大相撲の元幕内力士・英乃海拓也さんは、2026年3月の春場所を最後に現役を引退しました。日本相撲協会の公式プロフィールによると、最高位は東前頭6枚目、生涯戦歴は541勝539敗22休。14年にわたる土俵生活に区切りをつけ、第二の人生へと歩み始めています。
2026年10月3日には、東京・両国国技館で断髪式が行われ、弟の翔猿との最後の一番や、現役時代には公にしていなかった妻の存在も話題になりました。引退を決めた理由、不動産業への転身、結婚生活、木瀬部屋や日本大学とのつながりまで、公式プロフィールと報道をもとに整理します。
【この記事の重要ポイントまとめ】
- 現在:2026年3月に引退し、10月3日に両国国技館で断髪式を実施。
- 引退理由:春場所で3勝4敗と負け越し、目標としていた十両復帰を逃したことが決断につながった。
- 通算成績:541勝539敗22休、最高位は東前頭6枚目。幕内在位は13場所。
- 家族:弟は幕内力士の翔猿。断髪式では妻の有希さんも公の場に登場した。
- 引退後:4月の会見では不動産会社での営業職や宅地建物取引士の資格取得に意欲を示した。
【英乃海の現在】2026年10月の断髪式で何があった?
2026年10月28日現在、英乃海さんは現役力士ではありません。日本相撲協会は3月23日付で引退届の受理を発表しており、春場所限りで14年間の力士生活を終えています。引退後の大きな節目となったのが、10月3日に両国国技館で行われた断髪式です。
断髪式には横綱・豊昇龍ら多くの関係者が参加し、約300人がはさみを入れたと報じられています。最後は師匠の木瀬親方(元幕内・肥後ノ海)が止めばさみを入れ、英乃海さんは長年結ってきた大銀杏に別れを告げました。会場には約1,000人の観客が集まり、土俵人生の節目を見届けました。
この日の見どころの一つが、弟の翔猿との最後の一番です。引退した兄と現役力士の弟が土俵で対戦し、英乃海さんが寄り切りで勝利。現役時代には本場所で実現しなかった兄弟対決が、引退の舞台で実現しました。
日刊スポーツの報道によると、英乃海さんは全盛期から約30キロ体重を落として最後の一番に臨み、弟の強さにも言及しました。勝敗だけでなく、兄弟がそろって土俵に立つ姿そのものが、14年間の締めくくりにふさわしい場面となりました。
断髪後は髪を整え、スーツ姿で来場者にあいさつ。本人は相撲を続けてきてよかったという思いと、集まった人々への感謝を伝えています。現役時代の取組とは異なる形で、支えてきた人々に直接感謝を伝える一日となりました。
【引退理由】2026年3月の春場所で何が起きたのか
英乃海さんが引退を決めた直接のきっかけは、2026年3月の春場所で十両復帰を逃したことです。場所前の番付は西幕下3枚目。関取である十両に戻ることを目指して土俵に上がりましたが、最終的な成績は3勝4敗でした。
4月3日の引退会見で、英乃海さんは春場所の負け越しを受けて引退を決断したと説明しました。報道によると、十両復帰への望みを持って場所に臨んだものの、3勝3敗で迎えた七番相撲に敗れ、負け越しが決定。取組後、師匠の木瀬親方に引退の意思を伝えたといいます。
この決断の背景には、幕下上位から十両へ戻る難しさがあります。十両以上は「関取」と呼ばれ、待遇や立場も大きく変わります。幕下上位では、十両昇進をかけた力士同士の競争が激しく、わずかな星の差が昇進を左右します。英乃海さんにとって、再び関取に戻ることは現役を続けるうえで大きな目標だったと考えられます。
また、英乃海さんは2023年にも幕下へ陥落しましたが、その際は5勝2敗を挙げ、1場所で十両に復帰しています。2025年7月場所には21場所ぶりに幕内へ戻るなど、番付を落としても土俵に戻る力を見せてきました。だからこそ、今回の引退は単に一度負け越したからというより、再昇進を目指した挑戦に自ら区切りをつけた決断として理解できます。
なお、英乃海さんには2022年、違法賭博行為に関する問題で1場所の出場停止処分を受けた過去があります。ただし、2026年の引退会見で本人が説明した直接の理由は、春場所での負け越しと十両復帰を逃したことです。過去の処分と今回の引退決断は、時期も内容も分けて捉える必要があります。
【通算成績・最高位】英乃海の14年間を数字と年表で振り返る
英乃海拓也さんは1989年6月11日生まれ、東京都江戸川区出身。本名は岩崎拓也さんです。埼玉栄高校から日本大学へ進み、木瀬部屋に入門。2012年5月場所で初土俵を踏み、右四つから前に出る寄りを持ち味として、幕内まで番付を上げました。
日本相撲協会の公式プロフィールに記載された主な記録は次のとおりです。
| 項目 | 記録・内容 | ポイント |
|---|---|---|
