026年最新】コムサデモードの現在とファイブフォックスのブランド展開
2026年現在、ファイブフォックスはコムサデモードという旧名称に代わり、複数のブランドを展開しています。
現在のCOMME CAブランド一覧
ファイブフォックスの公式オンラインストアでは、2026年現在、次のようなブランドが取り扱われています。
旧コムサデモードの流れを受け継ぐ基幹ブランド。
メンズ向けのスーツ、ジャケット、カジュアルウェアなど。
家族で楽しめるレディース、メンズ、キッズ、ベビーの服。
子ども服を中心としたブランド。
ファイブフォックスの現在のブランドラインの一つ。
生活雑貨やファッション小物などを展開。
このほかにも、K.T、ギャバジンK.T、アルチザン、バジーレ28、ベータ、パープル&イエローなど、異なるコンセプトを持つブランドがあります。
つまり、ファイブフォックスは一つのブランドを単純に維持している会社ではありません。複数のブランドを組み合わせ、幅広い顧客層に対応する総合アパレル企業として事業を続けています。
2026年もコムサイズムは新しい商品を展開
2026年10月には、ファイブフォックスの公式サイトでコムサイズムの秋冬プロモーションが告知されています。
また、同月にはコムサイズムのアウターが「VERYベストアウター大賞2026」のコスパ賞を受賞したというニュースも掲載されています。
こうした公式情報からも、少なくともコムサ関連ブランドが現在も商品展開や販促活動を継続していることがわかります。
旧コムサデモードの名称がなくなったからといって、ファイブフォックス全体の事業が終了したわけではありません。
【プロの結論】昔のコムサデモードを探すなら何を確認すべき?
昔のコムサデモードが好きだった人が、現在の商品を探す場合には、次の基準で選ぶとよいでしょう。
- レディースの服を探すならCOMME CAを確認する。
- メンズの服を探すならCOMME CA MENを確認する。
- 家族全員の服を探すならCOMME CA ISMを確認する。
- 子ども服を探すならCOMME CA FILLEも確認する。
- 百貨店で上品な商品を探すならコムサプラチナの取り扱いを確認する。
大切なのは、旧ブランド名だけにこだわらないことです。
コムサデモードが大切にしてきたシンプルさ、日本的な美意識、仕立てへのこだわりに魅力を感じるのであれば、現在のCOMME CAを中心に探すのが合理的です。
【コムサデモードとは?】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:コムサデモードは現在なくなったのですか?
A1:コムサデモードという旧名称は現在のブランド展開では使われていません。ただし、ブランドの流れは現在のCOMME CA(コムサ)などに引き継がれています。ファイブフォックスも2026年現在、関連ブランドを展開しています。
Q2:コムサデモードとコムサイズムは同じブランドですか?
A2:同じファイブフォックスが展開する関連ブランドですが、別のブランドです。コムサは旧コムサデモードの系譜を持つ基幹ブランドで、コムサイズムは1993年に始まったファミリー向けブランドです。
Q3:コムサデモードは何歳くらいの人におすすめですか?
A3:現在のコムサは30代以上を中心とする顧客イメージを持っていますが、年齢制限はありません。シンプルで上品な服が好きな20代から50代以上まで、幅広い年代で着用できます。
Q4:コムサデモードは高級ブランドですか?
A4:一般的なラグジュアリーブランドとは異なります。上品なデザインや仕立てを重視する国内アパレルブランドという位置づけです。現在のコムサではジャケットやコートなどに数万円台の商品が見られます。
Q5:コムサメンはコムサデモードと関係がありますか?
A5:関係があります。1981年にコムサデモード・メンとして始まり、2007年にコムサメンへ名称が変更されました。現在はメンズ向けの独立したブランド名で展開されています。
Q6:コムサフィユは現在も存在しますか?
A6:コムサフィユはファイブフォックスの公式オンラインストアの取扱ブランド一覧に掲載されています。旧コムサデモード・フィユから続く子ども服のブランドです。
まとめ:コムサデモードは日本のファッション史を築いたブランド
コムサデモードは、1976年に始まったファイブフォックスのファッション事業を代表するブランドです。
1980年代のDCブランドブームの中で、日本的な美意識と西洋のモードを融合したスタイルを提案し、多くの人に知られるようになりました。
その後、メンズのコムサメン、子ども服のコムサフィユ、ファミリー向けのコムサイズムなどへ展開を広げ、ブランド体系も変化してきました。
2026年現在、コムサデモードという名前を見かけなくなった理由は、単純な廃業ではなく、ブランド名称と事業構成の再編にあります。
押さえておきたい要点は、次の3つです。
1. コムサデモードは1976年に始まった日本のファッションブランドである。
2. 現在はCOMME CAを中心とした複数のブランドへ展開が引き継がれている。
3. コムサとコムサイズムは同じファイブフォックスのブランドだが、対象顧客や価格帯、販売戦略が異なる。
かつてコムサデモードを愛用していた人も、これから初めてコムサの服を購入する人も、旧ブランド名だけで判断せず、現在のブランドごとの特徴や商品を比較することが、自分に合った一着を選ぶ近道です。
主な参考資料:ファイブフォックス公式サイト・公式オンラインストア、ファイブフォックス採用情報、WWDJAPAN(2024年5月22日)、ファッションプレス、マイナビ掲載の企業沿革。