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【検査・診断】Mタンパク検査で多発性骨髄腫は分かる?

藤咲 尚 藤咲 尚 • 更新: • 公開: • 読了約 11 分
目次

多発性骨髄腫の診断では、Mタンパクの有無や量を調べることが重要です。ただし、Mタンパクが検出されたからといって、直ちに多発性骨髄腫と確定するわけではありません。

国立がん研究センターが紹介する主な検査は次のとおりです。

1.血液検査

血液検査では、次の項目などを調べます。

- Mタンパクや免疫グロブリン
- 赤血球・白血球・血小板
- ヘモグロビン
- クレアチニン(腎機能)
- カルシウム
- アルブミン
- β2ミクログロブリン

Mタンパクの量だけでなく、貧血や腎機能、カルシウム値なども確認することで、病気の状態を総合的に評価します。

2.尿検査

尿検査では、ベンスジョーンズタンパクと呼ばれるMタンパクの一種を調べます。

腎臓への影響を把握するためにも重要な検査です。必要に応じて24時間分の尿を採取し、尿中に排出されるタンパク質の量を確認します。

3.骨髄検査・画像検査

確定診断や病型の判断には、骨髄検査が重要です。

腰の骨などから骨髄液や組織を採取し、骨髄腫細胞の有無や特徴を調べます。染色体検査によって、病気の進行しやすさや治療方針を判断することもあります。

また、骨の破壊や腫瘍の広がりを調べるため、X線、CT、MRI、PETなどの画像検査が行われる場合があります。

診断で重要なのはMタンパクだけではない

検査結果を読み違えないために、次の3つを区別することが大切です。



MGUS(意義不明の単クローン性ガンマグロブリン血症)
経過観察
異常なタンパク質が認められるものの、多発性骨髄腫としての臓器障害などがない状態。


くすぶり型多発性骨髄腫
経過観察が基本
骨髄腫細胞が増えていても、症候性の臓器障害などが現れていない段階。


症候性多発性骨髄腫
治療対象
臓器障害や特定の診断基準に該当する所見があり、治療が必要になる状態。


この区別を理解すれば、山本太郎氏の「一歩手前」という発言と、佐野史郎さんらの確定診断を混同しにくくなります。

【治療法と再発】抗がん剤・自家造血幹細胞移植の実態

多発性骨髄腫芸能人

多発性骨髄腫の治療は、患者の年齢、全身状態、臓器障害の有無、染色体異常などによって選択されます。

2026年現在も薬物療法が治療の中心であり、患者の状態に合わせて複数の薬剤を組み合わせます。

主な治療法は3種類

① 抗がん剤・薬物療法

骨髄腫細胞を減らすため、複数の薬剤を組み合わせて治療します。

国立がん研究センターが紹介している薬剤には、次のようなものがあります。

- ボルテゾミブ
- レナリドミド
- ポマリドミド
- ダラツムマブ
- カルフィルゾミブ

ステロイド剤や分子標的薬などを組み合わせることもあります。

患者の状態や治療歴に応じて薬剤を選択するため、全員が同じ治療を受けるわけではありません。

② 自家造血幹細胞移植

岸博幸さんの闘病でも話題になった治療法です。

自家造血幹細胞移植とは、患者本人の造血幹細胞を事前に採取・保存し、大量の抗がん剤を使った後に再び体内へ戻す治療です。

主な流れは次のようになります。




導入療法

薬物療法によって骨髄腫細胞を減らす。


造血幹細胞の採取

本人の血液から造血幹細胞を採取し、保存する。


大量化学療法

大量の抗がん剤で骨髄腫細胞をできる限り減らす。


造血幹細胞の移植

保存していた本人の細胞を体内に戻し、造血機能の回復を目指す。


移植後の経過観察

感染症や副作用に注意しながら、再発や治療効果を確認する。


移植は一般に65歳未満で、重い感染症や肝・腎機能、心機能などに問題がない患者が主な対象とされています。ただし、年齢だけで決まるものではなく、個々の状態を踏まえて判断されます。

③ 放射線治療・支持療法

骨の病変が限られている場合には、痛みを和らげたり腫瘍を縮小させたりする目的で放射線治療を行うことがあります。

また、腎障害、骨折、感染症、高カルシウム血症などへの対応も必要です。

骨髄腫そのものを治療するだけでなく、身体に生じた合併症を管理することも治療の重要な一部です。

寛解と再発はどう違う?

多発性骨髄腫について調べると、「寛解」「再発」「完治」という言葉がよく登場します。

それぞれ意味が異なります。

- 寛解: 治療によって病気の活動性が低下し、検査上、病状が大きく改善した状態。
- 再発: 治療で抑えられていた病気が再び活動性を示すこと。
- 完治: 病気が完全に治り、再発の心配がない状態を指す表現。

多発性骨髄腫は、治療によって寛解しても再び進行する可能性がある病気です。

国立がん研究センターも、治療後の定期的な血液検査やCT検査、晩期の副作用の確認を勧めています。

そのため、寛解した佐野史郎さんのケースも、完治したと単純に置き換えることはできません。

また、再発した場合でも、過去の治療内容や身体の状態に合わせて次の治療を検討できます。

【予後と生存率】多発性骨髄腫は長く生きられる病気なのか?