| 本名 | 岩崎拓也 | 四股名は英乃海拓也 |
| 生年月日 | 1989年6月11日 | 東京都江戸川区出身 |
| 所属部屋 | 木瀬部屋 | 2012年5月場所で初土俵 |
| 新十両 | 2014年11月場所 | この時期に「英乃海」へ改名 |
| 新入幕 | 2015年7月場所 | 幕内で13場所を経験 |
| 最高位 | 東前頭6枚目 | 2021年5月場所の番付 |
| 生涯戦歴 | 541勝539敗22休 | 83場所 |
| 幕内戦歴 | 70勝108敗17休 | 13場所 |
| 優勝 | 十両1回、序二段1回、序ノ口1回 | 幕内優勝はなし |
| 引退場所 | 2026年3月場所 | 14年間の現役生活に幕 |
出典:日本相撲協会公式プロフィール、英乃海断髪式の公式案内。
キャリアの中でも、2021年は大きな節目でした。3月場所では自身初の幕内2桁勝利となる10勝を挙げ、弟の翔猿も同じ場所で10勝を記録。続く5月場所で自己最高位の東前頭6枚目に到達しました。
その後も、番付を落としてから再び上位を目指す挑戦を続けました。2023年11月場所には幕下から十両へ復帰し、2025年7月場所には21場所ぶりの幕内復帰を果たしています。最高位だけを見ると前頭6枚目ですが、長く現役を続けながら何度も関取の地位を取り戻した点も、英乃海さんの経歴を語るうえで外せません。
通算成績の541勝は、単純な勝ち星の多さだけではなく、序ノ口から幕内まで各段を経験し、83場所にわたって土俵に立った記録です。幕内優勝や三賞には届かなかったものの、十両優勝1回を含む各段での実績を残しました。長期にわたり番付を維持し、再昇進を重ねた歩みは、力士としての粘り強さを示しています。
【翔猿との関係】英乃海と弟はどんな兄弟だったのか
英乃海さんの実弟は、追手風部屋所属の幕内力士・翔猿です。兄の英乃海さんが1989年生まれ、弟の翔猿が1992年生まれで、年齢差は3歳。兄弟そろって関取、さらに幕内で活躍したことから、相撲ファンの間でも注目されてきました。
ただし、兄弟が同じ部屋に所属していたわけではありません。英乃海さんは木瀬部屋、翔猿は追手風部屋です。引退会見では、英乃海さんが弟について「いつの間にか僕より強くなっていました」と振り返ったことが報じられています。弟の知名度が上がり、「翔猿のお兄さん」と声をかけられる機会が増えたことも、うれしかったと語りました。
兄弟の歩みを象徴するのが、2021年3月場所です。英乃海さんは幕内で10勝、翔猿も10勝を挙げ、兄弟それぞれが結果を残しました。その後、英乃海さんは最高位の東前頭6枚目へ進み、翔猿も幕内で存在感を高めていきます。
そして2026年10月3日、英乃海さんの断髪式で実現した最後の兄弟対決。現役の本場所では兄弟同士の取組が組まれないため、特別な舞台となりました。結果は兄の寄り切り勝ち。日刊スポーツによると、英乃海さんは弟の密着する相撲についても触れ、小兵ながら相手に密着できる点が強みだと分析しています。
引退後の英乃海さんは、弟に対して少しでも長く現役を続けてほしいという思いも示していました。兄弟は同じ道を歩みながらも、異なる部屋、異なる相撲の持ち味で競い合ってきました。断髪式の一番は、その関係を締めくくる象徴的な場面となりました。
【結婚・妻】英乃海の妻・有希さんが断髪式で明かしたこと
英乃海さんは現役時代、結婚していることを広く公表していませんでした。しかし、2026年10月3日の断髪式では、妻の有希さんが花束を贈る姿が報じられ、結婚していたことが広く知られるようになりました。デイリースポーツの報道によると、2人が結婚したのは約12年前とされています。
報道では、有希さんが英乃海さんの新しい髪形を「よく似合っている」と喜んだことも伝えられました。断髪後の髪を整え、スーツ姿で土俵に立つ夫を支える様子が紹介されています。
現役時代に結婚を公表していなかった理由について、本人が詳しい説明をしたという報道は確認できません。したがって、結婚を伏せていた理由を、相撲部屋の慣習や特定の家庭事情と結びつけて断定することはできません。公の場で語られることが限られていた家族の存在が、引退の節目に明らかになったというのが、報道から読み取れる事実です。
また、子どもの有無や家族構成の詳細についても、今回の報道で明らかにされた情報は限られています。妻の存在が確認されたことと、家族の私生活がすべて公表されたことは別です。今後も、本人や家族が公にした情報と、根拠のない憶測を分けて受け止める必要があります。
【引退後の進路】不動産業への転身と2026年最新の状況
