直木賞・芥川賞の歴代受賞者や受賞作を調べるとき、まず押さえたいのが、2026年上半期に発表された第175回の結果です。芥川賞は小砂川チトさんの『ゾンビ回収婦』、直木賞は朝倉かすみさんの『けんぐゎい』に決定しました。両賞は同じ日に発表される文学賞ですが、対象となる作品の性格や選考の考え方には明確な違いがあります。
公益財団法人日本文学振興会の公式受賞者一覧を基に、歴代受賞作を回次・受賞年とともに整理し、芥川賞と直木賞の違い、該当作なしとなった回、選考方法、作家の受賞歴まで解説します。2026年10月時点の最新結果を起点に、読みたい一冊を探すための手がかりも紹介します。
【この記事の重要ポイントまとめ】
- 2026年最新結果:第175回は芥川賞が小砂川チト『ゾンビ回収婦』、直木賞が朝倉かすみ『けんぐゎい』。
- 両賞の違い:芥川賞は新進作家による純文学の中・短編、直木賞は新進・中堅作家によるエンターテインメント作品が対象。
- 歴代受賞作の見方:第173回のように両賞とも該当作なしとなる場合があり、候補入りと受賞は別の評価。
【2026年最新】第175回芥川賞・直木賞の受賞作と作家を解説
第175回芥川賞・直木賞の選考会は、2026年7月15日に開かれました。日本文学振興会の公式発表によると、芥川賞は小砂川チトさんの『ゾンビ回収婦』、直木賞は朝倉かすみさんの『けんぐゎい』です。いずれも3回目の候補入りで受賞を果たした点が注目されました。
芥川賞:小砂川チト『ゾンビ回収婦』
『ゾンビ回収婦』は、AIの普及によって仕事を失った女性が、仮想現実(VR)の世界に入り、殺されたゾンビを回収する仕事に就く物語です。現実の労働や失業という社会的な問題と、仮想空間の不条理な設定が交差する作品として評価されました。
選考に関する報道では、選考委員の奥泉光さんが、言葉によって虚構世界を立ち上げる力を評価したことが伝えられています。設定の奇抜さだけでなく、読者を物語の内部へ引き込む文章表現が評価の焦点になった点は、作品を読む際にも注目したいところです。
小砂川チトさんは1990年、岩手県盛岡市生まれ。慶應義塾大学文学部を卒業し、同大学院社会学研究科心理学専攻を修了しました。2022年に『家庭用安心坑夫』で第65回群像新人文学賞を受賞し、作家としてデビューしています。
同作は第167回芥川賞の候補となり、2024年の『猿の戴冠式』でも第170回芥川賞の候補に選ばれました。そして2026年、『ゾンビ回収婦』で3回目の候補入りにして芥川賞を受賞。デビュー以降の創作活動が大きな節目を迎えました。
『ゾンビ回収婦』は雑誌「群像」の2026年5月号に掲載され、単行本は講談社から同年7月9日に刊行されました。AIと労働、現実と仮想空間の境界に関心がある読者にとって、現代的なテーマを持つ受賞作です。
直木賞:朝倉かすみ『けんぐゎい』
『けんぐゎい』は江戸時代を舞台に、外見や身分などの違いによって生きづらさを抱える女性たちを描いた小説です。同じような境遇に置かれた人々が、安心して生きられる居場所を築こうとする姿が物語の軸になっています。
「圏外」という言葉が連想させるのは、社会の評価基準から外れた人々や、既存の共同体に居場所を見つけられない人々の存在です。歴史小説としての舞台設定に加え、外見や身分による格差、女性の生き方という現代にも通じる主題が作品を読み解くポイントになります。
朝倉かすみさんは1960年、北海道生まれ。2003年に「コマドリさんのこと」で北海道新聞文学賞を受賞し、2004年には『肝、焼ける』で小説現代新人賞を受賞しました。2005年に同作で単行本デビューし、2009年には『田村はまだか』で吉川英治文学新人賞を受賞しています。
代表作には、山本周五郎賞を受賞した『平場の月』などがあります。『平場の月』と『よむよむかたる』で直木賞候補となった後、3回目の候補作『けんぐゎい』で受賞しました。長年にわたる創作活動の中で、初めて挑んだ時代小説が大きな評価につながった点も見逃せません。
