妊娠中にキリのクリームチーズを食べても大丈夫なのか、リステリア菌や胎児への影響が気になっている方もいるのと考えられます。チーズはカルシウムやたんぱく質を補える食品ですが、妊娠中は製造方法や加熱殺菌の有無を確認することが大切です。
ベル ジャポンの公式FAQでは、キリのクリーミーポーションやフルーツブレンド、キリ&スティックについて、加熱処理を行っているため妊娠中でも食べられると案内しています。一方、2022年秋にはキリの主力商品の名称や製品分類が変更されました。以前の「クリームチーズ」という名称だけを頼りに判断すると、現在の商品の特徴を正確に理解できない可能性があります。
【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:キリはメーカー公式FAQで加熱処理が案内されており、妊娠中でも食べられる商品です。
- 要点2:2022年秋、キリの一部商品は「クリームチーズ」から「クリーミーポーション」に名称変更され、製品分類も変わりました。
- 要点3:リステリア菌対策では、チーズの名称だけでなく製造時の加熱処理、保存状態、開封後の取り扱いを確認が必要です。
【結論】キリは妊娠中に食べても大丈夫?加熱処理と安全性を解説

結論からいうと、日本で販売されているキリのクリーミーポーションは、メーカーが加熱処理を行っていると説明しており、妊娠中でも食べられる商品です。
ベル ジャポンの公式FAQでは、キリのクリーミーポーション、フルーツブレンド、キリ&スティックについて、加熱処理を行っているため妊娠中でも安心して食べられる旨を案内しています。これは、妊娠中に注意が必要なリステリア菌のリスクを考えるうえで重要な情報です。
ただし、ここで区別したいのが「加熱殺菌された原料乳を使用すること」と「製造工程で製品に加熱処理を行うこと」です。どちらも食品の安全性に関係しますが、同じ意味ではありません。キリについては、メーカーが公式FAQで加熱処理を明示していることが判断の根拠になります。
また、商品名に「クリームチーズ」と書かれているかどうかだけで、安全性を判断する必要はありません。妊娠中にチーズを選ぶ際は、製品の種類別表示や原料乳の殺菌状況、製造工程に加え、メーカーが公表している妊娠中の摂取に関する案内を確認しましょう。
なお、乳製品にアレルギーがある場合や、医師から食事制限を指示されている場合は別です。キリが食べられる商品であっても、個々の体調や医療上の指示を優先してください。
【2022年秋の変更点】キリはなぜ「クリームチーズ」から「クリーミーポーション」になった?
キリを妊娠中に食べてよいか調べると、「以前と商品分類が違う」「チーズではなくなった」といった情報を見かけます。その背景にあるのが、2022年秋に実施されたリニューアルです。
伊藤ハムが2022年7月27日に公表した商品仕様変更のお知らせによると、キリの6個入り商品は「キリ クリームチーズ6P」から「キリ クリーミーポーション6P」に変更され、10個入り商品も名称が変更されました。新仕様への切り替えは、同年9月1日頃の納品分から順次実施されました。
当時の報道では、リニューアル後の商品は従来の「プロセスチーズ」ではなく、食品表示上の「乳等を主要原料とする食品」に分類されるようになったと伝えられています。ベル ジャポン側も、仕様改善によって新しい製品分類になったことを説明しています。
ここで押さえておきたいのは、「プロセスチーズではなくなったこと」と「加熱処理をしていないこと」は別の話だという点です。製品分類は、原材料の配合や食品としての規格などによって決まります。分類名が変わっただけで、直ちにリステリア菌の危険性が高まったと判断することはできません。
実際、ベル ジャポンの公式FAQでは、現在のキリのクリーミーポーションについても加熱処理を行っていると説明しています。妊娠中の安全性を考えるなら、過去の商品名や分類だけで判断せず、現在販売されている商品の情報を確認することが合理的です。
なお、6個入りと10個入りでは、リニューアル時の内容量にも違いがありました。6個入りは従来の108gから97.8gに変更され、1個当たりの重量も18gから16.3gになりました。一方、10個入りは163gで変更ありませんでした。これらは商品仕様の変更に関する情報であり、妊娠中の安全性とは分けて理解しましょう。
【チーズの種類を比較】キリ・フィラデルフィア・6Pチーズは何が違う?
