マイナンバーカードの期限が切れると、本人確認書類として使えなくなるのか、マイナ保険証で病院を受診できるのか、不安に感じる人もいるでしょう。実は、マイナンバーカードには「カード本体」と「電子証明書」の2種類の有効期限があり、どちらが切れたかによって利用できなくなるサービスや必要な手続きが異なります。
2026年10月時点で確認できるデジタル庁、厚生労働省、地方公共団体情報システム機構(J-LIS)、国税庁の公式案内をもとに、期限切れで起こる影響、マイナ保険証を使える期間、更新できる時期、手数料、具体的な手続きまで整理しました。通知書が届いていない場合や、すでに期限が切れてしまった場合の対応も解説します。
【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:カード本体の有効期限は原則10年(18歳未満で発行した場合は5年)、電子証明書は年齢にかかわらず5年。期限切れの影響は異なる。
- 要点2:電子証明書の期限切れ後も、マイナ保険証は期限満了月の末日から3か月間、保険資格の確認に利用できる。ただし、診療情報・薬剤情報の提供などには制限がある。
- 要点3:更新は有効期限の3か月前から可能。通常の期限満了に伴う更新手数料は無料で、電子証明書の更新は市区町村窓口で行う。
【まず確認】マイナンバーカード期限切れで何が使えなくなる?本体と電子証明書の違い
マイナンバーカードの期限切れで最初に確認すべきなのは、カード本体と電子証明書のどちらの期限が切れたのかという点です。両者は別々に管理されており、カード本体が有効でも電子証明書だけが期限切れになっているケースがあります。
デジタル庁の「マイナンバーカードおよび電子証明書の有効期限・更新」では、それぞれの有効期間と期限切れによる影響が案内されています。
| 比較項目 | カード本体 | 電子証明書 |
|---|---|---|
| 原則の有効期間 | 発行時に18歳以上なら10年、18歳未満なら5年 | 年齢にかかわらず5年 |
| 主な役割 | 顔写真付きの本人確認書類など | オンラインでの本人確認、電子署名、各種サービスへのログインなど |
| 期限切れの主な影響 | 本人確認書類として利用できなくなる | マイナポータル、コンビニ交付、電子申請などが利用できなくなる |
| マイナ保険証への影響 | カード本体の期限切れでは、電子証明書の期限切れに設けられた3か月間の措置をそのまま適用できない | 期限切れ後も所定の3か月間は保険資格の確認に利用できる |
| 更新手続き | 新しいカードの交付申請と受け取りが必要 | 住民登録のある市区町村窓口で更新・再発行 |
| 通常の期限満了による更新費用 | 無料 | 無料 |
カード本体の有効期限が切れた場合
カード本体の有効期限が切れると、原則として顔写真付きの本人確認書類として使用できなくなります。カードに搭載された電子証明書も、そのカードを使ったサービス利用には使えなくなるため、新しいカードの交付を受ける手続きが必要です。
ただし、マイナンバーそのものが失効するわけではありません。カードの有効期限と、個人に割り当てられた12桁のマイナンバーは別のものです。期限切れによって、マイナンバー自体が変更されたり、住民票に記載された番号が無効になったりするわけではありません。
電子証明書だけが期限切れになった場合
電子証明書は、ICチップに搭載された本人確認のための仕組みです。主に、インターネット上で本人であることを証明する「利用者証明用電子証明書」と、電子申請などで本人が作成したデータであることを証明する「署名用電子証明書」があります。
電子証明書の有効期間は、発行から5回目の誕生日までです。カード本体の期限が残っていても、電子証明書が期限切れになれば、マイナポータルへのログインやコンビニでの証明書交付、電子署名を伴うオンライン手続きなどに支障が出ます。
つまり、カードの表面に記載された本体の有効期限だけを確認して安心するのは禁物です。特に、カードを取得してから5年前後が経過している場合は、電子証明書の期限も確認してください。
【マイナ保険証】期限切れ後も3か月間使える?受診時の注意点
電子証明書の有効期限が切れても、すぐにマイナ保険証による受診ができなくなるわけではありません。厚生労働省の案内では、電子証明書の有効期限が切れた場合でも、所定の3か月間は医療機関や薬局で保険資格の確認ができる仕組みが設けられています。
ただし、この措置はカード本体の有効期限切れとは区別する必要があります。また、期限切れ後の3か月間に利用できる機能にも制限があります。