『けんぐゎい』は光文社から刊行されています。2026年の受賞作を比較すると、芥川賞がAI時代の労働や仮想現実を題材にした作品であるのに対し、直木賞は江戸時代の女性たちを通して社会の周縁に置かれる人々を描いています。舞台や物語の形式は異なりますが、どちらも個人と社会の関係を考えさせる作品です。
【違いを一目で比較】芥川賞は純文学、直木賞はエンターテインメント
芥川賞と直木賞は、同じ日本文学振興会が主催する文学賞ですが、対象となる作品の種類が異なります。日本文学振興会の公式FAQでは、芥川賞は雑誌に発表された新進作家による純文学の中・短編作品、直木賞は新進・中堅作家によるエンターテインメント作品の単行本を対象としています。
一般的には「芥川賞は純文学、直木賞は大衆文学」と説明されます。ただし、これは作品を理解するための大まかな区分です。実際の小説には、文学的な表現と物語としての面白さを兼ね備えた作品も多く、読者が感じる面白さだけで受賞する賞が決まるわけではありません。
- 芥川賞:文章表現、人物の内面、独自の視点、現実の捉え方などに関心がある人に向いています。
- 直木賞:物語の展開、歴史や社会の描写、人物の生き方、読後の満足感を重視する人に向いています。
また、両賞とも公募制ではありません。芥川賞は雑誌掲載作品、直木賞は書籍として刊行された作品が対象です。未発表の原稿を誰でも直接応募できる新人賞とは仕組みが違います。
読書初心者が受賞作を選ぶ場合は、賞の名前だけで判断するよりも、あらすじや作品の長さ、舞台設定を確認するのがおすすめです。文章表現や価値観の揺らぎを味わいたいなら芥川賞、人物や出来事を追いながら物語に没入したいなら直木賞から選ぶと、自分に合う一冊を見つけやすくなります。
【回次・受賞年別】芥川賞・直木賞の歴代受賞作一覧
ここでは、2026年の第175回から第160回までを、受賞年とともに一覧化します。回次は両賞で共通して進みますが、受賞作の数は回によって異なります。1回につき1作品とは限らず、同じ回に複数の作家が受賞する場合もあります。
| 回次・受賞年 | 芥川賞の受賞者・受賞作 | 直木賞の受賞者・受賞作 |
|---|---|---|
| 第175回・2026年上半期 | 小砂川チト『ゾンビ回収婦』 | 朝倉かすみ『けんぐゎい』 |
| 第174回・2025年下半期 | 鳥山まこと『時の家』、畠山丑雄『叫び』 | 嶋津輝『カフェーの帰り道』 |
| 第173回・2025年上半期 | 該当作なし | 該当作なし |
| 第172回・2024年下半期 | 安堂ホセ『DTOPIA(デートピア)』、鈴木結生『ゲーテはすべてを言った』 | 伊与原新『藍を継ぐ海』 |
| 第171回・2024年上半期 | 朝比奈秋『サンショウウオの四十九日』、松永K三蔵『バリ山行』 | 一穂ミチ『ツミデミック』 |
| 第170回・2023年下半期 | 九段理江『東京都同情塔』 | 河﨑秋子『ともぐい』、万城目学『八月の御所グラウンド』 |
| 第169回・2023年上半期 | 市川沙央『ハンチバック』 | 垣根涼介『極楽征夷大将軍』、永井紗耶子『木挽町のあだ討ち』 |
| 第168回・2022年下半期 | 井戸川射子『この世の喜びよ』、佐藤厚志『荒地の家族』 | 小川哲『地図と拳』、千早茜『しろがねの葉』 |
| 第167回・2022年上半期 | 高瀬隼子『おいしいごはんが食べられますように』 | 窪美澄『夜に星を放つ』 |
| 第166回・2021年下半期 | 砂川文次『ブラックボックス』 | 今村翔吾『塞王の楯』、米澤穂信『黒牢城』 |
| 第165回・2021年上半期 | 石沢麻依『貝に続く場所にて』、李琴峰『彼岸花が咲く島』 | 佐藤究『テスカトリポカ』、澤田瞳子『星落ちて、なお』 |