妊娠中にチーズを選ぶとき、まず知っておきたいのが「ナチュラルチーズ」と「プロセスチーズ」の違いです。食品安全委員会や厚生労働省は、妊婦がリステリア菌に注意すべき食品として、加熱殺菌していない乳から作られたナチュラルチーズなどを挙げています。
ナチュラルチーズは、乳を凝固させるなどして作るチーズです。製品によっては製造工程で十分な加熱処理を行わず、微生物が残る可能性があります。一方、プロセスチーズはナチュラルチーズを原料に、加熱して溶かす工程を経て製造されます。そのため、リステリア菌のリスクを考える際には、製品の種類だけでなく、実際の製造工程も重要です。
主な商品を比較すると、次のようになります。
| 商品・種類 | 妊娠中の判断ポイント | 確認したいこと |
|---|---|---|
| キリ クリーミーポーション | メーカー公式FAQで加熱処理を案内 | 現在の製品表示と保存方法 |
| フィラデルフィアのクリームチーズ | 製品ごとの原料乳や製造工程を確認 | 明治の公式FAQと商品表示。「要加熱」の表示がある商品は指示どおり加熱 |
| 6Pチーズ・スライスチーズ・ベビーチーズ | 一般的なプロセスチーズは製造時に加熱溶解される | 種類別表示と、加熱調理が必要かどうか |
| ナチュラルチーズ全般 | 一律に安全・危険とは判断できない | 原料乳の殺菌状況、製造後の加熱処理、メーカーの案内 |
| 未殺菌乳を使用したチーズ | 妊娠中は避ける | 原料乳が加熱殺菌されているか |
フィラデルフィアについては、製造元の明治が公式FAQで、同社のチーズ製品は原材料を適切に加熱・殺菌していると説明しています。同社製のナチュラルチーズは殺菌した原料乳を使用し、プロセスチーズはナチュラルチーズを加熱溶解して製造するという案内です。ただし、「要加熱」「加熱してお召し上がりください」と表示された商品は、指示に従って加熱する必要があります。
6Pチーズ、スライスチーズ、ベビーチーズも、一般的なプロセスチーズであれば製造工程で加熱溶解されています。ただし、商品名だけで種類を断定せず、パッケージ裏面の「種類別」表示を確認してください。
一方で、「ナチュラルチーズだから全部危険」という理解も正確ではありません。日本乳業協会や明治の案内にもあるように、ナチュラルチーズでも殺菌済みの原料乳を使用した製品や、包装後に加熱殺菌した製品があります。重要なのは、ナチュラルチーズという分類だけでなく、具体的な製造条件です。
【栄養と食べる量】キリのカルシウム・たんぱく質・脂質・カロリー
キリは妊娠中でも食べられる商品ですが、栄養面では脂質やエネルギー量も確認しておきたいところです。ベル ジャポンの公式商品情報では、キリのクリーミーポーション1個16.3g当たりの栄養成分は次のとおりです。
- エネルギー:50kcal
- たんぱく質:1.5g
- 脂質:4.7g
- 炭水化物:0.2~0.7g
- 食塩相当量:0.2g
- カルシウム:100mg
カルシウムは骨や歯の形成に必要な栄養素で、たんぱく質も体を構成する重要な栄養素です。キリは1個でこれらを補えるため、朝食や間食に取り入れやすい食品です。ただし、1個当たりのたんぱく質は1.5gなので、たんぱく質を十分に補給する目的でキリだけに頼るのは適切ではありません。
注意したいのは脂質です。1個当たりの脂質は4.7gで、エネルギーは50kcalあります。2個食べれば100kcal、脂質は9.4gになります。食べる量が増えると、その分だけエネルギーと脂質の摂取量も増えます。
妊娠中に「何個までなら絶対に大丈夫」という一律の個数が定められているわけではありません。体重管理や食事内容、医師からの指示に合わせて調整しましょう。キリを食べること自体を過度に心配する必要はありませんが、脂質の多い食品を重ねて食べる習慣には注意が必要です。
また、キリのようなチーズだけでなく、牛乳、ヨーグルト、小魚、大豆製品なども組み合わせると、栄養源を分散できます。妊娠中の食事では、特定の食品に栄養補給を依存せず、食事全体のバランスを整えることが大切です。
【リステリア菌対策】妊娠中にチーズを安全に食べるための注意点
リステリア菌は、自然界に広く存在する細菌です。厚生労働省や食品安全委員会によると、未殺菌乳を使用したナチュラルチーズのほか、生ハム、スモークサーモンなどもリスクに注意すべき食品として挙げられています。
妊婦がリステリア菌に感染すると、本人の症状が軽くても胎盤や胎児に影響が及ぶ可能性があります。そのため、妊娠中は食品の製造方法や保存状態に注意し、感染リスクを減らすことが重要です。
チーズを選ぶときは、次のポイントを確認してください。
- 原料乳の殺菌状況を確認する:未殺菌乳を使用したナチュラルチーズは避けましょう。
- メーカーの妊娠中向け案内を確認する:製品ごとの加熱処理や摂取上の注意を確認します。