英乃海さんは2026年4月3日の引退会見で、第二の人生として不動産業に挑戦する意向を明らかにしました。日刊スポーツなどの報道によると、中学校時代の同級生が都内で経営する不動産会社に就職し、営業職として働く予定だと説明。宅地建物取引士、いわゆる「宅建」の資格取得にも意欲を示していました。
本人は会見で、10歳から相撲を続けてきたため一般社会について知らないことが多く、心配な面と楽しみな面の両方があるという趣旨の心境を語っています。長年、勝敗と番付が明確に決まる世界で生きてきた力士にとって、異業種への転身は新たな挑戦です。
一方、10月3日の断髪式を伝えた日刊スポーツの記事では、今後について「のんびりとやっていく」と話したことが紹介されています。4月に説明した不動産業への転身計画は確認できますが、10月時点での具体的な勤務状況や宅建資格の取得状況について、詳しい続報は伝えられていません。
このため、2026年10月時点の英乃海さんの進路を整理するなら、「不動産業への挑戦を表明しているが、現在の仕事の詳細は公表報道だけでは明らかでない」という理解が適切です。引退後の活動をすべて不動産営業に限定して捉えるよりも、本人が示した計画と、その後に報じられた発言を分けて見る必要があります。
力士の引退後には、相撲協会に残って親方や指導者を目指す道のほか、飲食業、会社員、自営業など、さまざまな進路があります。英乃海さんは不動産業への挑戦を選択肢に挙げ、資格取得にも関心を示しました。14年間の競技経験を終えた後、別の分野でどのようにキャリアを築くのかが、今後の注目点です。
【大相撲英乃海】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:英乃海は現在、何をしていますか?
A1:2026年3月の春場所限りで引退し、10月3日に両国国技館で断髪式を行いました。4月の引退会見では、同級生が経営する都内の不動産会社で営業職に就く予定と説明し、宅建の資格取得にも意欲を示しています。10月時点での具体的な勤務状況については、詳しい続報が限られています。
Q2:英乃海の引退理由は何ですか?
A2:2026年3月場所で西幕下3枚目から十両復帰を目指しましたが、3勝4敗と負け越したことが決断の直接のきっかけです。本人は4月の会見で、再び十両に上がることを目指していたものの、負け越しが決まった時点で引退を決めたと説明しています。
Q3:英乃海の最高位と通算成績は?
A3:最高位は東前頭6枚目で、生涯戦歴は541勝539敗22休、83場所です。幕内在位は13場所で、幕内戦歴は70勝108敗17休。十両優勝1回、序二段優勝1回、序ノ口優勝1回を記録しています。
Q4:英乃海と翔猿は本当の兄弟ですか?
A4:はい。翔猿は英乃海の実弟で、3歳年下です。英乃海は木瀬部屋、翔猿は追手風部屋に所属してきました。2026年10月3日の断髪式では最後の一番が行われ、英乃海が寄り切りで勝利しました。
Q5:英乃海は結婚していますか?妻はどんな人ですか?
A5:2026年10月3日の断髪式報道で、妻の有希さんの存在が明らかになりました。デイリースポーツによると、結婚したのは約12年前とされています。妻の詳しい経歴や家族構成など、私生活に関する情報は限られています。
Q6:英乃海の断髪式はいつ行われましたか?
A6:2026年10月3日、東京・両国国技館で行われました。師匠の木瀬親方が止めばさみを入れ、弟の翔猿との最後の一番も実現しました。
まとめ:【プロの結論】英乃海の引退は14年間の挑戦に区切りをつけた転機
英乃海拓也さんは、2012年5月場所で初土俵を踏み、最高位の東前頭6枚目まで上り詰めました。生涯戦歴は541勝539敗22休。幕内優勝こそありませんでしたが、十両優勝を経験し、幕下から十両、十両から幕内へと何度も復帰を果たしてきた力士です。
2026年3月の引退は、春場所で負け越し、目標だった十両復帰を逃したことを受けた本人の決断でした。そして10月3日の断髪式では、弟の翔猿との最後の一番、妻の有希さんの登場、師匠や関係者からのはさみ入れを通じて、長い現役生活に幕を下ろしました。
引退後は不動産業への挑戦を表明し、宅建の資格取得にも意欲を示しています。ただし、10月時点での具体的な勤務状況は詳しく報じられておらず、今後の進路には引き続き注目が集まります。
英乃海さんの歩みから読み取れるのは、最高位や優勝回数だけでは力士のキャリアを評価しきれないということです。番付を落としても再び上を目指し、14年間にわたって土俵に立ち続けた経験も、その実績の一部です。引退は競技生活の終わりであると同時に、新しい仕事や暮らしへ踏み出す節目でもあります。今後は、相撲で培った経験を新たな分野でどう生かしていくのかが、英乃海さんの第二の人生を見守るうえでの焦点となりそうです。