車酔いや乗り物での移動中、子どもの急な吐き気、災害時の体調不良などに備えておきたいのが、エチケット袋です。市販の嘔吐袋が手元になくても、新聞紙と身近な袋を組み合わせれば、持ち運びやすい簡易タイプを手作りできます。
ただし、新聞紙だけで作った袋には、防水性や密閉性の限界があります。実際に使うことを想定するなら、折り方だけでなく、内側に入れる袋の選び方、漏れを防ぐ工夫、使用後の処理方法まで押さえておくことが大切です。2026年の防災備蓄や外出時の準備にも役立つよう、材料の選び方から具体的な作り方まで順番に解説します。
【この記事の重要ポイントまとめ】
- 基本の作り方:新聞紙を折って外袋を作り、内側にポリ袋をセットすると使いやすいエチケット袋になる。
- 漏れ防止の要点:新聞紙は防水素材ではないため、液体を受け止める役割は内側の丈夫な袋に持たせる。
- 外出・防災対策:予備の袋、吸収用のペーパー、手袋などもまとめて携帯すると、使用時と使用後の対応がしやすい。
【まず確認】新聞紙で作るエチケット袋は「外袋と内袋」の組み合わせが基本

新聞紙を使ったエチケット袋の利点は、手に入りやすい材料で外袋を作れ、使わないときは平たく収納できることです。紙を重ねれば形を保ちやすくなり、袋の口を広げた状態でも扱いやすくなります。
一方、新聞紙は水分を吸収する素材であり、防水性を備えた容器ではありません。嘔吐物の量や水分量によっては、紙がふやけたり、底が破れたりするおそれがあります。そのため、実用性を重視するなら、新聞紙を外側の補強材、ポリ袋を内側の受け皿として使う方法がおすすめです。
ここで区別しておきたいのは、吐き気がある人が使用する「受け止め用の袋」と、床などに飛び散った嘔吐物を処理するための「清掃用品」は別物だという点です。手作りのエチケット袋は前者に使うもので、汚染された床の消毒や感染対策まで代用できるわけではありません。
【作り方を実践】必要な材料から新聞紙の折り方、袋の口の留め方まで
まずは、特別な道具を使わずに作れる基本形を紹介します。新聞紙の折り方には複数の方法がありますが、今回は袋状の外側を作り、内側にポリ袋をセットする手順です。
用意する材料
- 新聞紙:見開き1枚。強度を高めたい場合は2枚重ねにする
- ポリ袋:新聞紙の外袋に収まる大きさのものを1枚。丈夫なものを選ぶ
- ティッシュペーパーまたはペーパータオル:必要に応じて吸収用に用意する
- テープ:新聞紙の継ぎ目を補強する場合に使用する
- 予備のポリ袋:使用後の二重包装用
新聞紙は、極端に湿っているものや破れかけているものを避けましょう。テープは外袋の補強に使い、液体を密閉する役割はポリ袋に持たせます。
手順1:新聞紙を広げ、底になる部分を折る
新聞紙を広げ、横長になるように置きます。下側の端を上に向かって8〜10cm程度折り上げ、折り目をしっかり付けます。この部分が袋の底を作るときの目安になります。
新聞紙の大きさによって適切な幅は変わるため、数字は目安として考えてください。小さな袋にしたい場合は新聞紙を小さく折り、大きな袋にしたい場合は広い面を使います。
手順2:左右を折り、筒状にする
新聞紙を裏返し、左右の端を中央に向かって折ります。片側の端をもう一方に数cmほど重ね、重なった部分を内側に差し込んで筒状にします。差し込みが浅いと開きやすくなるため、重なりを十分に確保してください。
差し込みだけでは形が安定しない場合は、継ぎ目の外側をテープで補強します。紙の厚みが足りない場合は、新聞紙を2枚重ねてから同じ手順で折ると、外袋の強度を補いやすくなります。
手順3:底を作り、袋の形を整える
筒状になった新聞紙の下側を、先ほど付けた折り目に沿って上へ折り上げます。折り上げた部分を開き、左右の角を三角形になるように広げて押さえます。
