2026年、コンビニエンスストア「ミニストップ」の閉店が相次いでいます。ミニストップ公式IRによると、2026年9月末の国内店舗数は1,721店。加えて、2026年3〜8月には開店4店に対して閉店75店となり、店舗網の縮小が鮮明になりました。
背景にあるのは、単なる店舗の入れ替えではありません。会社が進める不採算店舗の計画的な整理に加え、既存店の客数減少や店内加工ファストフードの販売不振、2027年2月期第2四半期の営業赤字など、経営上の課題も浮かび上がっています。一方、ソフトクリームやパフェなど、ミニストップならではの商品が好調な月もあり、チェーン全体の消滅といった極端な見方は実態と異なります。
【この記事の重要ポイントまとめ】
- 店舗数の最新状況:2026年9月末の国内店舗数は1,721店。3〜8月は開店4店、閉店75店で、純減71店となりました。
- 閉店ラッシュの背景:不採算店舗の年間閉店計画は80店。上期に75店を閉店する一方、既存店の客数や店内加工商品の販売にも課題があります。
- 今後の焦点:2027年2月期第2四半期は連結営業損失28億3,600万円。閉店数だけでなく、客数・利益率・既存店売上の回復が重要です。
【結論】ミニストップの閉店ラッシュは本当?2026年の公式データを検証

結論からいえば、ミニストップで閉店が増えているのは事実です。公式IRの店舗数と決算資料を確認すると、2026年3〜8月の閉店数は75店に達し、前年同期の38店からほぼ2倍に増えました。
注目したいのは、閉店数だけでなく、新規出店との差です。2026年3〜8月は4店を新たに開店したものの、閉店が75店に上ったため、差し引き71店の純減となりました。店舗を増やす局面ではなく、既存の店舗網を見直す動きが進んでいることが分かります。
加えて、ミニストップの公式店舗数一覧では、2026年9月30日時点の国内店舗数が1,721店と公表されています。8月末の1,722店から9月に1店減少しており、店舗数の縮小は上期末で止まったわけではありません。
ただし、「閉店ラッシュ」という言葉から想像される全国一斉の大量閉店や、チェーン全体の営業終了を意味するわけではありません。現時点で確認できるのは、一定期間に閉店が集中し、会社が計画的な店舗整理を進めているという事実です。
したがって、閉店ラッシュの実態を判断するには、閉店店舗数、国内店舗数の推移、業績の3点をあわせて見る必要があります。
【店舗数推移】2026年9月末は1,721店!大手コンビニ3社との比較
ミニストップの店舗数は、2025年8月末の1,817店から2026年8月末には1,722店へ減少しました。1年間で95店の減少です。2026年2月末には1,793店だったため、そこから8月末までの半年間でも71店減っています。
以下は、ミニストップ公式IRと各社の公式店舗数資料をもとに整理した推移・比較です。大手コンビニ3社については、2026年9月末の公表値を採用しています。
| 時点・項目 | 国内店舗数・実績 | 読み解き |
|---|---|---|
| 2025年8月末・ミニストップ | 1,817店 | 前年同期との比較基準 |
| 2026年2月末・ミニストップ | 1,793店 | 前期末の国内店舗数 |
| 2026年3〜8月・ミニストップ | 開店4店・閉店75店 | 純減71店。閉店数は前年同期の38店から増加 |
| 2026年8月末・ミニストップ | 1,722店 | 前年同月末から95店減 |
| 2026年9月末・ミニストップ | 1,721店 | 国内店舗数の最新公表値 |
| 2026年9月末・セブン‐イレブン | 21,956店 | ミニストップの約12.8倍 |
| 2026年9月30日・ファミリーマート | 16,466店 | ミニストップの約9.6倍 |
| 2026年9月末・ローソングループ | 14,639店 | ミニストップの約8.5倍 |
比較すると、ミニストップの国内店舗網は大手3社より大幅に小さく、出店規模の差が明確です。ただし、店舗数は各社のブランドや集計対象の範囲が完全に同一とは限らないため、単純な店舗数だけで企業の収益力や競争力を判断することはできません。
ミニストップには、ソフトクリームやパフェ、店内加工のホットスナックなど、商品を目的に来店してもらう独自の強みがあります。店舗数の拡大だけでなく、こうした商品の魅力を維持しながら、各店舗が安定して利益を出せるかが経営上の焦点です。
なお、ミニストップの国内店舗数は、コンビニ店舗として展開するミニストップ・ポケットの拠点数とは別に公表されています。2026年9月末のミニストップ・ポケットの拠点数は1,924拠点です。これを国内のミニストップ店舗数1,721店に足して、通常のコンビニ店舗数として扱うことはできません。
【閉店理由】不採算店舗の計画閉店が75店に達した背景
今回の閉店増加について、重要な手がかりとなるのが、ミニストップが進めている事業構造改革です。2027年2月期第2四半期の決算関連資料では、加盟店と直営店の店舗構成を適正化し、営業利益の改善につなげるため、不採算店舗を年間80店閉店する計画が示されています。