| 第164回・2020年下半期 | 宇佐見りん『推し、燃ゆ』 | 西條奈加『心淋し川』 |
| 第163回・2020年上半期 | 高山羽根子『首里の馬』、遠野遥『破局』 | 馳星周『少年と犬』 |
| 第162回・2019年下半期 | 古川真人『背高泡立草』 | 川越宗一『熱源』 |
| 第161回・2019年上半期 | 今村夏子『むらさきのスカートの女』 | 大島真寿美『渦 妹背山婦女庭訓 魂結び』 |
| 第160回・2018年下半期 | 上田岳弘『ニムロッド』、町屋良平『1R1分34秒』 | 真藤順丈『宝島』 |
上の一覧は、直近16回の受賞作を比較するためのものです。全期間の歴代受賞者と受賞作については、日本文学振興会の公式サイトに、芥川賞・直木賞それぞれの第1回から最新回までの一覧が掲載されています。公式一覧は回次・受賞年・受賞者・作品名などで整理されており、古い作品を調べる場合にも役立ちます。
なお、公式一覧では受賞年の「上」は上半期、「下」は下半期を表します。たとえば第175回は2026年上半期、第174回は2025年下半期です。受賞発表日と作品の刊行年が必ずしも同じとは限らないため、作品を探す際は回次と受賞年を併せて確認しましょう。
【歴代受賞作から読み解く】芥川賞・直木賞の文学史と受賞傾向
芥川賞と直木賞は1935年に創設されました。作家の菊池寛が、文学界の発展と新人作家の育成を意識して設けた賞として知られています。両賞は長い歴史の中で、時代ごとの社会意識や読者の関心、文学表現の変化を映し出してきました。
芥川賞の歴代受賞作に見る表現の変化
芥川賞の第1回受賞作は、石川達三の『蒼氓』です。その後も、石原慎太郎『太陽の季節』、大江健三郎『飼育』など、文学史に名を残す作品が受賞してきました。現代では、又吉直樹『火花』、村田沙耶香『コンビニ人間』、宇佐見りん『推し、燃ゆ』、市川沙央『ハンチバック』などが、広い読者層に知られる受賞作となっています。
これらの作品を一括りにすることはできませんが、社会の中で感じる違和感、他者との距離、自分自身をどう理解するかといった問題を、独自の文章や構成で描く作品が並んでいます。芥川賞を歴代で読み比べると、文学が人間や社会をどのように捉えてきたのかを追うことができます。
直木賞の歴代受賞作に見る物語の広がり
直木賞の第1回受賞者には川口松太郎が名を連ね、受賞作には『鶴八鶴次郎』などがあります。以降、司馬遼太郎、浅田次郎、東野圭吾、恩田陸など、幅広い読者に支持される作家が受賞してきました。
歴代受賞作には、歴史小説、時代小説、ミステリー、社会派小説、人間ドラマなど、多様なジャンルが含まれています。たとえば、東野圭吾『容疑者Xの献身』、池井戸潤『下町ロケット』、恩田陸『蜜蜂と遠雷』、今村翔吾『塞王の楯』などは、それぞれ異なる題材や構成で読者を引き込んだ作品です。
直木賞は、単に読みやすい小説を選ぶ賞ではありません。人物の描写、物語の構成、題材の扱い方など、エンターテインメント作品としての完成度が問われます。歴代の受賞作を読むことで、娯楽性と文学的な深みがどのように両立してきたかを確かめられます。
近年の傾向は「ジャンルの広さ」と「現代社会への視線」
2020年代の受賞作を見ると、推し文化、障害と社会、歴史の記憶、地域や共同体のあり方など、現代の生活と接点を持つテーマが目立ちます。一方、直木賞では歴史や時代を題材にした作品も継続して選ばれています。
ただし、特定のテーマが続いたからといって、次回以降も同じ題材が有利になるわけではありません。受賞傾向を読むときは、題材だけでなく、作品がどのような視点を提示しているのか、文章や構成によって何を実現しているのかを比較することが大切です。
【該当作なしの回】受賞者が出ないのはなぜ?