底にできた上下の三角形を中央に向けて折り、片側をもう一方の折り込み部分に差し込みます。差し込みが難しい場合は、外側からテープで補強してください。袋を開き、底を四角く整えれば外袋の完成です。
この折り方は、新聞紙で作る一般的な紙袋の構造を応用したものです。金沢市などが紹介する新聞紙の回収袋にも、紙を重ねる、筒状にする、底を折って袋にするという考え方が使われています。ただし、回収袋は嘔吐物用の防水容器として設計されたものではありません。
手順4:内側にポリ袋をセットする
完成した新聞紙の外袋を開き、その中にポリ袋を入れます。ポリ袋の口を外袋の縁から少し外側へ折り返すと、使用中に内袋がずれにくくなります。
ポリ袋の底が新聞紙の底まで届いているか、内袋に穴が開いていないかを確認してください。必要に応じて、内袋の底にペーパータオルを入れておくと、少量の液体が出た場合の吸収を補助できます。ただし、ペーパー類を入れても漏れ防止が保証されるわけではありません。
手順5:口を留められる状態にしておく
使用前は、すぐに使えるよう袋の口を広げておきます。使用後に閉じられるよう、ポリ袋の口には結べるだけの余裕を残しておくこともポイントです。
袋を閉じるときは、内袋の口をねじって結ぶ方法が基本です。チャック付きの袋なら、口を閉じられる構造かどうかを確認したうえで使用できます。新聞紙の外袋だけを折り畳んでも、内袋の密閉にはなりません。
【漏れ防止のコツ】車酔いや子どもの使用で失敗しないための工夫
エチケット袋は、作った直後の見た目よりも、使用時に口が開くこと、底が破れないこと、使用後に安全に閉じられることが重要です。特に車内や移動中は、揺れによって袋に負荷がかかるため、事前の準備に差が出ます。
漏れを防ぐためのチェックポイント
- 新聞紙だけで液体を受け止めない:内袋には破れにくいポリ袋を使用する。
- 底の折り目を確認する:外袋の底が開いていないか、継ぎ目が外れていないかを確認する。
- 内袋の口を外側に折り返す:使用中に内袋が中へ落ち込むのを防ぎやすくする。
- 袋を満杯にしない:閉じるための余裕を確保し、移動中に内容物が口へ近づきすぎないようにする。
- 使用後に押しつぶさない:空気を無理に抜こうとすると、内容物が飛び散るおそれがある。
なお、手作り袋に水を入れて漏れないか試す方法は、実際の使用条件を再現できるものではありません。事前確認をする場合も、袋の継ぎ目や底、内袋の状態を目視で確認することを基本にしてください。
車酔い対策では、取り出しやすさも重要
車に乗るときは、運転者が運転操作を続けられるようにしながら、同乗者がすぐに袋を取り出せる場所へ準備します。運転者自身に強い吐き気がある場合は、安全な場所に停車してから対応してください。
袋は、口を広げやすい形に整えておくと使いやすくなります。走行中に荷物の奥から探す必要がないよう、ティッシュや予備袋と一緒に小さなポーチへまとめておくのも方法の一つです。
子ども用はサイズと安全性を優先する
子ども用のエチケット袋は、子どもが無理なく持てる大きさで、口を広げやすいものを選びます。ただし、小さな子どもにポリ袋を持たせる場合は、窒息事故を防ぐため、必ず大人が見守ってください。袋を頭にかぶせたり、顔の近くで遊ばせたりしてはいけません。
嘔吐の兆候が見られたら、袋を準備するだけでなく、座る姿勢を安定させ、周囲の人や衣服を汚さないように配慮します。繰り返し吐く、ぐったりしている、水分を取れないなどの症状がある場合は、袋の準備だけで済ませず、医療機関への相談を検討してください。
【比較表】新聞紙の袋・ポリ袋・市販の嘔吐袋はどう使い分ける?