その計画に対し、2026年8月末までに75店を計画的に閉店しました。年間計画80店に対する進捗率は約93.8%です。3〜8月の閉店75店という数字は、偶然に閉店が重なったというより、会社が収益構造の改善に向けて進めている店舗整理と結びついています。
コンビニは、店舗の売上が一定水準を下回っても、家賃、人件費、光熱費、設備維持費などの負担がすぐになくなるわけではありません。売上が伸び悩む店舗では、営業を続けることが必ずしも会社全体の利益につながらない場合があります。
そのため、経営判断としては、採算の改善が見込めない店舗を閉め、残る店舗への支援や商品政策に経営資源を振り向ける方法があります。ミニストップの計画閉店も、こうした収益構造の見直しという文脈で捉える必要があります。
ただし、75店すべてについて、同じ理由で閉店したと断定することはできません。会社が示しているのは不採算店舗の年間閉店計画と実施状況であり、個々の店舗の契約事情や閉店理由が一律に公表されているわけではないためです。
また、閉店店舗数の増加は、必ずしもそれだけで経営再建の失敗を意味しません。不採算店の整理によって利益が改善するかどうかは、閉店後のコスト削減効果と、営業を続ける店舗の売上・利益がどれだけ回復するかによって決まります。
【業績悪化の背景】営業損失28億円と既存店客数の減少
店舗数の減少と並んで見逃せないのが、2026年10月8日に公表された2027年2月期第2四半期の決算です。ミニストップの連結営業損益は、前年同期の11億1,600万円の黒字から、28億3,600万円の営業損失へ転落しました。経常損失は26億1,100万円、親会社株主に帰属する中間純損失は39億9,500万円です。
一方、連結営業総収入は前年同期の487億2,700万円から510億7,300万円に増えています。収入が増加しているにもかかわらず営業赤字に転じたことから、売上規模だけでは業績を説明できないことが分かります。
店舗運営の実態を把握するうえで重要なのが、既存店の平均日販、客数、客単価、売上総利益率です。ミニストップの上期実績では、既存店の平均日販は前年同期の44万円から42万5,000円に減少。平均客数は668人から636人へ減った一方、平均客単価は660円から668円へ上昇しました。
つまり、1人あたりの購入額は増えているものの、来店する客数が減少し、店舗あたりの売上を押し下げています。客単価が上がっても、来店頻度や客数の減少を補い切れなければ、売上と利益の改善は難しくなります。
特に厳しいのが、ミニストップの特色である店内加工ファストフード部門です。上期の既存店平均日販は、コンビニ商品部門が前年同期の36万1,000円から35万9,000円へ減少したのに対し、店内加工ファストフード部門は8万円から6万5,000円に減少しました。後者の落ち込みは約18.8%に達しています。
売上総利益率も、コンビニ商品部門で26.4%から25.9%、店内加工ファストフード部門で54.0%から53.5%へ低下しました。両部門を合計した売上総利益率は31.4%から30.2%に下がっています。売上だけでなく、粗利益を確保する力にも課題があったことが読み取れます。
会社側が示した業績予想の修正理由では、日配品やホットスナックなどの品ぞろえの遅れに加え、天候不順によって、販売回復を狙っていたカテゴリーの売上が計画を下回ったことが挙げられています。
ただし、月次データには改善の兆しもあります。2026年9月の既存店売上高は前年同月比100.2%となり、店内加工ファストフード部門は107.9%でした。一方、同月の既存店客数は93.5%、客単価は107.2%です。売上高が前年を上回っても、客数の減少が解消したわけではありません。
このため、今後の業績を見る際には、ソフトクリームやパフェなどの人気商品の売上だけでなく、日配品やホットスナックの販売回復、既存店客数の改善、粗利益率の持ち直しをあわせて確認する必要があります。
【ミニストップ閉店店舗一覧】どの店が閉まる?公式IRで分かる範囲
「近所のミニストップも閉店するのか」「閉店した店舗はどこなのか」と気になっている人も多いはずです。しかし、ミニストップ公式IRの月次営業報告で中心となるのは、全国の店舗数や売上、客数などの集計データです。2026年3〜8月に閉店した75店の店名を一括掲載した一覧とは異なります。
そのため、全国の閉店店舗一覧を調べる場合は、全国集計と個別店舗の情報を分けて確認することが大切です。公式の店舗検索は営業中の店舗を探すために役立ちますが、過去の閉店履歴をすべて確認できる一覧とは限りません。
個別店舗の閉店情報を確認する際は、次の3点を確認しましょう。
- 公式の店舗情報:現在の営業店舗や所在地を確認する。
- 店舗ごとの告知:閉店日や最終営業日など、個別に公表された情報を確認する。
- 地域の報道・施設のお知らせ:商業施設内の店舗やテナントの場合は、施設側の告知も確認する。
特に注意したいのが、店舗一覧から掲載がなくなったことと、閉店が正式に確認されたことは必ずしも同じではない点です。移転や名称変更などで掲載状況が変わる可能性もあるため、閉店日や店舗からの告知など、具体的な情報を確認する必要があります。