- 「要加熱」の表示に従う:加熱調理を前提とした商品は、表示どおりに十分加熱してください。
- 冷蔵庫を過信しない:リステリア菌は低温でも増殖できるため、冷蔵保存だけでリスクをゼロにはできません。
- 開封後は早めに食べる:保存方法や期限を守り、開封後の食品を長期間保存しないようにしましょう。
- 手や調理器具を清潔に保つ:食品を扱う前後に手を洗い、器具や保存容器の衛生にも気を配りましょう。
こうした対策はキリだけでなく、ほかのチーズや冷蔵食品にも共通します。特に、未殺菌乳を使ったチーズや製造工程が不明な商品を選ぶ場合は、妊娠中の摂取を避けるか、メーカーや医療機関に確認するのが適切です。
なお、リステリア菌は十分な加熱によって死滅します。食品安全委員会は、妊娠中は普段加熱せずに食べる食品も、できるだけ加熱して食べるよう勧めています。ただし、加熱すればどのような食品でも保存状態に関係なく安全になるわけではありません。期限や衛生管理も併せて確認してください。
【食べてしまった場合】妊娠中にクリームチーズを食べたときの対処法
妊娠中にクリームチーズを食べてしまい、「赤ちゃんに影響が出るのでは」と不安になっている方もいるでしょう。最初に、チーズを食べたという事実だけで、リステリア菌に感染したと決まるわけではありません。
今回のテーマであるキリについては、ベル ジャポンの公式FAQで加熱処理が案内されています。通常の商品を、適切な保存状態と期限の範囲内で食べたのであれば、食べたことだけを理由に過度に心配する必要はありません。
一方、未殺菌乳を使用したチーズや、加熱処理の有無が分からない商品を食べた場合は、商品の種類や食べた時期を整理して、必要に応じて産婦人科に相談しましょう。発熱、筋肉痛、強い倦怠感、下痢、嘔吐などの症状がある場合も、早めに医療機関へ連絡し、妊娠中であることと食べた食品について伝えてください。
リステリア症は、症状だけで自分で判断できる病気ではありません。また、感染の可能性を心配して自己判断で薬を飲んだり、無理に吐いたりする必要はありません。医師に相談する際は、商品名、食べた日時、食べた量、保存状態、現在の症状を伝えると状況を説明しやすくなります。
大切なのは、食べてしまったことを必要以上に責めるのではなく、食品の種類と状況を確認し、症状や不安の程度に応じて対応することです。
【キリ妊娠中】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:キリは妊娠初期・中期・後期のどの時期でも食べられますか?
A1:ベル ジャポンの公式FAQでは、キリのクリーミーポーションなどは加熱処理を行っているため、妊娠中でも食べられると案内されています。妊娠初期・中期・後期のいずれも、商品の表示と保存方法を守って食べましょう。個別の食事制限がある場合は、担当医の指示を優先してください。
Q2:キリはプロセスチーズではなくなったので、妊娠中は危険ですか?
A2:そのようには判断できません。2022年秋のリニューアルで一部商品の製品分類は「乳等を主要原料とする食品」に変わりましたが、ベル ジャポンは現在のクリーミーポーションについても加熱処理を行っていると説明しています。分類名の変化だけで安全性を判断せず、メーカーの案内を確認しましょう。
Q3:キリを毎日食べても大丈夫ですか?
A3:加熱処理が案内されている商品であれば、妊娠中でも食事に取り入れられます。ただし、1個16.3g当たり50kcal、脂質4.7gのため、食べる量が増えれば摂取エネルギーと脂質も増えます。毎日の食事全体を考えながら、無理のない量に調整してください。
まとめ:妊娠中のキリは製品情報と食べる量を確認して選ぼう
キリは妊娠中に食べても大丈夫なのかという疑問に対し、ベル ジャポンの公式FAQは、クリーミーポーションなどの対象商品について加熱処理を行っていると説明しています。リステリア菌のリスクを考えるうえでも、このメーカー情報は判断材料になります。
2022年秋には、キリの一部商品で名称や製品分類が変更されました。しかし、「プロセスチーズではなくなった」という情報だけで、妊娠中に食べられない商品になったと考えるのは適切ではありません。製品分類と製造工程は別の情報として確認する必要があります。
妊娠中のチーズ選びでは、キリ、フィラデルフィア、6Pチーズ、スライスチーズなどの商品名だけに頼らず、原料乳の殺菌状況や加熱処理、種類別表示、保存方法を確認しましょう。未殺菌乳を使用したチーズは避け、開封後は早めに食べることも大切です。
キリはカルシウムやたんぱく質を補える一方、脂質やカロリーも含んでいます。適量を意識し、ほかの食品と組み合わせながら食事全体のバランスを整えましょう。妊娠中に食べてしまって不安になった場合も、食品の種類と状況を確認し、症状があるときや心配が続くときは産婦人科に相談することが、落ち着いて対応するための第一歩です。