電子証明書の期限切れ後、3か月間にできること
電子証明書が期限切れになっても、期限満了日が属する月の末日から3か月間は、マイナ保険証として保険資格の確認に利用できます。この期間中は、医療機関や薬局で通常どおり受付を行える仕組みです。
ただし、確認できるのは保険資格に関する情報です。診療情報や薬剤情報などを提供する機能は利用できません。医療機関で保険資格を確認できることと、電子証明書を使うすべてのサービスが利用できることは別問題です。
また、3か月という期間は、単純に期限が切れた日から90日間と考えるのではなく、期限満了日が属する月の末日を基準とする点にも注意してください。正確な期限は、カードの有効期限と更新状況を確認したうえで判断しましょう。
3か月を過ぎたらどうなる?資格確認書の役割
電子証明書の期限切れから所定の期間を過ぎると、マイナ保険証としての利用ができなくなります。その場合に備え、加入している医療保険者から交付されるのが「資格確認書」です。
厚生労働省によると、マイナンバーカードを健康保険証として利用登録していない人などには、資格確認書が原則として申請不要・無償で交付されます。また、電子証明書の期限切れ後も更新せず、有効な健康保険証を持っていない場合には、資格確認書が交付される仕組みが案内されています。
資格確認書を提示すれば、マイナ保険証を利用しなくても保険診療を受けられます。ただし、交付時期や自身の加入状況は確認が必要です。期限切れが迫っている人は、加入する健康保険の保険者や市区町村に問い合わせ、必要な書類が手元にあるか確認しておきましょう。
2026年は従来の健康保険証ではなく、マイナ保険証か資格確認書を確認
厚生労働省の案内では、従来の健康保険証の有効期限は2025年12月1日で終了しています。2026年に医療機関や薬局を受診する際は、基本的にマイナ保険証または資格確認書を提示することになります。
なお、スマートフォンにマイナンバーカードを追加してマイナ保険証として利用している場合も、元となるカード本体や電子証明書が失効すると、スマートフォン側も連動して失効します。スマートフォンに登録してあるからといって、期限切れの影響を受けないわけではありません。
【有効期限の確認方法】カード本体・電子証明書はどこを見ればいい?
更新の必要性を判断するには、まず有効期限を正確に確認しましょう。通知書が届くのを待つ必要はありません。カード本体と電子証明書は、確認する場所が異なります。
カード本体の有効期限は券面を確認
マイナンバーカード本体の有効期限は、カードの表面に印字されています。まずは券面の「有効期限」の欄を確認してください。
発行時に18歳以上だった人は原則として発行から10回目の誕生日まで、18歳未満だった人は発行から5回目の誕生日までです。ただし、2022年3月31日までに交付申請した20歳未満の人には、当時の制度に基づく5年の有効期間が適用される場合があります。
電子証明書の有効期限は券面またはマイナポータルで確認
電子証明書の有効期限は、カード表面にある「電子証明書の有効期限」の欄に記入されています。カードを受け取った際に窓口で記入してもらっている場合もあれば、自分で記入する場合もあります。
記入されていない場合は、マイナポータルにログインし、トップページから「マイナンバーカード」を選択すると、有効期間満了日を確認できます。
ただし、電子証明書がすでに期限切れになっていると、マイナポータルへのログイン自体ができない場合があります。その場合は、カードの券面を確認するか、住民登録のある市区町村窓口に問い合わせてください。
更新アラートや有効期限通知書も見逃さない
厚生労働省によると、電子証明書の有効期限が近づくと、医療機関や薬局の顔認証付きカードリーダーに更新を促すアラートが表示されます。案内の対象となる期間は、有効期限の3か月前から3か月後までです。
また、J-LISからは、有効期限の2~3か月前を目安に「有効期限通知書」が送付されます。通知書には、カード本体と電子証明書のどちらが更新対象なのかが記載されています。届いたら、対象となる期限を確認し、必要な手続きを進めましょう。
【2026年最新】マイナンバーカードの更新手続きと必要書類
更新方法は、カード本体を更新する場合と、電子証明書だけを更新する場合で異なります。カード本体の更新は新しいカードの交付申請が必要ですが、電子証明書の更新は原則として現在のカードを持参して市区町村窓口で行います。
更新はいつからできる?原則3か月前から