芥川賞・直木賞では、候補作が発表されても受賞作が選ばれない場合があります。これは選考制度に含まれる正式な結果であり、毎回必ず受賞者を出す仕組みではありません。
近年の代表例が、第173回、2025年上半期の選考です。2025年7月16日の選考会では、芥川賞・直木賞ともに該当作なしとなりました。両賞が同じ回でそろって該当作なしになるのは、第118回以来で、当時の報道では史上6回目と伝えられました。
芥川賞で過去に該当作なしとなった例には、第145回(2011年上半期)や第142回(2009年下半期)などがあります。直木賞では第136回(2006年下半期)が知られています。受賞者一覧に「なし」と記載されている回も、歴史を確認するうえで重要な記録です。
候補に選ばれることと受賞することは別
該当作なしとなった第173回では、芥川賞に4作品、直木賞に6作品が候補として挙がっていました。それでも最終的に受賞作は選ばれませんでした。候補入りは選考の最終段階に進んだことを示しますが、受賞を保証するものではありません。
また、該当作なしは、候補作すべてに価値がないという意味でもありません。賞の選考結果と、個々の読者が作品に感じる面白さや意義は、必ずしも一致しません。受賞作だけを読書の基準にせず、候補作にも目を向けることで、新しい作家や作品に出会える可能性が広がります。
【選考方法と仕組み】受賞作はどのように決まる?
日本文学振興会の公式FAQによると、芥川賞・直木賞の選考会は年2回行われます。上半期の選考会は7月、下半期の選考会は翌年1月です。対象となる刊行期間は、上半期が前年12月から5月まで、下半期が6月から11月までとされています。
選考では、対象期間中に刊行された作品から予備選考を経て最終候補作が選ばれ、選考委員の討議によって受賞作が決定します。受賞作は1作の場合も2作の場合もあり、該当作なしとなる場合もあります。
選考基準は単純な売上ランキングではない
芥川賞・直木賞は、売上部数や知名度だけで順位を決める賞ではありません。公式に示されているのは、それぞれの賞が対象とする作品の範囲と、候補作を選考委員の討議によって選ぶ仕組みです。
芥川賞では純文学の中・短編作品としての表現や独自性、直木賞ではエンターテインメント作品としての構成や物語の完成度などが、作品を読み解く際の重要な観点になります。ただし、すべての作品に一律の点数を付けるような公開採点表が示されているわけではありません。受賞理由を深く理解するには、発表後に掲載される選評も参考になります。
2026年下半期の第176回はいつ?