エチケット袋の代用品を選ぶ際は、材料が身近にあるかどうかだけでなく、防水性、閉じやすさ、持ち運びやすさを比較する必要があります。用途ごとの特徴を整理すると、次のようになります。
| 種類 | メリット | 注意点・適した用途 |
|---|---|---|
| 新聞紙だけの袋 | 材料を入手しやすく、外形を作りやすい | 防水性がなく、嘔吐物を受け止める用途には不向き |
| 新聞紙+ポリ袋 | 外袋で形を保ち、内袋で液体を受け止められる | 内袋の破損や口の閉め忘れに注意。簡易的な備え向き |
| ポリ袋+ペーパータオル | 材料が少なく、急な吐き気に対応しやすい | 袋の強度と密閉性を確認する必要がある |
| 市販の嘔吐袋 | 口の形状や吸収材など、用途に合わせた製品を選べる | 製品ごとの使用方法に従う。日常の携帯用に向いている |
漏れ防止を最優先するなら、市販の嘔吐袋が選択肢になります。製品によっては吸収材や凝固剤を備えており、液体を処理しやすい構造になっています。ただし、吸収材の有無や対応できる量は製品ごとに異なるため、パッケージの説明を確認してください。
新聞紙とポリ袋を組み合わせる方法は、手元の材料を活用したい場合に便利です。一方で、紙袋だけで防水性や密閉性を確保できると考えるのは誤りです。用途に応じて、市販品と手作り品を使い分けるのが現実的です。
【持ち運び・防災対策】新聞紙がないときの代用品と備蓄方法
新聞紙がない場合は、広告チラシや包装紙などを外袋の材料として使う方法があります。ただし、紙の厚みや大きさによって強度が異なるため、折りやすさだけで判断しないことが大切です。薄い紙や破れやすい紙は、外袋の補強材としても十分な強度を得られない場合があります。
外袋に使える代用品
- 広告チラシ:大きさと厚みが十分なら、新聞紙の代わりに外袋を作れる。
- 包装紙:折り目を付けやすいものなら外袋に利用できる。
- 丈夫なポリ袋:外袋を作らず、そのまま受け止め用に使える場合がある。
- 市販の嘔吐袋:吸収材や口の構造を含め、用途に合わせて選べる。
どの代用品を選ぶ場合も、紙素材だけで液体を密閉しようとしないことが基本です。また、使い古した袋や傷のある袋は、漏れの原因になるため避けましょう。
持ち運びは「使用前」と「使用後」を分けて考える
外出時には、折り畳んだ新聞紙の外袋、未使用のポリ袋、ペーパータオル、予備のポリ袋をまとめておくと、必要なときに取り出しやすくなります。使用後の袋を入れる予備袋も、最初から別に用意しておくと安心です。
車内では、直射日光や高温になる場所を避けて保管し、袋が劣化していないか定期的に確認します。子どもと出かける場合は、必要なものを大人が管理し、子どもがポリ袋を自由に取り出して遊ばないようにしてください。
防災グッズとして備える場合も、エチケット袋だけを用意すれば十分というわけではありません。政府広報オンラインの防災備蓄に関する案内でも、携帯トイレやポリ袋、衛生用品などを組み合わせた備えが紹介されています。嘔吐に備える場合は、使い捨て手袋、マスク、ペーパータオル、密閉できる袋なども一緒に準備すると、使用後の衛生管理に対応しやすくなります。
なお、携帯トイレは排せつ物を処理するための製品であり、すべての製品が嘔吐物の受け止め用に適しているわけではありません。用途に合った製品を選び、製品の使用説明を確認してください。
【嘔吐物の処理注意点】袋を閉じた後も感染対策を忘れない
嘔吐物には、原因によっては感染性の病原体が含まれていることがあります。厚生労働省の「ノロウイルスに関するQ&A」では、吐ぶつが感染源となる可能性や、処理時に汚染を広げないための注意が説明されています。袋を用意しておくことに加え、使用後の扱いも考えておく必要があります。