デジタル庁とマイナンバーカード総合サイトの案内では、カード本体・電子証明書ともに、有効期限までの期間が3か月未満になった日から更新手続きが可能です。
例えば、有効期限が2026年12月15日の場合、原則として2026年9月15日ごろから更新手続きを始められます。正確な開始日は有効期限から逆算して確認してください。通知書が届いていなくても、更新可能期間に入っていれば手続きを進められます。
カード本体の更新は4つの方法から申請
カード本体の更新では、新しいカードの交付申請を行い、その後、市区町村窓口で新しいカードを受け取ります。主な申請方法は次の4つです。
- スマートフォン:申請書のQRコードを読み取り、顔写真などを登録してオンライン申請する。
- パソコン:申請書に記載された申請情報を使い、オンラインで手続きする。
- 証明写真機:対応する証明写真機から申請する。
- 郵送:申請書に必要事項を記入し、顔写真を添えて送付する。
J-LISの案内では、申請書に申請書IDが記載されていない場合、郵送での申請となることがあります。申請前に、手元の申請書で利用できる方法を確認してください。
申請後は、市区町村から届く交付通知書に従って新しいカードを受け取ります。デジタル庁によると、申請から交付通知書が届くまでの目安は約1か月ですが、申請数や自治体によって異なります。受け取りが予約制の自治体もあるため、期限直前ではなく余裕を持って申請するのが安心です。
電子証明書の更新は市区町村窓口で行う
電子証明書の更新は、オンラインでは完結できません。オンラインでの本人確認に使う電子証明書を発行するため、対面で本人確認を行う必要があるからです。
基本的には、次のものを準備して住民登録のある市区町村窓口へ向かいます。
- 現在のマイナンバーカード
- 有効期限通知書(手元にある場合)
- カードに設定した暗証番号
- 自治体が指定する本人確認書類など(必要な場合)
利用者証明用電子証明書の暗証番号は数字4桁、署名用電子証明書の暗証番号は原則として英数字6~16文字です。暗証番号が分からない場合やロックされている場合は、窓口での対応方法を事前に確認してください。
有効期限通知書がなくても更新手続きは可能です。ただし、自治体によっては予約が必要な場合や、追加書類が求められる場合があります。出向く前に、市区町村の公式案内を確認しておきましょう。
期限が切れてしまっても更新できる
有効期限を過ぎてしまった場合でも、電子証明書の再発行やカード本体の更新手続きは可能です。期限切れになったからといって、永久に更新できなくなるわけではありません。
ただし、電子証明書が期限切れになると、マイナポータルへのログインやコンビニ交付、e-Taxなどの機能に影響が出ます。カード本体の期限切れでは、本人確認書類としても使えなくなります。期限切れに気づいたら、住民登録のある市区町村へ早めに相談してください。
【更新手数料は無料】有効期限通知書が届かない場合の対応
マイナンバーカードや電子証明書の更新で気になるのが費用と通知の有無です。デジタル庁とJ-LISの公式案内では、通常の有効期限満了に伴う更新手数料はいずれも無料とされています。
期限満了による更新は無料。紛失・破損による再交付とは別
カード本体の有効期限が切れることによる更新も、電子証明書の有効期限に伴う更新も、通常は手数料がかかりません。更新のために新しいカードが必要になった場合でも、期限満了による通常の更新であれば無料です。
ただし、カードを紛失した場合や破損した場合など、期限満了とは異なる理由で再交付を受けるときは、有料になることがあります。また、古いカードを返納できない場合なども取り扱いが異なるため、該当する人は市区町村に確認してください。
有効期限通知書が届かなくても更新できる
有効期限通知書は、期限が近づいたことを知らせるための案内です。通知書が届かなかったからといって、更新できなくなるわけではありません。
J-LISによると、通知書が手元になくても更新手続きは可能です。郵便事情などで届かない場合や、自治体に返送されている場合もあるため、更新時期に入っているのに案内が見当たらないときは、住民登録のある市区町村へ問い合わせましょう。
特に注意したいのは、カード本体の更新と電子証明書の更新を混同しないことです。通知書の「有効期限が到来するもの」欄を確認し、どちらの更新が必要なのかを把握してから手続きを進めてください。
【プロの結論】期限切れで困らないための判断基準と対処法