2026年10月時点では、第175回が最新の受賞結果です。日本文学振興会が公表している予定では、第176回芥川賞・直木賞の選考会は2027年1月20日に行われます。下半期の結果を確認する際は、候補作の発表と最終的な受賞発表を区別して確認しましょう。
なお、受賞作の掲載先も両賞で異なります。公式FAQによると、芥川賞の受賞作は「文藝春秋」に全文が掲載され、直木賞の受賞作は「オール讀物」に一部が掲載されます。いずれも上半期は9月号、下半期は3月号に掲載され、選考委員の選評も読めます。
【プロの結論】歴代受賞者・受賞作を調べるときの判断基準
直木賞・芥川賞の歴代受賞作を調べる際は、受賞者の名前だけでなく、回次、受賞年、作品名の3点をセットで確認するのがおすすめです。作品の刊行年と受賞年を混同しにくくなり、同じ作家の候補歴や受賞歴も追いやすくなります。
- 文学表現を深く味わいたい:芥川賞の歴代受賞作から、文章や語り口、人物の内面を重視した作品を選ぶ。
- 物語への没入感を重視したい:直木賞の歴代受賞作から、歴史小説、ミステリー、社会派小説など、関心のあるジャンルを探す。
- 作家の変化を知りたい:同じ作家のデビュー作、候補作、受賞作を順番に読み、表現や題材の変化を比べる。
- 賞の評価を詳しく知りたい:受賞結果だけでなく、候補作一覧や選考委員の選評を併せて読む。
特に注目したいのは、受賞までに複数回候補入りした作家の歩みです。第175回の小砂川チトさんは『家庭用安心坑夫』『猿の戴冠式』を経て『ゾンビ回収婦』で受賞し、朝倉かすみさんも過去の候補作を経て『けんぐゎい』で受賞しました。受賞歴を点として見るのではなく、作家の創作活動の流れとして捉えると、作品の魅力がより立体的に見えてきます。
一方、賞の知名度だけで読む本を決める必要はありません。受賞作が自分の好みに合うとは限らず、候補作や同時期に刊行された別の作品に、より強く惹かれることもあります。文学賞は読書の入口として活用し、最終的にはあらすじ、文体、題材を基準に選ぶことが、自分に合う一冊と出会う近道です。
【直木賞芥川賞歴代】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年最新の芥川賞・直木賞の受賞作は何ですか? A1:2026年上半期の第175回では、芥川賞が小砂川チトさんの『ゾンビ回収婦』、直木賞が朝倉かすみさんの『けんぐゎい』に決まりました。発表日は2026年7月15日です。
Q2:芥川賞と直木賞はどちらが上の賞ですか? A2:上下関係のある賞ではありません。芥川賞は新進作家による純文学の中・短編作品、直木賞は新進・中堅作家によるエンターテインメント作品を対象としており、評価する作品の範囲が異なります。
Q3:芥川賞・直木賞で該当作なしとなることはありますか? A3:あります。第173回(2025年上半期)は両賞とも該当作なしでした。候補作があっても、選考の結果、受賞作が選ばれない場合があります。
Q4:歴代受賞者・受賞作の全一覧はどこで確認できますか? A4:公益財団法人日本文学振興会の公式サイトに、芥川賞・直木賞それぞれの第1回から最新回までの受賞者一覧があります。回次、受賞年、作家名、作品名を確認する際は、公式一覧を基準にすると整理しやすくなります。
Q5:芥川賞・直木賞に自分の小説を応募できますか? A5:両賞とも公募制ではありません。芥川賞は雑誌に掲載された作品、直木賞は書籍として刊行された作品が対象です。未発表作品を応募したい場合は、応募要項が公開されている新人賞などを検討してください。
まとめ:歴代受賞作から文学の変化と次の一冊を見つける
直木賞・芥川賞の歴代受賞者と受賞作を追うと、日本文学が時代ごとの社会や人間のあり方をどのように描いてきたかが見えてきます。芥川賞は純文学の中・短編作品、直木賞はエンターテインメント作品を対象とし、両賞は異なる視点から文学の成果を評価してきました。
2026年上半期の第175回では、小砂川チトさんの『ゾンビ回収婦』と朝倉かすみさんの『けんぐゎい』が受賞しました。AIと仮想現実を扱う作品と、江戸時代の女性たちを描く作品が同時に選ばれたことは、現在の文学が多様な題材や表現を受け入れていることを考える手がかりになります。
次に読む作品を探すなら、最新の受賞作から入る方法も、歴代の名作を刊行順にたどる方法もあります。受賞者一覧だけでなく、候補作や選評にも目を向ければ、文学賞の結果を知るだけでは得られない発見があるはずです。第176回の発表を待ちながら、これまでの受賞作から自分に合った一冊を探してみてください。