また、75店という数字は全国合計です。特定の都道府県や地域で75店が閉店したという意味ではありません。公式の2026年9月店舗数一覧では、東京都233店、愛知県172店、千葉県156店など、地域ごとの店舗数も確認できます。地域の店舗事情を調べる場合は、こうした所在地別の情報と個別店舗の告知を照らし合わせるのが確実です。
【今後の見通し】ミニストップはさらに閉店する?注目すべき3つの指標
2026年9月末時点で、ミニストップの国内店舗数は1,721店です。これから閉店が続くかどうかを考えるうえで、まず注目したいのは年間80店という不採算店舗の閉店計画です。上期に75店を閉店しているため、計画上の残りは5店となります。
ただし、残り5店という数字だけで、その後の閉店が止まると判断することはできません。年間計画は特定の期間における方針であり、その後に新しい店舗整理の方針が示される可能性もあります。今後のIRで計画の進捗や新たな施策を確認が必要です。
次に注目すべきなのは、2027年2月期の業績予想です。ミニストップは2026年10月8日、通期連結業績予想を修正し、営業損失28億円、経常損失23億円、親会社株主に帰属する当期純損失50億円を見込む見通しを示しました。店舗整理による費用削減だけでなく、営業損失の縮小や既存店の回復が実現するかが焦点になります。
3つ目は、既存店の客数と商品部門別の売上です。ミニストップはソフトクリームやパフェなど、店内加工商品の魅力を強みとしています。9月には店内加工ファストフード部門の既存店売上高が前年同月を上回りましたが、上期全体では同部門の平均日販が前年を大きく下回りました。1か月の改善が継続的な回復につながるかを見極める必要があります。
読者が今後のニュースを判断する際は、次の基準が役立ちます。
- 閉店計画:年間80店の計画を達成した後、新たな店舗整理の方針が発表されるか。
- 既存店客数:客単価の上昇だけでなく、来店客数そのものが回復するか。
- 商品部門別の実績:店内加工ファストフードや日配品の売上・粗利益率が持ち直すか。
- 営業損益:店舗数を減らした後、営業損失が縮小し、利益改善につながるか。
閉店数が多いことだけで、経営再建が成功しているとも失敗しているとも判断できません。不採算店の整理によって利益が改善し、残る店舗の競争力が高まるのであれば、店舗数の減少が経営改善の一部となる可能性があります。反対に、客数や利益率の低下が続く場合は、閉店だけでは根本的な問題を解決できないことになります。
【ミニストップ閉店ラッシュ】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:ミニストップの閉店ラッシュは本当ですか?
A1:はい。公式IRによると、2026年3〜8月は開店4店に対して閉店75店で、71店の純減となりました。前年同期の閉店38店から増えており、店舗整理が進んでいることは数字で確認できます。
Q2:ミニストップが閉店している主な理由は何ですか?
A2:会社は、営業利益の改善に向けて不採算店舗を年間80店閉店する計画を進めています。加えて、既存店の客数減少や店内加工ファストフード部門の販売不振など、収益面の課題もあります。ただし、個々の店舗の閉店理由がすべて同じとは限りません。
Q3:2026年9月末のミニストップは何店舗ありますか?
A3:国内店舗数は1,721店です。2026年8月末の1,722店から1店減少しました。ベトナムの183店は海外店舗として別に集計されています。
Q4:閉店する店舗の一覧はどこで確認できますか?
A4:ミニストップ公式IRでは、月次の店舗数や業績を確認できます。ただし、2026年3〜8月に閉店した75店すべての店名をまとめた一覧とは異なります。個別店舗の閉店日などは、店舗ごとの告知や地域の報道、施設のお知らせなどを確認してください。
Q5:ミニストップは全国から撤退するのでしょうか?
A5:2026年9月末時点では国内1,721店が営業店舗として公表されており、今回の閉店数だけから全国撤退を判断することはできません。今後は、閉店計画の更新、店舗数の推移、既存店客数や業績の改善状況を確認が必要です。
まとめ:ミニストップ閉店ラッシュの真相と今後の判断基準
2026年のミニストップ閉店ラッシュは、公式IRの数字からも確認できます。2026年3〜8月に75店が閉店し、国内店舗数は同年9月末に1,721店となりました。会社が進める不採算店舗の年間80店の閉店計画が、店舗数減少の大きな背景にあります。
一方、業績面では2027年2月期第2四半期に連結営業損失28億3,600万円を計上しました。既存店の客数減少や店内加工ファストフード部門の販売不振など、店舗整理だけでは解決できない課題も残っています。9月には既存店売上高が前年を上回ったものの、客数は前年割れでした。
【プロの結論】 ミニストップの今後を見極めるうえで重要なのは、閉店数そのものではなく、閉店後に残る店舗の利益が改善するかどうかです。年間閉店計画の進捗、既存店客数、商品部門別の売上、営業損益をあわせて確認することで、店舗整理が経営再建につながっているかを判断できます。
今後も閉店情報が出る可能性はありますが、閉店ラッシュという言葉だけで全国撤退やチェーン消滅を結論づけるのは早計です。ミニストップの再建を評価するうえでは、店舗網の縮小と収益力の回復が同時に進んでいるかを、公式IRの最新データで追うことが大切です。