マイナンバーカードの期限切れで混乱しやすいのは、カード本体と電子証明書の期限が異なること、そしてマイナ保険証に限って電子証明書の期限切れ後に経過措置があることです。対応を誤らないためには、次の3点を押さえておく必要があります。
判断基準1:本人確認書類が必要ならカード本体の期限を確認
銀行などの窓口や各種契約で本人確認書類として利用する予定があるなら、まずカード本体の有効期限を確認してください。電子証明書が有効でも、カード本体の期限が切れていれば、期限切れのカードを有効な本人確認書類として使うことはできません。
判断基準2:オンライン手続きが必要なら電子証明書を確認
マイナポータル、コンビニ交付、e-Tax、電子申請などを利用する人は、電子証明書の期限を優先して確認しましょう。カード本体の期限が残っていても、電子証明書が期限切れならサービスを利用できない場合があります。
国税庁の案内では、e-Taxで利用する電子証明書が期限切れの場合、電子署名を必要とする申告データの送信などに支障が生じます。マイナンバーカードの電子証明書を更新した場合、通常はe-Taxのマイナンバーカード方式を再度利用開始する手続きは不要ですが、更新情報が反映されるまで約1時間かかる場合があります。
確定申告の時期に期限切れが判明すると、窓口の混雑や申告準備への影響が考えられます。申告や行政手続きの予定がある人ほど、通知書を受け取った段階で早めに更新するのが合理的です。
判断基準3:医療機関の受診予定があるなら3か月の猶予を過信しない
電子証明書の期限切れ後も、マイナ保険証として保険資格を確認できる期間はあります。しかし、その期間中もすべての機能が使えるわけではなく、カード本体の期限切れに同じ猶予が適用されるわけでもありません。
医療機関を受診する予定がある場合は、電子証明書の期限を確認したうえで更新し、必要に応じて資格確認書の交付状況も確認してください。3か月間の経過措置は、更新を先延ばしにするためではなく、期限切れに気づいた人が受診できなくなる事態を防ぎながら手続きを進めるための仕組みと理解することが大切です。
【マイナンバーカード期限切れ】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:マイナンバーカードの期限が切れたら、すぐに使えなくなりますか?
A1:カード本体の期限が切れると、原則として本人確認書類として使えなくなります。一方、電子証明書だけが期限切れの場合は、カード本体の期限が残っていれば、本人確認書類として利用できる場合があります。ただし、マイナポータルやコンビニ交付などの電子証明書を使うサービスには影響が出るため、どちらの期限が切れたか確認してください。
Q2:電子証明書の期限が切れてから3か月を過ぎても、マイナ保険証を使えますか?
A2:所定の経過措置が終わると、期限切れの電子証明書を使ったマイナ保険証の利用はできなくなります。資格確認書を持っていれば、そちらを提示して保険診療を受けられます。交付状況が分からない場合は、加入する医療保険の保険者に確認してください。
Q3:有効期限通知書が届いていない場合や、期限が過ぎてしまった場合でも更新できますか?
A3:更新できます。通常の更新手続きは有効期限の3か月前から可能で、通知書が手元になくても手続きできます。期限切れ後も更新・再発行は可能ですが、カード本体と電子証明書で手続きが異なるため、住民登録のある市区町村窓口に確認してください。
まとめ:2026年はカード本体と電子証明書の期限を別々に確認しよう
マイナンバーカードの期限切れへの対応は、カード本体と電子証明書を区別することから始まります。カード本体は原則10年(18歳未満で発行した場合は5年)、電子証明書は年齢にかかわらず5年で、電子証明書の期限切れはマイナポータルやコンビニ交付、e-Taxなどにも影響します。
マイナ保険証については、電子証明書の期限切れ後も所定の3か月間は保険資格の確認に利用できますが、診療情報・薬剤情報の提供には制限があります。カード本体の期限切れと同じ扱いではないため、注意が必要です。
更新は有効期限の3か月前から始められ、通常の期限満了による更新手数料は無料です。カード本体は申請後に新しいカードを受け取り、電子証明書は市区町村窓口で更新します。有効期限通知書が届かない場合や、すでに期限が切れている場合でも、更新の相談は可能です。
まずは手元のカードで本体と電子証明書の有効期限を確認し、期限が近ければ早めに手続きを進めましょう。医療機関の受診や確定申告などの予定がある人ほど、期限切れになる前の更新が、手続きの遅れやサービス利用のトラブルを防ぐ近道です。