多発性骨髄腫は、かつて治療が難しい血液がんとして知られていました。

しかし、薬物療法の進歩や造血幹細胞移植などによって、治療の選択肢は広がっています。

2026年の状況を考えるうえで参考になるのが、厚生労働省が2026年2月13日に公表した「2018年全国がん登録5年生存率報告」です。

この報告では、多発性骨髄腫の2018年診断例について、15歳以上の患者の5年純生存率は次のとおりでした。


2018年診断例・全国集計
60.7%
多発性骨髄腫の5年純生存率
95%信頼区間:59.4~62.0%

対象は15歳以上の7,675人。厚生労働省公表の2018年全国がん登録報告に基づく数値です。

ここで注意したいのは、60.7%は2026年に診断された患者の生存率ではないという点です。

2018年に診断された患者を対象とした統計であり、診断時の病期、年齢、治療内容、合併症などによって個人の予後は変わります。

また、5年純生存率は、一般集団の死亡リスクを考慮した統計指標です。特定の患者が何年生きられるかを予測する数字ではありません。

2026年の治療で注目される進歩

多発性骨髄腫の治療は、新しい薬剤の登場によって選択肢が増えています。

2025年には、再発・難治性の多発性骨髄腫に対する二重特異性抗体などの治療薬も新たに保険承認され、治療の幅が広がりました。

患者の状態によっては、従来の抗がん剤だけでなく、新しい作用機序を持つ薬剤を組み合わせた治療が検討されます。

一方、薬剤が増えれば副作用の管理も必要です。岸さんが公表した血栓のように、治療に伴う身体への影響によって薬剤の変更や休薬が必要になることもあります。

プロの結論:生存率の数字だけで治療の可能性を判断しないこと。

重要なのは、診断時の病期、染色体異常、腎機能、治療への反応、再発後に選べる薬剤などを総合的に確認することです。

【多発性骨髄腫の芸能人】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:多発性骨髄腫を公表した芸能人は誰ですか?

【検証資料 1】多発性骨髄腫芸能人の当時の様子・関連報道写真(出典:スポニチ / Yahoo!ニュース)

A1:俳優の佐野史郎さん、漫才師の宮川花子さんが代表的です。また、芸能人とは異なりますが、経済評論家の岸博幸さんも公表しています。

Q2:佐野史郎さんは2026年現在、完治していますか?

A2:2026年8月の「徹子の部屋」で、3年ほど前に寛解したと説明しています。現在の検査数値に問題はないとしていますが、再発の可能性を意識して生活していると話しています。

Q3:宮川花子さんは現在も漫才をしていますか?

A3:過去には舞台復帰を果たしていますが、2026年1月の報道では投薬治療を続け、体調面を考慮して舞台から遠ざかっているとされています。

Q4:岸博幸さんは自家造血幹細胞移植を受けたのですか?

A4:はい。2023年の入院中に造血幹細胞移植を受けたことを公表しています。2026年9月時点でも治療を続けながら仕事や趣味に取り組んでいます。

Q5:山本太郎氏は多発性骨髄腫を発症したのですか?

A5:2026年1月の本人の説明は「多発性骨髄腫の一歩手前」です。確定診断を公表した佐野さん、宮川さん、岸さんとは区別する必要があります。

Q6:多発性骨髄腫は初期症状が分かりにくい病気ですか?

A6:はい。初期には自覚症状がほとんどない場合があり、健康診断の血液検査や尿検査で異常が見つかることもあります。

Q7:多発性骨髄腫は完治しますか?

A7:治療によって寛解を目指すことはできますが、再発・再進行する可能性が高い病気です。治療後も定期的な検査と経過観察が必要です。

まとめ:多発性骨髄腫の著名人から学ぶ治療と復帰の判断基準

2026年10月現在、多発性骨髄腫を公表した著名人の経過を見ると、同じ病気でも治療や生活への影響は大きく異なることが分かります。

佐野史郎さんは寛解後の体調について報告し、俳優として活動を続けています。

宮川花子さんは、長期にわたる闘病と身体機能への影響を抱えながら、夫婦で日常生活を送っています。

岸博幸さんは、治療を継続しながら仕事や趣味との両立を目指しています。

そして山本太郎氏は、確定診断を公表した3人とは異なり、「一歩手前」という段階で議員辞職を選択しました。

これらの事例から分かる要点は、次の3つです。

1. 寛解と完治は違う。 治療後も再発の可能性を考えた経過観察が必要。
2. 治療方法は一律ではない。 抗がん剤、自家造血幹細胞移植、新しい薬剤などから患者の状態に応じて選択する。
3. 社会復帰の形も人それぞれ。 舞台への復帰、仕事との両立、日常生活の維持など、何を目指すかは本人の身体状況によって異なる。

多発性骨髄腫は、決して簡単な病気ではありません。しかし、治療法の進歩によって長期的な病状管理を目指せる時代になっています。

芸能人や著名人の闘病報道を見る際も、病名だけで判断せず、診断された段階、治療内容、寛解の有無、現在の生活状況を分けて理解することが大切です。

2026年の最新情報を追ううえでも、本人の公式発表、医療機関の情報、信頼できる報道を基準に、病気と向き合う人々の現状を見守っていきたいところです。

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藤咲 尚

旅行・住まい・暮らしの話題を担当。自治体の公式観光情報、施設の公開資料、不動産の公的統計を参照し、料金や所在地は発表時点の情報として明記します。

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