使用済みの袋は静かに閉じ、二重包装する
使用後は、内容物が飛び散らないように内袋の口を静かに閉じます。結べる場合は口をねじって結び、さらに別のポリ袋へ入れて密閉します。袋を強く押したり、空気を無理に押し出したりすることは避けてください。
使用したペーパータオルや手袋なども、汚染状況に応じて適切に処分します。廃棄方法は自治体のルールや製品の説明に従い、公共の場所では施設管理者の指示を確認してください。
床に飛び散った嘔吐物は別の手順で処理する
床や衣服などに嘔吐物が付着した場合は、エチケット袋へ入れるだけでは衛生対策として不十分です。政府広報オンラインや厚生労働省の案内では、使い捨ての手袋やマスクなどを着用し、ペーパータオル等で飛び散らないように静かに取り除き、汚染場所を適切に消毒する手順が示されています。
ノロウイルスなどが疑われる場合、消毒用アルコールだけで十分な効果が得られるとは限りません。塩素系消毒剤を使う際は、対象物や製品に応じた濃度・使用方法を公的な案内や製品表示で確認し、換気を行ってください。酸性洗剤などと混ぜることは危険です。
嘔吐物の処理後は、使用した手袋などを適切に処分し、石けんと流水で丁寧に手を洗います。感染症が疑われる場合や、家庭内で嘔吐が続く場合は、地域の保健・医療機関の案内に従うことも大切です。
【エチケット袋新聞紙作り方】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:新聞紙1枚だけでエチケット袋を作れますか? A1:外袋の形を作ることはできますが、新聞紙は防水性がありません。嘔吐物を受け止める用途では、内側に丈夫なポリ袋を入れて使う方法が適しています。
Q2:エチケット袋の口はどうやって留めればよいですか? A2:使用後に内側のポリ袋の口を静かにねじり、結んで閉じる方法が基本です。チャック付きの袋を使う場合は、内容物に対応できる構造かを確認してください。閉じた後は、必要に応じて別の袋へ入れて二重包装します。
Q3:新聞紙がないときは何で代用できますか? A3:広告チラシや包装紙を外袋に利用できます。丈夫なポリ袋や市販の嘔吐袋を使う方法もあります。紙だけで液体を受け止めるのではなく、防水性のある内袋を用意することが大切です。
Q4:車酔い対策として、手作りのエチケット袋を車内に置いてもよいですか? A4:予備のポリ袋やペーパータオルと一緒に準備しておく方法があります。ただし、高温になる場所を避け、袋の劣化を確認してください。運転者に吐き気がある場合は、安全な場所に停車してから対応します。
Q5:新聞紙のエチケット袋は防災グッズとして役立ちますか? A5:簡易的な備えとして活用できます。ただし、新聞紙だけでは防水性や密閉性を確保できません。市販の嘔吐袋、丈夫なポリ袋、手袋、マスク、ペーパータオルなども組み合わせて準備すると、より幅広い状況に対応できます。
まとめ:新聞紙の手作り袋は内袋と衛生対策をセットで備える
新聞紙を折って作るエチケット袋は、身近な材料を活用でき、車酔いや子どもの急な吐き気、外出時の備えなどに役立ちます。作り方の基本は、新聞紙で外袋を作り、内側にポリ袋をセットして、底と継ぎ目を確認することです。
ただし、新聞紙は防水素材ではなく、紙袋だけで嘔吐物の漏れや感染リスクを防ぐことはできません。使用後は内袋を静かに閉じ、必要に応じて二重包装し、嘔吐物が周囲に付着した場合は適切な処理と消毒を行う必要があります。
手軽さを優先するなら新聞紙とポリ袋の組み合わせ、密閉性や処理のしやすさを重視するなら市販の嘔吐袋が選択肢です。普段の外出用と防災備蓄用で必要なものを分けて準備し、使う場面に合った方法を選んでください。